Workship MAGAZINE書籍化第3弾!#ADHDフリーランス の新常識 他
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日常的に使っている有名なアプリや話題のサービスに、実はフクギョウワーカーが関わっていることも。
第3回フクギョウワーカー特集では、本業でビザサービス『one visa』の開発をしながら、副業であのフレンドファンディングサービス『polca』の開発をしている、フロントエンドエンジニアの土谷光さんにお話を伺いました。
「以前は服も着替えず布団の中で毎日仕事しちゃってた……」と失敗談を語る土谷さんに、本業と副業の両方でサービス開発を進める中で気づいた効果や、本業と副業のバランスの取り方など、その働き方について詳しく伺いました。
「世界から国境をなくす」をビジョンに掲げる株式会社one visaのフロントエンドエンジニア。北海道生まれ、札幌・香港育ち。GMOペパボ社にてブクログ、minneなどの人気サービスの開発に携わる。その後CAMPFIRE社を経てone visaに入社。
目次
――まずは土谷さんの簡単な来歴を教えていただけますか。
――最初はBtoCのWebエンジニアではなかったんですね。
そのタイミングで、iOSの開発からWebフロントエンドの開発にもっと専門的になっていきたいなと考えまして。かつ、より社会性の強い分野というか、世の中のみんなが我慢している分野、最適化されていない領域を技術で直していくサービスを作りたいなと考えていました。
つまり「日常にあったら嬉しい」プロダクトから「世の中にある、明らかなデコボコをフラットにできる」ようなプロダクトを手がけたいという気持ちが芽生えてきて、株式会社CAMPFIREに入社しました。
――夢が「Webエンジニアになりたい」から「みんなが困っていることを解決したい」に変わっていったのですね。
そこからさらに社会性を主軸に置いた株式会社one visaに入社。one visaは在留資格(ビザ)の申請・管理をWebで簡単に行えるサービスなのですが、日本にいる外国籍の方々がデコボコした道で困っているのを技術で滑らかにできるのが、とても楽しいです。
――あれ、でも今もpolcaには関わっているんですよね?
「polca内で、土谷さんが作ったシステムに機能を足したいという要望が出ているんだけど、それをできる人がいないからちょっと戻ってこれないかな?」と。
確かに僕が作ったシステムなので勝手がわかっているし、polcaの開発チームは業務委託メンバーを含む少人数チームだったので、いま自分が入ることで大きく貢献できるなと感じ、副業としてジョインすることにしたんです。
仕事選びの基準として、ユーザーの生活を「ゼロからプラスにする」ことよりも、「マイナスをゼロにする」ことを重視していたので、余計に「また手伝いたい」という気持ちが強くあったのだと思います。
――その考え方になったのは、なにかきっかけがあったのですか。
エンジニア的な言葉で言うと、世の中の「最適化されていない」ことや、困ってる人に対し自分が助けになれるようなことをもっとやっていきたいなと思うようになり、それが結果として副業をすることにもつながりましたね。
――「one visa」はリモートOK・副業OK・フルフレックス……とかなり自由な環境とのことですが、リモートで仕事する上でどんなことに気をつけていますか。
朝起きて、そのままベッドの中で作業して、そのままのノリで、オフの日も休まずに作業してしまったり……。そんなことを繰り返していたらとても調子が悪くなってしまいました。
「俺、リモートが向いてないのかな……」とも思ったんですけど、いや違う、やり方をどうにかしなくちゃと考えて。その反省を活かし、当たり前のことかもしれませんが、今は外に出られる格好に着替えて作業するようにしてます。そうすると気持ちが切り替えられるので、仕事を始める儀式みたいにして、今はメリハリつけて仕事できています。
――どうやって本業と副業のバランスをとっていますか。
離れて仕事しているからこそ、契約形態に関するメンバー同士の理解を深めておくなど、お互いに気持ちよくやっていくためにいろいろと試行錯誤しています。
――先日はone visaの仕事もしながら2週間ほど北海道に滞在されていたそうですね。
そういえば、遠方にいるときはビデオ通話などの「同期コミュニケーション(※電話、ビデオ電話、直接話しかけるなどの、リアルタイムで行われるコミュニケーション)」をあえてするようにしています。札幌にいてもほとんどビデオ通話していたので、東京にいるのと変わらない感覚でした。
例えばメンバーにちょっとしたことを聞きたい時に、slackやメールなどで連絡すると、返事がもらえるまでに数分かもしれないし、下手すると丸一日かかってしまうかもしれない……。案外効率が悪いんですよね。
同期コミュニケーションはすぐに受け答えが必要な際に便利ですし、チームとして一体感も出ます。「非同期コミュニケーション(※メールなど、即時性を求めないコミュニケーション)」のいいところと合わせて、チームで使い分けていますね。
――2つの仕事をしてみて、どんな発見がありましたか。
一方で「polcaの作業は週に何時間まで」という取り決めで動いているので、主に土日を使っていることから平日の日中は反応しづらい、「非同期」になってしまうなあと思ったことはあります。
――これからやりたいことや、さらにキャリアチェンジしたい願望はありますか。
――これから副業をはじめたい方に向けてアドバイスがあれば教えてください。
会社に社員として入ると、線引きなしでとことん関わっていけるメリットがあると思います。ビジョンやミッションに対して「このプロダクトはどうなんだろう?」とか、「このやり方はチームの姿勢として違うんじゃないか」みたいな、チームの核心に触れる議論にもバリバリ入っていけるのが好きですね。
一方で副業は、「スキルベースでいろんなチームと関わっていきたい」「自分のスキルをもっと活かしたい」という場合にぴったりだと思うんです。本業と副業をもつと、このいいとこ取りができるのが魅力で、自分に合っているのだと実感しています。
(写真:shochik)
フクギョウワーカー特集
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polca、one visa……人気サービスの開発を経てたどり着いた、本業と副業の両軸ワーク - 土谷 光
突き詰めると、僧侶とデザインの副業は同じだった。仏教の教えから本質を考える - 勤息義隆
音楽だって「ビジネス視点」が大切。miida菅原が考えるリアルな生き方
「お金を払って撮っていたら、お金をもらって撮れるようになった」映像編集者×カメラマン - 森川亮太
そこを退社して、BtoC向けサービスのWebエンジニアになろうと思い、そのための勉強をしはじめたのは27歳の頃。会社を辞めて1年間、本を読みながら独学で技術を身につけました。お金がなかったので、毎日水道水ばかり飲んでましたね(笑)。それから偶然知り合った人の会社で、就職活動をさせてもらいながら仕事を手伝っていました。