エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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フリーランスは、好きな時間に好きなだけ働き、住む場所も自由に選べて、やりたい仕事だけできる。そんな「フリーランス=自由な働き方」というイメージが定着しています。
2020年~2021年に行われたフリーランス協会の調査によれば、フリーランスになる動機の第1位は「自分の裁量で仕事をするため」、第2位が「働く時間/場所を自由にするため」とされています。自由な働き方を求めフリーランスになる人は多いです。
しかし、フリーランスは本当に自分の裁量で仕事ができ、働く時間や場所を自由に選べるのでしょうか?
ここでは「フリーランスは本当に自由な働き方なのか?」という疑問を、統計データなどを用いて検証していきます。
「フリーランスの自由度」を検証するために、ここからは以下のデータを分析していきます。
『全国就業実態パネル調査 2023』によると、フリーランスの平均的な労働日数や労働時間は以下のとおり。
フリーランスは会社員よりも、労働日数/労働時間ともに少ないことが分かります。この傾向は2021年から変わっていません。
また「勤務時間、勤務日数を自分で選べたか」という設問では、
という結果が出ており、会社員と比べ労働時間/労働日数を選べるフリーランスが多いようです。一方、4割以上のフリーランスは労働時間/労働日数を自分で選べていないと回答しています。
2020年に発表された『データで見る日本のフリーランス』によると、フリーランスの通勤時間は平均44.8分(会社員68.2分)と示されています。そのうち「通勤時間0分」と回答したのは45.2%です。これは自宅を就業場所として選んでいるためです。
別の調査からも見てみましょう。日本政策金融金庫が実施した『フリーランスの実態に関する調査』では、以下のデータが示されています。
自宅で作業しているフリーランスが61.1%、自宅併設の事務所・作業場で作業しているフリーランスが17%と、こちらの調査でも「通勤時間0分」が大半。
2つの調査で数値に違いはありますが、どちらも半数近くのフリーランスが自宅で仕事していることを示しています。
一方で調査からは、「顧客から指示された場所」で働くフリーランスが23%いるというデータも見られます。
フリーランスが持つ裁量権については、ランサーズの『フリーランス実態調査2021』にデータがあります。
この調査を見ると「自由な働き方の満足度」について、「ライフスタイルに合っている」と回答するフリーランスは69%とされます。時間や場所に縛られないフリーランスという働き方の特徴が出た結果といえるでしょう。
ただし、内閣官房による調査では、フリーランスの36.8%が「業務の内容や遂行方法について具体的な指示を受けている」と答えています。自由な働き方がフォーカスされがちなフリーランスですが、「勤務場所や勤務時間が指定されている」と答えた人たちも16.0%います。
自由な働き方には、取引先と対等な関係で仕事ができているかも重要です。この点は「フリーランスが取引先と起こしたトラブル」に関する調査から分析していきます。
内閣官房の調査によれば、取引先とのトラブルで多いのは「報酬や業務の内容などが明示されなかった」「報酬の支払いが遅れた、支払われなかった」など。金銭関係のトラブルが上位を占めます。
そのようなトラブルがあった際、「交渉せずに受け入れた」と答えたフリーランスは21.3%、「交渉せず自分から取引を中止した」と答えたのは10%にのぼります。
また、「トラブルを受け入れた理由」は以下のとおり。68.5%のフリーランスが「トラブルを受け入れないと活動に困るから」と答えています。
これらの調査から、約30%のフリーランスが取引先と対等な関係を築けておらず、トラブルを解消していないと分かります。
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ここまでの調査から、以下のことが分かりました。
実際に自由度高く働いているフリーランスも多くいますが、「フリーランス=自由」と言い切れるほどの割合ではありません。
では、なぜ「フリーランス=自由」というイメージがここまで定着したのでしょうか。そこには、3つの仮説が考えられます。
フリーランスの実態は一般的なイメージとのギャップもありますが、それでも多くのフリーランスが現状に満足しています。
『フリーランス白書2023』によれば、全体の70%以上のフリーランスが就業環境に満足していると示されています。
また、さきに参照した『フリーランス実態調査2021』でも、「自由な働き方の満足度」について、69%が「ライフスタイルに合っている」と回答しており、これらの調査を参照すれば「フリーランスの大多数は自由度に満足している」といえます。
しかし少数派ではありつつも、決して少なくないフリーランスが自由度に満足していないのも事実。少数派の回答に目が向けられず二次情報が拡散されることで、「フリーランス=自由」というイメージが定着した可能性があります。
ここまでの検証から「フリーランスの多くは自由度に満足している」にもかかわらず、「約半数のフリーランスが対等ではない取引先との関係を受け入れてしまう」と分かりました。
このような結果になる要因は、フリーランスの一種の固定観念にあるかもしれません。
取引先と対等でない現状を「フリーランスでは仕方のないことだから」「会社員よりはマシだ」と考え、受け入れる、もしくは受け入れざるを得ないフリーランスもいるのではないでしょうか。
人材企業のアデコが2019年に行った「会社員から見たフリーランスに対するイメージとその実態調査」によると、会社員が挙げたフリーランスのメリットの上位には、以下のようなものが挙げられています。
「フリーランスは好きなように仕事ができる」と会社員に認識されているのがわかります。しかし、このように一般にイメージされる「好きなように仕事ができるフリーランス」は、すべてのフリーランスに当てはまるわけではないことがここまでのデータで分かりました。
また、フリーランスのなかには「常駐型フリーランス」として、会社員と同じように週の決まった時間にオフィスで働く人たちもいます。会社によっては、常駐型フリーランスは正社員とほとんど同じような働き方になる場合も。
会社員との違いの少なさからか、常駐型フリーランスがメディアで取り上げられる機会は多くありません。そのため、常駐型フリーランスは一般的に存在が考慮されにくいように思います。
その現状が、「フリーランスは自由」というイメージにつながっているのではないかと筆者は考えました。
今回の記事では、フリーランスの働き方の実態が以下のようなものだと分かりました。
その一方、「フリーランス=自由」というイメージが形成された理由として、
といった点が影響していると筆者は推測しました。
確かに、働き方の自由度が高いと認識し、満足しているフリーランスが多数派です。一方で、そうでないフリーランスが少なからずいることも覚えておきたいですね。
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(執筆:齊藤颯人 編集:Workship MAGAZINE編集部)