【漫画】フリーランスは“103万円の壁”にどう向き合うか?
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昨今、新聞やテレビニュースで大きく注目を集めているIoT技術。日々の暮らしが便利になるのではないか、新しいビジネスが生まれるのではないかと、新たな時代の到来を予感させています。
とはいえ「表」があれば「裏」もあるのが世の道理。報道では良い面ばかりが多く取り上げられているIoTですが、問題点がないわけではありません。
そこで今回は、IoTに関する5つの問題点を解説します。
IoTとは「Internet of Things」の略で、日本語ではモノのインターネットと訳されています。「パソコンやスマートフォンだけでなく、家電や自動車、工場の機械などさまざまなモノがインターネットに接続されること」を意味します。
かつて、インターネットの登場により世界は大きく変化しました。IT革命と呼ばれるこの出来事は、暮らしはもちろんビジネスのあり方にまで影響を及ぼし、今ではほとんどの企業が何らかの形でインターネットを利用しています。パソコンやスマートフォンの登場だけでも世界に大きな影響を与えたのですから、あらゆるモノがインターネットに接続できるようになればまた新たな変化が起こることは容易に想像できるでしょう。
例えば車のばあい、すべての自動車がインターネットを通してつながれば、渋滞の緩和や自動運転の精度向上が期待できます。また家の機能がIoT化されれば、ドアの施錠や照明の管理、窓の開閉などを、手元のスマートフォン一台でコントロールできるようになるでしょう。
総務省発表の情報通信白書によると、世界のIoTデバイス数は2020年までに400億台を突破するとされており、これは2015年の約2倍です。今後はますますIoT機器は増え続け、同時にIoT技術者も数多く必要になっていくでしょう。
このようにメリットやその発展が目立つIoTですが、現状はどのような問題点を抱えているのでしょうか?
今回は5つの問題点を列挙します。
インターネットに接続することは、インターネットを通して外部から攻撃されるリスクを抱えることに繋がります。
コンピュータウイルスやデータの改ざん、個人情報の流出が数多くニュースになっているのはご存知の通り。IoT分野でもそのリスクは大いに(あるいはパソコンやスマートフォン以上に)あります。
IoTのセキュリティはこれまで以上に慎重にならなくてはいけません。なぜなら攻撃の被害が直接現実世界に影響を及ぼすからです。例えばIoTによって遠隔医療を実現した病院があったとしましょう。もしこの病院に悪意のある第三者が攻撃をしかけ、システムを利用できなくなれば人命に関わります。
またもし、IoTで管理された交通機能が外部からの攻撃により麻痺すれば、社会全体に大きな影響をおよぼします。映画『サマーウォーズ』のような、全国規模、世界規模の被害に広がる可能性もあり得るのです。
仮に万全なセキュリティ体制が整ったとしても安心はできません。セキュリティの穴が対策されても、悪意のあるハッカーはまた新たなハック手法を生み出すからです。犯罪手口の進化とそれに対するセキュリティ技術の進歩は、昔からいたちごっこを繰り返しています。
これはおそらく、IoT機器についても同じでしょう。今はセキュリティ上の問題はなくても、将来はどうなるのか分かりません。
もちろんインターネットに接続されていれば、修正パッチを配布することは可能です。とはいえハードに組み込まれたシステムすべてをインターネット経由でアップデートするのは、簡単なことではありません。特に自動車などの長期にわたって使われ続けるもの対しては、持続性のあるセキュリティシステムをどのように実装すべきかという問題が残っているのです。
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IoTで利便性や生産効率が上昇するといっても、結局のところシステムを管理するのは人間です。最近はAI技術の進歩も進んでおり、将来的にはロボットやAIが人間の仕事を行うようになるという話も出ていますが、実用化に至るまでにはまだ時間がかかりそうです。
しかも管理を行うのは誰でも良いというわけではなく、IoT技術に精通したエンジニアなど、トラブルが起きた時に的確に対応できる人材が求められます。またIoTでは大量のデータを分析する必要があるため、データ分析に詳しい人材も求められるでしょう。しかしこうした人材は不足しているというのが現状です。
経済産業省が実施した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」を見ると、IT人材が不足しているのは明らかです。調査を行った2015年の時点で、約17万人のIT人材が不足しています。IT人材の需要は今後も増え続け、2030年には最低でも41万人、多い場合は79万人が不足するだろうとされています。これはIT人材というかなり大きな括りのデータではありますが、IoTに関わる人材についても大まかには同じ傾向だと考えられるでしょう。
今後IoTを扱える人材が不足すれば、先述したセキュリティ問題が起きた時の対応が遅れかねません。
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IoTが実現した世界では多種多様なサービスが生み出されるでしょう。ユーザーがこれらのサービスを利用するためには、各ユーザーが持つ個人情報を提供する必要があることも。
例えば自動車関連のサービスであれば、どんな車を持っているのか、どの時間にどこを走っているのかといった情報を提供することになるかもしれません。しかし車に乗っている時間が分かれば、家にいる時間、外出している時間をある程度絞り込むことができてしまいます。
自分の暮らしに関わるデータを提供することは、プライバシー保護の問題と表裏一体です。IoT機器の普及が進むことは、いわゆる ””管理社会”” が進むことにも繋がりかねません。
個人情報はどこまで提供されるべきか、ユーザーが情報提供するかどうかの選択の自由はあるかなど、プライバシーをどう守っていくのかをしっかり考えなければいけません。
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あらゆるモノがインターネットに接続するとなれば、それだけたくさんの電波が飛び交うことになります。
そこで問題になるのが電波干渉。電波の混戦で正常に接続できなかったり、誤作動が起きることが心配されます。また通信量の増大による通信遅延も心配されます。
技術的にどう解決していくかはもちろん、電波法など法律に絡んだ問題をどう乗り越えていくのかもIoTの課題です。
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IoT機器を動かすためには電力が欠かせません。電力が途絶えてしまえば電波の送受信はもちろん、データの処理や動作も受け付けなくなってしまいます。
IoT化が進めば、全体の消費電力は今よりも増加するでしょう。この電力需要増に対応しなければならないのはもちろん、万が一電力が途絶えてしまった時どう対応するのかも考えておく必要があります。
この問題を解決する方法のひとつとして、「エネルギーハーベスティング」という技術が注目されています。これは電池やコンセントなどの給電に頼るのではなく、周りの光や熱を電気エネルギーに変える技術のことです。分かりやすい例としては、ソーラーパネルが搭載された電卓が挙げられます。
エネルギーハーベスティング技術が十分に進歩すれば電力供給の問題は解決し、電池を交換する手間もなくなるため設置箇所の自由度も増すでしょう。
IoTはこれからの時代を代表する革新的な技術であり、私たちの生活を一変させる可能性を秘めています。しかし今回ご紹介した通り、解決しなければならない問題も少なくありません。
良い面ばかりを評価するのではなく、メリットとデメリット、リスクとリターンを把握した上で付き合っていきましょう。
(執筆:山田ユウキ 編集:Workship MAGAZINE編集部)
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