エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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こんにちは。ライターのたかやと申します。
今回は、あのアドビさんから依頼をいただきました。やった~。
なんでも、「我が社のAdobe Expressというツールがめちゃくちゃ便利で魅力的なのに、まだまだ認知度が低いから、今回は、たかやさんが『Adobe Expressをテーマにした俺TUEEE系のなろう小説の主人公』になってほしい」とのことです。
なに言ってるかわかりますか? 要するに、「Adobe Expressというツールがまだまだ認知度が低いから、僕が『Adobe Expressをテーマにした俺TUEEE系の主人公』になる」とのこと。
なに言ってんの?
アドビといえば、画像編集でお馴染みのPhotoshopやIllustratorが有名どころですが、この『Adobe Express』はグラフィックデザイン特化型のツール。
グラフィックデザインとは、主にポスターやチラシなどのデザインのこと。
Adobe Expressでは、10万以上のテンプレートやロゴなどの素材が用意されており、それらを組み合わせるだけで、簡単にチラシやSNS向けのグラフィックデザインを作れるんだとか。
つまり、このツールを使えば、僕のようなデザインのセンスが皆無の人間でも、簡単にセンスあるグラフィックデザインを制作できるってこと!
まさにデザインのハイパースキル。
なるほど。たとえば、僕が学生のころにこの『Adobe Express』を手にしていたら、圧倒的なデザインスキルで無双した大学生活を送れていたんだろうな~~。
俺はどこにでもいる一般大学生。
近頃、大学がつまらない。
なぜって?
もうすぐ学園祭が開かれるからだ。
……ふん。クソみたいな行事だ。あんなもの、陽キャのための催しでしかない。
あんなイベントを心から楽しめる人間の気が知れない。クソみたいなイベント。クソ、学園祭はクソ。クソ オブ クソ。クソクソクソクソクソクソ。
一応、そんな俺も学内のサークルには所属している。デザイン研究会だ。デザイン研究会では、オシャレなデザインを研究したり、オシャレなチラシを作ったりする。
デザイナーってなんかカッコいいし、モテそうだから入部した。
そんな不純な動機で入部した俺は、サークルに入部して一週間で、とてつもない挫折を味わってしまった。
俺以外の奴ら全員、デザインが上手いのだ。
なんか、当たり前のようにデザインの知識が豊富だし、配色とかもセンスあるし、ロゴとか素材の配置とかもなんかすごく、すごかった。
それに対して、俺はデザインにおいてズブの素人。
画像やフォントの配置とか、配色とか、オシャレなものが何もがわからない。
あと、明度や彩度や色相環とか。なんていうか、そういうのも全てわからない。わからないことしかない。
要するに、俺にはデザインのセンスがなかったんだ。
そんなこんなで、俺は早々にサークルからドロップアウトした。
一応、籍はまだ置いているが、それだけ。
いまでは、授業が終われば自宅に帰ってAPEXに興じる、そんな、どこにでもいる陰キャ大学生ってわけさ。
あーーー。全てクソだよなー。滅びねぇかな~!
ん? サークルの部長から連絡だ……。
『実は今度の学園祭、バンドサークルのライブイベント告知ビラを我がサークルで担当することになったんだよ。でも、誰もやりたがらないから、俺君お願い!』
な……なにィ!?
む……無理だ……!
バンドのチラシって、ただでさえオシャレさが求められるのに、それを、俺が!?
しかも、学園祭まであと数週間もない……。
不可能に決まっているだろう……。
でも、サークルの部長は陽キャ側だから断り辛いんだよな……。
クソ、どうすれば……!
そして数週間後。
チラシは完成していない。当然だ。
写真を使ったチラシにすればいいのか? あるいはイラストのほうが?
自分の判断に自信が持てない。
文字を入れるのだって怖い。自分のセンスを信じて使ったフォントが、周りから「なにそのフォントw」とか嘲笑されたら、一生立ち直れない……!
クソっ、そもそも部長が悪いんだ! クソみてぇな仕事振ってきやがって……!!! クソクソクソッ。
ハハ……ハハハ……。
も~、無理だ。俺みたいなデザインスキルゼロな人間に、チラシを制作するなんて不可能なんだよ。
誰か、助けてくれ~~~~~~~~~!
!?
!?
なんだここは!?
俺はさっきまで、自宅にいたはずなのに…!
???「困っているようじゃな」
だ、誰だアンタは!?
「デザインの神じゃ」
デザインの……カミ!?
「この時期になると、学園祭のチラシ制作を無茶ぶりされて苦悩する学生が多く出てくる。そんな学生たちに救いの手を差し伸べるのが、ワシの仕事なんじゃ」
そ、そんなことが……。
「キミはアドビを知っているかな?」
たしか、フォトショとかイラストレーターとかの……?
「そう。そして、アドビには他にも『Adobe Express』という神ツールがあるんじゃ」
「Adobe Expressはグラフィックデザイン制作特化型のツール」
特化型ってカッコいい……。
「プロがデザインしたテンプレートやアセットが数多く用意されており、誰でも、簡単にセンスあるグラフィックデザインを制作できる」
おおお……。
「たとえば、イベント向けのチラシやポスターも、用途に合ったテンプレートを検索すれば……」
すごい! これがテンプレートで用意されてるの!? こんなの、そのままお店とかに使えるデザインじゃん!
「あとは好きな文字に変更していけば、オリジナルのグラフィックデザインの出来上がりじゃ!」
す、すげぇぇぇえ!
「あとは、YouTubeのサムネなんかも」
フリーのWebライターやYouTuberって、毎回サムネの制作にも困ってるらしいし、そういう人たちにはうってつけじゃん……。
「操作も非常に直感的で、1タップでサクサク進んでいくぞい」
「背景の除去も、ホレ、この通り」
背景除去が数秒で出来た! 切り抜きも綺麗だし……。雑コラも大量につくれちゃう!
「……といった具合に、Adobe Expressはノンデザイナーでもプロ顔負けのデザインを簡単かつ素早く制作できるツールといったところじゃな」
ノンデザイナー、つまり、俺のようなデザインスキルが皆無の人間でも……。つまり、アンタが俺の前に現れた理由って……。
「その通り。キミがチラシ制作に苦しんでいたからな。Adobe Expressを是非とも使ってほしい」
で、でも、天下のアドビ製だし、お金もそこそこかかるんじゃ……。
基本無料で使えるから!!!
すげぇぇぇぇぇぇえ!!
Adobe Expressの魅力を次々と紹介してくる、自称・デザイン神。
ノンデザイナーでも、プロ顔負けのデザインを簡単に……!?
そ、そんな上手い話があるわけがない。
それでも……!
もしこの話が本当なら……! どうしたって使いたい! Adobe Express!!!
「それでは、若い学生さん。キミの健闘を祈る」
ま……待ってくれ! そのAdobe Expressってやつはどこから入手すれば……
ハッ!
気づけば、俺は元の場所に戻っていた。
……なんだ。夢だったのか。そうだよな。いくらなんでも、あんな非現実的なこと、夢に決まっているのだ。
チラシ制作に追われ、心身がすり減った俺が見せた白昼夢。…いや、悪夢か。
結局、現実は何一つ好転していな……
……夢じゃ、なかった?
そうして、数時間後。神に教わった通りの手順で、俺は学園祭のチラシを完成させた。
あらかじめ用意されているテンプレート。豊富な写真やテキスト素材。それらを駆使すれば、難なくオシャレなグラフィックデザインを制作できたのだ。
操作も非常に簡単で、俺の直感とバイブスと勢いをそのままデザインに昇華することができた。Adobe Expressに出会うまでの、デザインが上手くできず悶々としていた時間はなんだったんだろうか……。
そして、完成したチラシをサークルのメンバーにも見てもらった。
みんな驚いていた。
当然だ。ほんの少し前まで、デザイン制作スキルゼロの俺が、突然、プロ顔負けのデザインを制作してきたんだからな。
俺に依頼をしてきた部長だ。
ったく、誰のおかげでこんな目になったと……。
まぁ、過去のことは水に流してやろう。
俺よりデザインスキルに劣った奴らにチヤホヤされる、この感覚。案外、悪いモノじゃない。
俺が作ったチラシは、瞬く間に学校内の噂となった。
「こんなに素晴らしいデザインができるオシャレな人間がこの学校に?」
「一度でいいからお会いしてみたい!」
って具合にな。
ったく。俺は静かな学園生活を送りたいんだっつーの。騒々しくて仕方がねーっつの。
まぁ、この学校の生徒として、行事に貢献できたんだから良しとしよう。
???「へ~、俺くんってチラシのデザインも出来たんだ」
あ、アナタは…!
悪役先輩!?
「このチラシは、中々のデザ力の高さじゃない。見直したわ」
あ、あざす……。
悪役先輩……。この人、前からなんとなく苦手だったんだよな。
後輩には当たりが厳しいクセに、自分は極度のパソコン音痴。俺以上にデザイン制作ツールを扱えない。ただ、実家が太くて羽振りがいいから、サークル内では常に良いポジションにいるんだ。
「このままいくと、今年の学園祭ライブのチラシは俺君の制作で決まりそうね」
はぁ……(当然だろ。何を言っているんだコイツは。俺が選ばれることは自明の理。神によって定められているんだからな)
「……と、言いたいところだけど。今年は私たちの代が引退だから、私にも花を持たせてほしいのよね」
はぁ!?(突然しゃしゃり出てきて、コイツは正気か? いま、俺様のデザ力の高さを見せつけてやったばかりじゃないか。……やれやれ、どうやらデザ力の低い人間は理解力も低いらしい。仕方ない、ここはもう少し、俺様のデザ力を見せつけて、この先輩の心を完膚なきまでにへし折って、二度とサークルに顔を出させなくしてやるか。ったく、これも“持つ者”の宿命ってやつか。やれやれだ)
「私が作ったチラシも見てくれないかしら」
ふん……どうせ、大したことのないデザインなんだろ。
!?
上手い!!!
なんてデザ力の高さ……! ポップな上にハイセンスな色配置。全体の統一感まで完璧だ……!
なにより、このチラシを見ることにより「見に行こうかな」と興味を持てる、そんな魅力がある!!!
これ、本当にプロ案件じゃないか……!?
モブ共も、すっかり先輩のデザインに心を奪われてやがる……!
奴らは己で良し悪しを判断する知識がなく思慮も浅い愚民。故に、盲目的かつ反射的に権威に擦り寄っていく。ハゲタカよりも卑しくて、思慮が足りないモブ。それがお前らだ。
「さて、俺君。アナタが作ったチラシと、私が作ったチラシ。どちらが学園祭のチラシに選ばれるか……」
「勝負よ!」
………。
そして学園祭当日。
結局、チラシは俺と悪役先輩、どちらのデザインも採用された。部長からの「どっちも頑張って良いチラシを作ってくれたんだし」の一声が決め手となった。
学園祭は例年の数百倍の来客数になったらしい。お客さんは口をそろえて、「2種類のチラシのデザインに目を奪われた。素晴らしかった」と言っていた。
学園祭から数日後。
役目を終えて日常に戻りつつある俺のもとに、悪役先輩からLINEが届いた。
先輩の家に招待されると、先輩は「デザイナーの地縛霊」を紹介してきた。
どうやら、学園祭が始まる数ヵ月の間だけ、この地縛霊は先輩に取り憑いていたらしい。
そしてこの地縛霊は僕たちのサークルのOGでもあった。地縛霊はまだ存命のころ、漫画家のアシスタントを住み込みでやりながらデザインの勉強をしている日々を送り、死ぬ直前は13徹していたらしい。当然、人が13徹をすれば平気なハズもなく、そのまま永眠。が、本人は「周りの人から必要とされるデザインの究極体を実現できないまま死んだこと」を受け入れられず、地縛霊となってしまったらしい。
そしてちょうどたまたま通りかかった悪役先輩に取り憑き、Adobe Expressを使って生前に叶えられなかった「デザインの究極体」を完成させたんだとか。
先輩の目をとおして、俺のような素人でもおしゃれなチラシを制作できる事実、そして13徹という過酷なスケジュールを送らなくともAdobe Expressで簡単にクリエイティブな制作物ができる世の中になったことに希望を覚えた彼女は、成仏前に、俺にも挨拶をしておきたかったそうだ。
ったく。てっきり「成仏できないから、俺君に悪霊を退治してほしい」みたいな話かと思ったぜ。やれやれだ。
そして地縛霊も成仏した。俺はこの件をきっかけに人にさまざまなスキルと希望を与えるデザインの道に興味を持った。
「なんかカッコいいし、モテそう」という欲にまみれた動機でデザイン研究会に入部した過去を反省して、しっかりデザインと向き合うことにした。
1年後、部長に抜擢された俺が快刀乱麻を断つかのごとく、学内のあらゆる事件を卓越したデザ力で解決したのはまた別のお話。
ありがとう! Adobe Expresssssssss!!!
・
・
・
はい。以上です。
「俺TUEEE系」になれてましたか?
少し言い訳をさせて貰うと、この企画のお話が来たのと同時に、「Adobe Expressで無双する主人公」の脚本はすでに出来上がっておりました。Workship MAGAZINE編集部さんが作ってくれました。
脚本は用意されているので、あとは僕が撮影するだけのヌルゲー案件だったんですが……。
僕は締め切り当日まで、一切、なにも手をつけずに放置してました。マジのマジ。本当に。一ッッッミリも進めてなかった。
「まぁ、締め切り当日に進捗ゼロでもなんとかなるだろう」と、慢心しておりました。それこそ自分を「なろう系」の主人公と勘違いしていたのかもしれません。
当然、撮影地やエキストラの準備をしているわけでもなく……。困り果てた末に、「そうだ、Adobe Expressの素材だけでなんとかしよう!」と思い至った次第です。
ですので、この記事の画像、全てAdobe Expressで作りました。たった一日で書き上げました。
アドビさえあれば、記事もなんとかなるんですね。
……えっ、なんとかなってない? クオリティが雑すぎる、って?
う~ん……。
またオレ何かやっちゃいました?
(おわり)
(執筆&画像制作:たかや 悪役先輩のチラシ制作:百瀬ガンジィ(プロデザイナー) 編集:くろぎ)
Adobe Express
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