母集団形成の進め方|採用成功につなげる7つの方法と企業事例

母集団形成の進め方|採用成功につなげる7つの方法と企業事例
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採用活動を進めるなかで、「求人を出しても応募が集まらない」「応募はあるものの、自社が求める人材となかなか出会えない」と悩んでいる採用担当者も多いのではないでしょうか。採用市場の競争が激化するなか、採用を成功させるには、十分な応募者を集める「母集団形成」の考え方がこれまで以上に重要になっています。

そこで本記事では、母集団形成の基本的な考え方から、応募者を増やすための具体的な施策、実際の企業事例までをわかりやすく解説します。

現役エンジニア兼ライターとして採用にも携わってきた経験をもとに、採用現場で押さえておきたいポイントを紹介します。自社の採用活動を見直すヒントとしてぜひ参考にしてください。

水無瀬あずさ
水無瀬あずさ

神社にお参りに行ったら、ひっくり返ってもがいていたカブトムシ(オス)を捕まえました。虫好きの長男(高校生)が甲斐甲斐しくお世話をしています。(note: @azasaz_a

母集団形成とは?採用活動における意味と重要性

採用活動では、求人を公開して応募を待つだけでは、求める人材に出会えないことがあります。そこで重要になるのが、採用候補となる人材との接点を増やし、選考につながる層をつくる「母集団形成」です。

ここではまず、母集団形成の基本的な意味と、採用活動における役割を確認していきましょう。

母集団形成は応募数ではなく採用数を支える土台

母集団形成の意味と読み方

母集団形成は「ぼしゅうだんけいせい」と読み、採用活動において自社の求人に興味を持つ可能性がある候補者を集め、選考対象となる人材の集まりをつくることを指します。

もともと「母集団」は、統計分野で調査や分析の対象となる全体の集合を意味する言葉です。採用活動では、求人への応募者だけでなく、企業説明会の参加者、スカウトへの返信者、人材紹介会社から推薦された人、採用イベントで接点を持った人なども、広い意味で母集団に含まれます。

どの段階の候補者を母集団とみなすかは企業によって異なり、求人情報を閲覧した人まで含める企業もあれば、応募やエントリーを完了した人だけを対象とする企業もあります。そのため採用活動を進める際は、自社にとっての母集団の定義を明確にし、関係者の認識をそろえておくことが重要です。

母集団形成が採用活動で重要視される理由

母集団形成が重要視される理由は、自社に合った人材を採用するための土台となるからです。 十分な候補者がいなければ、比較・検討できる選択肢が限られ、採用の質や採用人数に影響を及ぼす可能性があります。

採用選考では、書類選考や面接による不採用に加え、候補者側の選考辞退や内定辞退も発生します。例えば、1人を採用するために10人の応募が必要な場合、5人を採用するには単純計算で50人程度の応募者を集める必要があります。実際には、選考途中の辞退率や採用基準によって、さらに多くの候補者が必要になることもあります。

十分な母集団を形成できていないと、採用に必要な候補者数を確保できず、採用基準を下げざるを得なくなったり、採用期間が長期化したりする可能性があります。また、限られた候補者の中から急いで採用を決めることで、入社後のミスマッチにつながることもあるでしょう。

一方で、計画的に母集団を形成しておけば、複数の候補者を比較しながら、自社が求めるスキルや価値観に合った人材を見極めやすくなります。その結果、必要な採用人数を確保しやすくなるだけでなく、採用の質や入社後の定着率の向上にもつながります。

「応募者数」と母集団形成の違い

応募者数とは、求人に応募した人の人数を示す数値です。一方、母集団形成は、応募者を含めた採用候補者との接点をつくり、選考につながる人材を継続的に集めるための取り組み全体を指します。

つまり、応募者数は母集団形成の成果を測る指標の一つであり、両者は同じ意味ではありません。

母集団形成では、人数だけでなく書類選考の通過率や面接への移行率、内定承諾率なども確認することが重要です。応募者の「量」と「質」の両方を見ながら、採用チャネルや求人内容を改善していく必要があります。

母集団形成が難しくなっている理由

近年は、求人情報を公開するだけでは、十分な応募者を集めることが難しくなっています。ここでは、母集団形成が難しくなっている主な理由を紹介します。

1.少子高齢化により採用市場が変化している

母集団形成が難しくなっている大きな理由の一つが、少子高齢化による生産年齢人口の減少です。企業が採用したい若年層や経験者の数が限られる一方で、人材を求める企業は多く、採用市場では求職者を企業同士で取り合う状況が生まれています。

特に、IT人材や専門職、若手の即戦力人材などは需要が高く、求人を掲載しても十分な応募が集まらないケースが少なくありません。求職者が複数企業から内定を得ることも増えており、選考辞退や内定辞退への対策も必要です。

2.AIの普及により求められるスキルが変化している

生成AIをはじめとするデジタル技術の普及に伴い、企業が人材に求めるスキルも変わりつつあります。従来の業務知識や経験に加え、AIツールを使いこなす力、データを読み解く力、業務改善につなげる発想力などを採用要件に含める企業も少なくありません。

私自身、フリーランスライターとして仕事をするなかで、求められる能力の変化を強く感じています。以前は、「正確でわかりやすい文章を書けること」が重要なスキルの一つでした。しかし、文章そのものをAIで容易に作成できる現在、それだけでは十分とはいえません。AIを適切に活用しながら情報を取捨選択し、内容の正確性や独自性を高めるなど、人だからこそ生み出せる付加価値がより重視されるようになっているのです。

一方で、企業側が求める条件を増やし過ぎると採用要件を満たす候補者が限られ、母集団を形成しにくくなります。新しい職種やスキルは定義が曖昧になりやすいため、仕事内容や求める人物像が求職者に正しく伝わらないこともあり、興味を持った人材から応募をためらわれてしまう可能性もあります。

3.求職者の情報収集方法が多様化している

求職者は求人サイトや人材紹介会社だけでなく、企業の採用サイト、SNS、口コミサイト、動画、社員による情報発信など、さまざまな媒体を使って情報を集めています。また、職場の雰囲気や社員の働き方、経営者の考え方まで確認したうえで、応募するかどうかを判断する求職者も少なくありません。

そのため、一つの求人媒体に情報を掲載するだけでは、採用したい人材に情報が届かない可能性があります。ターゲットとなる人材がどのような媒体を利用し、どのような情報を求めているのかを把握し、複数の接点から継続的に発信することが求められます。

4.求人を出すだけでは応募が集まらない時代になった

少し前までは、知名度のある求人媒体に募集情報を掲載すれば、一定数の応募を期待できるケースもありました。しかし、現在は多くの企業が同じ媒体で求人を公開しているため、自社の情報がほかの求人に埋もれやすくなっています

仕事内容や応募条件を簡潔に記載しただけの求人では、他社との違いが伝わらず、求職者の関心を引くことができません。応募を増やすには、求人広告による募集だけでなく、スカウト採用や社員紹介、採用イベント、SNSなどを組み合わせ、企業側から候補者へ働きかける必要があります。

5.採用ブランディングの差が応募数を左右する

求職者が応募先を選ぶ際には、給与や勤務地などの条件だけでなく、「どのような会社なのか」「どのような働き方ができるのか」といった企業イメージも重視します。そのため、自社で働く魅力を整理し、一貫したメッセージとして発信する採用ブランディングが、母集団形成に大きく影響します。

求人票では挑戦できる環境をアピールしているにもかかわらず、採用サイトや面接で保守的な印象を与えると、候補者の不信感につながりかねません。反対に、仕事内容や社風、キャリアの可能性を具体的に伝えられれば、知名度の高くない企業でも応募を集められる可能性があります。

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母集団形成がうまくいかない企業に共通する課題

母集団形成がうまくいかない原因は、求人媒体の選び方や応募者数の不足だけにあるとは限りません。採用ターゲットの設定から求人情報の発信、応募後の選考対応、入社後の定着まで、採用活動のさまざまな段階に課題が潜んでいる可能性があります

例えば、応募が集まらない場合でも、「そもそも求人情報がターゲットに届いていない」「仕事内容や働く魅力が十分に伝わっていない」など、原因によって必要な対策は異なります。また、応募者数を確保できていても、求める人物像と合わなかったり、選考途中の辞退が多かったりすれば、採用成功にはつながりません。

母集団形成で起こりやすい主な課題としては、次のようなものが挙げられます。

  • 採用すべき人材の要件が明確になっていない
  • 求人を掲載しても十分な応募者が集まらない
  • 求める人物像と応募者がマッチしていない
  • 選考途中や内定後の辞退が多い
  • 採用担当者のリソースや社内の連携体制が不足している
  • 採用コストが増えているものの、成果につながっていない
  • 採用後のミスマッチによって早期離職が起きている

これらの課題は、それぞれが独立しているとは限りません。例えば、採用要件が曖昧なまま求人を掲載すると、訴求内容や採用チャネルにもずれが生じ、応募者とのミスマッチや選考工数の増加につながります。さらに、仕事内容や働き方を十分に伝えられていなければ、内定辞退や入社後の早期離職を招く可能性もあります。

母集団形成を見直す際は、応募数だけを確認するのではなく、書類選考通過率や面接移行率、内定承諾率、採用単価、入社後の定着率なども確認し、候補者がどの段階で離脱しているのかを整理することが重要です。課題が発生している工程を特定したうえで、採用ターゲットや求人内容、選考体制、採用チャネルを改善していきましょう。

母集団形成で起こりやすい課題の原因や具体的な改善策については、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

母集団形成を成功させる7つの方法

母集団形成を成功させるには、採用したい人物像を明確にしたうえで、求職者に伝える情報や接点となる採用チャネルを見直し、継続的に改善していく必要があります。ここでは、応募者の量と質を高めるために取り組みたい具体的な方法を紹介します。

母集団形成のための施策マップ

1.採用ペルソナを明確にする

母集団形成の第一歩は、どのような人材を採用したいのかを明確にすることです。必要な経験やスキルだけでなく、仕事に対する価値観、志向性、転職を考える理由なども具体化すると、候補者像をイメージしやすくなります。ただし、条件を細かく設定し過ぎると、該当する人材が少なくなるため注意が必要です。

採用に必須の条件と、入社後に身につけられる条件を分けて整理するとよいでしょう。採用ペルソナが明確になれば、求人票の内容や訴求する魅力、利用する採用チャネルにも一貫性が生まれ、求める人材に情報を届けやすくなります。

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2.求人票や採用メッセージを見直す

求人票に仕事内容や応募条件を並べるだけでは、他社との違いや自社で働く魅力が十分に伝わらないことがあります。業務内容はできるだけ具体的に記載し、入社後に任せる仕事や期待する役割、身につくスキルなどをイメージできるようにしましょう。

また、企業側が伝えたい情報だけでなく、求職者が知りたい給与、働き方、評価制度、職場環境なども盛り込むことが重要です。採用メッセージに一貫性を持たせ、求職者が「自分に合う会社か」を判断できる内容に見直すことで、応募の質を高めやすくなります。

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3.採用広報を強化する

採用広報とは、自社の仕事内容や社風、働く人、企業の考え方などを継続的に発信し、候補者との接点をつくる取り組みです。求人情報だけでは伝えにくい職場の雰囲気や社員の価値観を紹介することで、応募前の不安を減らし、自社への理解を深めてもらえます。

まだ転職を具体的に考えていない潜在層と接点を持つうえでも有効です。ただし、情報を発信するだけでは十分ではなく、採用ターゲットが知りたい内容を見極め、継続して届ける必要があります。

採用広報の進め方や発信内容を具体的に見直したいという場合には、Workship CONSULTINGのような外部サービスを活用するのも一つの方法です。

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4.ダイレクトリクルーティングを活用する

ダイレクトリクルーティングは、企業が候補者の経歴やスキルを確認し、直接スカウトを送る採用手法をいいます。求人への応募を待つのではなく、自社が求める人材に企業側から働きかけられるため、転職潜在層との接点を広げやすい点が特徴です。

一方で、候補者ごとに内容を変えず、同じスカウト文を一斉送信すると、返信につながりにくくなります。候補者の経歴のどこに魅力を感じたのか、自社でどのような活躍を期待しているのかを具体的に伝えましょう。送信数だけでなく、開封率や返信率、面談化率も確認しながら改善することで、より効果的な母集団形成につながります。

5.リファラル採用を取り入れる

リファラル採用とは、自社の社員から友人や知人を紹介してもらう採用手法です。社員が仕事内容や職場環境を事前に説明できるため、候補者の企業理解が深まりやすく、入社後のミスマッチを抑えられる可能性があります。求人媒体では出会いにくい人材へ接点を広げられることもメリットです。

ただし、社員に紹介を呼びかけるだけでは、継続的な応募にはつながりません。募集職種や求める人物像、紹介後の流れをわかりやすく共有し、社員が安心して知人に声をかけられる仕組みを整えることが重要です。紹介件数だけでなく、選考通過率や定着率も確認しながら運用しましょう。

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6.SNSやオウンドメディアを活用する

SNSやオウンドメディアは、求人媒体だけでは伝えきれない企業の魅力を継続的に発信できる手段です。社員インタビューや一日の仕事の流れ、社内制度、プロジェクトの裏側などを紹介すると、求職者が入社後の働き方を具体的にイメージしやすくなります。

転職活動を始めていない人にも情報を届けられることから、将来の候補者との接点づくりにも役立ちます。ただし、媒体ごとに利用者層や適した発信内容は異なるため、採用ターゲットが利用している媒体を見極め、発信の目的やテーマを統一することが大切です。短期的な応募数だけでなく、中長期的な認知向上を意識して運用しましょう。

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7.採用データを分析しPDCAを回す

母集団形成の施策は、実施して終わりにするのではなく、結果を確認して改善を重ねることが重要です。求人媒体やスカウト、社員紹介など、採用チャネルごとに応募数、書類選考通過率、面接化率、内定承諾率などを記録しましょう。

応募数が多くても選考通過率が低い場合は、採用ターゲットと求人内容がずれている可能性があります。一方、応募数は少なくても採用決定率が高ければ、質の高い母集団を形成できていると考えられます。感覚だけで判断せず、データをもとに課題を把握し、施策の継続・改善・中止を判断することで、採用活動の精度を高められます。

新卒採用・中途採用で母集団形成のポイントは異なる

母集団形成の基本は共通していますが、新卒採用と中途採用では、候補者の就職・転職活動の進め方や企業選びの基準が異なります。ここでは、それぞれの採用区分や職種の特徴に応じた接点のつくり方や訴求内容を紹介します。

新卒採用で意識したいポイント

新卒採用では、就業経験がない学生も多いため、仕事内容や職種名だけでは働く姿を具体的にイメージしてもらえないことがあります。そのため、企業説明会やインターンシップ、社員との座談会などを通じて、仕事内容や社風、働く人の魅力を丁寧に伝えることが重要です。

また、新卒採用は一定の時期に多くの企業が一斉に活動するため、早い段階から学生との接点をつくる必要があります。

ただし、エントリー数だけを増やそうとすると、企業理解が不十分なまま応募する学生が増え、選考辞退や内定辞退につながりかねません。応募前から継続的に情報を提供し、自社への理解と志望度を高めながら母集団を形成することが大切です。

中途採用で意識したいポイント

中途採用では、候補者がこれまでの経験やスキルを生かせるか、転職によって希望する働き方やキャリアを実現できるかを重視する傾向があります。そのため、求人票には業務内容や募集背景、入社後に期待する役割、得られる経験などを具体的に記載することが重要です。

転職希望者のなかには、積極的に求人を探していない潜在層もいます。求人媒体への掲載だけでなく、ダイレクトリクルーティングや人材紹介、社員紹介などを組み合わせ、企業側から接点をつくることも有効です。

採用条件を細かく設定し過ぎると対象者が限られるため、必須条件と歓迎条件を整理し、候補者の可能性を必要以上に狭めないようにしましょう。

エンジニア採用など専門職で重要になる考え方

エンジニアをはじめとする専門職は、求められるスキルが明確である一方、該当する人材が限られ、採用競争も激しくなりやすい職種です。母集団形成では、技術領域や経験年数だけで候補者を絞るのではなく、自社の業務で本当に必要な能力を整理することを意識しましょう。

また専門職の候補者は、開発環境やチーム体制、技術選定の考え方、キャリアパスなどを重視する傾向があります。そのため、採用担当者だけでなく現場社員も情報発信や面談に関わり、仕事の実態や専門的な魅力を具体的に伝えることが、質の高い母集団形成につながるでしょう。

母集団形成を進める上での注意点

母集団形成を進めるためには、採用活動の目的を見失わず、自社の状況に合わせて取り組みを見直していくことが大切です。ここでは、母集団形成を進めるうえで意識しておきたいポイントを紹介します。

応募者数だけを追わない

応募者数を増やすことは、母集団形成における一つの目標です。しかし、人数だけを追い求めると自社が求める人物像と合わない応募が増え、書類選考や面接にかかる負担が大きくなる可能性があります。また、応募が多くても採用基準を満たす人材が少なければ、最終的な採用にはつながりません。

重要なのは、応募者数だけでなく、書類選考通過率や面接通過率、内定承諾率などもあわせて確認することです。母集団の量だけでなく質にも目を向けることで、自社に合った人材をより効率的に採用しやすくなります。

採用担当者だけで抱え込まない

母集団形成は、採用担当者だけで完結する業務ではありません。現場社員や経営層も採用活動に関わることで、仕事内容や職場の雰囲気、企業の方向性などを、求職者へより具体的かつ説得力を持って伝えられるようになります。

採用広報や採用サイトの改善など、社内のリソースやノウハウだけでは対応が難しい場合は、採用支援会社をはじめとする外部の専門家を活用するのも有効です。採用担当者が一人で抱え込まず、社内外の関係者と連携しながら進めることで、継続的かつ効果的な母集団形成につながります。

採用データを基に継続的な改善を行う

採用市場や求職者の動向は変化し続けているため、一度成果が出た施策が、その後も同じように通用するとは限りません。そのため母集団形成では、施策を実施して終わりにせず、継続的に見直すことが重要です。応募数や採用数だけでなく、媒体ごとの応募率や選考通過率、内定承諾率などを定期的に確認し、どの施策が成果につながっているのかを分析しましょう。

数値をもとに改善を重ねることで、効果の低い施策を見直し、より成果の見込める取り組みにリソースを集中できます。経験や勘だけに頼らず、採用データを活用してPDCAを回し続けることが、安定した母集団形成につながります。

母集団形成を成功させた企業事例

母集団形成にどのように取り組めばよいのかイメージしにくい場合は、他社の成功事例を参考にするのも一つの方法です。ここでは、母集団形成に成功した企業の事例を紹介し、自社の採用活動に活かせるポイントを見ていきましょう。

地方企業がスカウト型採用で「待ちの採用」から脱却した事例

山形県鶴岡市に本社を置くサカタ理化学株式会社では、ハローワークや人材紹介会社を通じて営業職を募集していたものの、応募が少なく、内定辞退も続いていました。

そこで、企業側から候補者へ直接アプローチするスカウト型採用を導入。あわせて、自社の強みである「社員の裁量の大きさ」を言語化し、候補者ごとに訴求内容を工夫したほか、面接前に本音を話せる面談の機会も設けました。その結果、約3年間にわたって難航していた営業職2名の採用に成功しています。

この事例からは、求人を出して応募を待つだけでなく、自社の魅力を整理したうえで、企業側から候補者との接点を積極的につくることが、地方企業の母集団形成において重要であるとわかります。

参考:ビズリーチ事例

インターン採用で質の高い母集団形成に成功した事例

ローカルビジネスのマッチングプラットフォームを運営する株式会社ミツモアでは、事業拡大に伴い、特にメディア事業を支えるインターンの採用強化が課題となっていました。

そこでWantedlyを活用し、募集情報や企業の魅力を伝えるストーリーをほぼ毎日更新。また、学生に親しみを持ってもらえるよう、明るく自然な職場写真を掲載するなど、見せ方にも工夫を重ねました。結果、Wantedly経由で20名のインターン採用に成功しただけでなく、長期的な活躍が期待できる大学1・2年生や、起業志向・成長意欲の高い学生との接点も増えています。

この事例からは、採用媒体を継続的に運用し、自社の雰囲気や魅力を丁寧に発信することが、質の高い母集団形成につながるとわかります。

参考:Wantedly事例

グループ全体で採用活動を見直し、大規模な母集団形成に取り組んだ事例

イオングループでは、時間給社員の採用を各社・各店舗に任せていたため、応募者への対応の遅れや現場の業務負担、採用コストの重複などが課題となっていました。

そこでパーソルと連携し、募集から面接設定までを一元的に担う「グループ合同採用センター」を設置。まずは首都圏の5社で試行し、採用率や採用単価などのKPIを検証したうえで、対象店舗を段階的に拡大しました。その結果、応募者への迅速な対応が可能になり、採用人数は導入前と比べて180%に向上。採用コストも約3割削減しました。

この事例からは、グループ全体で採用業務とデータを集約し、外部の知見も取り入れることが、大規模な母集団形成と採用効率の改善につながることがわかります。

参考:パーソル事例

まとめ|母集団形成を改善して採用成功につなげよう

母集団形成は、採用活動を成功させるための重要な土台です。ただ応募者数を増やすのではなく、自社が求める人材と出会い、採用につなげられる母集団を形成することが重要になります。

そのためには、採用ペルソナを明確にしたうえで、求人票や採用メッセージの見直し、採用広報の強化、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用など、複数の施策を組み合わせて取り組むことが効果的です。また、応募数や選考通過率、内定承諾率などの採用データを分析し、継続的に改善を重ねることで、自社に合った母集団形成の仕組みを構築できます。

採用市場が変化し続けるなか、従来と同じ採用手法だけでは十分な母集団を形成できないケースも増えています。まずは自社の採用課題を整理し、できる施策から一つずつ改善を進めていくことが、採用成功への第一歩となるでしょう。

母集団形成や採用広報にお悩みならWorkship CONSULTING

Workshipコンサルティング

▲出典:Workship CONSULTING

母集団形成を改善するには、採用戦略の設計から情報発信、応募後の選考体験、入社後の定着・育成までを一貫して見直すことが重要です。しかし、採用担当者だけでこれらすべてに対応するのは難しく、専門的な知識や十分なリソースが不足することもあります。

Workship CONSULTINGでは、採用ターゲットやKPIの設定、採用チャネルの選定といった戦略設計から採用広報、採用ブランディング、採用サイトの制作・改善、SNS運用、スカウト代行まで幅広く支援しています。また、新入社員から管理職までを対象とした社員研修や人材育成にも対応しており、採用した人材の定着と活躍まで見据えた支援を受けられる点も特徴です。

母集団形成が思うように進まない場合や、自社の採用課題を整理したい場合は、Workship CONSULTINGを活用し、採用活動全体の仕組みを見直してみてはいかがでしょうか。

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