エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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新しいプロジェクトを立ち上げる時には、さまざまなミーティングが行われます。会議を意味のあるものとするには、その目的を正しく設定した上で、成功させるための段取りをすることが大切です。
特に「キックオフミーティング(プロジェクト開始を宣言するミーティング)」はプロジェクトの序盤戦でもっとも大切会議になりますが、その目的や段取りについて、皆さんは正しく理解していますか。
キックオフミーティングはプロジェクトを成功に導く上で、欠かすことができない大切なミーティングです。この記事ではキックオフィミーティングの意味や意義、キックオフミーティングの効果を高めるための進め方のポイント等をご紹介いたします。
プロジェクト工学提唱者。株式会社ゴトーラボ Founder/CEO。「チームに覇気がなく一体感がない」 「議論が空中戦になりがち」 「無駄な会議で時間を浪費しがち」 そんな組織の炎上体質を改善するための、プロジェクト工学ワークショップを提供しています。
もしあなたがキックオフミーティングを「とりあえずの顔合わせの場」と考えていたとしたら、それは非常にもったいないことです。
ひとくちにキックオフミーティングと言っても、人によってそのとらえ方はさまざまです。「プロジェクトを開始するために関係者が集まる」というイメージは共通していても、そこでどのような話し合いをして、どのような意見を交換するのか。「単なる顔合わせでしょ?」という人もいれば、かなり具体的な打ち合わせの場としてとらえる人もいます。
では、具体的にキックオフミーティングにはどのような意味と効用があるのでしょうか?
ずばりそれは、以下の3点です
- これからどのような手順・スケジュールでプロジェクトを進めるか確認する
- 参加者それぞれの、プロジェクトにおける役割を明確にする
- 想定外のことが発生した場合に、どのような方法で対処するかを認識あわせする
プロジェクトとは、そもそもまだやったことのない仕事に取り組むということです。そこでは常に想定していなかった事態が発生します。しかしその想定外トラブルは、「誰にも予想のつかなかった外部要因の影響によるトラブル」ということは意外と少ないです。
むしろプロジェクト着手前にフワッとしか話をしていなかったために、互いに認識の齟齬が発生してしまい、それがトラブルの原因になることが多いのです。のちのち悔やまれることの90%は「あのとき事前に話しておけば良かった」というようなことなのです。
もしキックオフィミーティングが以下のような会議だったら、そのプロジェクトは要注意です。
- 参加者の自己紹介でほとんどの時間が消費される
- 重要な意思決定を担うキーマンが受け身の姿勢
- 全体的に緊張感がなく、質問が出ない
特にプロジェクトオーナーやそれに近い立場の人が「きっと何か問題は発生するのだろうけれど、誰かがなんとかしてくれるのだろう」「細かいことはプロマネに仕切ってもらえばよい」という意識でいる場合は、高確率で ””起きてからでは解決が難しい問題”” に悩まされることになります。
キックオフミーティングの資料フォーマットは、とてもシンプルです。
- プロジェクトの背景と目的(なぜやるか)
- 成果物(なにをやるか)
- 工程とスケジュール(いつまでにやるか)
- 組織体制(どこで、誰がやるか)
- 連絡窓口(どうやるか)
- 補足、直近のアクションについての確認
いわゆる5W1HをおさえていればOKです。このフォーマットをベースに、決まっていること・決まっていないことを洗い出し、プロジェクトの全体像を俯瞰した資料を作りましょう。
これにくわえて、作りたいものに関する具体的な説明資料や、関係者紹介の補足資料があれば、あっという間に完成。会議本番でも、30〜60分もあれば読み上げられるような内容にしましょう。
もちろん上記のフォーマットはかなり抽象化した形ですので、業務システム開発やウェブサイト開発、新商品開発など、そのプロジェクトに応じて調整していただければと思います。
次が肝心です。大切なのは「キックオフ資料を作ってからどうするか」。
プロジェクトマネジメントを拝命したプロマネが資料を作って、オーナーに簡単に事前確認を取ってそれで進める、というだけではいけません。
一人の視点だけでプロジェクトの全体像を考えるのは、非常に危険なことです。プロジェクトに関わる人のそれぞれの立場に立ってしっかりと吟味することが、後々のトラブルを予防することにつながります。
ではどうすればよいか。実際にそのプロジェクトによる成果物を利用する立場、その成果物を作る立場、作ったものをチェックしテストする立場、プロジェクトに資金を出す立場……そのプロジェクトに関係するすべての立場の人に、作った資料を見せるのが一番早いです。
自分のなかでは「これで完成!」と思っていても、「まだたたき台なんですけど……」と謙遜して、とにかくたくさんツッコミをもらいましょう。
さて、幅広いステークホルダーの声を集められたら、それをもとに最終的な資料を完成させましょう。
これまでの資料作成とインタビューの過程のなかで「あれ、この人とこの人、ちょっとイメージしているものが違うぞ」「認識をそろえたはずの点が、やっぱり互いにちょっとだけ自分に都合よく考えているな」といったギャップが、違和感として残っていることと思います。
実はその違和感こそが大事なのです。違和感を解消することこそが、キックオフミーティングの目的なのですから。
……ということで、ここまでの過程で集めたコンテンツを武器にして、ようやく本番に臨むことができます。
キックオフミーティングの進行は、まずはアジェンダ通りに読み上げるので問題ありません。プロジェクト全体の構造がどうなっているかという大枠を参加者に理解してもらいましょう。
ただここで工夫していただきたいのが、ミーティングの要所に詳細をはさむことです。つまり、インタビューの過程で得られた違和感をうまく活かして、議論を活性化させるのです。
例えばプロジェクト序盤で実施する初期調査について、メンバー同士で認識がずれていることが疑われる、といった場合。そんなときは「初期調査は来月末に完了させる予定ですが、よろしいでしょうか。調査対象は◯◯◯で、ヒアリング内容は△△△、結果の集計の仕方は◇◇◇にすると想定していますが、イメージ相違ありませんか?」などと水を向けると良いでしょう。
キックオフミーティングでは、参加者それぞれのプロジェクトにおける役割を明確にすることが大切です。各参加者に期待されている役割を明確に伝えましょう。
たとえば先ほどの初期調査のケース。その当事者になるのは「調査という仕事を担当する人」自身ですが、「その結果を渡す相手」もいるはずです。最終的に関係する人同士が、調査結果の整理の仕方や、調査結果の受け取り方について、具体的に確認することが大切なのです。
どうしても人は、成果物が目の前に存在しないとき、自分にとって都合のいいものをイメージしてしまいます。調査結果を受け取る人が「さぞ詳細な調査結果をもらえるのだろう」と期待しており、渡すほうは「ちょっといま別の仕事もあって忙しいしパパッとやったもので大丈夫かな」と思っていたら、歯車が狂ってしまいます。
プロジェクトとは必ず想定外のトラブルがあり、予定に遅れると言われています。しかしその原因のひとつひとつを見てみたら、そんなささいなことの積み重ねなのです。
そもそもどんなに手を尽くしても、やる前に完璧な準備を整えることは不可能なのです。
だからこそこのように、「本当にいまから具体的に着手しますよ?準備はいいですね?」と問題提起をして、緊張感を高めるのです。それこそが、キックオフミーティングの最大の狙いとなります。
「大丈夫だろう」と思って楽に構えていたら、思わぬ落とし穴にはまったときに対処が遅れます。「危ないかもしれない」と準備をしていたら、そのぶん機敏に応じられます。
準備そのものを完璧にするのではなく、マインドを起動する。これこそがキックオフミーティングの極意です。ぜひ、ご参考にください。
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