デザイン力の鍛え方|スキルを磨いて仕事につなげる方法を紹介

デザイン力の鍛え方|スキルを磨いて仕事につなげる方法を紹介

デザイン力とは、デザインをつくるうえで必要な技術や思考法を指します。「センス」とは異なり、基本ルールと思考法を理解し、実践を積み重ねていくことで身につけることが可能です。

この記事では、デザイン力の鍛え方について解説します。仕事につなげるためのデザイン力のアピール方法も紹介しますので、ぜひ参考になさってください。

デザイン力を鍛える方法とは?

デザイン力を鍛えるには、勉強して知識をつけるだけではなく、実践を積み重ねていくことが大切です。制作するときにターゲットや目的に応じて求められる表現が異なります。多くのデザインを制作して、色の組み合わせやレイアウトなどを工夫し、自分なりに納得のいくデザインを見つけることが大切です。

また見た目だけではなく、情報を整理し、わかりやすく伝える力もデザイン力といえます。日々のトレーニングを通じて経験を積むことで、少しずつスキルを磨いていくことが大切です。

デザイン力の本質

デザイン力を鍛えるためには、デザインの本質を知ることが大切です。近年、デザインは、ビジュアルをつくるスキルだけではなく、近年はビジネスシーンでも求められるようになっています。ここでは、デザイン力の根幹となる考え方について解説します。

デザイン力=技術×思考力

デザイン力は「センス」とは違い、基本的なデザインの技術と論理的な思考力によって磨かれるものです。基本的なデザイン技術とは、配色やレイアウト、フォントの選び方などで、専門学校や大学などで体系的に学ぶことができます。

しかし、知識だけでは優れたデザインが作れるわけではありません。情報をわかりやすく伝えるには、感覚的に配置するのではなく、ターゲットのニーズや目的を考えながら配置していく必要があります。情報の優先度をつけるためには、論理的思考力が求められるのです。

デザインは課題解決の手段

デザインは単純に美しいビジュアルを追求するものではなく、課題解決の手段としても活用されます。たとえば、購買率を上げたいECサイトでは、カートボタンのデザインや配置を変えてユーザーの行動を喚起します。

コーポレートサイトでは信頼性を伝えるために情報を整理して掲載するなど、ユーザーが快適に利用できるようにデザインすることで、ビジネスの成果につなげることが可能です。

デザインの基本4原則を理解する

デザイン力を鍛えるには、まずデザインの基本となる4原則を理解することが大切です。

近接|Proximity

「近接」は関連する要素をグルーピングして、情報のまとまりを視覚的に伝えるものです。枠で囲うよりもシンプルに表現できるため、視認性が向上します。以下のように余白を活用してグルーピングするのです。

デザインの4原則「近接(Proximity)」 情報量が多くても、近接を活用することで直感的に内容を理解してもらうことができます。

整列|Alignment

「整列」は、要素をそろえることでデザインに規則性をもたせて、統一感を演出する手法です。基本的な整列は以下のとおりです。

デザインの4原則「整列(Alignment)」

「近接」でまとめて要素を「整列」させると、よりすっきりと視認性が高まります。フォームやボタンの位置を統一させることで、ユーザーの操作性が向上し、購買率の向上も期待できるでしょう。

反復|Repetition

「反復」とは、規則性のあるパターンをくり返すことでデザインの一貫性をたもつ手法です。色やモチーフ、フォントスタイルなどを統一して、くり返し使うことでデザインに統一感が生まれます。

デザインの4原則「反復(Repetition)」

ページが遷移しても要素が統一されていることで、視覚的にも印象に残りやすくなります。わざと反復しないデザインを入れて、強調することも可能です。

強弱|Contrast

「強弱」とは、いわゆるメリハリです。フォントのサイズや色、要素の追加などで視覚的な緩急をつけます。とくに伝えたい情報を明確にするときに使われます。

デザインの4原則「強弱(contrast)」

近接や整列でまとめたデザインは、要素がフラットになるため、情報の優先度が不明瞭です。「強弱」をつけることで、パッと見ただけでターゲットに伝えたい情報を届けることができます。

デザイン力を鍛えるための思考法

デザイナーの思考法は経営にも活かせるとして注目を浴びていることを伝えます。ここでは、デザイン力を鍛えるための思考法について解説します。

デザイン思考とは

デザイン思考とは、デザイナーがデザインを考えるときの思考プロセスをもとに、課題解決策を考えるためのフレームワークです。以下の5つのプロセスで進められます。

プロセス 概要
共感|Empathize ユーザー視点で課題を理解する
問題定義|Define 本質的な課題を明確にする
創造|Ideate アイデアを出し合って最適なデザインを考える
プロトタイプ|Prototype 試作をしてデザインの有効性を検証する
テスト|Test ユーザーのフィードバックをもとに改善する

デザイン思考でユーザーのニーズを深掘りし、これまでにない新しいアイデアを生み出すことができます。デザインの目的を明確にできるだけではなく、データにもとづいた改善にも役立てることが可能です。

デザイン思考は日常生活で鍛えられる

デザイン思考は、ふだんの生活で鍛えることが可能です。たとえば絵画鑑賞では、絵画の細部をみたり全体を眺めたりして、絵画が伝えたいストーリーを考えるのです。

「なぜこのような背景にしたのか」「この配色から伝えたいものはなにか」と深く思考し、見えないところを見る力を養います。ほかにもチラシやDMのデザインを見て、情報の優先度や改善点を考えてみるのもおすすめです。

デザイン力はビジネスにも活かせる

デザイン思考はブランディングやマーケティングなど、経営にも求められています。近年は消費者の購買行動が変化しているため、ユーザーの理解が欠かせません。ユーザー視点で思考するデザイナーは、企業の抱える課題を解決へ導く力をもっているとして注目を浴びているのです。

デザイン力で課題を解決した事例として、Appleがあります。iPhoneのシンプルなUIや直感的な操作性は、デザイン思考のプロセスで生み出されたものです。

デザイン力を鍛えるトレーニング方法

デザイン力を鍛えるには、知識を学ぶだけではなく実践を積み重ねることが大切です。思考力を鍛えながら手を動かすことで表現の幅も広がります。

良いデザインを模写してみる

良いデザインの模写はデザインの基本を理解するのに効果的です。模写のトレーニングとして、よく知っているキャラクターなどを何も見ないで描いてみましょう。

ただ、模写をするだけではなく「なぜこの色なのか」「どうしてここに配置したのか」と考えながら模写することが大切です。考えながら模写することで、良いデザインのルールを理解できるようになってきます。

毎日1つデザインを作る

デザイン力を鍛えるには、継続的なアウトプットがカギとなります。ふだんから、身の回りのことをこまかく観察し、スケッチをしたりデザインに落とし込んだりする習慣をつけるとよいでしょう。

毎日1つデザインを作る習慣がつくことで、実践的なスキルが身につきます。ふと思いついたアイデアを形にすることで、デザイン力の向上につなげることが可能です。

ロジカルにデザインを改善する

デザイン力を磨くには、論理的な思考力の向上が欠かせません。「デザインをひとことで表すとどうなのか?」「なぜこの配置にしたのか」「どの要素を強調したらよいのか」など感覚だけではなく、しっかりと言語化することが大切です。

頭で考えてばかりいると行き詰まってしまうので、考えたことから紙などに書き出して見ると良いでしょう。「言語化能力」の高め方は以下の記事で解説しています。

スキルアップにつながる案件に挑戦する

現在のデザイン力を伸ばすには、多くの実務経験を積むことが大切です。実際の案件に挑戦してみて、自分のデザインがどのように評価されるのかを知るのです。

初めての案件に挑戦するときは、自分のスキルをうまくアピールできないこともあるかもしれません。エージェントサービスを活用することで、スキルや経験に応じた案件を紹介してもらえます。

デザインの基礎を学べるおすすめの書籍

デザイン力を鍛えるには、実践が大切ですが、効率を上げるには本やWebサイトで基本的な知識を習得する必要がある。デザイン力の基礎固めにも役立つ3冊の書籍を紹介します。

ノンデザイナーズ・デザインブック

ノンデザイナーズ・デザインブック』は、20年以上読まれているデザインの基本書です。デザインの基本4原則をはじめ、多くの作例をもとにデザインテクニックを解説しています。紙・Webと媒体を問わず、多くのデザイナーから支持を受けている書籍です。

なるほどデザイン

なるほどデザイン』は、デザインの基礎や概念、ルール、プロセスをわかりやすく解説している一冊です。デザインの考え方を身近なものにたとえて解説しています。

デザインの言語化

デザインの言語化』は、フリーランス・副業メディア『Workship MAGAZINE』で2019年から連載しているコラムを書籍化したものです。著者でありデザイナーのこげちゃ丸氏が現場で役立つデザイン力について解説しています。

デザインスキルを磨くアプリ・ツール

実践的なデザイン力を磨くには、毎日デザインに触れられる環境を作ることが大切です。ここでは、スキルアップに役立つアプリ・ツールを紹介します。

Adobe Creative Cloud

Adobe Creative Cloud』はデザイン業界の標準ツールです。現場で当たり前のように使われている「Photoshop」と「Illustrator」の操作スキルを証明する資格・検定も存在します。月額7,780円(税込)で20種類以上のアプリを利用できます。

Figma

Figma』はUIデザインツールです。おもにWebデザインの現場で使われており、ワイヤーフレームやプロトタイプの作成に使われています。直感的な操作性と無料プランがあるため、初めての方でも取り組みやすいのが特徴です。

Figmaの使い方は以下の記事で解説しています。

Canva

Canva』はテンプレートが豊富なデザインツールです。初心者でも簡単にデザインを作成できます。WebデザインやLP、UI/UXデザインなどの制作mにも使えます。

デザイン力を磨けるオンライン講座

デザイン力を磨くには、体系的に知識を習得できるオンライン講座がおすすめです。ここでは『Schoo(スクー)』と『Udemy(ユーデミー)』について解説します。

Schoo(スク―)

Schoo(スクー)』は、社会人向けのオンライン学習コミュニティで、幅広い分野の講座を提供しています。「デザイン基礎講座」や「Adobe XD基礎」で基礎スキルを磨きたい人におすすめです。

Udemy(ユーデミー)

Udemy(ユーデミー)』は動画で学べるオンライン学習プラットフォームですWebデザインやグラフィックデザインをはじめ、新しいUI/UXデザインなどさまざまなコースが用意されています。一度購入したら自分のペースで学習できるので、働きながらでもすき間時間を活用してデザイン力を磨くことが可能です。

そのほかにも社会人でデザインを学べるサービスは以下で紹介しています。

デザイン力をアピールする方法

身につけたデザイン力をしっかりアピールして、案件獲得に役立てましょう。案件獲得には、ポートフォリオと職務経歴書を活用します。

応募先のニーズを分析する

クライアントがどのような人材やスキルを求めているのかを把握することは、案件獲得において大切なことです。募集要項や企業の採用サイトをチェックして、求められる経験やスキルを調査しましょう。

募集要項の「必須スキル」は必ず必要なスキルです。必須スキル意外に「尚可スキル」と「歓迎スキル」の違いを知っておくと、自身の経験と習得すべきスキルを明確にできます。

  • 尚可スキル:必須ではないが有利になるスキル
  • 歓迎スキル:もっていると評価されるスキル

たとえば「尚可スキル」が高度なデザインツールの操作スキルであり、「歓迎スキル」はマーケティングやSEOに関する知識や実務経験といったケースです。
もしどちらかのスキルをもっていれば、応募時にアピールできます。

Webデザイナーに求められるスキルについては、以下の記事で解説しています。

魅力的なポートフォリオを作成する

デザインの現場では、デザインの知識よりも実践スキルを重視するため、ポートフォリオの質は重視しなければなりません。担当者に向けて、どのような作品を作れるのか、情報を整理してわかりやすく伝えることを心がけましょう。

ポートフォリオの構成や配置も評価されます。紙ではなく、ポートフォリオサイトを作成しておくと案件の応募や転職活動のときに便利です。ポートフォリオの作成方法は以下の記事で解説しています。

職務経歴書にもこだわる

ポートフォリオだけでは伝えきれないスキルや経験は、職務経歴書で補足しましょう。デザインツールの操作スキルを証明する資格や検定、プロジェクトの規模や役割、成果などを具体的に記載しましょう。

ポートフォリオでデザインスキルを示し、スキルの裏付けや実績の証明は職務経歴書で示します。セットで提出することで、自分のデザイン力をアピールすることが可能です。

最初は掲載する情報をまとめるのがたいへんですし、定期的なアップデートも必要ですが自分のスキルを客観視できるためおすすめです。職務経歴書の書き方は以下の記事で解説しています。

デザイン力を身につけて案件獲得につなげよう

デザイン力は知識を学ぶだけではなく、毎日の実践を通じて鍛えることが可能です。基本4原則を理解したうえで、ふだんの生活でたくさんのアウトプットをくり返すことで、デザイン思考が身についてきます。

デザイナーはクリエイティブ業界をはじめ、経営などでもその思考が求められています。求められるスキルも高くなっているため、つねにスキルアップを目指すことが大切です。磨いたデザイン力はクライアントにしっかりとアピールをして、案件獲得につなげましょう。

フリーランスデザイナーならエージェントサービスの『クロスデザイナー』がおすすめです。デザイン案件が豊富で自分のスキルにあった案件を紹介してもらえます。ほかにも『Workship』がおすすめです。

Workship最新画像

▲出典:Workship

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(執筆:吉永 ゆくら 編集:猫宮しろ)

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