エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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フリーランスの生存戦略における問題に「既存スキルだけで生きていけるのか」があります。フリーランス8年目の筆者も定期的に悩みますし、フリーランス仲間からもよく相談を受けます。
新しいスキルを身に着けて、仕事の幅を広げることが大事……とはいえ、新しいことを学ぶのが億劫だと感じる方も多いはず。
そこで今回は、フリーランス8年目の筆者が「新しいスキルを学んで仕事を獲得する方法」を解説します。
参考までに、筆者が新たに学んで仕事につなげた実績はこちらになります。
- Notionを学び、Notionコンサルの仕事を獲得
- 動画編集スキルを身につけ、教材開発やPR動画制作の仕事を獲得
- AIを学び、AI教材開発やAI講師、AIコンサルタントの仕事を獲得
- データ分析を学び、データ分析コンサルやレポート制作の仕事を獲得
上記の実体験に基づく地に足の着いた方法をまとめているので、ぜひご一読ください!
なぜ筆者が定期的に新しい仕事を始めているのか、その理由を最初に説明します。
得意なスキルで仕事を獲得するのは、そこまで難しくありません。既存案件のクライアントに相談して仕事を増やしてもらうこともできるし、実績をもとに営業もしやすいからです。
実務を通じてスキルを磨いていくことはできるので、ある程度までは成長も見込めるでしょう。しかし、同じスキルをずっと使い続けていると、あるとき「流れが決まったルーチンワークに近い仕事の進め方」になってしまうこともあります。
「毎日同じような仕事をしている状態」では、大きな成長が見られません。後発の新規参入者に追いつかれてしまう可能性もあるので、対策を打つために「新しいスキル」を学んで自分の価値を底上げしていく必要があると考えます。
とくに現在では、AIを活用して成長速度を加速度的に上げている人もいます。後発組が自分と同じスキルを持ち、それ以上に成長していく可能性があることから「新しいスキルを獲得すること」は今まで以上に重要だと感じています。
新しいスキルを身につけると、新しい仕事が獲得できるだけではなく、既存の仕事と組み合わせて提案でき、仕事の幅が広がります。
たとえば「SEO記事制作のスキル」がある場合は、メルマガのスキルを学んで「SEO記事とメルマガ」をセットでパッケージ化することもできます。仮にSEO記事を1本2万円で受けていたなら、メルマガとセットにすれば、3万円程度の単価になることもあります。
他にもデータ分析のスキルがあれば、メディアの現状を分析したうえで必要となるキーワード(もしくは記事テーマ)を洗い出し、SEO記事を書くようなパッケージプランを作ることもできますよね。
「新しいスキルといっても、何を学べばいいの?」と思った方もいるでしょう。ここでは、フリーランス8年目の筆者が普段意識している新しいスキルの選び方を4つ紹介します。
新しいスキルといっても、既存のスキルと関連性が薄いものを選んでしまうと、仕事にできるまでに時間がかかってしまいます。
「仕事の幅を広げる」という目的を達成する上では、既存スキルに近い分野を学ぶほうが効率的です。たとえばWebサイト制作のスキルがある場合は、デザインスキルを活かして「バナー」「ホワイトペーパー(お役立ち資料)」の制作スキルを学ぶなどです。
「今使っているツール」、もしくは「今知っている知識」を生かしてできる新しい仕事を、箇条書きもしくはマインドマップなどで整理してみることをおすすめします。
箇条書き、もしくはマインドマップで整理する際は、以下の記事を参考にしてみてください。
おすすめアウトライナーアプリ8選。思考整理やタスク管理など使い方まとめ
Workship MAGAZINE
知っておきたいマインドマップの使い方。Xmindで誰でも簡単&おしゃれに作ってみよう!
Workship MAGAZINE
1と近い考え方ですが、明確に「縦軸」と「横軸」に分けて考えることが大きな違いです。筆者の場合は、縦軸に「関わり方」、横軸に「関連する領域」を置いて整理しています。
たとえば、SEOライティングのスキルがある場合は、以下のように軸を分けて考えます。
軸 | 新しいスキルの候補 |
---|---|
縦軸(関わり方) | ・ライター ・編集者 ・ディレクター ・マーケター ・コンサルタント |
横軸(関連する領域) | ・キーワード設計 ・メルマガ ・ホワイトペーパー ・Webサイト制作 |
こうして軸ごとに分けてみると、「ライターから編集者になり、ディレクターを目指す」など、SEOの知識を活かして新しいスキルを磨く方法や、SEOライティングで学んだ「構成力」や「ライティング力」を生かして、別のマーケティング領域を攻める方法などが考えられるでしょう。
将来的に自分がどうありたいかを考えつつ、学ぶべきスキルを見極めていく方法です。
新しいスキルを学ぶ際は、将来性のあるスキルを選ぶことが重要になります。2024年3月末時点でいえば、AIがとくに注目を集めています。
新しいトレンドのスキルを学ぶべき理由は、参入者がまだ少なく「スキルがあるだけでも仕事獲得につながる可能性が高い」からです。早めに参入して仕事を獲得できれば、実績を生かして営業しやすくなります。
XやYouTube、noteなどで最新情報を追いつつ、自分で手を動かしていく必要はありますが、参入までのハードルが高いからこそ、学んだあとのリターンは大きいです。この努力ができない人も多いですが、あきらめずにスキルを身につけることができれば、面白い仕事が待っています。
自分の弱点を克服するスキルを身につけるのも重要です。たとえば、ライティング技術があってもデザイン力が弱ければ、作れるコンテンツの幅が狭くなってしまいます。そんなとき、デザインスキルを鍛えることで、資料作成やホワイトペーパー制作などもセットで受注できますよね。
「得意なことは得意な人に任せる」のももちろん重要ですが、「自分で受けられる仕事を増やす」という意味では、この考え方も重要だと思います。弱みを克服すれば総合的な実力アップにつながり、幅広い仕事を受けられるようになるからです。
まずは選び方1~3で書いたように新しいスキルを身につけ、それから自分の弱みを克服することをお勧めします。
では、どのように新しいスキルを学んでいけばいいのでしょうか。ここからは、新しいスキルを学んで仕事化する流れを紹介します。
最近ではYouTubeに膨大な有益情報があるので、まずはYouTubeで関連動画がないか探してみましょう。
動画を視聴して、ある程度理解が深まってきたと感じたら、本を探して知識を深めていくのがおすすめです。さらにインプットを強化したい方はUdemyなどの有料動画を購入したり、オンラインコミュニティに参加したりするのも効果的があります。
もしもインプットがあまりできないと感じている方は、後述する「新しいスキルを業務で活かせるレベルまで早く学ぶコツ」をご確認ください。
インプットと同時並行して、アウトプットもしていきましょう。学んだことをX(旧:Twitter)に投稿したり、ブログに書いてアウトプットすることで、知識が自分の中に刻まれていきます。
「間違えていたらどうしよう……」と思うかもしれませんが、恥ずかしがらずにとにかく発信することが大切です。学習中なので間違えるのは当たり前。気にすることもありません。
もし不安な方は学習用の別アカウントを作って発信したり、発信が面倒な場合はメモ帳など、人に見られない場所に書き込むことから始めましょう。ただ、認知拡大という意味ではSNSなどで発信したほうがいいので、どこかのタイミングで切り替えていくのがおすすめ。
慣れてきたタイミングで「読んだ人にも価値を提供できるような情報発信」に切り替えることで、その分野に興味や知見がある人だと認知されるようになり、仕事獲得につながります。
実際に筆者は「ライター」「Notion」「マーケティング」「AI」などの情報発信により、X経由でお仕事の依頼が来たことがあります。「この人は〇〇に詳しい人だ」と思われることは、営業のハードルを下げる意味でも、営業の数を増やす上でも重要なことです。
「新しいスキルだし、既存クライアントへの営業は難しいよね」と思っている方もいるかもしれません。筆者も最初はそう考えていましたが、あるときミーティングで「実は最近AIを学んでまして、AI関連のお仕事もお力になれそうです」と伝えたところ、お仕事につながったことがありました。
当たり前ですが、何かを学んでいても、クライアントに伝わっていなければ仕事の相談は来ません。そのため、新しいスキルを学んでいることは自分で伝えていく必要があります。
ただし、「自分が新しい仕事をしたいから」という理由だけで伝えないように気を付けましょう。営業はあくまでも「クライアントの仕事に役立つ提案」をすべきです。
など、何かしらクライアントにとって役立つ行動をしていることを伝えると、仕事獲得につながりやすいです。
新しいスキルを学ぶとき、最大の壁となるのが「学習に時間がかかり、途中で挫折してしまうこと」です。筆者も学んでは諦めてきたスキルがたくさんありますが、いくつかのコツを押さえることで、仕事にできるぐらいまでスキルを鍛えられるようになりました。
筆者の場合、YouTubeであれば家事をしながら、もしくはお風呂に入りながら聞いています。いい意味で「本気で取り組まないこと」が継続的に学び続けるコツです。
「新しいことを学ぼう!」と決意したときは、やる気に満ち溢れている状態です。しかし「やる気に満ち溢れている状態」は残念ながらあまり長くは続きません。最初から完璧を目指してじっくり学ぼうとすると、仕事が忙しくなったり、成長を感じられずにモチベーションが下がったときなどに挫折してしまいがちです。
まずは、学習のハードルをとことん落とすことをおすすめします。参考までに、筆者がYouTubeと本で意識しているハードルを下げるコツを紹介します。
YouTubeの場合は、このような流れで学習しています。
「まずは耳だけでいいから聞こう」という心づもりでやると、ワイヤレスイヤホンさえあれば聞けますよね。歩きながら、家事をしながら、運動しながらなど、時間を割くためのハードルがぐっと下がります。最近はまっているのは「朝起きて準備しながら聞く」です。頭もさえますし、朝から勉強できた感じがして気持ちも高まります。
YouTubeは耳で聞くだけでもわかるようになっている動画も多いため、最初は画面を見なくても全く問題ありません。いいなと思った動画があれば何度も聞き直したり、時間を取って画面を見てみると理解が深まります。
本の場合はこうです。
本を読むのは時間がかかりますよね。そのため、積読がふえていきます。
でも、ただ積んでいるだけでは一向に知識が入ってこないので、まずは読むハードルを下げましょう。筆者の場合は「気になったページを付箋つけるだけ」の時間を作っています。この方法だと1ページ数秒で終わるので、10分~20分ぐらいで1冊を読み終えられます。
もちろん、全部は見ていないため「こんなこと書いてあるんだー」ぐらいしかわかりません。でも最初はこれでいいんです。「付箋がついてる状態の本」があると「付箋がついているページだけ読めばいいんだ」と読むハードルがぐっと下がります。
仕事の休憩中、何らかの待ち時間などでさっと開いて読みやすくなるので、結果的に知識定着につながります。
ハードルを下げて学習していくのは大事ですが、それだけでは「どこまで自分の中で腹落ちしているか」がわかりません。
「わかったつもり」になっている可能性もあるので、しっかりと言語化して定着させていく必要があります。
筆者の場合は、Notionなどのツールを使って体系的にまとめる習慣をつけています。学んだことを整理しておけばアウトプットが容易になる上、必要になったときに改めて見返すこともできるので、実務への活用もスムーズです。慣れるのに多少時間はかかるかもしれませんが、学んだことは整理する習慣を身に付けてみてください。
もしもNotionに興味がある方は、下記の記事をご一読ください。
次世代のメモアプリ『Notion』の使い方。Evernoteと比べてどっちがいい?
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この世には「いくらハードルを下げても、意味不明すぎて頭に入ってこないもの」が存在します。
難しい横文字を見て「ウッ」と感じた経験はありませんか? このとき、解決策がなければ「難しいし、自分には合ってなかったかも……」とあきらめてしまいがちです。
でもご安心ください。最近は「生成AIにわかりやすく解説してもらうこと」ができます。たとえば専門用語の意味が分からないときは「この用語について中学生の私にも分かるように説明してください」と聞いてみると、わかりやすく教えてもらうことができます。
筆者もAI関連のインプットをするときは、生成AIを活用して、対話しながら学習を進めています。難しい用語をいったんどこかにメモしておき、時間を見つけてAIに質問を投げておくといいでしょう。
ただし、AIは時に誤った情報をあたかも正しいかのように答えてしまうこともある(ハルシネーションと言います)ので、概要がわかってきたタイミングで正しい情報を探し、ズレがないかチェックすることも重要です。ファクトチェックは初期段階では難しいかもしれませんが、頭の片隅に入れておくことをおすすめします。
AIの発展により学習速度を上げる人が増えている今、スキルのアップデートは欠かせません。自分の強みを活かしつつトレンドも意識しながら新しいスキルを習得し、アウトプットと営業を通じて仕事につなげていきましょう!
学習のハードルを下げて、継続的に学べるよう心掛けるだけで一歩前進です。少しでも新しい仕事を獲得して楽しく仕事できる人が増えることを願っています。
(執筆:しろ 編集:少年B)