デザイナーの言語化能力を高める4つのコツ。「本をたくさん読め」から抜け出そう

こんにちは、デザイナーのこげちゃ丸です。

「言語化能力 鍛える」と検索すると、さまざまな記事が出てきますよね。どれも、タメになる情報ばかりですが、「本をたくさん読んで語彙力を鍛え、インプットとアウトプットを繰り返そう!」という結論が多い印象です。言語化能力を高める近道はなくて、コツコツと努力するしかない。たしかにその通りだと思います。

でも、もう少し具体的に知りたくないですか?

1年間に発行される新刊の数は、およそ7万冊だそうです。「とにかく本をたくさん読もう!」と言われても、何から読めばいいのか分からなくなっちゃいそうです。デザインの言語化能力を高めろと言われても、そもそものハードルが高いですよね。

今回は、ぼくが実践している「言語化能力を高めるコツ」を、デザインの制作過程と共にご紹介します。

こげちゃ丸
こげちゃ丸

クライアントワークを中心に活動している、描いたり書いたりしているデザイナー。商品デザインからビジネスコンセプトづくりまで、幅広い領域で悪戦苦闘の毎日です。Twitter:@Koge0_ozeki

【ケーススタディ】ロゴマークのデザイン制作を言語化してみよう!

今回想定した、架空のクライアントからの依頼は以下の内容です。

「 “もったいない” で優しくつながる社会をつくる」というミッションのもと、余った食材を買い取り、再利用するフードシェアサービス『IROHA(いろは)』。サービスが大切にしている想いが伝わるロゴマークを希望します。

ロゴマークのデザインは、クラウドソーシングでもよく目にする案件ですよね。この依頼内容からどうデザインを発想し言語化していくか、順を追って説明していきます。

コツ1. 画像検索で語彙力を高めよう

言語化には語彙力が必要です。でも、語彙力に自信がなくても、調べて知識を増やせば問題ありません。

たとえば、依頼のキーワードである「もったいない」の由来を知りたいとき。「もったいない 由来」と検索すると、約2千万件もの結果がヒットします。これをすべて見るのは不可能です。だからといって最初の数ページだけ見ても、みんなが知っていることばかり出てきます。

だからぼくは、「もったいない 由来」というキーワードで画像検索しています。画像検索のメリットは、サムネイルを見た瞬間に記事の内容がおおよそ分かること。スクロールだけでエンドレスに閲覧できるので、短時間に多くの情報に触れることができます。

「もったいない 由来」というキーワードの画像検索

▲「もったいない 由来」での画像検索結果

もちろん、関係ない情報もたくさん出てきます。でも、その中から思いがけない「求めていた」情報を発見できることがあるんです。次の段落で紹介する、「日本人はなぜ正方形を美しいと感じるのか?」というエピソードも画像検索で見つけたものです。

言葉にまつわる情報を多面的に集めたいとき、画像検索はオススメの方法です。

コツ2. 意外性を大事にしよう

ゴミ・無駄をなくすキーワードとして、3R(Reduce:減らす、Reuse:繰り返し使う、Recycle:再資源化するの頭文字)という言葉があります。リサイクル関連のロゴマークで、Rの文字や循環する矢印を使ったデザインをよく目にしますよね。でもそれは、分かりやすい反面、見慣れた印象を与えてしまうのが悩ましいところです。

奇をてらうのは良くないですが、誰かに言いたくなる意外性のある物語は、共感を生みやすい。たとえば、こんなエピソードです。

人間が最も美しいと感じる黄金比。パルテノン神殿やパリの凱旋門も黄金比で設計されています。身近なところだと名刺の縦横比も1:1.61の黄金比です。

でも、日本人にとって、黄金比より慣れ親しんだ美しいバランスがあります。それが白銀比と呼ばれる1:1.41の比率です。

白銀比

白銀比は、正方形を基準に構成される木造建築から始まったと言われています。ではなぜ、正方形が基準なのか? それは丸太から最もムダなく木材を切り出せる形が正方形だからです。つまり白銀比に美しさを感じる根底には、日本人特有の「もったいない」という価値観があるんです。

世界最古の現存する木造建築物である法隆寺にも白銀比が使われています。日本人は黄金比よりも白銀比や正方形を好むという調査結果(※)もあります。茶室や風呂敷、折り紙など日本人の生活に美しいカタチとして溶け込んでいるのが、白銀比であり正方形なのです。

※中村滋(2008)『フィボナッチ数の小宇宙』日本評論社

「もったいない」という価値観が、日本人の美意識に影響していた、という意外なエピソードですよね。

ロゴマークに正方形を使った理由として、白銀比と「もったいない」の関係を伝えたら、クライアントも興味を持ってくれると思いませんか?

コツ3. 既知の中に無知を見つけよう

「磊磊落落ってなんて読むか知ってる?」と聞かれ、「らいらいらくらく、と読むんだよ。心が大きい人を表す言葉なんだって」と教えられても、ふーんという感じですよね。そんな難しい言葉、普段使いませんもんね。

まったく知らないことよりも、馴染みある言葉の知らなかった事実を聞いたときに人の心は動きます。その代表格が語源です。小さいころから使っていた言葉が、実は深い意味を持っていたら……。誰かに教えたくなりますよね。ぼくが面白いな、と思った語源をいくつかご紹介します。

  • おてんば:
    オランダ語で「手に負えない」を意味する “ontembaar” が語源と言われている。
  • 猫:
    よく寝るから、寝子という説がある。
  • かぼちゃ:
    カンボジアの特産品が、16世紀にポルトガル人によって輸入され、カンボジアが訛ってかぼちゃとなった。

クライアントから提示されたキーワードの語源を調べると、デザインコンセプトのヒントに出会えることが多々あります。「もったいない」の語源を調べると、仏教の世界に行きつきました。デザインコンセプトにするには、少し重い印象です。

そんなときは、少し視点を変えてみましょう。「もったいない」以外にも「循環・周る・円」という再利用を想起させる言葉の語源を調べると、なにかヒントが見つかるかもしれません。

たとえば、「円」の読み方のひとつに、「まど(か)」があります。まどかには「穏やかで安らかなさま」という意味があるんです。「ロゴカラーは、穏やかなイメージを与える暖色を基本に考えよう」というアイデアに繋げることもできますね。デザインの言語化は、発想を広げることにも役立つんです。

コツ4. はじめから言葉でデザインを考えよう

デザインの言語化能力を高める一番効果的な方法は、発想段階からデザインを言語化して考えること。つまり、いきなりデザイン画を描き始めないことです。

デザインを始めるとき、まっさきにPinterestで「ロゴマーク」と検索してはいけません。見た目にいいな、と感じたデザインをアレンジしただけでは、クライアントの心に響きません。後付けしたコンセプトは、相手に伝わってしまうものです。ぼくは現場で「いきなりイラレで絵描くのはやめようね」と呪文のように言っています。

IROHA ロゴデザイン

今回作成したデザインサンプルです。「もったいない」の物語と関係する正方形を基調に、穏やかに繋がるイメージを暖色のグラデーションで表現しました。「愛」が循環する意味を込めて、四角形の一部に「I(アイ)」の文字を組み込んでいます。とてもシンプルなデザインですが、デザイン要素の全てに明確な理由があります。

ロゴデザインは、トレンドに強く影響されます。でも、時代に関係なく受け入れられる、唯一の要素が「シンプル」です。シンプルなデザインを提案するのは、勇気がいります。手抜きだと思われないか? 味気なく見えてしまわないか? と不安になるものです。

でも、言葉でしっかりと考えられたデザインは、人を惹きつける力があるとぼくは信じています。だから、ぼくはデザインの言語化に力をいれているし、これからも言語化能力を高めたいと思っているのです。

(執筆&イラスト:こげちゃ丸 編集:少年B)

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