早起きができず病院に行ったら、“怠惰”と診断された

早起きができないので病院に行ったら怠惰と診断された

昔から早起きが苦手です。規則正しい生活が苦手です。

大人になればできると信じて30年。できないまま、ここまで生きてしまいました。

中学生の自分よ、「私は夜行性だから。蛾(ガ)と一緒」って自虐してる場合じゃねぇよ。これはちゃんと向き合わないといけない問題なんだから。

ツマミ具依
ツマミ具依

企画や体験レポートを好むフリーランスのライター。紙媒体・WEB媒体半々で活動中。過去の企画は「渋谷ハロウィンで不要な仮装を回収して最強の仮装を着る」など。週一で歌舞伎町にてバーテンダー的なことをしている。

早起きができず病院に行ったら、“怠惰”と診断された

早起きにコンプレックスを覚えたのは小学生のとき。ランドセルの中身をガシャガシャ上下させながら、田舎の住宅街を必死に走る嫌な記憶が残っています。

遅刻ギリギリの通学路は、辺りに人がいないから心細い。そのうち校庭のスピーカーから本鈴10分前を知らせるクラシックの『愛しのクリスティーヌ』が流れてくると、ヤバイヤバイヤバイとさらに鼓動が早くなり、いまでもあの曲はトラウマです。

大学に入ると、遅刻ギリギリどころか、授業に間に合うほうが珍しくなる始末。9時半から始まる1限は当然のように行けず、13時半からの3限さえキツイ。いつも起床は16時過ぎで、テレビをつけると『5時に夢中!』がやっていて、朝の『Oha!4』が流れるころに寝ていました。

どんどん追い詰められ夜間の授業ばかり取っていたら、学生課に「社会人学生ですか?」と疑われるほどに。一度寝たら起きられない性分で、サークルの溜まり場で14時間くらい雑魚寝していたら「火事が起きてもずっと寝てそう」と先輩に言われました。

もはやこれは病気レベルなのではないか。

就職を控えた大学5年の冬、このまま会社員になることを案じた親に勧められ、睡眠クリニックに行きました。病院で一晩寝て、睡眠時の脳波を図るという1万5000円くらいの検査を受けることに。

結果は、異常なし。じゃあなぜ起きられないのか。診断時に伺うと、「そりゃ朝になにも予定がなければ寝てしまうよ」と鼻で笑う医者。帰りたくなった私。

どうやら原因はただの“怠惰”であることが判明。救われたような、そうでないような。

「朝になにも予定がなければ寝てしまうよ」と医者に言われ、朝から仕事をこなすOLになって4年目。

私は反省文を書いていました。

医者のいうとおり、私は会社員になって強制的に朝に起きるようになり、生活リズムが整いました。しかし、100%遅刻しないのはさすがに無理で、始業の9時に間に合わないことが、年に一、二回発生していました。

その度に「二度とこのようなことがないよう改めます」と言ってはどうやってもゼロにすることができず、入社4年目になってまたやらかしてしまったとき、上司に叱責を受けたわけです。

家の中を探すと、当時の反省文が出てきました。

タイトルが「先日の寝坊についてのレポート(3)」。「寝坊」というなんとも間抜けなテーマで、しかも3回も書き直しをくらっています。

読み返すと、なぜ寝坊してしまうのかという問題に、これまでになく向き合い、頭を悩ませていました。ここで『愛しのクリスティーヌ』をBGMに流せば、多分死ねる。

前回のレポートでは、日によって異なった就寝・起床時間を均して安定させる程度にしか過ぎませんでした。指摘を受けて、自分の生活を犠牲にしたくないという無意識に抱いていた考えに気付きました。仕事を第一に優先すると言っておきながら、知らず知らずに両立を目指していたのです。両立ができないから今回のような失敗が起きることに目を向けられていませんでした。「万が一のとき」を想定せず、無駄のない時間設定をするという理想像をイメージしていただけでした。無駄のない時間設定というのは、余裕のない時間設定であり、自分の状況には合わず、甘かったと思います。

「気持ちの問題ではなく生活スタイルの問題」と教えていただいて、なぜ何度も失敗を犯してしまうのか、自分で分析できていなかったのだとわかりました。自分の意識や感情ではなく、生活スタイルという、より現実的で行動基準の解決策を押さえることが非常に重要だと痛感しました。(中略)反省して対策を考えて実行するというのは、周りの人が行っているのを模倣するのではなく、それ以上の行動を目指すことだと、肝に銘じたいと思います。

心からの反省を綴りました。ただ、反省文を書きながら、「敗北」という文字が頭に浮かんだことを覚えています。

仕事とプライベートを切り分けた生活をしようと、このOLの道を選んだのに。労働時間の8時間ではなく、それ以外の時間も会社を軸にして生きていかなくてはならない……。終わった。

そして、この反省文を書いた3か月後、私は退職していました。当然ながら、いとも簡単に昼夜逆転生活リズムめちゃくちゃ人間に戻ったわけです。こうなることは容易に予想できました。

でも、もう昼夜逆転生活リズムめちゃくちゃ人間はやめたい。会社辞めたてのときこそ「これぞ自由だ」なんぞ言っておりましたが、こういうダメ人間こそ会社にしがみついておくべきでした。端的にバカです。自業自得です。だけどやっぱり、生きていく上でデメリットが多いと痛感しているのです。

具体的なデメリットをあげると……

  • 睡眠時間がどんどん伸びていき、一日の境界線がわからなくなる
  • 昼間の仕事でさえ、寝坊するのではないかとドギマギする
  • 日中に仕事ができず、夕方に起きて夜飲みに行って、それで終わる日が多発する
  • 楽しみだった予定も、ぎりぎりまで寝ていて面倒になる
  • 日中に届く荷物を寝ていたせいで受け取れず、不在票の手続きがめんどい
  • 深夜に活動的になるので、世間とズレてて困る。ちょっとしたラインの返信も深夜3時とかだと送りにくい、など
  • 深夜はお店が開いてないので、買い物が24時間営業のドンキになりがち
  • 深夜は電話の問合せが受付時間外で、明日かけようと思ってたのに忘れる。役所系の手続きも同様
  • 深夜は音を立てるような掃除洗濯がしにくいので、汚部屋になりがち
  • 当然身体にもよくない

ということで、本気で夜型生活からおさらばしたい! もう私は、夜中に不気味に飛び回る蛾ではなく、朝日を浴びて優雅に舞う蝶になるんだ!

そうと意気込んで、いま朝の9時。これから寝床につくわけです……。

次回、朝型人間になるまでのガチンコ検証奮闘記を綴っていきます。朝型人間に俺はなる!

(執筆:ツマミ具依 編集:じきるう)

SHARE

  • 広告主募集
  • ライター・編集者募集
  • WorkshipSPACE
週1〜3 リモートワーク 土日のみでも案件が見つかる!
Workship