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朝ごはんにシリアルを食べる人は、多いのではないでしょうか?
多くの人に愛されるシリアルは、起業家&UXデザイナーであるW.K.ケロッグによって考案されました。もともとシリアルは、病院の患者向けに、パンよりも消化しやすい食べ物を作る目的で作られたそうです。
W.K.ケロッグが商品開発の際に重視したのは、人間中心設計です。何年もかけてプロトタイプを行い、実際の患者を対象にユーザーテストを繰り返したうえで、プロダクトに関わるユーザー体験を詳細にリサーチしました。そのこだわりはシリアルそのものだけでなく、パッケージやマーケティング、販売手法にまでいたったといいます。
今回はそんな人間中心設計の概要と、いま注目されている人間中心設計を意識したUI/UXデザインのトレンドをご紹介します。
Nielsen Norman Groupの共同創始者で、人間中心設計デザインのパイオニアであるドン・ノーマンは、以下のように述べています。
「何万人もの人の心を覗くことはできませんし、そうする必要もありません。私たちに必要なのはむしろ、多くの人々のニーズを理解し、それを手助けすることです。」
人間中心設計においてよいプロダクトとは、単に見た目がよいものを指すのではありません。そうではなく、「ユーザーのニーズに合わせ、人間を中心に設計されたプロダクト」を指すのです。
人間中心設計を意識した良いプロダクトをつくるには、ユーザーとプロダクトのインタラクションを、より簡単で、より楽しいものにするUXが必要になってきます。
ここからは人間中心設計の観点から、近年のUI/UXデザインのトレンドを6つ紹介します。
2019年、チャットボットに関わるUXは大いに注目を集めています。
これまで人間とコンピュータのインタラクションはボタンやリンクなどの視覚的なものでした。しかしチャットボットを介することで音声での会話が可能になるなど、インタラクションの形が人間らしい方法に移行しつつあります。
チャットボットによるインタラクションの変化は、サイト全体のUX向上にもつながるでしょう。
特定のエレメントにマウスオーバーすると、色が変わったり、アニメーションがついたりするのが、マウスオーバーエフェクトです。マイクロインタラクションのひとつとされます。
マウスオーバーエフェクトを、人間中心設計でデザインしたらどうなるでしょうか。デザイン事務所であるContraryConのマウスオーバーエフェクトのデザインが、非常に参考になります。
このように小さな変化も、UXでは大きなインパクトを生み出せるのです。
マイクロインタラクションとは?導入の際に気をつけるべき4ポイント
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昨今のWebデザインは、フラットなデザインに特徴的な直線よりも、流動的でオーガニックな形状であることが多くなっています。今後は丸い形状や滑らかな線などが主流になることが見込まれます。
曲線を描く滑らかなデザインは、目に優しい印象を与えます。人への配慮が感じられるオーガニックなデザインを用いることは、まさに人間中心設計といえるでしょう。
音声認識は、近年ますます注目を集めている分野です。ガートナーの調査では、「2020年までにはWebサイト訪問の30%が音声コマンドで行われる」と予測されています。
音声を使用することで、より迅速かつシンプルなユーザーインタラクションが実現できます。UXデザインは、今後ますます発展するであろう音声認識技術を意識したうえで、行われる必要があるでしょう。
テキストを入力するのが面倒であれば、音声コマンドを使用する以外にも、写真を撮影して行う「画像検索」の利用もおすすめです。
Snapchat、Pinterest Lens、AliExpress、Google Lensなどのツールでは、すでに画像検索が行えるようになっています。
Amazonもまた、2014年の頃から画像検索の重要性を訴えていました。2018年には、SnapchatとAmazonの共同で、商品のバーコードをスキャンして画像検索を起動するシステムが開発されました。バーコードをスキャンすることで商品の詳細情報をチェックできるだけでなく、Amazon上で類似商品を閲覧することが可能です。
2017年にiPhone Xが発売されて以来、ジェスチャー操作を用いたモバイルデバイスが増えています。
ジェスチャー操作のテクノロジーが発達することで、クリックの形が「画面をタッチする」だけでなく、画面を直接触らずとも広げたり、スワイプしたりすることが可能になったのです。
またデザインとしても、ボタンをなくすことで、より多くのスペースをスクリーンに割けるようになりました。
約100年前にシリアルを開発した W.K. Kellogのように、素晴らしいUI/UXデザインを考案し、ターゲットオーディエンスに響くプロダクトを作りましょう。
プロダクトジャーニーのひとつひとつのタッチポイントで、ユーザーテストを定期的に行うことが肝心です。こうしたステップを踏めば、本当に素晴らしい人間中心設計のプロダウトが開発できます。
(原文:Dana Kachan 翻訳:Sugita Mariko)
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