中堅フリーランスが最も重視するのは「ライフスタイル」で62.5%。「売上」の25%を大きく上回る結果に【アンケート結果報告】
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すべてのフリーランスを悩ませる、資金繰り。特に、フリーランスになりたての頃は、資金繰りに苦労する人も多いでしょう。
そこで、この記事では、『激レア 資金繰りテクニック50』などの著書をもちYouTubeチャンネルの登録者は80万人を超える、脱.税理士スガワラくんに「フリーランス向け資金繰り術」を解説してもらいました。
※本記事はGMOクリエイターズネットワーク株式会社の提供でお送りします
税理士、YouTuber、ブロガー。YouTubeチャンネル登録者数80万人超、税理士人気ブログランキング1位、著書累計10万部突破と、税金やお金に関する情報を分かりやすく発信し、多くのフリーランス・中小企業経営者から支持を集めている(X:@sugawara11)
スガワラくん:
資金繰りとは、収入と支出のバランスをうまく管理し、事業を継続していくためのお金のやりくりのことを指します。簡単に言うと「お金を循環させつつ増やしていく」というイメージですね。
フリーランスの場合、収入が不安定になりがちなので、資金繰りをしっかりと行わないと、事業の継続が難しくなる可能性があります。資金繰りにおいて最も重要なのは、何よりもまず資金をショートさせないこと。常に手元にお金を残しておくことが最優先事項となります。
スガワラくん:
フリーランスはまだビジネスが軌道に乗っていない段階の方が多く、収入が安定しないため、手元の資金が底をつきやすいんです。中小企業庁の過去の調査によれば、事業開始から3年で約60%が廃業に追い込まれるという厳しい現実があります。会社員と違い、収入源が自分自身であるフリーランスにとって、資金繰りはまさに生命線と言えるでしょう。
会社員は会社が社会保険料や税金の支払いを代行してくれるほか、経費も会社が負担します。しかしフリーランスになると、これらのすべてを自分で管理し、自己負担しなければなりません。想像以上に支払いが重なり、資金繰りの重要性を痛感する人は多いでしょう。
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どのようにすれば、フリーランスは資金繰りを健全化できるのか。これには、7つの対策が必要です。
スガワラくん:
フリーランスになる前の準備になりますが、資金を潤沢に用意しておくことが必要です。業種にもよりますが、できれば300万円は用意しておきましょう。
これだけの資金を用意しておいたほうがいい理由は3つ。
1つ目は「お金を貯められる計画性・性格を身につけるため」。いきなりメンタル的な話ですが、非常に重要です。自分でお金を管理し、着実に貯めていけるというスキルは、ビジネスを立ち上げるうえでは必須。ビジネス向けに自分を作り変える、フリーランスに向いているか確かめるという意味でも、期間を決めて資金を貯めるというチャレンジをするのがおすすめです。もうすでに開業したという人も、「いつまでに300万円貯める」と決めて事業を回していきましょう。
資金を確保しておくべき2つ目の理由は「安全にお金を借りられるようにするため」。「資金繰りを成功させる方法なのに借金かよ!」と思う方もいるかもしれません。しかし、資金繰りの目的は「資金をショートさせない」こと。ビジネスを成功させるためにも借金をしてでも、手元に資金を置いておくことは重要です。事業開始時に創業融資を受けておくことをおすすめします。
お金を借りるにもいくつか手段がありますが、おすすめできるのは身内か銀行です。ただ、信用情報に傷がつかず金利が安い銀行からお金を借りるには元手が必要で、銀行で借りられる金額はおおよそ「いま、自分がもっているお金の2倍」です。300万もっていれば、600万借りられるということ。それだけ借りられれば、資金がショートするリスクが減り、やりたくない案件を辞めて将来につながる仕事に注力したり、トラブルにも対応できるようになったりします。
そう。資金が必要な3つ目の理由は「トラブルに対応できるようになるため」。トラブルによる想定外の支出に対応できず、資金がショートしてきたフリーランスの方を何人もみてきました。ビジネス経験が浅いフリーランスなりたてのときは誰だって、仕事で失敗するんです。そこでお客さんと揉めて売上代金がもらえなかったり、逆に賠償金を支払わなければならなかったりする。
自己資金でまかないきれない損害が発生する可能性がある場合には、事前に損害補償保険などを活用することで、リスクを軽減することができます。
保険は、万が一の際に金銭的な負担を補う有効な手段です。加入の際には補償内容や条件をしっかり確認し、自分のビジネスに適したプランを選ぶことが大切です。
スガワラくん:
資金繰りを健全化するために、フリーランスが絶対にやっといたほうがいいものが「小規模企業共済」という制度を活用した資金の積立ですね。
これは自分自身の退職金を積み立てていく制度なのですが、掛け金が全額所得控除になるんですよ。つまり、大きな節税効果が得られる。
月々の掛金はいつでも変更できますし、手数料もかからない。そして、緊急の際には積み立てた掛金の7~9割を借り入れることもできる。節税効果もあるし、緊急時の資金調達にも活用できるので、全フリーランスにおすすめできる制度ですね。
▼小規模企業共済についての解説はこちら 【FP解説】小規模企業共済は個人事業主・フリーランスに必要?メリット&デメリットを検証 Workship MAGAZINE
スガワラくん:
フリーランス・個人事業主を対象とした補助金・助成金制度も、きっちり活用していきましょう。国の補助金もあれば、地域限定の補助金もあるので調べておいて、もらえるものはもらっておきましょう。
▼フリーランス向け補助金・助成金の紹介はこちら 2025年1月 個人事業主&フリーランス向け給付金/補助金/助成金まとめ Workship MAGAZINE
スガワラくん:
たまに収支計画/事業計画をたてないまま、フリーランスとして活動している方がいますが、それは設計図を作らずに家を建てているようなもの。家ができたとしてもグラついて、いつ崩れてもおかしくありません。
フリーランスとしてやっていくなら、絶対に収支計画はたてておきましょう。今後どのような収入・支出が見込まれているのかを向こう1年間でいいので考え、計画書に落とし込んでいくんです。
そして、計画した収支と実際の収支を毎月照らし合わせ、計画を修正していくのも習慣化してください。どういった収支があるのかを常に見える化しておけば、資金繰りで失敗するリスクを最小にできます。
資金繰りに不安を感じるのって、将来の収支が分からないからじゃないですか。収支計画書は、精神安定剤です。めんどくさがらず、年末年始に時間をとったり、プロに相談したりして作ることを推奨します。
スガワラくん:
収支を見える化したら、削れるところはどんどん削っていきましょう。仕事に関係ないところ、お客さんから見えないところは極力質素に。オシャレなオフィスを契約するのではなく自宅で、ガジェットを無闇やたらに買うのではなく、ツールの熟練度をあげていく。
もう一つ意識してほしいのは「固定費を可能なかぎり減らすこと」。ほとんどの経費は、変動費化したほうがいいです。
変動費:売上の増減に比例する費用
固定費:売上に関係なく一定額発生する費用
単純に考えて、固定費はリスク。変動費は売上と比例するので、売上が減れば費用も減りますが、固定費は売上がどれだけ下がろうが関係なく取り立てられます。固定費が増えると、資金がショートするリスクも跳ね上がるんです。
資金繰りを健全化するには、費用を減らし、変動費化していくことが最も効果のある方法です。お金は意識的に使いましょうね。
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スガワラくん:
フリーランスなりたての頃は、高単価の単発の案件に走りがちですが、それを続けているとずっと資金繰りに苦しむことになります。
少し無理してでも、ストック型のビジネスモデルの検討や長期案件の獲得を目指しましょう。継続的な収入源となるため、資金繰りの安定につながります。また、長期的な関係を築くことで、顧客からの信頼も得やすくなります。
もちろん、短期案件も状況に応じて受注することはありますが、できるだけ長期案件の比率を高めることが重要です。理想的な比率は、事業内容や個々の状況によって異なりますが、まずは長期案件を7割、短期案件を3割程度を目安にするといいでしょう。
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スガワラくん:
ビジネスを行ううえで一番重要なのは、営業です。収入があって、はじめて資金繰りも健全化されるので、営業から逃げず、営業力を意識的に身につけていくことが大切かなと思います。
目の前の仕事に手一杯になって新規開拓ができないという人も多いと思いますが、無理にでも時間をとって営業しましょう。僕は、就業時間の半分以上は営業にあてるべきだと考えています。
そして価格設定も適切に。安易に価格を下げるのではなく、「気持ちちょっと高いかな…?」と感じるぐらいの価格で勝負したほうがいいですね。利益って思ったより少ないので。
価格が高すぎて仕事がとれなかったら、徐々に下げていけばいいんです。値段を下げるのはいつでもできますが、上げることは本当に難しい。だから、最初こそ自信をもって価格設定を行ってください。
資金繰りを円滑にするには、まずは手元の資金をショートさせず、増やしていくことが必要です。お金を貯めることはもちろんですが、ここでは僕がおすすめする資金調達の手段を5つご紹介します。
スガワラくん:
まずは、身内です。資金に困ったとき、一番に頼るべきは身内。これは昔もいまも変わらずで、僕も創業当初に頼りましたね。
ただ、お金が絡むと人間関係がこじれる可能性があるのも事実なので、友人などは避け、親族に頼むようにしましょう。
スガワラくん:
銀行融資のメリットは、金利が比較的低いこと、そして多額の融資を受けられる可能性があることです。資金調達手段として、身内の次に検討すべきは銀行融資でしょう。なぜなら、消費者金融などと比較して低金利で借りられる上、事業の信用力向上にも繋がるからです。もちろん、審査に通るためには、しっかりとした事業計画と返済能力を示す必要があります。
信用金庫は、地域密着型の金融機関で、中小企業や個人事業主への融資に積極的です。銀行よりも審査が柔軟な場合もあり、フリーランスにとって利用しやすい資金調達手段と言えます。
銀行や信用金庫で資金調達するうえで、重要なのが諦めないこと。一箇所に断られたら融資を受けることを諦める人もいますが、必ずいろんなところに相談しにいくようにしてください。金融機関や担当者によって融資の基準は千差万別なので、一回断られても別のところであれば貸してくれることも結構あります。
できれば、飛び込みで相談しにいくのではなく、知り合いの経営者や税理士の方の紹介をもらってから行くようにしてください。金融機関は顧客をないがしろにはできないので、融資してもらえる可能性が格段にあがりますから。
スガワラくん:
日本政策金融公庫は、政府系金融機関であり、中小企業やフリーランスの支援を主要事業の一つとして行っています。いろんな融資制度がありますが、とくに創業融資は積極的に活用してください。金利も低く、長期での返済も可能なので、後で困ってほかでお金を借りるよりかなり楽になります。
日本政策金融公庫 – 創業融資のご案内(https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/sogyoyushi.html)
スガワラくん:
ファクタリングサービスは、完了済みの仕事の請求書(売掛債権)をファクタリング会社に買い取ってもらうことで、報酬の入金日よりも早く、すぐに現金化できるサービスです。金融機関からの融資や借入とは違い、フリーランスであることやキャリアの短さで利用が制限されず迅速に資金調達できる、返済の必要がないというメリットがあります。ただ、使いすぎには注意して、活用してください。
即日払いで請求書を現金化 – FREENANCE(フリーナンス)
スガワラくん:
クラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定多数の人々から資金を募る方法です。近年、資金調達手段として注目を集めており、フリーランスにも活用できる有効な手段の一つです。
プロジェクトの内容によっては、多くの資金を集めることができる可能性があります。特に、新規事業の立ち上げや、製品開発、創作活動など、共感を得やすいプロジェクトは、成功する可能性が高いでしょう。
今回は、フリーランスが資金繰りの課題について、脱.税理士スガワラくんに解説いただきました。資金繰りを健全化させるためには、以下のような対策を取ることをおすすめします。
急な資金需要やトラブル時に備えるためのリスクにも対策していきましょう。『フリーナンス』が提供するサービスは、フリーランスの資金繰りとリスク対策をサポートする心強い味方です。最高5,000万円の補償が受けられる「あんしん補償」や、請求書を最短即日で現金化できる「即日払い」など、いざというときに頼れるものが揃っています。ぜひ以下のリンクから詳細をチェックしてみてください。
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(執筆:泉知樹 編集:Workship MAGAZINE編集部)