エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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デザイナーやクリエイターの方なら、いつか自分のブランドを持ちたいですよね。いまではスマホ一つで自分のブランドを立ち上げて販売するのも簡単にできるようになりました。
でもそのブランド、本当に安全ですか? もし模倣品を仕入れて販売したら、損害賠償請求をされてしまうかも……。
今回は桑野 雄一郎弁護士に個人ブランド立ち上げに潜むリスクについて聞きました。
高樹町法律事務所 弁護士。早稲田大学法学部卒。知的財産権に関する相談,
オンラインでの個人ブランドの立ち上げ、販売で注目されているのが『Amazon FBA』です。
Amazon FBAとは通信販売における「入荷、検品」「棚いれ、商品保管」「コール業務、受注処理」「ピッキング」「検品」「梱包」「発送」といった、「注文を受けた商品の梱包→発送→決済までのすべてAmazonが代行」するサービスです。
FBAとは「Fulfillment by Amazon(フルフィルメント by Amazon)」の略称。フルフィルメントとは通信販売で顧客が商品を注文してから手元に届くまでの必要な業務全般を指します。
2016年頃から欧米ではAmazon FBAを活用し、アマゾン上でプライベートブランドを立ち上げ、ブランドを育てていく副業モデルが急成長しており、日本でも注目されています。
あつかう商材は中国のAlibabaなどから調達して、それに自社ブランドとなるロゴマークを付けて販売するモデルです。
副業で人気のせどり・転売と比べても高い収益性や、運用の手間の少なさも魅力です。
ブランド立ち上げのハードルが下がった一方、気をつけておかないといけないリスクもあります。Amazon FBAを活用した個人ブランドの立ち上げを行うときには以下に対する備えをしておくことが必要です。
著作権、商標権、意匠権、特許権など、知的財産権が成立している正規品の模倣品であれば、これらの権利の侵害となります。商品の形態をデッドコピー(そっくりそのまま模倣)した場合などは不正競争防止法違反になる場合もあります。
正規品が以下の要件を満たしている場合、模倣品を輸入・販売すると権利侵害や法令違反になります。
権利成立などの要件
- 著作権以外の知的財産権(商標権、意匠権、特許権):特許庁に出願し、登録されること
- 著作権:著作物と認められること
知的財産権の侵害や不正競争防止法違反と認められれば、正規品の権利者から差止請求、損害賠償請求や謝罪広告等を請求されることになり、場合によっては懲役刑や罰金刑といった刑事罰に処せられる可能性もあります。
「自分は模倣品を製造したわけではないのにどうして?」と思われるかもしれませんが、下記のとおり法令では模倣品を輸入・販売する行為自体を違法と定めています。
行為 | 違反の内容 | 根拠となる法令 |
模倣品を販売する行為 |
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模倣品を輸入する行為 |
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模倣品と知りつつ輸入する行為 |
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なお、これらの要件を満たさない商品でも、既存商品の形態をデッドコピーした商品を輸入・販売する行為は不正競争防止法違反と定められていますが、日本国内で販売されてから3年を経過すると不正競争防止法のこの規定は適用されなくなります。
ブランドを立ち上げる際には「他人の知的財産権の侵害や不正競争防止法違反にならないこと」「自分のブランドの模倣品への備えをしておくこと」が必要です。
そのために必要なことは以下の2点です。
自分でブランドを立ち上げるのであれば、まずは似たようなブランドがすでに存在していないか必ず調査しましょう。
商標権、意匠権、特許権などは登録され、権利の内容が公表されています。なので「知らなかった」という弁解は認められません。
登録されている権利の内容はJ-PlatPatというウェブサイト上で調べることができます。登録されている権利があれば、その侵害にならないように注意をする必要があります。
一方で著作権法においては、「他人の著作物のことを知らずに似た作品を作ってしまった場合には著作権侵害にならない」とされています。
著作権侵害してしまった場合はどうすればいいですか?知らずに侵害してしまうことも!?【弁護士直伝!】
Workship MAGAZINE
しかし、知らなかったとはいえ既存の著作物と似てしまうことは、ブランドを成長させるうえでは好ましいことではありません。
著作物は登録されていないので検索はできませんが、市場のリサーチもかねて類似したブランドがすでに存在しないか調べた方がよいでしょう。
不正競争防止法では一定の知名度を獲得していることが要件となりますので、ある程度名前の知られているブランドであれば調査は比較的容易ではないかと思います。
著作権法を除く知的財産法の分野では、実際に商品化したのが誰であれ、先に出願した人が権利を取得することになっています。
せっかく立ち上げた自分のブランドでも、それを見た誰かがが先に出願をしてしまうと権利を取られてしまう可能性があります。ブランドとして立ち上げて公表する前に、取れる権利については出願を済ませておきましょう。
同一または類似するブランドの登録がなされていると、出願をしても権利が取れません。上述した既存のブランドを調査することは自分のブランドの権利の登録をするうえでも必須のこととなります。
(執筆&協力:桑野 雄一郎弁護士 編集:まつもと 提供元:高樹町法律事務所)
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