Webデザイナーのキャリアパス7選|求められるスキルと成功ポイント

Webデザイナーのキャリアパス7選|求められるスキルと成功ポイント

Webデザイナーがキャリアパスを描くときは、将来を見据えて戦略的に考えることが大切です。デザイナーに求められるスキルは時代とともに変化しており、さまざまなスキルが求められるようになっています。

この記事では、Webデザイナーのキャリアパスと具体的なキャリアプランの立て方、成功させるポイントについて解説します。スキルと実績をどのように積み上げ、理想のキャリアパスを描くにはどうしたらよいのか迷っている方は参考になさってください。

Webデザイナーの市場動向と将来性

近年、企業のデジタル化が進んだことで、Webデザイナーの需要が高まりつつあります。ライバルが多いなかで、理想のキャリアパスを歩むには、市場の動向と将来性を把握することが大切です。

企業が求めるWebデザイナーが不足している

Webデザイナーの需要は増加しているものの、企業が求めるスキル要件も高くなっています。デザイン制作のスキルだけではなく、UI/UXの設計やデータ分析、コーディングなどのスキルをもつWebデザイナーが求められているのです。

即戦力を備えたWebデザイナーなら、すぐにでも転職先の決定や案件の獲得につなげられるでしょう。デザイナーの人口は201,100人といわれていますが、そのうちデザイン制作だけではなく、経営においても需要が広がっていることから、求められるスキルも高くなっています。しかし、スキル習得は簡単ではありません。求められるスキルを把握して、キャリアアップのための戦略を立てることが大切です。

活躍し続けるにはスキルアップが大切

Webデザイナーとして活躍し続けるには、企業がどのようなスキルを求めているのかを把握し、そのスキルを磨き続けていく必要があります。近年はノーコードツールで基本的なデザインなら、スキルが無くても制作できるようになりました。そのため、活躍し続けるにはコーディングやマーケティングなどの知識を身につけて、プロジェクトをリードできるスキルが重要です。

Webデザイナーとしてキャリアパスを考えたときに、定期的な学習や実務経験、資格取得などへの取り組みは大きなメリットとなるでしょう。

(参考:公益財団法人日本デザイン振興会「デザイン白書2024」)

Webデザイナーのキャリアパス7選

Webデザイナーのキャリアパスは多岐にわたります。ここでは、Webデザイナーの代表的な7つのキャリアパスについて解説します。

1. アートディレクター

アートディレクターは、ビジュアルデザインの進行や品質を管理するのが仕事です。クライアントとのヒアリングをもとに、要件を定義し、デザイナーやエンジニアと連携してプロジェクトを進めます。そのため、デザインだけではなく、ブランディングやマーケティングなど幅広い知識が求められるのが特徴です。

一般的に経験を積んだデザイナーのキャリアパスとして選ばれる職種です。ある程度、実務経験を積んだらマネジメント業務に挑戦すると良いようです。

<年収相場>
551.4万円
(参考:職業情報提供サイトjobtag|アートディレクター

<役立つ資格>

  • アドビ認定プロフェッショナル
  • Illustratorクリエイター能力認定試験
  • Photoshopクリエイター能力認定試験

2. Webディレクター

Webディレクターは、Webサイトの制作プロジェクトにおいて、方向性を決めてスケジュールを管理する役割を担います。クライアントやチームメンバーとのコミュニケーションも多く、プロジェクトがうまく進められるように指揮をとるのが仕事です。

WebデザイナーからWebディレクターを目指す場合、ディレクション経験が大きなアピールポイントになります。アクセス解析やSEOの知識を身につけておくと役立つでしょう。

<年収相場>
551.4万円
(参考:職業情報提供サイトjobtag|Webディレクター

<役立つ資格>

  • Webディレクション試験
  • Webプロデュース試験
  • Webクリエイター能力認定試験

3. UI/UXデザイナー

UI/UXデザイナーは、ユーザーの行動や心理を分析して、ユーザーが使いやすいデザイン(UI)を制作するのが仕事です。UIを通じて得られるUX(ユーザー体験)向上も考慮しなければなりません。Webデザインのなかでは重視する企業も増えており、需要が高まりつつあります。

<年収相場>
557.6万円
(参考:職業情報提供サイトjobtag|UI/UXデザイナー

<役立つ資格>

  • アドビ認定プロフェッショナル
  • Google UX Design プロフェッショナル認定証
  • UX検定基礎

4. フロントエンドエンジニア

フロントエンドエンジニアは、WebサイトやアプリケーションのUIにおける技術的な領域を担当する職種です。ユーザーの目に触れる部分を開発するため、Webデザイナーやバックエンドエンジニアと連携しながら開発します。

エンジニア関係の知識の深さによって対応領域が広がり、年収アップも期待できます。ただし、資格は難易度が高いものもあるため、自身のスキルレベルや、対応範囲を決めたうえで選んだほうがよいでしょう。

簡単なページならWebデザイナーでも実装までできる人も少なくありません。もし、フロントエンドの領域に関心があり、もっと深い知識を得たい方はフロントエンドエンジニアのへのキャリアパスを考えてみてください。

<年収相場>
557.6万円
(参考:職業情報提供サイトjogtag|プログラマー

<役立つ資格>

  • HTML5プロフェッショナル認定試験
  • Webクリエイター能力認定試験
  • CIW JavaScript スペシャリスト
  • 基本情報技術者試験
  • 応用情報技術者試験

5. フルスタックエンジニア

フルスタックエンジニアは、おもにアプリケーションの開発工程を担うエンジニアです。フロントエンドやバックエンドなど、すべての知識とスキルを備えていなければなれません。しかし、1人ですべての工程を担っているのではなく、チームメンバーと協力して開発・運用をするのが一般的です。

フルスタックエンジニアのスキルがあれば、フリーランスとしても十分に活躍できることでしょう。

<年収相場>
557.6万円
(参考:職業情報提供サイトjobtag|ソフトウェア開発

<役立つ資格>

  • 基本情報技術者試験
  • 応用情報技術者試験
  • AWS Certified Solutions Architect – Associate

6. Webマーケター

Webマーケターは、WebサイトやSNSなどのマーケティングを行う職種です。SEO対策や広告運用などの集客施策に関する知識を活かし、関連ビジネスの成長を支援します。データを分析して、数値にもとづいた提案がおもな仕事です。

Webデザイナーからキャリアチェンジするなら、マーケティングやSEOに関する知識は必須です。さらにトレンドの理解や調査、コミュニケーション力など幅広い知識とスキルが求められます。データを扱うデザイン改善の業務の経験を重ねて、学ぶ方法もあります。

<年収相場>
645.5万円
(参考:職業情報提供サイトjobtag|Webマーケティング

<役立つ資格>

  • SEO検定
  • Webマーケティング検定
  • Google広告認定資格
  • ネットマーケティング検定
  • Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)

7. Webコンサルタント

Webコンサルタントは、クライアントの抱える課題をWeb戦略で解決するための施策や、運用改善のための提案をするのが仕事です。WebデザイナーからWebコンサルタントを目指すなら、データ分析やマーケティングスキルを身につけていくことが大切です。

<年収相場>
684.9万円(参考:職業情報提供サイトjobtag|ITコンサルタント

<役立つ資格>

  • ネットマーケティング検定
  • ITストラテジスト試験
  • SEO検定
  • Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)
  • PMP

Webデザイナーのキャリアプランの立て方

理想のキャリアパスを描くには、計画を立てることが大切です。デザイナーは働く環境で身につくスキルが異なります。できるかぎり遠回りせず、スキルと経験を積むために必要なキャリアプランの立て方について解説します。

制作会社の業務の特徴

制作会社は、クライアントワークを中心にさまざまなWebサイトやアプリのデザインを担当します。幅広い業界や業種の案件を経験できるため、幅広いデザインスキルを身につけやすいといえるでしょう。

エンジニアやディレクターと距離が近く、スピード感のあるプロジェクトを経験できます。制作会社の経験はスキルの幅を広げたい人におすすめです。実務経験を積みながら、アートディレクターやWebディレクターといった上流工程はもちろん、フリーランスデザイナーへのキャリアチェンジも目指せるでしょう。

事業会社の業務の特徴

事業会社は、自社ブランドやサービスのアピールを目的としたWebサイト制作を担当します。制作会社のような幅広い業界・業種に関わることはありませんが、一つのサービスをとことん追求できるのが特徴です。

事業会社の案件は、ブランドを成長させるための戦略的なデザイン制作に携われることが大きなメリットといえるでしょう。フリーランス向けの案件では、ていねいなレギュレーションが用意されていることもあります。

新しい分野へ挑戦する

上でも述べたように、WebデザイナーのキャリアパスはWeb業界に限らず、エンジニアやマーケティングなど他の領域も含めて描くことが可能です。複数のスキルがあることで、年収アップも期待できます。自分のもっているスキルから、得意分野や関心のある分野を洗い出してみましょう。

Webデザイナーがキャリアパスを見据えたスキルと実績の積み方

Webデザイナーは経験によってもっているスキルも異なります。ここでは、経験別にキャリアパスを見据えたスキル習得と実績の積み方について解説します。

実務未経験者

異業種からの転職やグラフィックデザイナーからWebデザイナーへキャリアチェンジをする人もいるでしょう。実務経験が無い人は、Webデザインの基本スキルを習得して、ポートフォリオを制作することから始めましょう。

ポートフォリオは自分のスキルをアピールするものです。自主制作でもいいですが、クライドソーシングなどで小規模案件を獲得して積み上げていく方法もあります。以下でポートフォリオの作り方を解説していますので、チェックしてみてください。

経験者・フリーランス

すでに実務経験があるWebデザイナーやすでにフリーランスとして活躍している場合、専門性の向上や新しいスキルの習得、高単価案件の獲得を目指しましょう。

コーディングスキルを磨けばフロントエンドエンジニアも目指せますし、需要の高いUI/UXデザイナーも目指せます。どの分野をきわめるのかを明確にすることで、目指すべき方向性を定めることが可能です。

生活の隙間時間に学べるオンラインスクールなら、働きながらでも無理なく新しいスキルを身につけることが可能です。以下でおすすめのスクールを紹介しています。

Webデザイナーのキャリアアップの成功ポイント

Webデザイナーが理想のキャリアパスを実現するために、具体的にどのようなことに取り組んだらよいのかキャリアアップの成功ポイントを解説します。

求められるスキルを把握する

Webデザイナーを含め、IT業界は技術の進化とともに求められるスキルも変化します。まずは自分のスキルがどの程度評価されるのかを把握し、価値を高めるにはどうしたらよいのかを把握することが大切です。

求められるスキルを調べる方法として、転職サイトなどの募集要項をチェックする方法があります。具体的に狙っているポジションがあれば、より情報を絞り込んでチェックできるのでおすすめです。

キャリアパスが実現できる案件を獲得する

上でも述べたように、事業会社と制作会社では身につくスキルが異なります。現在、事業会社で働いている場合、制作会社で身につくようなスキルを習得するのは困難です。

働きながら効率よくスキルを身につける方法として、副業があります。副業で制作会社の案件を請けることで必要なスキルを身につけることが可能です。

エージェントサービスを活用する

フリーランスのWebデザイナーとして活動する場合、エージェントサービスを活用することで自分のスキルレベルに合った案件を獲得できます。エージェントサービスはフリーランスデザイナーの案件獲得の経路として利用率が高いサービスです。

エージェントサービスによって、扱う案件の種類が異なります。Webデザイナーのキャリアパスの実現には、デザイナー特化のエージェントサービスの利用がおすすめです。

Webデザイナーは自分にあったキャリアパスを見つけよう

Webデザイナーは働く場所で身につけられるスキルが異なるため、転職や案件獲得のときは自分が理想とするキャリアに関連するものを選ぶことが大切です。

エージェントサービスを利用することで、自分のスキルに合った案件を紹介してもらえます。キャリア相談もできるため、理想のキャリアパスを実現するための案件に携わることが可能です。

Webデザイナーなら、フリーランスデザイナー専門のエージェントサービス『クロスデザイナー』やフリーランス・副業向けマッチングサービスの『Workship』がおすすめです。WebデザインやUI/UXデザイン、アートディレクターなど幅広いデザイン案件を扱っています。今後、フリーランスデザイナーとして活躍を目指している方には、とくにおすすめです。

(執筆:吉永 ゆくら、編集:猫宮しろ)

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