新卒採用の母集団形成を成功に導く方法|重要な理由と手法・KPI・課題別の改善方法

新卒採用 母集団形成
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新卒採用の母集団形成では、多くの学生を集めるだけではなく、採用予定人数から必要な候補者数を逆算し、自社が求める学生との接点を計画的につくることが重要です。

近年の新卒採用では、学生の就職活動や企業の採用活動が早期化し、採用手法も多様化しています。そのため、ナビサイトへ求人を掲載して応募を待つだけでは、必要な母集団を十分に形成できないケースも考えられるのです。

本記事では、新卒採用における母集団形成の意味や重要性、手法と進め方、KPI、課題別の改善策などについて解説します。

「求人を掲載してもエントリーが集まらない」
「学生との接点は多いのに、ES提出や選考につながらない」
「どの採用手法に予算をかけるべきかわからない」

とお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

新卒採用における母集団形成とは

新卒採用における母集団形成とは、自社に興味・関心を持ち、将来的に選考へ進む可能性がある学生との接点をつくり、候補者の集団を形成する取り組みです。

求人サイトや合同企業説明会、採用サイト、インターンシップなどを通じて学生と接点をつくり、企業理解や志望度を高めながら、エントリーや選考へ進んでもらう必要があります。

そのため、採用予定人数から逆算して「何人の学生と接点を持つ必要があるか」「何人にプレエントリーしてもらうか」「何人が本エントリーや選考へ進めばよいか」を考え、必要な母集団を形成することが重要です。

本章では母集団形成の意味、プレエントリー・本エントリー(ES提出)の違い、中途採用との違いについて解説します。

母集団形成の意味

母集団形成とは「採用活動において、自社に興味を持つ人材との接点を増やし、応募や選考につながる候補者を集めること」です。

母集団形成では、単純に人数を増やせばよいわけではありません。採用したい人物像と異なる学生ばかりが集まっても、選考の工数が増えるだけで採用にはつながりにくいためです。

採用ターゲットを明確にしたうえで、必要な人数と自社とのマッチ度の両方を意識して候補者を集めると、採用力の向上が期待できます。採用の成功につなげる母集団形成の具体的な進め方を知りたい方は、以下の記事も併せてご一読ください。

 

プレエントリーと本エントリー(ES提出)の違い

プレエントリーと本エントリー(ES提出)の違いは、学生が企業との接点を持つ段階なのか、選考への参加意思を示す段階なのかという点です。

新卒採用では、学生が興味を持った企業へプレエントリーし、説明会や採用の情報などを受け取ったうえで、選考を希望する企業へ本エントリーするのが一般的です。

プレエントリーは、氏名や学校名などの基本情報を登録して企業から情報を受け取るなど、比較的気軽に企業との接点を持つ段階といえます。

一方、本エントリーでは、ES(エントリーシート)の提出や説明会への参加予約など、企業が指定する手続きを通じて選考への意思を示します。企業によって応募方法や必要書類は異なりますが、ESでは自己PRや志望動機などの記載を求められる場合が多く、学生の負担はプレエントリーより大きくなりがちです。

プレエントリーと本エントリー(ES提出)の違いについては、以下の表を参考にしてください。

プレエントリー 本エントリー(ES提出)
目的 企業へ興味があることを示す  選考を正式に申し込む 
学生が行うこと 氏名や学校名などの基本情報を登録する  エントリーシート(ES)や履歴書を提出する 
提出書類 基本的に不要  ES、履歴書、成績証明書など(企業による) 
選考との関係 選考は始まらない  選考が始まる 
企業側の対応 説明会の案内や採用情報を送る  書類選考や面接の日程を案内する 
学生の負担 少ない  自己PRや志望動機の作成などが必要なため大きい 
時期の目安 広報開始後から随時 企業が定める応募締切まで 

中途採用との違い

新卒採用と中途採用では、候補者の特徴や採用スケジュール、評価するポイントなどが異なります。

新卒採用では就業経験のない学生が多いため、入社後に成長する可能性や、自社との適性なども含めて採用を判断します。多くの学生が一定の時期に就職活動を行うため、採用広報や説明会、インターンシップなどを通じて早い段階から接点をつくり、自社への理解を継続的に深めてもらうことが重要です。

一方、中途採用では、特定の職種やポジションで必要となる経験・スキルを持った人材を募集するケースが一般的です。求人媒体や人材紹介、ダイレクトリクルーティングなどを活用し、募集ポジションの要件に合った候補者へアプローチします。

新卒採用と中途採用の主な違いを以下の表にまとめました。

新卒採用 中途採用
対象 学生 社会人経験者
目的 将来を担う人材の育成 欠員補充・即戦力の確保 
時期  一定の時期に集中  通年
主に重視する点  ポテンシャル・人柄・成長性  経験・スキル・実績・即戦力 
母集団形成の考え方  幅広い学生へ認知を広げる  採用ターゲットに合う人材を集める 
主な採用チャネル  ナビサイト、インターンシップ、合同説明会、大学就職課  求人媒体、人材紹介、ダイレクトリクルーティング、リファラル採用、SNS 

中途採用の母集団形成について知りたい場合は、以下の記事も参考にしてください。

新卒採用における母集団形成が重要な理由4つ

新卒採用で母集団形成が重要なのは、必要な学生数を確保するだけでなく、自社に合う学生との接点を増やしつつ、採用目標を計画的に達成するためです。

新卒採用では、エントリー後の辞退や選考での不合格、内定辞退などが発生するため、最終的な採用予定人数から逆算して一定規模の母集団を形成する必要があります。

また、人数だけを追い求めるのではなく、自社が求める人物像に合った学生を集めることも大切です。採用ターゲットとの接点を早期からつくり、自社の仕事内容や働き方、価値観などを理解してもらえれば、応募を促すだけでなく入社後のミスマッチを抑えることにもつながります。

本章では、母集団形成が重要な理由を4つに分けて解説します。

1. 学生との接点を早期に確保するため

学生が企業を知り、興味を持ってもらう機会を早期につくると、その後のエントリーや選考につながる可能性を高められるため、新卒採用では学生との接点をできるだけ早い段階で確保することが重要です。

学生は就職情報サイトや企業研究などを通じて情報を集めながら、応募する企業を検討するのが一般的です。そのため、学生が応募先をある程度絞り込んだ後に採用活動を本格化させても、自社を選択肢に入れてもらえない可能性があります。

だからこそ、インターンシップやオープン・カンパニー、就職情報サイト、合同企業説明会など、複数の機会を活用して、学生との接点を早い段階からつくることがポイントです。自社の事業内容や仕事、社風などを継続的に伝えれば、認知だけでなく企業理解も深めてもらえるうえ、その後のプレエントリーや本エントリーが期待できます。

2. 質の高い学生と出会うため

採用ターゲットに近い学生を母集団に集めると、選考を効率的に進められるため、自社が求める人物像に合った学生との接点を増やすことが重要です。

例えば、必要な能力や価値観、志向性などを採用ターゲットとして具体化しておけば、どの採用チャネルで、どのような学生にアプローチすべきか判断できます。

ただし、選考時に「優秀」と評価された学生でも、自社の仕事内容や社風、働き方などと合わなければ、入社後にミスマッチと感じて早期離職につながる可能性があります。そのため、採用時には学生を見極めるだけでなく、自社の情報も適切に開示し、双方の理解を深めることが大切です。

若手社員が離職する理由や、退職を防ぐために見直したいポイントについては、以下の記事も併せてご一読ください。

3. 採用目標を計画的に達成するため

新卒採用では、エントリーした学生全員を採用できるわけではなく、選考の各段階で一定の離脱が発生するため、目標とする採用人数を計画的に確保することが大切です。

本エントリー後には書類選考や適性検査、複数回の面接などが行われ、不合格者だけでなく選考を辞退する学生も発生します。さらに、内定を出した学生が他社への入社を決め、自社の内定を辞退するケースもあります。そのため、「10人採用したいから10人集める」という考え方では、採用予定人数を満たせない可能性があるのです。

そこで重要になるのが、採用人数から各段階の「歩留まり」を逆算することです。過去の採用実績などから「本エントリー→書類選考」「書類選考→面接」「面接→内定」「内定→承諾」という各段階の移行率を把握すると、目標人数を採用するために必要な母集団の規模を算出できます。

4. 採用競争の激化に対応するため

少子化による学生数の減少や新卒採用の早期化により、企業間の人材獲得競争が激しくなっているため、新卒採用では早期の母集団形成が重要です。

新卒採用では中途採用と異なり、インターンシップやオープン・カンパニーなど、選考前の段階から学生と企業が接点を持つ機会があるため、早いうちに母集団形成を進める必要があります。

採用競争が激しい状況では、求人情報を掲載して応募を待つだけでなく、合同企業説明会やスカウト、SNS、大学との連携など、複数のチャネルを組み合わせて学生との接点を広げることも大切です。どのチャネルから自社に合う学生が集まっているかを分析すれば、限られた採用予算や人員を効果的に配分できます。

新卒採用の母集団形成に使える手法9選(比較表)

新卒採用の母集団形成では、手法によってアプローチできる学生や必要な費用、工数が異なるため、採用ターゲットや目標人数、予算などに応じて複数の方法を使い分けることが重要です。

新卒採用の母集団形成に使える9つの手法について、向いている企業とメリット、デメリットをまとめました。それぞれの詳細は以下で解説しています。

手法 向いている企業 メリット デメリット
就職ナビサイト  幅広い学生へアプローチしたい企業  多くの学生に向けて求人を掲載できる  掲載企業が多く埋もれやすい 
ダイレクトリクルーティング(逆求人サイト)  特定の学生へ直接アプローチしたい企業  欲しい人材へ積極的にアプローチできる  スカウト配信など運用工数がかかる 
インターンシップ・オープンカンパニー  自社への理解を深めてもらいたい企業  学生との接点を早く持てる 企画・運営に時間と工数がかかる 
合同企業説明会・マッチングイベント  短期間で多くの学生と接点を持ちたい企業  一度に多くの学生へ自社をアピールできる  出展費用や準備が必要 
大学キャリアセンター・研究室との連携  特定分野の人材を採用したい企業  ターゲットの学生へ効率よくアプローチできる  大学との継続的な関係構築が必要 
新卒紹介エージェント  採用工数を抑えながら学生を紹介してほしい企業  条件に合う学生を紹介してもらえる  成功報酬が発生する 
リファラル採用(社員・内定者・アルバイトからの紹介)  採用コストを抑えながら、自社に合う学生を採用したい企業  ミスマッチを減らせる 短期間の大量採用は難しい 
自社採用サイト・オウンドメディア  自社の魅力を詳しく伝えたい企業  自社の理解が深まり応募の質が高まる  認知度が低いと採用が難しい
SNS採用  認知度の向上を目指したい企業  自社の魅力を日常的に発信できる 継続的な運用が必要

1. 就職ナビサイト

就職ナビサイトは、幅広い学生に企業情報を届けて、母集団を形成したい企業に適した手法です。多くの学生が利用する就職情報のプラットフォームに企業情報や採用情報を掲載すると、説明会やエントリーなどへ誘導できます。

採用サイトだけでは学生との接点を確保しにくい企業にとって、学生に自社を発見してもらう入口として活用できるのが特徴です。

一方で、就職ナビサイトには多数の企業が掲載されているため、求人を掲載するだけでは他社の情報に埋もれる可能性があります。仕事内容や勤務地、待遇、社風などの情報を具体的に掲載し、自社ならではの魅力をわかりやすく伝えることが重要です。

2. ダイレクトリクルーティング(逆求人サイト)

ダイレクトリクルーティングは、採用ターゲットに近い学生へ企業側から直接アプローチしたい場合に有効な手法です。学生からの応募を待つのではなく、登録情報などを確認して、自社が求める学生にスカウトを送れます。

企業側から候補者を探せるため、現時点では自社を知らない学生や、自社を応募先として検討していない学生とも接点をつくれる点がメリットです。

ただし、学生のプロフィールを確認して候補者を選定し、一人ひとりに合わせてスカウト文を作成・送信するなどの運用が必要です。対象を広げすぎたり、同じ内容を大量に送ったりするのではなく、自社の採用ターゲットを明確にして適切に運用することがポイントといえます。

3. インターンシップ・オープンカンパニー

インターンシップ・オープンカンパニーは、学生と早期に接点をつくり、自社や仕事への理解を深めてもらうために活用できる手法です。求人情報だけでは伝わりにくい仕事内容や職場の雰囲気などについて、学生に知ってもらう機会をつくれます。

学生と早く接点を持てるだけでなく、企業理解の促進にも役立ちますが、企画や運営に工数がかかるため、実施の目的とターゲットを明確にして設計しましょう。

4. 合同企業説明会・マッチングイベント

合同企業説明会やマッチングイベントには多くの学生が参加するため、短期間で幅広い人材と接点を持ちたい企業に向いています。求人情報だけでは伝えられない魅力を採用担当者が直接説明できる点がメリットです。事業内容や仕事内容だけでなく、職場の雰囲気や社員の人柄などを伝えたり、学生からその場で質問を受けたりできます。

一方で、イベントによっては出展料が必要なうえ、ブースの制作や説明資料の準備、当日に対応する社員の確保なども必要です。参加しただけでは応募につながらない可能性もあるため、説明会の予約や採用サイトへの誘導など、イベント後の接点を設計しておく必要があります。

5. 大学キャリアセンター・研究室との連携

大学のキャリアセンターや研究室との連携は、大学や専攻などを踏まえて学生との接点をつくりたい企業に適した手法です。

特に理系の専門職など、専攻・研究分野と採用要件の関連性が高い職種では、研究室との接点が採用候補者を探すきっかけになる場合があります。また、キャリアセンターを通じて求人情報を提供すれば、就職活動中の学生に自社を知ってもらえます。

ただし、求人情報を一度送付するだけでは、学生を継続的に紹介してもらえるとは限りません。採用実績や採用予定、仕事内容などを定期的に共有し、大学側との関係を継続していくことが必要です。

6. 新卒紹介エージェント

新卒紹介エージェントは、採用要件に合った学生を紹介してくれるため、母集団形成や候補者探しの工数を抑えたい企業に向いています。

企業側が多数の学生から候補者を1人ずつ探す必要がなく、採用担当者の人的リソースが限られている場合にも活用できる点がメリットです。また、求人媒体だけでは接点を持てなかった学生を紹介してもらえる可能性もあります。

一方で、採用が決定した際に成功報酬が発生するケースがあるため、自社の採用予算に合うか検討することが必要です。また、紹介会社に任せきりにせず、採用ターゲットや求める人物像を具体的に共有することも欠かせません。

7. リファラル採用(社員・内定者・アルバイトからの紹介)

リファラル採用は、社員などのネットワークを活用して、自社と相性のよい学生との接点をつくる採用手法です。自社を理解している人から知人や友人などを紹介してもらうと、求人媒体だけでは出会えない学生へ採用チャネルを広げられます。

紹介する側が仕事内容や職場について説明できれば、候補者が応募前に企業への理解を深められる点がメリットです。

ただし、リファラル採用で形成できる母集団は、社員などが持つネットワークや紹介への協力状況に左右されます。そのため、短期間で数百人規模の候補者を集めたい場合には、必要な母集団を確保するのが難しい可能性があります。

8. 自社採用サイト・オウンドメディア

自社採用サイトやオウンドメディアでは、企業の魅力や働くイメージを詳しく伝えられるため、学生の企業理解を深めるために有効です。

求人媒体では掲載できる情報量や形式に制約がある場合がありますが、自社メディアの場合は仕事内容や社員インタビュー、企業文化などを多角的に発信できるのがポイントです。

例えば、募集要項だけでなく、若手社員の1日やプロジェクト事例、研修制度、キャリアパス、オフィスの様子などを掲載すれば、学生が「入社後にどのように働くのか」をイメージできます。

一方で、自社採用サイトを制作しただけでは、学生が訪問してくれるとは限りません。企業自体の認知度や検索流入が少ない場合は十分なアクセスを集められず、母集団形成につながらない可能性があります。

9. SNS採用

SNS採用は、XやInstagram、TikTokなどを活用して学生との接点を増やし、自社の認知向上や採用ブランディングにつなげる手法です。

企業から継続的に情報を発信できるため、採用サイトや求人票だけでは伝えきれない社員の人柄や職場の雰囲気、仕事内容、企業文化などを学生に届けられます。

SNSで写真や動画を活用すると、視覚的に伝えられる点も特徴です。学生が企業を身近に感じるきっかけとなり、これまで自社を知らなかった層への認知拡大も期待できます。

ただし、アカウントを開設するだけで、すぐに成果へ結びつくわけではありません。そのため、採用ターゲットが利用しているSNSを選び、学生が知りたい情報を継続的に発信するなど、中長期的な運用が求められます。

新卒採用の母集団形成の進め方4ステップ

新卒採用で母集団を効果的に形成するためには、採用人数と求める人物像を明確にしたうえで、必要なプレエントリー数を逆算し、施策を実行・改善していくことが重要です。

まずは「何人を採用するのか」「どのような学生を採用するのか」を具体化しましょう。そのうえで、過去の選考データなどから各段階の歩留まりを確認し、目標採用人数から必要なプレエントリー数を逆算します。

施策を開始した後は、プレエントリー数や本エントリー率、選考通過率、内定承諾率などのKPIを確認し、継続的に改善することも大切です。

本章では、新卒採用の母集団形成の進め方を4つのステップに分けて解説します。

1. 採用人数と求める人物像(ペルソナ)を決める

採用のゴールとターゲットが曖昧なままでは、必要な母集団の規模や利用すべき採用手法、学生へ伝える内容を適切に決められないため、採用人数と求める人物像を明確にしましょう。

採用人数については、事業計画や人員計画などをもとに「いつまでに何人を採用する必要があるのか」を具体化します。職種別の採用を行う場合は「営業職5人・エンジニア3人」など、職種ごとに必要な人数まで設定すると採用計画を立てやすくなります。

次に、求める人物像を具体化しましょう。学部・学科や保有スキルなどの条件だけではなく、価値観や志向性、自社との適性、入社後に期待する役割なども整理することがポイントです。

条件を増やしすぎると、対象となる学生が少なくなる場合があるため「必須条件」と「あれば望ましい条件」を分けることも大切です。

2. 歩留まりから必要なプレエントリー数を逆算する

採用人数とターゲットが決まったら、各選考段階の歩留まりから必要なプレエントリー数を逆算しましょう。新卒採用では、プレエントリーした学生全員がESを提出し、選考や内定承諾まで進むわけではないためです。

歩留まりとは、採用活動の各段階から次の段階へ進んだ人の割合です。例えば、100人がESを提出し、50人が書類選考を通過した場合、書類選考通過率は50%となります。仮に5人を採用する場合、以下の歩留まりを想定してみましょう。

通過率・計算式 必要人数
目標採用人数  5人 
内定者数  内定承諾率 80% (5 ÷ 0.8) 約7人 
最終面接通過者数  最終面接通過率 50% (7 ÷ 0.5) 約14人 
一次面接通過者数  一次面接通過率 50% (14 ÷ 0.5) 約28人 
ES提出者数  書類選考通過率 50% (28 ÷ 0.5)
約56人 
プレエントリー数  ES提出率 70% (56 ÷ 0.7) 約80人 

なお、上記の歩留まり率は計算方法を示すための仮定です。実際には、自社の過去の採用実績をもとに、各段階の歩留まりを算出して逆算する必要があります。

3. ターゲットに合う手法を選び、組み合わせる

採用手法ごとに接点を持てる学生やメリット、必要な費用、運用工数などが異なるため、必要な母集団の規模が把握できたら、採用ターゲットに合った手法を選び、複数のチャネルを組み合わせましょう。

幅広い学生へ企業を認知してもらいたい場合は、就職ナビサイトや合同企業説明会などが有効です。一方、採用要件に近い学生へ企業側からアプローチしたい場合は、ダイレクトリクルーティングが適しています。学生と早期に接点をつくり、自社への理解を深めてもらう目的では、インターンシップやオープン・カンパニーなども効果的です。

ただし、手法を増やしすぎると採用担当者の負担やコストが増加します。ターゲットとの相性だけでなく、応募数や選考通過率、採用単価なども確認し、成果につながる手法へ予算や人員を配分しましょう。

4. KPIを設定して検証・改善する

採用活動のどこに課題があるのかを特定するため、母集団形成の施策を開始した後は、採用プロセスごとにKPIを設定し、定期的に検証・改善しましょう。

「プレエントリー数」「ES提出率(本エントリー率)」「説明会参加率」「書類選考通過率」「面接通過率」「内定承諾率」などをKPIとして設定するのが一般的です。各数値を継続して確認すると、学生がどの段階で離脱しているのかなどを把握できます。

例えば、プレエントリー数は目標を達成しているにもかかわらずES提出率が低い場合、説明会や採用コンテンツ、プレエントリー後のコミュニケーションなどを見直す必要があります。一方で、プレエントリー数が不足している場合は、利用している採用チャネルや学生への訴求内容を改善することが必要です。

採用の成功につながる母集団形成の具体的な進め方や、改善方法を詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

新卒採用の母集団形成で見るべきKPI

新卒採用の母集団形成では、プレエントリー数だけでなく、説明会参加率やES提出率、一次面接参加率、内定承諾率など、採用ファネルの各段階にKPIを設定することが重要です。

母集団を十分に形成できていても、ES提出や面接へ進む学生が少なければ、最終的な採用目標を達成できない可能性があるからです。そのため、「何人集めたか」だけではなく、「次の選考段階へ何%進んだか」を継続的に確認しましょう。

本章では、新卒採用の母集団形成で見るべきKPIについて、それぞれ解説します。新卒採用の母集団形成で見るべきKPI

プレエントリー数

プレエントリー数は、必要な母集団を確保できているかを判断する基本的なKPIです。採用目標人数から必要な人数を逆算して目標値を設定すると、母集団形成の進捗を把握できます。

例えば、今年の採用目標が5人の場合、過去の採用実績から「5人を採用するためには80人程度のプレエントリーが必要」だとわかっていれば、「80人」を1つの目標として母集団形成を進めましょう。

また、全体のプレエントリー数だけでなく、就職ナビサイトやダイレクトリクルーティング、合同企業説明会など、採用チャネル別に人数を確認することも大切です。

説明会の参加率

説明会の参加率は、プレエントリーした学生のうち、どの程度が会社説明会へ参加したのかを把握するKPIです。プレエントリー後に学生の興味・関心を維持し、次の行動へつなげられているかを確認できます。説明会参加率は、以下の計算式で算出できます。

説明会参加率(%) = 説明会参加者数 ÷ プレエントリー数 × 100

例えば、100人がプレエントリーし、そのうち70人が説明会へ参加した場合、説明会の参加率は70%です。

プレエントリー数が目標を達成していても説明会参加率が低い場合、プレエントリー後の案内や説明会の内容・開催方法などに課題がある可能性があります。案内メールを送るタイミングや開催日時、オンライン開催の有無など、学生が参加しやすい環境になっているか確認しましょう。

ES提出率

ES提出率は、プレエントリーした学生のうち、ES(エントリーシート)を提出した学生の割合を把握するKPIです。どの程度の学生が自社に興味を持ったか確認できます。ES提出率は以下の計算式で算出します。

ES提出率(%) = ES提出者数 ÷ プレエントリー数 × 100

例えば、100人がプレエントリーし、70人がESを提出した場合、ES提出率は70%です。

説明会への参加を応募の条件としている場合は、説明会参加者数を母数にします。

説明会参加後のES提出率(%) = ES提出者数 ÷ 説明会参加者数 × 100

ES提出率が低い場合、学生との接点自体は確保できていても、応募意欲を十分に高められていない可能性があります。説明会や採用サイトで自社の魅力を十分に伝えられているか、ESの設問や提出期限が学生にとって過度な負担になっていないかなどを確認しましょう。

一次面接の参加率

一次面接の参加率は、一次面接の対象となった学生のうち、実際に面接へ参加した割合を把握するKPIです。選考途中でどの程度辞退されているかを確認できます。

一次面接参加率を正確に把握する場合は、ES提出者全員ではなく、一次面接の対象者数を母数にすることがポイントです。

一次面接参加率(%) = 一次面接参加者数 ÷ 一次面接対象者数 × 100

例えば、書類選考を通過して一次面接を案内した50人のうち45人が参加した場合、一次面接参加率は90%です。

一次面接の参加率が低い場合は、面接日程の調整に時間がかかっていないか、学生への連絡が遅くなっていないか、選考期間中に志望度が下がっていないかなどを確認しましょう。

内定承諾率

内定承諾率は、内定を出した学生のうち、どの程度が内定を承諾したのかを把握するKPIです。必要な採用人数を確保できているかを判断するうえで重要な指標となります。内定承諾率は、以下の計算式で算出します。

内定承諾率(%) = 内定承諾者数 ÷ 内定者数 × 100

例えば、10人に内定を出して8人が承諾した場合、内定承諾率は80%です。

内定承諾率が低い場合、学生が他社を選んだ理由や選考中のコミュニケーション、自社の魅力の伝え方、待遇や仕事内容などを確認し、内定の辞退につながる原因を分析することが必要です。

チャネル別応募の構成比

チャネル別応募の構成比は、就職ナビサイトやダイレクトリクルーティング、紹介など、各採用チャネルからどの程度の応募を獲得できているかを把握するKPIです。成果の高い採用手法を見極め、予算や人員を適切に配分するために役立ちます。

チャネル別応募の構成比は、以下の計算式で算出できます。

チャネル別応募構成比(%) = 各チャネルからの応募者数 ÷ 総応募者数 × 100

例えば、応募者が200人で、そのうち就職ナビサイト経由が100人だった場合、就職ナビサイトの応募構成比は50%です。

ただし、応募者数が多くても選考通過率や内定承諾率が低ければ、自社が求める学生を十分に獲得できていない可能性があります。そのため、チャネルごとにES提出率や面接通過率、内定者数、採用単価なども確認すると、残すべき採用チャネルや予算を増やすべき施策を判断できます。

採用単価

採用単価は、1人を採用するためにどの程度の費用がかかったのかを把握するKPIです。母集団形成に投じた予算が、最終的な採用成果につながっているかを判断するために役立ちます。採用単価は、基本的に以下の計算式で算出します。

採用単価 = 採用にかかった総費用 ÷ 採用人数

例えば、求人広告費や人材紹介料、イベント出展費などを含めた採用費が500万円で、10人を採用した場合、1人あたりの採用単価は50万円です。

ただし、採用単価を下げることだけを目的にすると、必要な学生との接点まで減らす恐れがあります。選考通過率や入社後の定着・活躍なども踏まえ、採用の質を維持しながら無駄な費用を見直しましょう。

採用の質を落とさず、無駄な費用を見直す方法については、以下の記事も併せてご一読ください。

各KPIの目安水準

企業によって採用フローやターゲット、利用するチャネルが異なるため、各KPIの目安を設定する際は、市場全体の平均値をそのまま目標にするのではなく、自社の過去実績や企業規模、採用人数、地域、採用職種などを踏まえて設定することが重要です。

以下では、プレエントリー数、説明会参加率、ES提出率、一次面接参加率、内定承諾率、採用単価について、KPIの目安基準を紹介します。

【プレエントリー数】

就職みらい研究所(インディードリクルートパートナーズ)のデータによると、2026年卒採用でプレエントリー受付を実施した企業(回答552社)では、1社あたりのプレエントリー数は全体平均で約1,966人でした。

新卒採用母集団形成のプレエントリー数

出典:就職みらい研究所(インディードリクルートパートナーズ)『就職白書2026』データ集 P113

【説明会参加率】

キャリブロのデータによると、説明会参加率の平均は約70%でした。約30%の学生がキャンセルや欠席をしていることがわかります。

出典:キャリブロ「新卒採用説明会の参加率~ドタキャンってどのくらい?」

【ES提出率】

キャリタス就活の調査によると、学生1人あたりの平均エントリー社数は25.3社、ES提出社数は12.0社で、エントリーした企業へのES提出率は47.4%でした(学生側調査の数値です)。

出典:キャリタス就活「2026年卒Vol.09 7月1日時点の就職活動調査」P1

【面接参加率】

キャリタス就活の調査によると、ES通過後に面接へ進んだ割合は90.5%です(ES通過8.5社に対し面接受験7.7社)。

ES通過:8.5社
面接試験受験:7.7社
面接参加率:90.5%

出典:キャリタス就活「2026年卒Vol.09 7月1日時点の就職活動調査」P3

【内定承諾率】

就職みらい研究所(インディードリクルートパートナーズ)の調査では、採用予定数を100とした場合の内定出し人数は177.0、内定(承諾)人数は89.0で、内定承諾率は50.2%でした。

〈採用予定数を100とした場合の比率(2026年卒)〉
内定出し人数:177.0
内定人数:89.0
内定承諾率:50.2

出典:就職みらい研究所(インディードリクルートパートナーズ)「就職白書2026」P43

【チャネル別応募の構成比】

キャリタス就活の報告によると、就職先となる企業を知ったきっかけでは「就職情報サイト」が34.7%ともっとも高く、「就職活動の前から知っていた」が22.6%で続いています。

この結果から、就職情報サイトを活用して学生との接点を確保するとともに、就職活動が本格化する前から自社の認知度を高めておくことが重要だと考えられます。

就職先として決めた企業を知ったきっかけ(新卒採用 母集団形成)

出典:キャリタス就活「2026年卒Vol.09 7月1日時点の就職活動調査」P6

【採用単価】

マイナビの調査によると、入社予定者1人あたりの採用費平均は56.8万円でした。

出典:マイナビ「2024年卒企業新卒内定状況調査」P126

※各KPIの目安水準は、市場動向を理解する参考値としてご活用ください。

【課題別】新卒採用における母集団形成の改善方法

学生が離脱している段階によって有効な改善方法が異なるため、採用の母集団形成がうまくいかない場合は、採用ファネルのどこに課題があるのかを特定しましょう。

本章では、新卒採用における母集団形成の改善方法について、それぞれ解説します。

母集団形成でよく起こる課題の原因と、改善策について詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

プレエントリーが集まらない場合

プレエントリーが集まらない場合は、学生との最初の接点を十分につくれていない、または「応募先の候補にしたい」と思ってもらえていない可能性があるため、採用ターゲットや求人情報、利用している採用チャネルを見直しましょう。

まず確認したいのが、求める人物像です。「優秀な学生」のような曖昧な条件では、どの学生に何を訴求すべきかが明確になりません。一方で、必須条件を増やしすぎると、対象となる学生を狭めてしまいます。採用したい人物像を具体化したうえで、必須条件と歓迎条件を整理しましょう。

次に、学生へ伝える情報を見直します。仕事内容が抽象的だったり、入社後のキャリアや働き方などの情報が不足していたりすると、学生は自分が働く姿をイメージできなくなります。仕事内容や成長環境、職場の雰囲気など、学生が企業選びで知りたい情報を具体的に発信することが大切です。

説明会への参加が少ない場合

プレエントリーは集まっているものの、説明会への参加率が低い場合は、説明会に参加するまでのハードルが高くなっている可能性があるため、開催日時や形式、案内方法などを見直しましょう。

説明会の開催日程が少ないと、授業や他社の説明会、面接などと重なり、参加したくても参加できない学生が発生します。複数の日程を設定したり、対面だけでなくオンラインでも参加できるようにしたりすると、学生が予定を合わせられます。

また、申し込み後から開催日まで期間が空く場合は、学生が予定を忘れる可能性もあります。開催前にリマインドメールを送り、日時や参加方法を改めて案内しましょう。

プレエントリーはあるがES提出につながらない

プレエントリーは集まっているのにES提出につながらない場合は、採用広報を見直し、学生が応募を判断するために必要な情報を充実させましょう。

企業を認知して興味を持ってもらえていても、「この企業で働きたい」と思えるだけの魅力や判断材料を伝えられていない可能性があるためです。

採用サイトや説明会では募集要項だけを伝えるのではなく、若手社員のインタビューや1日の仕事の流れ、入社後の研修、キャリア事例、プロジェクト事例などを掲載しましょう。「入社したらどのように働き、成長できるのか」を学生が具体的にイメージできる情報を用意することがポイントです。

また、企業側が伝えたい情報と学生が知りたい情報が一致しているか確認することも大切です。説明会後のアンケートや学生からの質問などを分析し、採用コンテンツへ反映しましょう。

就活生が企業選びで重視するポイントや、採用広報の具体的な方法については、以下の記事も参考にしてください。

選考途中の辞退が多い場合

学生は複数企業の選考を並行するケースが多く、他社の選考が先に進んで自社の選考を辞退する可能性があるため、選考途中の辞退が多い場合は、選考スピードと学生とのコミュニケーションを見直しましょう。

まず、ES提出から書類選考、面接の日程調整、合否連絡までに何日かかっているのかを確認します。社内の評価や承認に時間がかかっている場合は、面接官の予定を事前に確保したり、合否を判断する期限を設定したりして、次の選考へスムーズに進める体制を整えましょう。

面接を「企業が学生を評価する場」だけにせず、学生が自社を理解する機会として活用することも重要です。仕事内容や社風、入社後のキャリアなどを具体的に説明し、学生が抱えている疑問にも答えましょう。また、社員との座談会やカジュアル面談などを設け、実際に働く社員の話を聞ける機会をつくる方法も有効です。

内定辞退が多い場合

内定を出した後、学生が別の企業と比較して他社を選ぶ可能性があるため、内定辞退が多い場合は、選考中から内定後まで学生とのコミュニケーションを継続し、自社への理解と入社意欲を高めることが重要です。

内定辞退が発生した際は、可能な範囲で理由を確認しましょう。仕事内容や待遇、勤務地などの条件だけでなく、面接官の対応や企業文化への違和感求人情報と面接で聞いた内容のギャップなども辞退の要因になり得ます。内定後は、現場社員との面談や職場見学などを取り入れると、求人票だけではわからない職場の雰囲気や仕事内容を理解してもらえます。

内定後も定期的に連絡し、社員との交流や内定者向けイベントなどを通じて、入社までの不安を解消することが大切です。ただし、過度な連絡や内定の承諾を迫るような対応は避け、学生が納得して意思決定できるように支援しましょう。

内定辞退の理由や防止策、辞退の連絡を受けた際の対応などについては、以下のサイトを参考にしてください。

採用コストが高い場合

多くの費用をかけても自社に合う学生の採用につながらないと、コストだけが膨らむ可能性があるため、採用コストが高い場合は採用チャネルごとの費用と成果を比較し、費用対効果の低い施策を見直しましょう。

就職ナビサイトや人材紹介、合同企業説明会、ダイレクトリクルーティングなど、チャネルごとに費用・応募者数・選考通過者数・採用人数を整理します。応募数だけでなく、最終的な採用人数や採用単価まで確認することがポイントです。

また、社員の紹介によるリファラル採用や自社SNS、オウンドメディアなどを組み合わせ、比較的安価に候補者との接点をつくる方法も有効です。

SNS採用の始め方や運用方法、成功事例について詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

 

採用活動が長期化している場合

採用活動が長期化している場合は、選考フローと社内の採用体制を見直し、学生への連絡を迅速に行える仕組みを整えましょう。選考に時間がかかると他社の選考が進み、離脱される可能性があるためです。

ES提出から書類選考、面接、内定まで、それぞれに何日かかっているのかを可視化し、特定の工程で時間がかかっている場合は、その原因を確認しましょう。面接官の日程調整に時間がかかるなら、面接枠をあらかじめ確保する、合否の判断が遅い場合は、評価基準や社内の承認フローを整理する方法があります。

自社だけで改善するのが難しい場合は採用代行を活用して、一部の採用業務を外部へ委託するのも有効です。採用代行のメリット・デメリットやサービスの選び方については、以下の記事も併せてご覧ください。

【企業の特徴別】新卒採用における母集団形成の施策

新卒採用の母集団形成では、企業の知名度や規模、所在地、事業内容などの特徴に応じて施策を変えることが重要です。自社の強みと弱みを整理したうえで、採用サイトやSNS、ダイレクトリクルーティング、インターンシップ、大学との連携などを組み合わせましょう。

本章では、新卒採用における母集団形成の施策について、企業の特徴別に解説します。採用成功につながる母集団形成の具体的な方法や、企業事例については、以下の記事も参考にしてください。

中小企業

学生に企業名を知られていない中小企業の場合、求人を掲載するだけでは就職先の候補として認識してもらえない可能性があるため、仕事内容や職場の雰囲気など、自社ならではの魅力を具体的に発信して母集団を形成することが重要です。

まずは、採用サイトやSNSを活用し、事業内容や仕事内容をわかりやすく伝えましょう。募集要項だけではなく、若手社員のインタビューや1日の仕事の流れ、研修制度、職場の様子などを掲載すると、学生が入社後の働き方を具体的にイメージできます。

また、地域密着型の合同企業説明会や大学のキャリアセンターなど、学生と接点を持てる場を活用する方法も効果的です。採用ターゲットとなる大学や学部が明確であれば、学校と継続的に関係を構築すると、学生へ自社を知ってもらう機会を増やせます。

中小企業がTikTokやInstagramなどを採用活動でどのように活用すべきか知りたい方は、以下のサイトもご覧ください。

ベンチャー企業

ベンチャー企業は大企業と比較して、知名度や待遇、福利厚生などが充実していない場合があるため、企業理念や事業の将来性、成長環境などに共感する学生との接点を増やしましょう。

ベンチャー企業では、事業や組織が成長過程にあるからこそ、若手社員がさまざまな業務に挑戦できたり、経営層や他部署と近い距離で働けたりする場合があります。このような実態がある企業では、「どのような仕事を任せるのか」「どのように成長できるのか」を具体的に伝えることがポイントです。

また、創業の背景、事業への思い、若手社員の仕事などをSNSやオウンドメディアで継続的に発信すれば、企業理念やカルチャーに共感する学生との接点を増やせます。

しかし「裁量が大きい」「成長できる」などの抽象的な表現だけでは、他社との差別化が難しくなります。入社何年目の社員がどのようなプロジェクトを担当しているのかなど、具体的な事例を示しましょう。

知名度の高い大企業

多くの学生から応募が集まる知名度の高い大企業の場合、採用ターゲットと合わない応募が増えて、選考工数が膨らむ可能性があるため、自社が求める学生を効率的に見極められる母集団を形成することが重要です。

採用したい人物像を明確にし、職種や部門ごとに必要な能力・志向性を整理しましょう。そのうえで、就職ナビサイトによる幅広い募集だけでなく、ダイレクトリクルーティングなどを活用し、採用ターゲットに近い学生へ企業側から接点をつくる方法も効果的です。

特定の職種や専門性を持つ人材を採用したい場合は、仕事内容を具体的に体験・理解できるプログラムを設計することも選択肢の1つです。

チャネルごとのES提出率や選考通過率、内定承諾率などを比較すれば、「応募者は多いものの採用につながっていないチャネル」「応募数は少なくても質の高い学生を獲得できているチャネル」を判断できます。

地方企業

地方企業の新卒採用では、地域内だけで学生を集めようとせず、都市部や地元を離れて進学した学生まで接点を広げることが重要です。地方は若年層の都市部への流出などによって、採用対象となる人材の母数が少なく、求人を掲載して待つだけでは十分な応募を確保できない場合があるからです。

地方企業では、その地域で働くメリットを具体的に伝えるのも有効です。仕事内容やキャリアだけでなく、通勤環境や住居、生活コスト、休日の過ごし方、地域社会との関わりなど、学生が就職後の生活をイメージできる情報を発信することがポイントです。

また、地元の大学や大学のキャリアセンターと連携する、U・Iターン向けの就職イベントに参加して、現在は都市部に住んでいる学生との接点をつくるなどの方法もあります。オンラインの会社説明会や面接を導入すれば、遠方に住む学生でも移動せずに参加できるのがメリットです。

地方求人で応募が集まらない原因や、母集団を増やすための採用設計について詳しく知りたい方は、以下の記事も併せて参考にしてください。

BtoB企業

BtoB企業は業界で高い実績を持っていても、学生が企業名を知る機会が少ない場合があるため、事業内容や社会における役割を学生へわかりやすく伝え、企業理解を深めてもらうことが重要です。

「何を提供している企業なのか」だけではなく、「自社の事業が社会や生活をどのように支えているのか」まで具体的に説明しましょう。また、インターンシップや会社説明会などを活用し、普段接する機会の少ないBtoBの仕事を知ってもらうことも大切です。

学生が応募したくなる採用サイトの設計や、採用ブランディングについては、以下のサイトに詳しく記載されています。

新卒採用の母集団形成に関するよくある質問

新卒採用の母集団形成を進める際、「いつから始めればよいのか」「どのくらいの人数を集めればよいのか」など、さまざまな疑問を抱える方もいるでしょう。本章では、新卒採用の母集団形成に関するよくある質問について解説します。

母集団形成はいつから始めるべき?

新卒採用の母集団形成は、採用したい卒業年度の1年以上前を目安に準備を始めるのがおすすめです。接点をつくる時期になってから計画を考え始めると、ターゲット設定やチャネル選定が間に合わず、十分な母集団を確保できない可能性があります。

例えば、2028年卒(28卒)の学生を採用する場合は、2026年の春から夏頃にかけて採用予定人数や求める人物像、利用する採用チャネルなどを検討し、大学3年生の夏にあたる2026年夏頃から学生との接点を増やしていくとよいでしょう。

インターンシップやオープン・カンパニーなどを活用すれば、就職活動が本格化する前から自社を知ってもらう機会をつくれます。

2027年度卒業・修了予定者については、原則として広報活動が3月1日以降、採用選考活動が6月1日以降、正式な内定が10月1日以降とされています。一定要件を満たすインターンシップなどには例外があるため、年度ごとの最新情報を確認することが重要です。

出典:内閣官房「2027年(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」

母集団は何人くらい必要?

新卒採用で必要な母集団の人数は、「採用予定人数の〇倍」と一律に決めるのではなく、各選考段階の歩留まりから逆算して算出しましょう。企業によってES提出率や面接通過率、内定承諾率などが異なり、同じ採用予定人数でも必要な母集団の規模が変わるからです。

例えば5人の採用を目標とし、「内定承諾率80%・面接通過率25%・ES通過率25%・ES提出率70%」と仮定します。この場合、5人の入社には約7人への内定が必要です。さらに逆算すると、面接約28人、ES提出約112人、プレエントリー約160人が必要です。

段階 計算式 必要人数
採用 5人
内定 5÷0.8 約7人
面接 7÷0.25 約28人
ES提出 28÷0.25 約112人
プレエントリー 112÷0.7 約160人

実際の歩留まりは企業の知名度や募集職種、選考フロー、採用チャネルなどによって変わります。そのため、過去の採用データがある企業は自社の実績値を使って逆算し、採用活動中も各段階の歩留まりを確認しながら必要人数を調整することが大切です。

知名度がなくても母集団形成はできる?

企業の知名度が低くても、採用ターゲットに合わせて学生との接点を能動的につくれば、母集団形成は可能です。知名度の高い企業と同じように求人媒体へ掲載して応募を待つだけでは、自社を知らない学生に応募を検討してもらえない場合があるため、企業側から認知を広げる取り組みが重要になります。具体的には、以下の方法が有効です。

  • ダイレクトリクルーティングを利用して、自社が求める条件に合う学生へ個別にスカウトを送る
  • 大学のキャリアセンターや研究室、ゼミなどとの関係をつくり、対象となる学生に企業を知ってもらう
  • SNSや採用サイトで社員インタビュー、1日の仕事内容、職場の雰囲気などを発信する

「若手のうちから裁量を持てる」「転勤がない」「特定分野の技術を身につけられる」など、学生にとって魅力となる特徴を具体化すると、応募への関心を高められます。

母集団形成にかかる費用の相場は?

マイナビの「2024年卒企業新卒内定状況調査」によると、採用費の総額平均は287.0万円、入社予定者1人あたりの採用費平均は56.8万円でした。

ただし、この金額はあくまで調査対象企業全体の平均です。採用費は企業規模や業種、採用人数、利用する求人媒体・サービスなどによって大きく異なるため、自社の採用予算を決める際の目安として、参考程度に捉えるとよいでしょう。

出典:マイナビ「2024年卒企業新卒内定状況調査」P126

母集団の「質」はどう判断する?

母集団の「質」は集まった人数の多さではなく、自社が採用したい学生がどの程度含まれているかで判断しましょう。応募者が多くても採用ターゲットに合う学生が少なければ、その後の選考につながらず、採用担当者の工数だけが増えてしまう可能性があるためです。

例えば、100人から応募があったとしても、自社が設定した採用要件を満たす学生が10人しかいなければ、必ずしも質の高い母集団とはいえません。

一方、応募者が50人でも、そのうち30人が採用ターゲットに合っており、多くの学生が書類選考や面接へ進んでいるのであれば、効率よく質の高い母集団を形成できていると考えられます。

まとめ|自社に合った新卒採用の母集団形成を実践しよう

新卒採用の母集団形成では、採用予定人数からプレエントリー、ES提出、面接、内定、内定承諾までの歩留まりを逆算し、自社が求める学生との接点を計画的につくることが重要です。

母集団の「量」と「質」の両方を意識し、採用データをもとに施策を改善しながら、自社に合う学生を計画的に採用できる仕組みをつくりましょう。

しかし、「施策を実施しているものの成果につながらない」「採用担当者だけでは改善まで手が回らない」といった企業も少なくありません。そのような場合は、採用領域のプロに相談し、自社の採用課題を客観的に整理するのも1つの方法です。

Workship CONSULTINGでは、採用戦略の策定から採用ブランディング、採用広報、マーケティング、スカウト代行、RPOまで幅広く支援しています。採用ターゲットやKPIの設計、チャネルの選定、コンテンツ企画、運用改善まで一気通貫で対応しているため、母集団形成だけでなく、応募や内定につながる採用体制を構築したい企業にも適しています。

「新卒採用の母集団形成を見直したい」「自社に合った採用施策を知りたい」という方は、ぜひご相談ください。

(執筆:fujisiro 編集:猫宮しろ)

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