エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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個人はもちろん、企業の発信媒体としても注目を集めるInstagram。アカウント運用ノウハウは世の中にさまざまなものが出ているものの、成功のスタンダードはまだまだ模索段階のSNSです。企業や組織のアカウントであれば、なおさらのこと。
今回はInstagram運用にまつわる7つの問いを、13.8万人のフォロワーを抱える“間取り”紹介アカウント『madree.jp』の西垣さまと、5.9万人のフォロワーを抱えるU30のための政治・社会の教科書メディア『NO YOUTH NO JAPAN』の能條さまにお聞きしました。
スタジオアンビルト株式会社インスタグラム編集長。注文住宅の間取り図をネットで建築家に依頼できる、madree(マドリー)のインスタグラム運用をすべて1人で務める。創業3年目のスタートアップ企業のため、マーケティング関連はすべて担当。1993年、愛知県名古屋市生まれ。好きなものはマンガ、観葉植物、お茶お酒。
1998年生まれ、慶應義塾大学経済学部4年生。若者の投票率が80%を超えるデンマークに留学したことをきっかけに、2019年7月NO YOUTH NO JAPANを立ち上げ。NO YOUTH NO JAPANでは、若者が声を届け、その声が響く社会を目指し、「U30のための政治・社会の教科書メディア」をInstagram中心に運営する他、イベントや記事を通じて政治や社会について知ってスタンスを持ち行動する入り口をつくっている。
早稲田大学および同大学院でメディア表象にかんする研究に携わった後、2018年に株式会社GIG入社。編集者兼マーケターとしてクライアント企業さまのコンテンツ支援や採用支援を行うほか、フリーランス向けメディア『Workship MAGAZINE』の編集長を務める。業務外でもライター向けメディア『クレイジースタディ』を主宰するなど、根っからのメディア好き。最近ウイスキーのInstagramアカウントを作ったが、あんまりうまくいってない……。
目次
じきるう:
お二人が運営しているInstagramアカウントと運営目的について教えてください。
西垣:
建築家さんが描いた間取りを紹介する『madree(マドリー)』を運営しています。
主な運営目的は、弊社のWebサービスへの集客と認知拡大です。あと、カスタマーサクセスのような役割も担ってますね。質問機能やインスタライブを使って、家造りや間取りに悩むユーザーさんとコミュニケーションを取っています。
能條:
私が代表を務める『NO YOUTH NO JAPAN』では、若い世代のための政治と社会の教科書メディアをInstagramで運営しています。
私たちがInstagramでコンテンツを展開する目的は、若い世代の政治参加を促進するためです。「若い人たちが政治や社会について知り、意見を持って行動するきっかけを作ること」に目的を置いています。
じきるう:
今回、madree.jp西垣さんと、NO YOUTH NO JAPAN能條さんをお呼びしたのは、まったく性質が異なるアカウントでありつつ、両者ともしっかりアカウントを成長させているからなんです。
2つのアカウントの共通点や相違点を比べつつ、Instagram運営を成功へ導くヒントが得られればと思います。本日はよろしくお願いします!
じきるう:
お二人はなぜ、発信媒体にInstagramを選んだのでしょうか?
西垣:
2つの理由からです。1つはInstagram上にニーズがあったこと、もう1つは弊社が持つ情報がInstagramと親和性が高いと思ったこと。
そもそも弊社サービスそのものの原点も、Instagram上で間取りに困っている方を見つけたことにありまして。以前から「#間取り迷子」というハッシュタグがあって、間取りに関する悩みがたくさん投稿されていたんです。それに対して、弊社が持つ知見が役立つんじゃないかと思いました。
また、私たちは業務の性質上、手元に間取り図がたくさんあるため、間取りの画像コンテンツを日々作り続けられる環境があったのです。Instagramは画像SNSなので、親和性も高いですよね。それでInstagramを発信媒体として選びました。
じきるう:
Instagramに表れていたユーザーの課題から、サービスを発想されたんですね。能條さんはいかがですか?
能條:
私たちがInstagramで発信しているのは、若い世代に政治や社会を伝えるという目的に適しているからです。
Instagramは20代の利用率が高く、またTwitterと違って情報がストックされいつでも見返すことができるため、教科書のように見てもらえるんじゃないかと思いました。
フィードやハイライトで情報を体系的にまとめておけるのも、Instagramで発信を続けるひとつの理由ですね。
じきるう:
たしかに、コンテンツがストックできるのはInstagramの大きな特徴ですね……! 発信媒体を選ぶときは、発信するコンテンツとプラットフォームの相性を考える必要がありそうです。
じきるう:
Instagramでは「世界観の統一」が重要だとよく耳にします。お二人は、どのように意識していますか?
西垣:
私は「色」を統一するようにしています。弊社のロゴのコーポレートカラーであるオレンジで統一して、チラッと見るだけでも「あ、マドリーの投稿だ」と分かってもらえるようにしていますね。
まぁ、このアカウントは1人で運用しているので、自然に世界観は統一されるのかなぁとも思いますけどね(笑) 僕個人の好き嫌いがちゃんと出ていて、中のひとの人柄を想像しやすいというのもこのアカウントの特徴かもしれないですね。
能條:
私たちも「色」、あと「フォント」を揃えて統一感を出しています。
もうひとつ気をつけているのが言葉の使い方。政治や社会問題の話って、難しい言葉も多く上から目線の啓発になりがちなので、そうならないよう注意しています。具体的には「言葉をできるだけ短くする」「数値を入れる」「“わたしたち”という主語を使う」などですね。
ちなみに私たちのアカウントはmadree.jpさんとは異なり、20人くらいのチームで運用されています。投稿にブレがないよう、共通認識やガイドラインに基づいて作っています。
じきるう:
やはり画像ベースのSNSのため、お二人とも視認的な要素を重視されているんですね。
能條:
はい。とくにInstagramの検索画面に表示される一枚目の画像で、どれだけ目を引けるか、印象付けられるかが重要だと思います。
じきるう:
西垣さまはお一人で、能條さまはチームで運営されているというお話がありました。それぞれ月にどれくらい投稿されているのか、また継続して制作するために意識していることを教えてください。
西垣:
madree.jpの場合、フィードへの投稿は月25〜26でほぼ毎日、ストーリーも月30〜40は投稿していますね。
1人で運営しているので、ネタ切れは本当に課題です(笑) 毎日、間取りをみてどんなコンテンツを作れるだろうと考えたり、他の方の投稿を参考にしたりしています。
あと、季節性のある投稿はいいねやシェアが伸びやすいので、積極的に作っていますね。たとえば、お正月には「掘りごたつがある間取り」を投稿しましたし、いまの季節なら「花粉症対策になる間取り」も投稿していきたいと考えています。
能條:
私たちの場合、フィードは月18〜24投稿。ストーリーは時事ニュースに合わせてまちまちですが、平均20投稿くらいでしょうか。
アカウント開設当初は継続投稿が本当に大変で。それで見出した方法としては、あらかじめ1年間に投稿する内容を7割くらい決めておくようにしています。たとえば、1月は核問題、2月はバレンタインというように、テーマをざっくりと割り振っているのです。
投稿計画を立てておくことで、事前にリサーチできたり、関連する知識が自然に収集できたりするので、継続投稿しやすいと感じていますね。
投稿内容の残りの3割は、その時々の世間の話題や時事ニュースに合わせて作っています。
じきるう:
お二人とも時事や季節感のあるものなど、ユーザーの生活に根ざしたコンテンツを提供されていますね。
能條:
身近に感じてもらう工夫はとても重要です。政治だけを取り扱っていた頃に比べ、社会問題や時事ニュースを発信するようになってからはフォロワーの伸びが一気に加速したので。
あと運用する上で気付いたのですが、1つの投稿に10枚画像を入れて投稿するよりも、1〜2枚にばらして投稿の量を増やしたほうがユーザーの反応がいいですね。いいね数が増えるため、結果的にフォロワーも増加します。
じきるう:
Instagramの特徴として、フィードとストーリー、2種類の投稿があることが大きいと感じています。どのように使い分けていますか?
能條:
フィードはいつ見ても役立つ情報を意識していますね。社会を学びたい人がフィードを遡っていったら、どんどん知識が深まるようにしています。
ストーリーは2つの使い方をしています。
1つは時事ニュースの解説。最近であればコロナや地震などですね。ニュース性があり、いま知ってほしい情報を流しています。
もう1つは、フォロワーの方の声を集めて反映する使い方です。アンケート機能を使って質問に答えたり、インタラクティブなやり取りをする場として利用していますね。
西垣:
madree.jpも、ほとんど能條さんと同じですね。フィードは統一感を保つために、間取りだけ掲載しています。
ストーリーは、いろんな属性のフォロワーさんに向けて、さまざまな投稿をしています。フォロワーさんのなかにも、間取りが見たいだけの方から実際に家造りを考えている方、あとmadree.jpをずっと昔から応援してくれているファンのような方までいるので。多様なニーズに答えるために、間取りに対する質問に答えることもあれば、madree.jpスタッフがライブで配信するときもあります。
あとストーリー投稿を続けるうちに気づいたんですけど、中の人が見えるようなニッチでライトな内容でも、あんまりフォロワーが減らないんですよね。それに気付いてからは気軽に配信するようになりました。
じきるう:
Instagramは通常、フィード投稿にリンクを貼れないため、集客がしにくいと感じます。ビジネス利用されているmadree.jpの西垣さんは、どのようにリード獲得を行われていますか?
西垣:
ストーリーには適宜リンクを貼って集客してますね。
ただ、あんまりやりすぎないようにしています。過去に数字ばかり気にして、ひたすらリンクを貼っていた時期もあったんですが……。そのときフォロワーの伸び率がめちゃくちゃ下がりまして。それで反省して、最近は先ほど話したような、フォロワーさんの属性に合わせた内容をバランスよく投稿するようにしています。
じきるう:
Instagram運用において、ビジネスを意識したKPIなどは設定していますか?
西垣:
僕が気にしているのはフォロワーの伸び率、リーチ数などですね。あと一週間のうちどの投稿が評判だったか、投稿からどれくらいの人がプロフィールに遷移してリンクをクリックしてくれたかなどの数字も見れるので、そこを確認しています。
Instagramでの投稿やDMで問い合わせから、サービスの成約につながることも多いんですよ。そのため、Instagramはブランディングやカスタマーサクセスの場所として、その目的にあった指標で計測するようにしています。
じきるう:
NO YOUTH NO JAPANさんは、InstagramのほかにもTwitterやnote、Clubhouseも利用していますよね。どのように使い分けていますか?
能條:
InstagramとほかのSNSでは運用する目的が明確に異なりますね。Instagramは、20代の政治や社会にまだ関心のない人にも届ける手段として利用しています。同じ目的で、TikTokにもいずれ挑戦したいですね。画像や動画コンテンツは、関心の低い人にも届きやすい気がします。
ClubhouseやTwitter、noteは仲間を集めるという使い方が主ですね。配信を聞いてくれたり文章を読んでくれたりするのは、関心の高い人たちが多いと感じています。ClubhouseやTwitterから、寄付やタイアップ案件につながることもありました。
プラットフォームごとにユーザーの特徴が異なるので、それに合わせて使い分けるのが大切だと思います。
じきるう:
フロー型・ストック型などのコンテンツスタイルの違いや、ユーザー層の興味関心に合わせて使い分けているんですね。
オウンドメディアも、新しい形が次々に生まれていると実感しました。お二人とも本日はありがとうございました!
(執筆:泉 編集:じきるう)
(本記事ではオンラインセミナー『時代はInstagram型!? 非Webサイトではじめるオウンドメディア #オウンドメディア2021』のレポートをお届けしました)
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