2024年のコンテンツマーケティングトレンド5選

コンテンツマーケティングを成功させるためには、戦略の評価を怠らず、変更を繰り返さなければいけません。

2023年、多くのコンテンツマーケターは戦略的に企画を立て、目的を絞り込み、かつ工数を減らしてコンテンツマーケティングの効率化に取り組んできたことでしょう。

しかし、コンテンツマーケティングの手法や種類は多岐にわたるため、時間と予算をどこに投資すべきか判断するのは、簡単なことではありません。

本記事では、2024年のコンテンツマーケティングトレンド5選を紹介します。

1. 顧客中心のコンテンツ制作

Content Marketing Instituteの調査によると、マーケターの半数以上が、ユーザーにとって適切なコンテンツを見つけることを最大の課題だと考えています。

▲「BtoBマーケターのコンテンツ制作における課題」という調査。「オーディエンスにとって適切なコンテンツを作る」が57%で第1位（出典：Smart Insights）

2023年はAIが話題になりましたが、BtoBのコンテンツクリエイターは、人間に焦点を当てたマーケティングの課題を挙げています。

コンテンツ制作は理屈だけでも感情だけでも成立しません。そのためマーケティング担当者がコンテンツの状況を評価するにあたって、人間を中心とした考えかたをすることは理に適っています。

2023年にはGoogleがヘルプフルコンテンツアップデートを実施したため、WebライターやSEO担当者などは、読者の疑問を解消し、ユーザー体験に付加価値を与えるコンテンツを意識するようになったはずです。

Google検索セントラルは、2023年9月に以下のように述べています。

「『ヘルプフル コンテンツ システム（Helpful Content System）』は、訪問者に満足感を与えるコンテンツによりよい報酬を与えることを目的としており、逆に訪問者の期待に応えられないコンテンツのパフォーマンスは低くなります」

2. コンテンツマーケティング全体の最適化

LinkedInで、2024年にコンテンツマーケティングのどの段階を最適化するか尋ねたところ、さまざまな意見が集まりました。

▲出典：Smart Insights

右上から時計回りに、「リーチ – 探索（26%）」「行動 – 意思決定（13%）」「コンバージョン – 購入（32%）」「エンゲージメント – 忠誠心（29%）」です。この調査結果は、目的主導型のコンテンツが戦略の各ステージで価値を付加できることを示しています。

ファネルの上位で効果的なコンテンツを再利用し、一人ひとりに合った価値を付加して、購買段階での意思決定に影響を与えるのがおすすめです。

3. 「コンテンツチーム」による一元的なコンテンツ施策の実施

Content Marketing Instituteは、従業員100人以上の企業の70%がコンテンツ戦略を一元化していることも明らかにしました。

以下の調査では、右上から時計回りに次のような結果が出ています。

• 各部門・ブランドが独自のコンテンツを制作する（23%）
• 各部門・ブランド・製品のリソースをプールし、コンテンツ制作の責任を分担する（21%）
• コンテンツのリクエストは、一元化されたコンテンツチームを通して実施する（51%）
• コンテンツ制作の責任は代理店に委託している（3%）
• その他（2%）

▲出典：Smart Insights

プラットフォームにおける顧客の体験がより複雑になるにつれ、コンテンツ戦略の一元化は非常に重要になるはずです。実際、メールマーケティングのトレンドやソーシャルメディアマーケティングのトレンドが、顧客重視の戦略によって形成されています。

いっぽう、2300万件のシェアに基づくCognitive SEOの調査では、SNSの平均シェア数・コメント数・いいね数とサイトランクのあいだに強い相関関係があることが判明しています。

「ソーシャルシグナル」はいまだGoogleによって公式に認められていないものの、SEOとSNSを組み合わせたコンテンツ配信は賢明だと言えるでしょう。

▲ソーシャルネットワークのプレゼンスとサイトランクの相関グラフ（出典：Smart Insights）

4. AIを活用したコンテンツマーケティング

AIは多くの変化をもたらしていますが、とくに注目されているのが複数の異なるプラットフォームやチャネルの融合です。ChatGPTも、AIがマーケティング戦略に利益をもたらす10の方法を発表しました。内容は以下の通りです。

1. オムニチャネルの顧客データを効率的に分析する
2. コンテンツをパーソナライズし、一貫したクロスチャネル体験を実現する
3. リアルタイムなインサイトを提供し、機動的な調整を実現する
4. マーケティング業務を効率化し、自動化によって時間を節約する
5. 顧客行動の傾向を予測する
6. クロスセルとアップセルを強化するために製品を推奨する
7. チャットボットにより、チャネルを横断したカスタマーサポートを強化する
8. リアルタイムのA/Bテストにより、オムニチャネル・マーケティング・キャンペーンを最適化する
9. コスト効率とマーケティングROIを改善する
10. スケーラブルなオムニチャネル・マーケティング戦略を可能にする

5. SGEを意識したコンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとSEOは密接な関係にあるため、SGEについても触れないのは不自然でしょう。SGEは「Search Generative Experience」の略で、検索結果への自動生成AIの活用を指します。

SGEの導入によって、リッチリザルト導入時と同様にSERP（Search Engine Result Page／検索結果ページ）の様子がまた変わりましたが、Googleは依然として人間向けにコンテンツを書くことを推奨しているようです。

このような新しい動きを受けて、コンテンツマーケティング担当者は、保険のためのUGC（User Generated Content／ユーザー生成コンテンツ）のような、新しいコンテンツマーケティングの手法を検討しています。

おわりに

コンテンツマーケティングで成功するためには、柔軟な対応が欠かせません。日々変化する顧客の行動やGoogleのアップデート、技術の革新に対応しながら、つねに質の高いコンテンツの制作を心がけましょう。

（執筆：Gabrielle Wright　翻訳：Asuka Nakajima　編集：北村有　提供元：SmartInsights）