エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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相次ぐコロナ不況により経済は深刻なダメージを受け、フリーランス/個人事業主にも影響がおよんでいます。
そんななか、政府は「月次支援金」という制度を発表しました。今回の記事では、月次支援金の支給額や申請方法、必要書類といった情報をまとめていきます。
実際に筆者も申請してみましたので、申請過程や行政書士さんからのコメントもあわせてご紹介します。
※一時支援金の申請期限は2022年1月7日までで、すでに申請受付は終了しています。
2022年2月現在、申請できる『月次支援金』やほかの給付金/支援制度については以下の記事でご紹介しています。
▼現在も申請可能な給付金/支援制度一覧
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目次
月次支援金の目的は、「緊急事態措置またはまん延防⽌等重点措置による自粛の影響をうけた人たちを支援し、事業の継続をサポートする」ことです。
申請期間は対象月ごとに分かれ、10月分は2021年11月1日~2022年1月7日……と、申請期間は「対象月の翌月から原則2か月間」になっています。
申請について、経済産業省は「一時支援金の仕組みを用いることで、事前確認や提出資料の簡略化を図り、申請者の利便性を高めていきます」と明記しており、一時支援金とかなり似通った制度になっています。また、一時支援金を受給した方は、月次支援金を比較的簡単に申請/受給できます。
一時支援金を受給していない方も、月次支援金をスムーズに申請するために、一時支援金の概要を把握しておくのがおすすめです。
なお、2021年12月7日時点において、一時支援金の申請受付は終了しています。
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一時支援金の支給対象者を分かりやすく説明すると、「中小企業」「個人事業主(フリーランス)」のいずれかのうち、以下の2パターンどちらかにあてはまる方です。
そのうえで、2021年の4月以降に、2019/2020年比で月間売上が50%以上減少していることも条件になります。また、ここでいう「取引」は、一回限りではなく「反復継続した取引(対象期間内の複数回の取引)」がある場合を指すので注意が必要です(新規に開業した人を対象とする「新規開業者特例」などいくつかの特例制度も用意されています)。
つまり、「コロナによる影響を受けており、そのせいで月の収入が50%以上減少しているか」が判断の基準といえます。これは一時支援金と同じですね。また、上の条件さえ満たしていれば職種は問わず給付対象とされていますが、対象者の具体例も公開されています。
かなり幅広い職種が対象になっており、
などのフリーランスも、条件さえ満たしていれば給付対象です。
ただし、同時に「職種を問わず給付対象にはならない例」も公開されているので、こちらも合わせて確認しましょう。
それでも、テキストを見ただけでは「自分が受給対象か分からない……」という方もいると思います。
そんな方のために、経済産業省が「月次支援金の給付対象・保存書類に関する早わかりガイド」を作成しているので、こちらも参考にしてください。
月次支援金の算定方法は、一時支援金よりもシンプル。2019年または2020年の対象月の売上から2021年の対象月の売上を引き、出てきた金額がそのまま給付額です(上限10万円。給付金・補助金など、コロナ関連の支援制度で得た収入は売上に含まず計算します)。
たとえば、2021年4月の売上が15万円、2019年4月の売上が30万円、2020年4月の売上が20万円だった場合。
月次支援金の要件(50%以上減少)を満たす2019年4月の売上を利用し、
- 30万円 – 15万円 = 15万円
- 上限10万円のため給付額10万円
となります。
また、コロナの影響が長期化する可能性を考慮し、「同措置が複数月に及ぶ場合や新たに同措置が実施されて対象月が増えた場合などは、対象になっていれば月ごとに申請ができる」とも発表されている点も注目です。
つまり、「4月の要件を満たして給付金を一度受給した人でも、5月が対象月になり要件を満たせば再び給付金を得られる」ということです。
自身の受給額がよく分からないという方は、公式サイトに掲載されている給付額シミュレーションも利用してみるといいでしょう。
個人事業主が月次支援金を申請するには、5つの書類が必要です。
基本的には一時支援金と同じ書類が求められます。異なるのは、一時支援金にあった「取引先情報一覧」という書類が削除されている点。取引先情報の提出は事業者にとってハードルが高く、申請のブレーキになってしまうために必要書類から外されたとも考えられます。
一時支援金を受給している場合は「2021年の対象月の売上台帳」「宣誓・同意書」の2つのみが必要書類となり、そのほかの書類は申請が免除されます。また、月次支援金の2回目以降の申請については、「2021年の対象月の売上台帳」のみが必要になります。
なお、このほかに緊急事態措置やまん延防止等重点措置の影響を受けたことを証明する証拠書類の保存も求められているので、申請の根拠となる証拠書類を見つけ、保管しておくようにしましょう。
2021年12月現在、月次支援金のスケジュールについて以下のように公表されています。
2021年9月分までの申請受付は11月30日に終了しました。10月分の申請は11月1日に開始〜2022年1月7日に終了します。事前確認期限は申請終了の5日前までですが、年末年始はコールセンターが休業するため、10月分の申請は12月28日までに申請する必要があります。ギリギリに申請するつもりの方はご注意を。
一方、肝心の受給日はハッキリとは分かりません。参考までに、筆者の場合は申請から入金まで以下のスケジュールで進みました。
申請から1ヶ月以上経って8月に入っても「申請内容確認中」から進捗がなく、「本当に入金されるのだろうか」と不安になる日々でした。ですが、SNSなどでも同様の報告は多く、申請から受給までには1ヶ月半程度かかることも想定しておくべきかもしれません。
混雑状況によっては入金に時間がかかることも想定されるので、資金繰りに苦しんでいる場合は既存のほかの支援制度も合わせて検討することをおすすめします。
ちなみに、筆者は異なる月の申請も行ったのですが、その際は前回の情報が活用されたためか、2週間程度で入金されました。複数回申請で、かつ簡単申請を選択した場合、入金が早まる可能性が高いです。
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なお、東京都は緊急事態措置などの影響を受けた都内の個人事業主/中小企業を対象にした支援金、「東京都中小企業者等月次支援給付金」の申請受付を開始しました。この東京都の月次支援給付金は、すでに発表されている国の月次支援金と併用可能。
また、支給条件が優しいため、国の月次支援金の対象でなかった人も給付を受けられる可能性が高いものになります(東京都の月次支援金については、別記事で詳しく解説していますので、気になる方はこちらも合わせてご一読ください)。
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さらに、東京都以外でも、大阪府や神奈川県、北海道など、各都道府県が続々とこうした補助制度を公表しています。
補助制度を新設する都道府県も多いうえ、市区町村レベルでの実施例もあるようなので、お住まいの地域の都道府県、市区町村HPをよく確認してみましょう。
申請の流れは、大きく分けて
という4ステップです。
一時支援金で問題になった「事前確認」の煩雑さはあまり解消されていません。しかし、一時支援金の受給者は事前確認が免除されるのは嬉しいポイント。一時支援金とほぼ同じシステムが採用されているため、受付開始前に流れを詳細に把握しておきたい方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。
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なお、以下では一時支援金の受給をしていない場合の手順を解説します。
月次支援金事務局のページから、アカウントを作成して申請用IDを発行します。
また、申請に必要な書類もこの時点で準備しておきましょう。
月次支援金事務局のHPに記載されている「登録確認機関一覧」から、事前確認を依頼する登録確認機関を探しましょう。登録がされている金融機関や商工会などの会員である場合はそちらの利用を推奨します。
非会員の場合は税理士や行政書士など、登録確認業務を行っている人を探すことになります。ただし、一時支援金の申請では有償での対応となってしまう場合が多く、無償で登録確認を実施している機関は予約が殺到し大混雑したので、無償での確認を希望する場合はSNSなどで根気強く探してみることが大切です。
登録確認機関の予約が完了したら、実際に事前確認を行います。オンライン会議や電話での事前確認も認められているので、感染対策を徹底したい方は登録確認機関と交渉してみましょう。
事前確認はあくまで形式的なものなので、資料の粗さがしや質問攻めにおびえる必要はありません。ただし、審査をするわけではないので、事前確認ができても給付が決定するわけではないことも事実です。
ここまでの手続きが完了したら、事務局HPより申請して作業は終了です。申請にあたっての注意事項が公開されているので、申請を完了する前に一度確認しておきましょう。
一時支援金をすでに受給している/別の月の月次支援金をすでに申請している場合は、添付書類や入力事項を大幅に省略できる「簡単申請」を利用できます。ただし、簡単申請の条件は意外と厳しく、月次支援金を2度申請予定の筆者は「基準年(2019年or2020年どちらの月収をベースにするか)」を変更したところ、簡単申請が利用できませんでした。
その場合は初回と同じく基本申請になりますが、事前確認は不要ですし、入力事項も前回のものを参考にできるので、初回よりはかなり楽になるまずです。
この記事を執筆している筆者自身も、緊急事態宣言の発出による外出自粛要請で旅行系の取材が困難になり、月次支援金の支給対象者になりました。
そこで、以下では筆者が実際に事前確認~申請をやってみた体験レポをお届けします。
なお、申請にあたって、筆者の基本的な情報はこのようになっています。
申請用アカウントの作成は、特に問題なく完了しました。
一般的なWebサービスへの会員登録などがスムーズにできる方なら、大きくつまずくことはないでしょう。
書類の準備は、この記事と月次支援金の資料を参考にしながら進めれば問題なく済ませられました。普段からクラウド会計ソフトの『会計Freee』で帳簿作成をしているため、簡単に売上台帳や確定申告書の控えを用意できたのもよかったです。
書類は印刷せずデータのままでも問題ありませんが、「宣誓・同意書」だけは手書きでの署名が必要なため、こちらは印刷して記入しましょう(記入した同意書をスマホで撮影し、画像データとしてアップロードできるので、書面をスキャンをする必要はありません)。
今回は、知人に紹介してもらった行政書士の植田元気さんに、Zoomを使って事前確認をお願いしました。
行政書士。 1984年生まれ。筑波大学第二学群生物資源学類卒業。立命館大学公務研究科修了。大阪市職員を経て、VOID綜合行政書士事務所設立。VOID株式会社代表取締役。古民家活用プロジェクト「学森舎」やゲストハウス運営、店舗立上げなど複数の不動産活用プロジェクトを手がける。資格の活用法などについて発信するYouTubeチャンネルは登録者7000人を超える。
事前確認では、以下の8点を確認してもらいました。
以上で挙げられている書類は、事前確認前に準備する必要があります。ただし、私はクラウドソーシングを活用していた時期に請求書を発行していなかったため、その分は口座の入出金履歴で代替できました。
また、先にも書いたように、事前確認は形式的な確認という側面が強かったです。書類を厳しくチェックされるというよりは「必要な書類が手元にあり、制度をしっかり理解しているか」を確認された印象を受けました。
事前確認の終了後、登録確認機関が作業完了を事務局に通知すると、正式に申請ができるようになります。
ただし、事前確認前にも情報の入力や書類の添付は可能なため、あらかじめ申請フォームを埋めておき、事前確認が済んだらすぐに申請することも可能です。
申請に際しては、以下の7つの情報を入力していきます。
この中で特に注意が必要なのは、「取引先一覧」「基本情報」です。
まず、「取引先一覧」では、申請月の2019年、2020年に最も多く取引をした取引先を2社ずつ書く必要があります。
フリーランスにとって取引先を明かすのはハードルが高いうえ、取引先名だけでなく法人番号や住所などの記入も必須です。
業態によっては「取引先が一般人や不特定多数の人」というケースも十分に考えられるのですが、入力フォーム上では「屋号などが明らかな場合のみ」個人顧客を記入できるとされており、やや実態にそぐわないのが現状です。
一方、「基本情報」の項目では、文章で職種や事業、現状について記入できる自由記入欄があります。取引先情報や売上台帳からは理解されにくい特殊な業種や状況の場合は、ここを積極的に埋めるようにしましょう。
申請がすべて完了すると、あとは事務局の審査を待つことになります。
今回は、実際に事前確認をお願いした行政書士の植田元気さんに、事前確認を中心とした「月次支援金の疑問」を、インタビュー形式で聞いてみました。
─── 事前確認をするうえで、気を付けてほしいことがあれば教えてください。
植田:
実際にやってもらって分かるように、事前確認はあくまで形式的な確認がメイン。ですが、事前確認の際に「私は受給対象ですか?」「入金はいつ頃になりますか?」など、制度の中身について質問されることも多いです。
しかし、それは登録確認機関の業務ではないため、聞いても答えてくれない可能性が高いです。私の場合は、事務局に尋ねてもらうようにしています。ちなみに、同じ事務局の職員でも担当者によって回答が変わったという話を聞くので、異なる2人の担当者に連絡し、同じ回答が得られれば正解と思っていいでしょう。
───「こういう人は確認や申請が難しい」と感じたケースはありましたか?
植田:
やはり、お金のやり取りを手渡しで済ませている場合は確認が大変です。通帳の記録という形で証拠が残らないので。
一応、「書類が足りない合理的理由」があれば申請はできますが、書類不備として再審査になってしまったり、受給に時間がかかったりする可能性は残ります。
───「登録確認機関を探せない」という声も多く寄せられますが、効率の良い探し方はありますか?
植田:
SNSを見ていると「無料対応」をうたう登録確認機関を見かけるので、安く済ませたければ彼らに頼むといいでしょう。ただし、無料の機関には応募者が殺到するので、確認を最後まで一人ひとり丁寧にできず、処理のミスや連絡忘れが発生する可能性もあります。
また、ハッキリ言って無料対応では全く割に合わないので、無料対応している場合は「その登録確認機関は何か別の目的があるかもしれない」とも考えておくべきです。
─── 登録確認機関には行政書士や税理士、金融機関などさまざまな業態がありますが、誰に頼むのがベストでしょうか?
植田:
顧問税理士不在で、取引のある金融機関がないと仮定した場合、実績が欲しくて自由が利く若手の行政書士がいいと思います。税理士の場合、あくまで本業は税務なので、繫忙期が重なると事前確認を受け付けてくれなかったり、高額の報酬を要求される可能性があるからです。
また、誰に頼むにせよ、4万円、5万円も払う必要はありません。連絡や事後処理を含めて作業自体はだいたい1時間で終わるので、士業の平均的な時給を考えると適正な報酬は5000円くらいかな、と思います。
ここまで、月次支援金の概要から申請方法まで解説してきました。制度の詳細が公表されているわけではないので断言はできませんが、一時支援金を受給していればかなり楽に申請ができそうです。一回あたりの給付額は下がりましたが、今後も継続的な実施を示唆しているので、当面の資金繰りの助けにもなるでしょう。
受給に際して分からないことがある場合、公式サイトに「よくある質問」がまとめられているので、まずはそちらをご確認ください。
それでも申請が難しい場合、申請サポート会場を利用しての申請も可能です(要事前予約)。受給対象と思われる場合、諦めずに申請してみてください。
最後に、申請に役立つ支援金関係のリンク、連絡先をまとめておきます。申請する際にぜひご利用ください。
(執筆:齊藤颯人 編集:泉、mozuku 取材協力:植田元気)