【社労士解説】ジョブ型雇用時代におけるフリーランスの生存戦略とは?
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DXの推進やビッグデータの活用など、データサイエンティストが求められるシーンはとても多いです。フリーランスの案件も多く、リモート案件も豊富にあります。
今回は、以下の流れでフリーランスのデータサイエンティストを目指す方向けの情報をまとめました。
- フリーランスのデータサイエンティストに求められるスキル
- フリーランスのデータサイエンティストを目指すための流れ
- フリーランスのデータサイエンティストの求人例
フリーランスのデータサイエンティストは実務経験も求められることが多いですが、未経験から目指す場合の流れも丁寧にまとめているので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
データサイエンティストとは、データにもとづいて合理的なビジネスの課題解決を行えるようにサポートする職業のこと。ビッグデータの活用やAIの活用など、データを活用してビジネスを進めるときに重宝される存在です。
主な仕事内容としては、以下の4つがあります。
主な仕事内容 | 詳細 |
---|---|
データ収集・分析 | ・データの収集方法を検討し、データを収集する ・分析しやすいようデータを加工し、分析を行う |
データの構造化・管理 | ・データを整理しわかりやすいように構造化・管理する |
レポート作成 | ・データを分析し、結果を報告するレポートを作成する ・KPIごとにデータをまとめる工程なども必要となる |
課題解決 | ・レポートの内容を元に、課題解決につながる提言を行う |
▼データサイエンティストのより詳細な仕事内容はこちらもチェック データサイエンティストとは?仕事内容、平均年収、資格、将来性を解説 Workship MAGAZINE
では、フリーランスのデータサイエンティストになるには、どういったスキルが必要なのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
フリーランスのデータサイエンティストに求められるスキル・経験は、以下の3つです。
- データサイエンティストの基礎スキル
- AIエンジニアやDBエンジニアの実務経験2年以上
- 案件獲得につなげる営業スキル
データサイエンティストの基礎的なスキルはもちろん、実務経験もあると案件獲得がしやすくなります。
フリーランスは即戦力を求められることから、データサイエンティストの実務をこなすためのスキルは必須です。具体的には、以下4つのスキルが必要となります。
▼データサイエンティストが求められるスキルの例
- 数学、統計学
- 機械学習、ディープラーニング
- Hadoop、MapReduce
- プログラミングスキル(PythonやR言語、SQLなど)
データの収集・分析などを行うときに、数学や統計学を活用したデータ分析のスキルが不可欠です。またビッグデータを使うケースもあるため、機械学習やディープラーニングなどの知識も求められます。
またこれらのデータ分析・加工などを行うときに、データ分析に使うツールや、PythonやR言語、SQLなどのプログラミングスキルも必要となるでしょう。
スキル1で紹介したスキルを独学で学んでも、完全未経験からフリーランスの案件を獲得するのは難しいです。フリーランスは即戦力として採用されるため、フリーランスエージェントなどでは実務経験2、3年以上が求められることが多くなっています。
とくにデータサイエンティストは、統計学や機械学習などの「知識」があることを前提に、ツールやプログラミングを駆使した「実践力」が必要となるため、実務経験は重要です。
フリーランスとして仕事をしていくうえで必要となるのが、案件を獲得するための「営業スキル」です。営業スキルと言っても、プレゼン資料を用意して提案するようなゴリゴリの営業ばかりではありません。
なぜならフリーランスと企業をつなぐ「エージェント」や「マッチングサービス」などがあり、以下のような情報を整理することで案件を探しやすいからです。
▼営業のために最低限整理しておきたい情報
- 経歴やスキル
- 仕事内容や収入面などの希望条件
- 案件に応募した理由
「フリーランスとして働くうえで、自己分析や営業が必要になる」といった点だけ、押さえておきましょう。
ここからは、フリーランスのデータサイエンティストを目指す流れを紹介します。データサイエンティストは求められるスキル・経験が多いことから、ここでは以下2つのケースに分けて見ていきましょう。
- 実務経験がある場合
- 未経験から目指す場合
データサイエンティストとしての実務経験がある場合は、フリーランスエージェントやマッチングサイトなどを活用して仕事を探していきます。職務経歴書を求められるため、以下を参考に準備しておくとよいでしょう。
【テンプレ・サンプル付き】フリーランスの履歴書・職務経歴書の書き方。ポートフォリオだけでは不十分?
Workship MAGAZINE
なお、データサイエンティストではなく「エンジニア」の経験がある場合も、実務経験として提示できます。たとえばデータベースエンジニアの経験があれば、データベースやSQLについて深い知識と経験を認められ、仕事を受けられる可能性があります。
「自分の持っている経験・スキルで、どんな仕事ができるのか」
「これから鍛えるべきスキルとしては、何が必要か」
これらを見極めるうえでも、エージェントを活用して営業してみるとよいのではないでしょうか。
フリーランスは即戦力として採用されるため、実務経験が求められます。そのため、まずはデータサイエンティストに必要なスキル・経験を磨くための準備をしましょう。
具体的に言うと、求められるスキルから逆算して経験を積むことをおすすめします。
▼ステップ1:エンジニアとしての実務経験を積む
- 例1:Pythonを学び、Webエンジニアとしての実務経験を積む
- 例2:データベースやSQLを学び、データベースエンジニアとしての実務経験を積む
▼ステップ2:統計学や機械学習に関するスキル・資格の習得を目指す
- 例1:統計学の知識の証明となる「統計検定」を習得する
- 例2:データベース資格の「ORACLE MASTER」「OSS-DB」などを習得する
▼ステップ3:フリーランスエージェントや案件マッチングサービスに登録する
- フリーランスエージェント:『レバテックフリーランス』『Midworks』など
- 案件マッチングサービス:『Workship』『Lancers(ランサーズ)』など
上記はあくまでも例ですが、ステップ1で2、3年経験を積んでからフリーランスエンジニアになり、統計学や機械学習を扱う開発案件でスキルを磨くのも一つの手です。
ちなみに、データサイエンティストを目指すときにおすすめのプログラミング言語については、以下で詳しくまとめています。あわせてご一読ください。
データサイエンティストが学ぶべきプログラミング言語/データベース言語 9選
Workship MAGAZINE
実際の案件例も見ておくと、より求められるスキルがイメージしやすくなります。ここでは、フリーランスの案件マッチングサービス『Workship』を例に紹介します。
1つ目の例は、CRM領域におけるビッグデータ解析を行うデータサイエンティストの案件です。CRMとは「Customer Relationship Management」の略称で、企業と顧客との関係性を管理することを指します。
購買行動や生活様式の変化などにより、顧客の行動にフォーカスしたビジネス戦略は必要不可欠となりました。CRMは多くのデータを扱うことも多く、データサイエンティストが求められているようです。
下記に、募集要項の一部を抜粋してご紹介します。
▼業務内容
- Rなどの統計解析ソフトを活用したクライアント企業のDB分析
- クライアント企業の問題解決に向けたソリューション企画
▼必須スキル
- データベース分析の経験
- R言語の使用経験
▼歓迎スキル
- SPSS、SAS、Python等の統計解析ソフトの経験
- 機械学習によるデータ解析の経験、機械学習ソフトの使用経験
- データ分析からのソリューション提案経験
- CRMに関しての知見
- データサイエンスのレクチャー経験
▼求める人物像
- データドリブンな思考や判断ができる方
- クライアントを巻き込んでプロジェクトを進める推進力のある方
- 柔軟な発想力で0から1を生み出せる方
2つ目の案件は、経営戦略室におけるビジネス課題解決につながるデータ分析・管理に関する案件です。
ビジネス課題解決につながるデータ分析を行うのは、まさにデータサイエンティストならではの仕事と言えます。統計学や機械学習に加えて、マーケティングに関する知識も必要となるでしょう。
募集要項の一部を抜粋して、ご紹介します。
▼業務内容
- 分析基盤の整備やデータ分析
- マーケティング・セールスチームの問題発見/解決の推進
- プロダクト改善や経営分析
▼必須スキル
以下のいずれか、または複数の経験
- PardotやSalesforce等の設定/運用経験
- GoogleAnalyticsの設定/運用経験
- SQLなどを通じたデータ分析経験
- BigQueryなどを活用したデータマートの利用経験
- Tableau・Looker等BIツールの利用経験
▼歓迎スキル
- マーケティング/営業企画経験
- メンバーの教育/マネジメント経験
▼求める人物像
- 社外勉強会への積極的な参加ができる方
3つ目の案件は、NFTを扱う案件です。NFTは「Non Fungible Token」の略称で、デジタルコンテンツの証明書のようなもの。さまざまな関連事業が展開されています。
Web3と相まって今後さらに熱を加速していく分野のため、興味がある方も多いのではないでしょうか。募集要項の一部を抜粋して、ご紹介します。
▼業務内容
- 経営、ビジネス、プロダクトと連携して、重要な意思決定をするときのデータサポート
- ブロックチェーンを利用した全世界ユーザーのNFT取引状況の把握
- プロダクトの仮説検証のための調査/分析
- 市況の変化におけるサービスやプロダクトへの影響の調査、また予測のための分析
- プロダクト改善やビジネスに対する仮説検証・評価
▼必須スキル
- 積極的に課題を見つけて解決に導ける
- 仮説、データ分析設計、効果検証までの一連の分析フローを実施できる
- SQL、R言語、Pythonなど、データ分析に必要な言語を扱える
- Web3 / NFTに関する強い興味・関心がある
▼歓迎スキル
- BIツールの利用経験
- 統計学、機械学習などのデータサイエンススキル
- データ分析環境の設計経験
- 英語に明るい
▼求める人物像
- Web3やNFTに興味がある方
- スタートアップでの実務経験がある方
今回紹介した求人の例を元に、求められるスキルや経験についてまとめました。
▼どんな案件が多いか
- 「〇年以上」など経験年数の記載はないものの、実務経験は求められる
- 経営、営業、マーケティング、新技術など、何かに特化した知識、スキルを求められることも多い
データサイエンティストの仕事は、データを分析したうえで何らかの「課題解決」につなげる提案が求められます。単純にデータを整理するだけでは見えてこないことが多いため、特定の分野に強くなったほうが案件は豊富にありそうです。
たとえば「マーケティングに強いデータサイエンティストを目指す」「経営課題の解決に強いデータサイエンティストを目指す」などです。
働き方としては、以下のような特徴がありました。
▼働くうえで気になる募集要項の例
- リモート案件も豊富にある
- 週1日から働ける案件もある
- 最低時給3000円以上の案件が多い
リモート案件が豊富のため、場所問わず案件を探しやすいのは魅力なのではないでしょうか。
最後に、フリーランスのデータサイエンティストを目指すときによくある疑問を4つ紹介します。
可能ですが、未経験からいきなりフリーランスのデータサイエンティストになるのは難易度が高いです。上述した、以下の流れでデータサイエンティストを目指すことをおすすめします。
- 【ステップ1】エンジニアとしての実務経験を積む
- 【ステップ2】統計学や機械学習に関するスキル・資格の習得を目指す
- 【ステップ3】フリーランスエージェントに登録して案件取得を目指す
※詳細は「【ケース2】未経験から目指す場合」をクリック
フリーランスのデータサイエンティストの平均年収について、フリーランスエージェントの求人データを確認し、平均年収を調べてみました。
- 扱う案件がエージェントによっても異なる
- オープンになっている案件以外にも取り扱い案件がある
以上の理由により平均年収は上下しますが、月額60万円~月額90万円が平均単価となっているケースが多かったです。
高単価となっている理由は、経営課題の解決につながる点ではないでしょうか。
ちなみに求人ボックスのデータによると、データサイエンティストの平均年収は723万円となっていました。
2022年の日本全体の平均年収が433万円であることを考えると、高年収と言えるのではないでしょうか。
フリーランスエージェントや案件マッチングサービスの案件数を確認し、オープンになっている案件数を整理してみました。
エージェント・サービス名 | 案件数 |
---|---|
Workship | 36件 |
レバテックフリーランス | 438件 |
Midworks | 34件 |
クラウドワークス | 78件 |
ランサーズ | 160件 |
(※2022年11月30日時点の情報です。カテゴリやフリーワードで検索し、出てきた件数を記載しております)
少ないところでも30件以上あり、案件数が多いところでは400件以上あるエージェントもあります。非公開となっている求人数も含めると、案件を探すときに困ることはあまりないのではないでしょうか。
フリーランスのデータサイエンティストは、今後も将来性のある仕事と言えます。その理由は、以下の2つです。
- ビッグデータの分析や活用のニーズに対して、人材が不足している
- ビジネス課題の解決につながる仕事のため、仕事自体が無くなる心配が少ない
厚生労働省の「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」では「ビックデータの分析や活用のニーズが高まっており、データサイエンティストの人材不足は顕著であり、好条件を提示する会社が出てきている」と紹介されています。
つまりデータサイエンティストは需要に対して供給が足りていない状況で、今後も案件数が増えていくことが予想されます。
また「データを軸としたビジネス課題の解決につながる仕事」であることから、仕事自体がなくなる心配も少ないのではないでしょうか。むしろ新しい技術が出てくるたびに、データを活用してビジネス推進ができるデータサイエンティストが求められることが予想されます。
実際に求人では「NFT」や「Web3」などを扱う案件もあり、メタバースなど新しい技術革新に合わせて求人数も増えていくのではないでしょうか。
今回は、フリーランスのデータサイエンティストの概要や求められるスキル、目指すときの具体的な流れなどについて紹介しました。
データサイエンティストは、経営、企画、営業、マーケティングなど、さまざまな業務で活躍の場がある職種です。ビジネスの課題解決に直結する業務であることから、平均年収も高く将来性も高いです。
もしもデータサイエンティストに興味がある方は、実際の案件例から求められるスキルを確認してはいかがでしょうか。以下から確認できますので、お気軽にご確認ください!
(執筆:しろ 編集:北村有)