デザインイメージの伝え方のコツ。現役デザイナー&ディレクターが実践検証

デザインをイメージ通りに伝えたい

デザイン制作はデザイナーだけでなく、依頼主やディレクターなど、複数の関係者が携わることがほとんど。とくに若手のディレクターやデザイナーは、デザインの共有やすり合わせ方に悩んだことがあるのではないでしょうか。

「頭の中に完璧なデザインイメージがあって、それ通りに依頼したはずなのに、デザイナーからは思っていたのとは違うデザイン案が上がってきて修正が大変だった……」
「クライアントから言われた通りにデザインしたのに『これは違う!』と戻され、FIXするまでに時間がかかった……」

こういったイメージのズレが原因で、デザイン制作がある程度進んでから白紙に戻るケースも。想像するだけでお腹に穴が開きそうですね。

実はこのようなすれ違いは、ちょっとした工夫で防ぐことができます!

今回はデザインのイメージがすれ違う原因や失敗談を踏まえ、デザインをイメージ通りに共有するコツや実践をデザインツール『Adobe Express』を活用しながら検証します。

※本記事はアドビ株式会社の提供でお送りします

デザイナーからイメージ通りのデザインが上がってこない!すれ違う3つの原因

結論、デザインのすれ違いは、いずれも「デザイン=芸術的センスが必要なもの」という誤った認識があることに起因します。

デザインはアートではありません。デザインに求められるものは、芸術的センスではなく、企業やサービスの課題を解決できるかです。

この事実をデザイナーはもちろん、ディレクターや営業をはじめとするノンデザイナーも理解することが、すれ違いをなくす第一歩になるでしょう。

ここからは具体的なすれ違いの原因を3つ紹介します。

1. 具体的な指示をせず、デザイナーに丸投げしている

「デザインは、デザイナーの直感とセンスに任せたら良い感じのものが出来上がるんじゃないの?」
「私、デザインのことはよく分からないから、専門家であるデザイナーに全部やってもらった方が良さそう」

そのような考えから、デザイナーに作業を丸投げするパターンです。

前述のとおり、デザインはアートではなく課題解決の手段です。課題解決の目的に照らし合わせ、制作する必要のあるデザインの条件を整理するのはディレクター(指示を出す側)の役割となるため、丸投げをしてしまっては思い通りのデザインは完成しません。

デザイナーは「与えられた要件をもとに、最適な形に落とし込む役割」であると正しく理解したうえで、ノンデザイナーも積極的にデザイン制作に関与する必要があります。

2. 共有しているデザインのイメージが漠然としている

丸投げとまではいかないものの、「テイストや雰囲気を伝えたら、あとは良い感じにデザイナーが作ってくれるだろう」という考えが指示側にあると、このすれ違いが多発します。

たとえば「30代女性向けの美容商品のLPだから、シックなページデザインで!」という指示は、一見するとデザインのテイストを伝えているため問題なさそうに感じます。

しかし、「シック」の中にもさまざまなニュアンスがあります。試しに、Adobe Expressのテンプレート検索で「シック」と入力してみましょう。

AdobeExpressのシックデザイン一覧

▲「シック」で登録されているテンプレート一覧(出典:Adobe Express)

ざっと見ただけでも、さまざまな方向性の「シック」があることがうかがえます。

Adobe Express テンプレート

「シック」として登録されているデザインテンプレートをさらに詳しく見ていくと、1枚目は実写の素材やテクスチャを組み合わせ、画面全体で和と落ち着きを演出している一方、2枚目は画面中央のみにイラストとテキストを配置し、2色のみ使用したシンプルな仕上がりになっています。

同じ「シック」のはずなのに、印象やイメージが大きく異なりますよね。

他にもよくある指示として「かっこいい・可愛い・大人っぽい」などがありますが、これらも詳細な指示がないと思い浮かべるイメージの解釈にズレが生じてしまい、指示側とデザイナーの間ですれ違う原因になります。

3. デザインに関する知識の差があり、認識のすり合わせが難しい

トンマナ」など、デザイナーにとってなじみ深い専門用語の意味がクライアントに伝わっておらず、そのままやりとりが進むことで認識の齟齬が生まれるといったトラブルもあります。

また、デザインの良し悪しを判断する基準がわからず、デザイナーから案を共有されても「どのデザインも良いと思うけど、選ぶ根拠がないから一つに絞れない」「私は何も分からないからよしなにして欲しい」と、すり合わせるための対話がそもそも成立しないこともあります。

「思っていたデザインと違う!」デザイナーとディレクターのリアルな失敗談

これまで紹介してきたトラブルの原因は珍しいことではありません。

ここからは、Web制作やデザインを得意とする株式会社GIG所属のディレクター・水嶋さんと、デザイナー・向田さんの経験談をもとに、デザインイメージの伝え方の実態を深掘りしていきましょう。

まずは、2人の失敗談を伺いました。

水嶋 結
水嶋 結

株式会社GIG LeadGrid事業部ディレクター。立教大学現代心理学部を卒業後、ユーザー目線で仕事ができるWeb業界に興味をもち、新卒でGIGに入社。現在は、ディレクターとしてコーポレートやサービスサイト、メディアサイトなど多岐にわたるサイトで過去30社以上のディレクションを担当。

向田 嵩
向田 嵩

株式会社GIG LeadGrid事業部デザインチームマネージャー。ニューヨーク州立大学パーチェス校で数学・情報工学、メディアアートを学び、2020年に新卒としてGIGに入社。クライアントワークでのデザイン・アートディレクションや自社サービス『LeadGrid』のUI/UXデザインを担当。

失敗談1. 口頭ベースのすり合わせがイメージとのズレを引き起こした

デザイナー向田さん①

──これまで「デザインイメージのすれ違い」が原因で、業務に支障が出たことはありますか?

向田:
ありますね!

水嶋:
デザインの方針をクライアント様と固める体制やフローが確立していなかった頃は、とくにトラブルが多かったですね〜。

──どんなトラブルが起きてしまったんでしょうか?

向田:
これはよくあるトラブルだと思うんですが、とある案件でサイトデザインのラフ案を作成してクライアント様に共有したら「うーん、なんか違うかも……」という反応をされてしまったんです。事前にデザインのすり合わせをしていたにも関わらず、です。

──デザインのすり合わせはどのように行ったんでしょうか?

向田:
当時は口頭ベースですり合わせをしていました。しかも、ざっくばらんとした感じでしたね(苦笑)。クライアント様からは「親しみやすい感じでお願いします!」という要望がありました。

──「親しみやすい感じ」、かなり漠然とした要望ですね。

向田:
まさにそれがイメージのすれ違いの原因でした。「親しみやすい」という言葉だけで共有を行ったことで、クライアント様と弊社デザイナーのそれぞれが思い浮かべたイメージが大きくズレちゃいましたね。

水嶋:
似たようなケースで、クライアント様とディレクターの間ではイメージの共有がうまくできていても、ディレクターと社内デザイナーの間で共有がうまくいかず「クライアント様のイメージとズレちゃったな……」と思うこともありました。

理由は全く同じで、口頭ベースの共有だったからですね。言葉だけだと、どうしても細かなニュアンスや方向性までは伝わりにくいんだと痛感しました。

結果:デザインの認識すり合わせからやり直すことになり、作業が一週間遅れた

──「デザインがイメージと違う!」と言われたあとはどのように対処しましたか?

向田:
「制作したいデザインを全員でしっかりすり合わせないとまずい!」と思い、クライアント様とデザイナーを交え、デザインイメージの分析・共有ミーティングからやり直しました。

このときは「親しみやすさ」の構成要素を特定するために、デザインの参考サイトに掲載されている複数のデザイン案をクライアント様に見てもらいながら、「これは親しみやすいね」「これは違う」と一緒に話し合って分析しました。

言葉だけでなくビジュアルを活用したことで、ようやくクライアント様が思い描いていた「親しみやすさ」を理解することができましたが、デザインFIXが当初の予定よりも一週間遅れてしまいました……。

失敗談2. ほぼ固まっていたデザイン案が白紙に戻された!?

ディレクター水嶋さん①

水嶋:
これはレアケースだと思うんですが……。クライアント様とやり取りを重ねながらデザイン案を固め、いよいよFIX間近!となったタイミングで「デザインが想像していたのと違う!」とクライアント様から手のひら返しされて白紙に戻ったこともあります(苦笑)。

向田:
あー、あれは結構大変な案件だったよね……(笑)。

──順調に進んでいたのにいきなり「イメージと違う!」と言われることがあるんですか!?

水嶋:
実は、普段私たちがやり取りしていたクライアント様の窓口担当者と、社内で決裁権を持つ方が別だったんです。

よく話を聞いてみると、この窓口担当者の方と決裁者の間で、そもそもデザインイメージの共有が十分に行われていなかったようです。

当時私たちはそのクライアント様の社内体制やデザイン決定に関わる人を把握しきれていなかったため、「担当者がOKと言っているなら大丈夫!」と思って制作を進めてしまったんです。

結果:デザイン制作の関係者を全員把握し、制作過程に必ず参加してもらうことを重視するようになった

──依頼を受ける側としてはどうしようもないトラブルのように思うのですが、どのように対処したんですか?

水嶋:
改めてプロジェクトにおける関係者を把握するようにしました。とくに窓口担当と決裁者が別の場合は、「次回のミーティングではイメージラフ案作成のために認識のすり合わせを行うので、◯◯さんだけでなく責任者の××さんも必ず参加してください!」と伝えるようになりました(笑)。

向田:
デザイン制作に関与する人全員が、当事者として制作過程に参加するのは大切ですね。どこかのタイミングでしっかりすり合わせを行えているので、仮に修正が発生してもすぐに軌道修正しやすく、大幅なズレにはつながらないと感じています。

デザインイメージを上手に伝えて依頼する4つのコツ

対話をする向田さんと水嶋さん

失敗談を振り返るなかで、現在2人がデザインのイメージをズレなく伝えるために意識している4つのコツが明らかになりました。今日の業務からすぐに実践できるコツを紹介します。

コツ1. 抽象的な表現はせず、具体的に伝える

向田:
失敗談のとおりですね……。受け取り手によって解釈が異なるような表現のみで指示をしないようにしています。

仮に「親しみやすい感じで」とデザイナーに指示出しをする場合でも、フォントのサイズやスタイル、使用する色と、なぜその指示内容になったのかの背景まで共有することで、制作してほしい方向性をこちらで細かく固めるようにしています。

コツ2. デザインの目的や背景をデザイナーに共有する

水嶋:
デザインはクライアント様の課題を解決する手段ですよね。どういう目的で、なぜそういった制作をする必要があるのかを共有することで、デザイナーも根拠を持ってデザインに落とし込んでくれます。

仮にクライアント様から「デザインのイメージが違う!」と言われても、デザインの目的を踏まえ、どんな意図でデザインしたのかデザイナー本人が論理立てて説明できるので、両者が納得しながら制作を進められますよね。

たとえばクライアント様から「ボタンの色を黄色にしてほしい」と言われ、言われたとおりに黄色にしたら「これだと視認性が悪いからダメ!」と言われてしまった……といったケースも、事前にデザインの目的を把握することで防げるすれ違いです。

この場合、クライアント様にとって大事なのは黄色にすることではなく、ページ内でボタンを目立たせてクリック率を上げることだと考えられます。デザイナーがそれを理解していればページ全体の色味やバランスを踏まえ、「黄色ではなく青色の方がパッと目を引くので良いと思います」と提案し、クライアント様が本当に求めていたデザインを制作できます。

コツ3. 打ち合わせにデザイナーも同席してもらう

向田:
デザイナーも打ち合わせに参加し、直接クライアント様とやりとりをするのも良いと思います。やはりデザインを担当した本人が細かな意図を説明したり疑問に答えたりしたほうが、クライアント様にしっかり伝わる場面が多々あります。

打ち合わせをとおしてデザインの修正が発生しても、デザイナーが同席しているとその後の対応がスムーズですね。まず、デザイナーがクライアント様から要望をヒアリングできるので社内のコミュニケーションコストが減ります。

また、その場で画面を共有しながらデザイン案に手を加え、方向性の確認やニュアンスの微調整を行うこともできるので、よりイメージに沿った制作ができますね!

コツ4. デザインの参考になるビジュアル例を複数用意する

水嶋:
これが一番確実ですね! ビジュアルの活用は初回のヒアリングから必ずやるようになりました!

実例を活用するコツなんですが、「このデザインは違うかも」って思っていても、お互い何を変えたらいいのかまでハッキリとわかっていないことが多いんです。

そのため「違う」と感じている要素を把握するために、あえて要望からズレたラフ案も用意します。そして、複数パターンをクライアント様に提示した上で「どれが一番イメージに近いですか?」と確認していますね。

明確な差分を作っておくことで「A案は色味が明るすぎてイメージと違うけど、B案は結構近いかも。C案のこの箇所は……」と比較し、議論を通してすり合わせることができるので、デザイン修正もやりやすいです。

一つ注意点として、候補が複数あることで「どれも良いと思うけど、だからこそ選べない」と迷ってしまうクライアント様もいます。そのため、あらかじめイチオシ案を決めておき、その理由をデザインの目的に沿って説明できるようにしています。クライアント様が自信を持って「このデザインが良い!」と意思決定できるかどうかも、デザインへの納得感を左右すると感じます!

ノンデザイナーでもOK!デザインイメージを簡単に作れる『Adobe Express』活用のススメ

2人の経験談から、デザインをイメージ通りに制作するための伝え方でもっとも有効な手段はビジュアル例を用意することだと分かりました。

しかし、「正直ちょっとハードル高いなぁ……」と感じた方もいるのではないでしょうか?
とくに、デザインツールを一切触らないディレクターや営業の方は「デザインスキルがないから無理だ」と諦めていませんか?

大丈夫です!

  • ノンデザイナーだけど簡単に高クオリティなデザインを作りたい
  • 高価で専門的なツールはオーバースペックなので、無料で直感的に使えるツールが良い
  • デザイナーに頼らなくてもデザインのたたき台をパパッと作れるようになりたい

そんな方のためにリリースされたのが『Adobe Express』です!

Adobeexpressトップページ

▲出典:Adobe Express

Adobe Expressは基本無料で使えるグラフィクデザインアプリです。バナー、チラシ、ロゴ、SNS投稿画像、インスタストーリー画像など、さまざまなクリエイティブを2万点以上のテンプレートを活用して制作できます。ブラウザ版iOS版Android版で提供しています。

ここからはAdobe Expressを実際に使用し、どんなクリエイティブを制作できるのか、そしてノンデザイナーが業務で活用できるほど実用性のあるツールなのか検証していきます。

【検証】『Adobe Express』は本当にノンデザイナーでも使える? 架空案件のたたきデザインを作ってみた

AdobeExpressを試す2人

▲今回は業務でデザインツールをほぼ触らないディレクターの水嶋さんに、Adobe Expressを体験してもらいました!

──業務で活用できるかどうかを検証すべく、こちらで想定シチュエーションを用意してきたので、今回はそれに沿って制作してもらいます。

水嶋:
分かりました!ちなみに私、デザインのスキルもセンスも全然ないんですけど大丈夫ですか?

──大丈夫です、むしろそういったノンデザイナーの方でもAdobe Expressを使えるかどうかを検証したいので適任です! 今回、水嶋に共有した架空案件の設定は以下のとおりです。

  • クライアント
    創業5年目、20代後半の社員が少数精鋭で働く広告代理店ベンチャー
  • 依頼概要
    普段はサイト制作や運用を任されているが、スポット案件の軽い相談を受ける。
    「営業マンの採用を強化したい。今度採用イベントにも出るんだけど、そこで使うポスターとかチラシって作れる? ひとまず一週間後までにジャストアイデアで良いから素案欲しい!」。
    指示の粒度もかなり荒く、受注確度も読めないため、社内デザイナーの工数を使うよりもまずはスピード重視。窓口担当である自分がたたき台を作ることにした。

水嶋:
いきなり口頭ベースで相談を受けるケースはたしかに焦りますね! しかも会社によってはデザイナーにすぐ相談できる体制ではないことも考えられるので、「まずは自分が対応しなきゃ!」と動くディレクターや営業担当の方の気持ちもわかります……。

でも本当に作れるかなぁ。やったことないから心配!!(笑)

作業を行う水嶋さん

水嶋:
Adobe Expressを起動したんですが、テンプレートを検索できるんですね! まずは「求人」で検索してみようかな。

Adobeexpress求人テンプレート一覧

水嶋:
え〜すごい! 見てるだけで楽しい!

ちなみにこの架空クライアントの社風イメージはどんな感じですか? それに合わせて良さげなテンプレを探します!

──勢いに乗ったベンチャーで「熱意」を重視していますが、「胡散臭い」「怪しい」というイメージは避けたいようです。

テンプレートを選択する水嶋さん

水嶋:
となると、今回は「高収入!」ってデカデカと書いていないテンプレートの方が良さそうですね。

向田:
こうして見ると堅実なものからキャッチーなものまで揃ってるんですね〜。

Adobe Express テンプレート2

水嶋:
あ! これめっちゃ良さそう!

採用テンプレ③

向田:
おぉ〜〜、これはめっちゃ「ぽい」デザインですね!

水嶋:
文字を変えるだけで完成しそう……。

テンプレ編集画面

▲テキストを変えたい箇所を選択し、右側に表示される編集画面で簡単に変更できる

テンプレートを編集する水嶋さん

▲探り探りテンプレートの編集を行う水嶋さんと、その様子を見守る向田さん

水嶋:
キャッチコピーと職種を変えて、テキストも追加してみたんですが……。この「ロゴ」ってやつすごい! プリクラのスタンプみたい!(笑)

ロゴの編集画面

▲ロゴはドラッグ&ドロップで使用することが可能。

──そういえば使い方のレクチャーを一切せず、ぶっつけ本番で触ってもらっていますが、いまのところさほど大きな問題なく操作できているように見えますね。

水嶋:
言われてみればそうですね! どこのメニューで何の操作ができるのか、とかはさすがに探り探りでやっていますが、ほとんど見たままで編集できるので難しさはないですね!

……と、よし! まずはこれでどうでしょう! 操作も慣れてくるとサクサクできますね〜。

Adobe Expressで作ったデザイン①

──おぉ! 一発目にこれを提出されたら、クライアント様も「めっちゃ良いね!」となりそうです!

水嶋:
ちょっと遊んでみても良いですか? テンプレをもうちょっといじりたいんですが、これって載せる人を変えることもできるんですかね?「写真」から仕事をしてるっぽい人を探して……できた!

人物を入れ替える編集画面

向田:
あれ、もしかしてこの「背景を削除」で透過機能も使えるんですか? 透過は普段Photoshopとかを使って作業することが多いから、簡単な作業であればこれで十分ですね!

背景を削除する編集画面

背景を削除した写真素材の例

▲ワンタップで背景を綺麗に消すことができる

水嶋:
背景を透過してから好きな背景を設定して、それに合わせてまた文字色を変えたりするだけで印象も変わるし……。気軽にいろんなデザインを試せるのが良いですね。

Adobe Expressで作ったデザイン

水嶋:
よし! クライアント様の思い描いているテイストがこれじゃなかったときにすり合わせが大変そうなので、同じ要領で違ったテイストのものも作ってみます!

採用デザイン②

Adobe Expressで作ったデザイン2

向田:
おぉ〜、短時間で追加の3案も用意できましたね!

今回の架空案件のように、クライアント様がどんなデザインのテイストを求めてるか分からないこともしばしばあります。そんなときはまず方向性を掴むためにいろんなパターンを用意することが多いんですが、こういうテンプレートをうまく活用すれば最小限の時間で対応できるので良いですね。これ、ノンデザイナーでも使えるのか……。

画像編集中の水嶋さん

▲掲載しなかったボツデザインを含めると、取材時間内で6つ制作できました!

──実際にクリエイティブを制作してもらいましたが、Adobe Expressは業務で活用できそうですか?

水嶋:
制作したいデザインや案件にもよりますが、十分に活用できるんじゃないでしょうか! 機能の把握や操作の慣れは必要になりますが、触りながらすぐに理解できたので誰でも使えると思います。

それこそラフ案作成とか、細かな作り込みが必要ないクリエイティブであれば全く支障ないと思う。

ただ、カテゴリや素材のテイストによっては自分のイメージドンピシャの素材が用意されていなかったり、写真素材が外国人多めだったりするのは個人的にはもう一歩かな!と感じましたね。

とはいえ自分で用意した素材をアップロードして使用することもできるので、表現の幅が狭まるといったことは感じないです。定期的に素材が拡充されたら嬉しいな!という贅沢な要望ですね(笑)。

デザインイメージの伝え方を工夫するだけで、業務効率はグンと上がる

以上、デザインをイメージ通りに制作してもらうための伝え方のコツや、Adobe Expressを活用した実践について、現役ディレクターとデザイナーの視点から深掘りし解説しました。

言葉の説明だけではどうしてもデザインイメージを共有することは難しく、両者間でズレが生じる原因になってしまうもの。実際にクリエイティブを用いて共有することが一番のコツだと言えそうです。

参考サイトから事例を探すのも良い方法ですが、

  • クライアントの要望に対する柔軟な提案力を伸ばしたい
  • 自らラフ案や簡単な修正に対応することで、業務スピードをさらに上げたい
  • デザイナーと連携し、より解析度が高く、納得のいくデザインを作りたい

と、周りと差をつけたいディレクターや営業の方こそ、自身の手で思い描いているデザインを作れるようになることを強くオススメします!

ノンデザイナーでも簡単に高クオリティなクリエイティブを作れるグラフィックデザインアプリ『Adobe Express』は、ブラウザ版、iOS/Androidのスマホアプリ版も用意されています。ぜひ一度Adobe Expressをお試しください。

(執筆:くろぎ 編集:コヤ、じきるう 撮影:じきるう)

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