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仕事が欲しいので電車の広告をジャックしてみた

フリーランスが個人で…電車の広告ジャックしてみた
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みなさんこんにちは。フリーライターの少年Bです。

わたしは今、強く願っていることがあります。それは……

フリーランスにとって、仕事がないのは死活問題。それに、できれば楽しくて条件のいいお仕事がたくさん欲しいですよね。大好きなインタビューのお仕事や、おいしいものがたくさん食べられる食レポの仕事がもっと欲しい……!

とは言っても、お仕事をもらうのはそう簡単ではありません。寝てても仕事は来ませんが、自分からいちいち営業するのも面倒です……。どうすればいいんでしょう。やっぱり140文字でそれっぽいことを言いまくって、アルファツイッタラーになるしかないのかしら……?

そんな時、ふと思いついたんです。そうだ、電車に中吊り広告を出そう、と。毎朝多くの人が利用している電車に「仕事募集!」の広告を載せれば、多くの人の目に留まり仕事が舞い込んでくるはずです。そうと決まれば、さっそく作っていきましょう!

『Adobe Express』で作った中吊り広告

▲無料から使えるデザインツール『Adobe Express』で作りました

最終的に、これが車内を埋め尽くします。

中吊り広告を載せてくれる鉄道を探そう

中吊り広告を出すため、さっそくJR東日本の中吊り広告出稿料について調べてみたところ……。

山手線の場合は約200万円(800枚、1週間)でした。ひ、ひえぇ〜〜〜!!中吊り広告の価格表

それに冷静になって考えてみたら、800枚とか、ちょっと刷る数が多すぎますよね。印刷費だってバカになりません。

やはり個人で中吊り広告を出すのは無謀すぎた……?

さて、どうしようかとインターネットをさまよっていたら、わたしの地元にうってつけの鉄道がありました。流鉄流山線です。

流鉄流山線に広告出稿を打診しよう

流鉄流山線とは、千葉県松戸市〜流山市を結ぶ、わずか6駅の短い鉄道です。ICカードは使えず、そもそも自動改札すらないため、降りる際は駅員さんが改札に出てきます。その様子から「都心から一番近いローカル線」と呼ばれることもあるんだとか。

流山駅

ということで、流鉄さんにやってきました。広告出稿を電話で打診したところ、ぜひ会ってお話を聞きたいとのこと。門前払いを食わなくてよかったです。

流鉄さんとの打ち合わせ

流鉄さん:
広告出稿のご依頼、ありがとうございます。ええと、ご自身のPRをしたい、ですか……?

少年B:
そうなんです。ぜひとも流鉄さんにお願いしたいと思いまして。

流鉄さん:
……承知しました。ただし、ウチも公共交通機関ですから、あまり変なものは掲載するわけにはいきません。条件として、「連絡先がはっきり書いてること」「ふざけすぎていないこと」の2点を守ってください。

少年B:
わかりました。広告のサイズはB3で大丈夫ですか?

流鉄さんとの打ち合わせ

流鉄さん:
はい。中吊り広告を下げる場所のことを「さお」と呼ぶんですが、B3の広告ですと1さおにつき2枚のスペースがあります。さらに、広告が表と裏、両面から見えるようにするので、1さおにつきポスターは4枚必要になります。

少年B:
思ったよりたくさん使うんだ!

流鉄さん:
弊社の車両は1両につき7さおありますので、中吊り広告だけだと28枚になりますね。

少年B:
……ちなみに、1両だけに自分の広告を集めて「車両ジャック」することってできますか?

流鉄さん:
本来は各車両に分散して掲出するのですが、特定の1両だけに集めることもできますよ。せっかくなので、窓上の枠にも掲出するのはどうでしょうか。そのほうが「車両ジャック」感は出ると思います。

少年B:
おお、ぜひお願いします!

流鉄さんとの打ち合わせ

流鉄さん:
あと、上から2〜3cmはさおに吊るす部分なので、そこに文字や写真を配置すると切れてしまいます。空白にしておくことをおすすめします。

少年B:
なるほど、そういう注意があるんですね……。では、その点に注意して広告を作成していきます!

流鉄さん:
わかりました。では掲出日程を調整して、またご連絡します。

広告原稿を作成しよう

と、いうわけで無事に交渉が成立。あとは広告を作るだけです!

『Adobe Express』で作った中吊り広告

▲無料から使えるデザインツール『Adobe Express』で作りました。素人が作ったにしては、いい感じでは……?

というわけで、最終的にできた広告原稿がこちらです。流鉄さんにいくつか広告案を提出した結果、「これなら真面目に見えるので掲出可能」とお墨付きを得られたこちらが採用されました。

ジャケットを着て広告に登場すると、弁護士か司法書士みたいに見えるということが判明しました。ライターには見えないよな。

完成した中吊り広告

印刷したものがこちらになります。

流鉄さんに届けると、数日中には貼り出してくれるとのこと。なお、中吊り広告の交換はすべて手作業で行われるそうです。わたしのために本当にありがとうございます……!

いざ、1両まるごと広告ジャック!

そして。

 

ついに。

 

掲載された中吊り広告

掲載された中吊り広告

自分の作った中吊り広告が、流鉄流山線の車両をジャックしました!

中吊り広告が掲載された車両

ジャックした車両はこちら。流鉄の「流星」編成のうち、5102号車(手前側の車両)です。中吊り広告28枚、32枚の窓上広告、計60枚のポスターを車両の中に貼りまくってもらいました。

中吊り広告と少年B

▲2〜3分間だけ特別に許可をいただき、車内で写真撮影をしています

めちゃめちゃ笑顔で撮影をしていますが、実際に乗ってみるとかなり恥ずかしいです。電車に乗った瞬間の素直な気持ちは「あっ、やっちまったな……」でした。撮影場所に行くための車内では他の乗客に気付かれないかとドキドキして、ずっとうつむいて顔を隠してました。

車両のどこに乗っていても、自分と目が合うという意味のわからなさ。なんか高熱を出したときに見る夢みたいな光景です。

果たして仕事はくるのか?

さて、今回はフリーランスのわたしが、仕事を募集するため電車の広告をジャックしてみたわけですが……この記事を書いている時点では、残念ながらいまのところ反応がありません。

しかし今回の件をツイートをしたところ、ちょいバズりくらいは伸びました。

「めちゃめちゃバズった!」とは言えないのですが、いつものツイートの100倍ぐらいの露出があったわけで。

そう考えてみると、電車の中吊り広告を作って1両ジャックする、というのはそれなりに効果のある広告手法なんじゃないだろうか、と思ってみたりします。再現性は保証しませんが。

さて、気になる今回の広告費用もお伝えしておきましょうか。かかった金額はだいたいこれぐらいです。

中吊り広告にかかった費用

▲中吊り広告にかかった費用(流鉄流山線の場合です)

個人で出稿するには、けっこう現実的な金額じゃないでしょうか?

広告掲載までにさまざまなやりとりや制作があったため、これを安いととらえるかは人それぞれですが、車両1両丸ごとジャックできると考えたらアリなのでは???

……それでは最後に、一番大切なことをお伝えして、この記事を終わりにしたいと思います。

『Adobe Express』で作った中吊り広告

仕事くれ~~~~~!!!

あっ、ごめんごめん! もうちょっとだけ見てって!

Adobe Express

途中サラッと流してしまいましたが、今回の車両広告は基本無料のデザインツールAdobe Expressを使って自分で作りました。アドビというと、『Adobe Photoshop』や『Adobe Illustrator』といったプロ向けのツールを想起される方も多いと思いますが、無料から使えるツールのみで、まったくの素人が作ったと思えば、そこそこいい感じじゃないでしょうか。

さまざまなテンプレートを利用すれば、デザイン未経験でもこれぐらいの広告をかんたんに作れちゃうの、すごくない??? まさに人類の勝利、科学の勝利。アドビさんに足向けて寝れないですね……!

もちろん流鉄さんのご協力もあったんですが、Adobe Expressのおかげでデザイン制作費が一切かからなかったのも個人的にはけっこうよかったんじゃないかと思います。

意外とリーズナブルな広告ジャックのお供にも。Adobe Express、おすすめです!

(執筆:少年B 企画・編集・撮影:じきるう 協力:アドビ株式会社)

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