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「フリーランスは正社員化を望まない」は誤解。65.9%が取引先からの正社員オファーを検討【トランジション採用 最新調査】

株式会社GIG(所在地:東京都中央区、代表取締役:岩上貴洋)は、2025年9月にフリーランス・業務委託経験のある方308名を対象とした「トランジション採用」に関する調査を実施しました。

働き方の多様化が進むなか、フリーランスや業務委託の経験を持つ人材を正社員として採用する「トランジション採用」が広がりを見せています。

本調査では、フリーランス・業務委託経験者のトランジション採用に対する意向と企業からのオファーの有無等を明らかにしました。

調査概要

調査名:フリーランス・業務委託経験者を対象としたトランジション採用に関する調査(Workship / GIG)
調査期間:2025年9月
調査対象:フリーランス・業務委託経験のある方
調査方法:フリーランスマッチングサイト「Workship」に登録されているフリーランス・業務委託経験者
有効回答数:308名(設問によって異なる)

※本調査について外部でご紹介いただく際は、「フリーランス・業務委託経験者を対象としたトランジション採用に関する調査(Workship / GIG)」を明記のうえ、必ず以下ページへのリンクをご掲載ください
https://goworkship.com/magazine/transition-research-freelance/

調査結果についての詳細は、下記の「PDFデータをダウンロード」からご覧ください。

1.42.5%のフリーランスが「正社員としての勤務に興味あり」

42.5%のフリーランスが「正社員としての勤務に興味あり」と回答

正社員としての勤務に興味があるかを尋ねた結果、「興味がある」(26.6%)と「やや興味がある」(15.9%)を合わせ、全体の42.5%が正社員としてのキャリアを前向きに検討していることが判明しました。

この結果は、フリーランス市場における約半数が、正社員という働き方の安定性やキャリアアップの機会を、流動的な働き方と天秤にかけていることを示しています。

また正社員への意向は、就業状況によって傾向が異なります。

フリーランス・業務委託のみで働く「専業フリーランス」では、正社員に興味を持つ割合は合計27.3%に留まったが、正社員として働きながら副業を行う「副業フリーランス」では、71.2%が正社員としてのキャリア継続に関心を示した

フリーランス・業務委託のみで働く「専業フリーランス」では、正社員に興味を持つ割合は合計27.3%に留まりました。

対照的に、正社員として働きながら副業を行う「副業フリーランス」では、71.2%が正社員としてのキャリア継続に関心を示しました。

2.フリーランスの約半数(47.4%)が取引先から正社員のオファーや相談を経験

フリーランス・業務委託経験のある方のうち、47.4%が過去に取引先から正社員登用のオファーや相談を受けたことがあると回答

フリーランス・業務委託経験のある方のうち、47.4%が過去に取引先から正社員登用のオファーや相談を受けたことがあると回答しました。

内訳を見ると「あり、検討したが断った」が28.2%と最も多く、正式なオファーではなくとも「はっきりしたオファーではないが、相談を受けた」が15.6%を占めます。

実際に正社員になった割合は3.6%に留まりますが、多くの企業がフリーランス・業務委託人材に対して、正社員化の働きかけ(トランジション採用)を行っていることが明らかになりました。

オファー経験を就業状況別にみると、取引先から正社員化の打診を受けた割合は、専業フリーランスが51.4%であったのに対し副業フリーランスは35.6%に留まった

オファー経験を就業状況別にみると、取引先から正社員化の打診を受けた割合は、専業フリーランスが51.4%であったのに対し副業フリーランスは35.6%に留まり、企業側が専業フリーランスに対してより積極的なアプローチを行っている実態がわかりました。

3.フリーランスの65.9%が、条件次第でオファーを前向きに検討

取引先からの「正社員として働きませんか?」というオファーに対し、「オファーを受けたい」(4.5%)「待遇や業務内容など、条件によっては検討したい」(61.4%)」と、65.9%が正社員のオファーを前向きに検討する意向を示す

取引先からの「正社員として働きませんか?」というオファーに対し、「オファーを受けたい」(4.5%)「待遇や業務内容など、条件によっては検討したい」(61.4%)」と、65.9%が正社員のオファーを前向きに検討する意向を示す結果となりました。

多くのフリーランスが、自身のキャリアをフリーランス一本に限定せず、条件次第で正社員への移行も検討できる柔軟なキャリア観を持っていると考えられます。

オファーを「検討したい」理由としては、「正社員で働くことのメリット」や「年齢による案件獲得への不安」など、現実的なキャリアプランに関する意見が挙げられた

オファーを「検討したい」理由としては、「正社員で働くことのメリット」や「年齢による案件獲得への不安」など、現実的なキャリアプランに関する意見がありました。

一方で「あまり興味がない」「断る」理由としては、「働き方の自由度の低下」や「組織に属することによるストレス」といった、働き方に関する懸念が挙げられています。

そのほかの回答は、記事の下部にまとめています。

4.専業フリーランスも副業フリーランスも、正社員化に高い関心

就業状況別でも大きな差異はなく、専業フリーランス・副業フリーランスのいずれの層においても、約6割〜8割近くが、取引先からのオファーを検討する

就業状況別でも大きな差異はなく、専業フリーランス・副業フリーランスのいずれの層においても、約6割〜8割近くが、取引先からのオファーを検討することがわかりました。

5.専業フリーランスの「隠れた正社員意向」:取引先からのオファーで検討率が2倍以上に

専業フリーランスはオファー内容や提示条件によって、キャリアの考え方を柔軟に変えられると考えられる

フリーランス・業務委託のみで働く「専業フリーランス」は、Q8「あなたは正社員として働くことに興味がありますか?」に対し、「興味がある」(10.4%)と「やや興味がある」(16.9%)を合わせても、正社員に関心がある割合は27.3%に留まりました。

一方で、Q10「もし取引先から『正社員として働きませんか?』とオファーがあったら、どうしますか?」の質問に対し、専業フリーランスは「オファーを受けたい」(3.8%)と「条件によって検討したい」(55.7%)を合わせ、59.5%が前向きに検討すると回答しました。この結果から、専業フリーランスはオファー内容や提示条件によって、キャリアの考え方を柔軟に変えられると考えられます。

6.ITエンジニアの4割近くが正社員に興味を示し、オファー検討意向は全職種トップクラスに

ITエンジニア・開発系は「興味がある」と39.4%が回答し、全業種中で高い水準を示した

Q8「あなたは正社員として働くことに興味がありますか?」に対し、ITエンジニア・開発系は「興味がある」と39.4%が回答し、全業種中で高い水準を示しました。クリエイティブ系(18.5%)や映像系(11.5%)と比較しても、関心が高い傾向があります。

取引先からのオファーに対して、「オファーを受けたい」と回答したITエンジニア・開発系の割合は7.6%で、これも全職種中でトップの意向

上記(Q10)の取引先からのオファーに対して、「オファーを受けたい」と回答したITエンジニア・開発系の割合は7.6%で、これも全職種中でトップの意向です。さらに「待遇や業務内容など、条件によって検討したい」も53.0%に上ります。

これらの調査結果は、ITエンジニア層がキャリアにおける選択肢を広く持ち、企業側の提示する条件次第でトランジション採用に結びつきやすい人材である、といえるでしょう。

7. 正社員として働くための最重要条件は「働き方の柔軟性」。フリーランスが求める自由な働き方

「どのような条件なら正社員として働きたいと思いますか?」という質問に対し、「働き方の自由度」に関する項目が上位を占めた

Q15「どのような条件なら正社員として働きたいと思いますか?」という質問に対し、「働き方の自由度」に関する項目が上位を占めました。

  • 働き方の柔軟性の確保(在宅勤務・リモートワーク・フレックス勤務等):69.2%
  • 副業・兼業活動の継続が認められること:50.6%
  • 勤務時間や勤務日数の調整が可能であること:37.7%

「現在の収入水準を上回る年収・給与」(57.5%)よりも、「働き方の柔軟性の確保」(69.2%)が上位となりました。

フリーランス層が正社員という働き方を選ぶ際、働く場所や時間の柔軟性を最優先していることがわかります。

正社員として働きたい条件は、フリーランス・業務委託の経験期間により異なる傾向がある

正社員として働きたい条件は、フリーランス・業務委託の経験期間により異なる傾向があります。

フリーランス・業務委託の経験が短い層(2年未満)は「現在の収入水準を上回る年収・給与」や「充実した福利厚生」といった金銭的・制度的な安定を、経験が長い層(3年以上〜)は「働き方の柔軟性の確保」や「フリーランス経験や専門性を活かせる職務内容」を重視する傾向がみられます。

では、柔軟な働き方を求めるフリーランスが企業にもたらす、具体的なスキルセットとは何でしょうか。

8.フリーランス経験で培われた特有のスキルセット

フリーランス・業務委託として働いたことで身についたと思う対クライアントに関するスキルでは、「クライアントとのコミュニケーション能力」(62.0%)が最も高く、「状況に応じて柔軟に対応する力」(57.1%)、「分かりやすく説明する力」(52.3%)が続いた

フリーランス・業務委託として働いたことで身についたと思う対クライアントに関するスキルでは、「クライアントとのコミュニケーション能力」(62.0%)が最も高く、「状況に応じて柔軟に対応する力」(57.1%)、「分かりやすく説明する力」(52.3%)が続きました。

セルフマネジメントに関するスキルでは、「時間管理・スケジュール管理能力」(67.2%)が最も高く、次いで「お金・コストを意識する力」(58.4%)、「効率よく仕事を進めるスキル」(54.2%)の順に高い結果に

セルフマネジメントに関するスキルでは、「時間管理・スケジュール管理能力」(67.2%)が最も高く、次いで「お金・コストを意識する力」(58.4%)、「効率よく仕事を進めるスキル」(54.2%)の順に高い結果となりました。

これらの調査は、フリーランス経験によって培われるスキルセットがあることを示しています。

9.転職活動におけるフリーランスの不安要素:実務的な準備に加え、3割以上が「フリーランス経験の理解」を懸念

Q14「転職活動で特に面倒・不安に感じることは何ですか?」という質問に対し、実務的な準備や条件交渉が上位を占めた

Q14「転職活動で特に面倒・不安に感じることは何ですか?」という質問に対し、実務的な準備や条件交渉が上位を占めました。

  • 履歴書・職務経歴書の作成や面接対策の準備:50.0%
  • 希望年収や条件に関する交渉:45.8%
  • フリーランス経験をうまく説明し理解してもらうこと:32.8%

また3割以上(32.8%)が「フリーランス経験をうまく説明し理解してもらうこと」を不安要素として挙げています。従来の採用プロセスにおいて、フリーランス経験が評価されにくいのではないかという懸念を、フリーランス側が抱いていることを示唆しています。

「経験をうまく説明し理解してもらうこと」への不安は、就業状況によって差がみられる

「経験をうまく説明し理解してもらうこと」への不安は、就業状況によって差がみられます。

フリーランス・業務委託のみで働く「専業フリーランス」は、この不安を抱える割合は15.8%に達しました。一方、正社員として働きながら副業を行う「副業フリーランス」では8.0%に留まっています。

専業フリーランスは、自身の非定型的な業務経験や独立した働き方を、正社員採用の評価基準にどう落とし込むかについて、より不安を感じているといえます。

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まとめ

今回の調査では、フリーランスがキャリアを「正社員」か「フリーランス」の二択で固定せず、条件次第で柔軟にキャリアを選択することが明らかになりました。

企業がフリーランス・業務委託人材を正社員として受け入れるトランジション採用を成功させる鍵は、フリーランスが最優先とする柔軟な働き方を制度として可能にし、また彼らが不安に感じる非定型的な経験を正当に理解し評価する姿勢といえるでしょう。

この取り組みこそが、企業にとっては自律性の高い即戦力人材の安定的な獲得となり、個人にとってはスキルと安定性を両立させるキャリア戦略の実現を可能にします。

調査結果についての詳細は、下記の「PDFデータをダウンロード」からご覧ください。

補足:本調査の回答者プロフィール

回答者のフリーランス・業務委託経験期間は広範囲に及び、5年以上の経験者が全体の約4割(5年〜10年未満:24.7%、10年以上:15.3%)を占める

回答者のフリーランス・業務委託経験期間は広範囲に及び、5年以上の経験者が全体の約4割(5年〜10年未満:24.7%、10年以上:15.3%)を占め、キャリアの成熟度が高い層が広く含まれています。

「フリーランス・業務委託のみ」(専業フリーランス)が59.4%と多数を占め、「正社員をしながら副業でフリーランス・業務委託」(副業フリーランス)も23.7%に上る

回答者の現在の就業状況は、「フリーランス・業務委託のみ」(専業フリーランス)が59.4%と多数を占め、「正社員をしながら副業でフリーランス・業務委託」(副業フリーランス)も23.7%に上ります。

現在の業務内容は、クリエイティブ系(Webデザイン、グラフィックデザイン等)が35.1%で最も多く、次いで編集・ライター・印刷系(24.4%)、ITエンジニア・開発系(21.4%)が続き、デジタル領域の専門職が多い結果となりました。

質問一覧


【フリーランスの声】取引先から正社員のオファーがあったら?

「Q11. Q10(もし取引先から「正社員として働きませんか?」とオファーがあったらどうしますか?)で回答された理由を教えてください。」の質問の回答を抜粋でご紹介します。

オファーを受けたい

  • 企業に入った方が多様な案件に関わることができるから(専業フリーランス / 1年以上2年未満 / ITエンジニア・開発系, 編集・ライター・印刷系, 映像系)
  • 働いた経験のある場所での安定と権限が手に入る(元・専業フリーランス(現正社員) / 5年以上10年未満 / ITエンジニア・開発系, クリエイティブ系)
  • 個人で働く力が企業に認められたと思えるから、オファーがあればぜひ業務に貢献したい。(専業フリーランス / 5年以上10年未満 / 編集・ライター・印刷系, 事務・バックオフィス系)
  • 継続して安定的に働きたいから。対面コミュニケーションを行いたいから。(副業フリーランス / 3年以上5年未満 / コンサルタント系)
  • 正社員のほうがスキルアップしやすく、収入を安定させやすいから。(専業フリーランス / 3年以上5年未満 / ITエンジニア・開発系)

待遇や業務内容など、条件によっては検討したい

  • フリーランスの自由よりも、安定を手に入れたいと思ってしまうときもたまにあるので。(専業フリーランス / 10年以上 / クリエイティブ系, 編集・ライター・印刷系)
  • 正社員としての安定性は、やはりフリーランスを経験したからこそ魅力的だと思うから。人間関係や待遇面で問題ないのなら、考えることもありだと感じる。(専業フリーランス / 5年以上10年未満 / 編集・ライター・印刷系, 通訳・翻訳系)
  • 50歳以降案件を獲得できるか不安なので、正社員でリモートワークという選択肢も検討したい(専業フリーランス / 5年以上10年未満 / クリエイティブ系)
  • 今と同じような勤務形態のまま社会的保障や待遇が良くなるのであれば受けたい。(専業フリーランス / 2年以上3年未満 / 事務・バックオフィス系, カスタマーサポート・カスタマーサクセス系)
  • 業務委託を通じて、クライアント企業の事業やビジョンに共鳴することもあると思っているのと、「一生フリーランス」と決めているわけではないので、こ゚縁があれば正社員として働くこともアリだなあと思っているため。(専業フリーランス / 1年未満 / 編集・ライター・印刷系)

あまり興味がない

  • 正社員のような長時間勤務、平日に時間固定される働き方は向いていない(専業フリーランス / 3年以上5年未満 / クリエイティブ系)
  • 当事者意識にはなれるから正社員は良いなと思えど、がんばりすぎることでワークライフバランスや良くも悪くも緩さはなくなるのだろうと思うので。(専業フリーランス / 5年以上10年未満 / クリエイティブ)
  • 会社員を経てフリーランスになったが、フリーランスの働き方が自分にあっていると思うので。(専業フリーランス / 10年以上 / 編集・ライター・印刷系)
  • ほぼ間違いなく年収が下がるのでオファーは受けない(専業フリーランス / 2年以上3年未満 / クリエイティブ系, 映像系)
  • 子育てとの両立ができないと思うので、お断りすると思います。(専業フリーランス / 5年以上10年未満 / クリエイティブ系, 編集・ライター・印刷系)

断る

  • 収入が安定することはとても魅力的だが、10年以上、組織で働こうとしたけど人間関係やルールが原因で上手くできなかったので、諦めている(専業フリーランス / 3年以上5年未満 / ITエンジニア・開発系)
  • 現在の労働環境で満足しており、それを上回るメリットを正社員には感じない(専業フリーランス / 5年以上10年未満 / ITエンジニア・開発系, クリエイティブ系)
  • 自由に、自分のために働きたいから。またネイルや髪色など好きにしたい。(専業フリーランス / 10年以上 / 映像系, インフルエンサー、講師)
  • 複数の案件を回しているためと自分で事業を起こしているため(専業フリーランス / 3年以上5年未満 / ITエンジニア・開発系)
  • 30年会社をやっていた。デザインのパートへいったがパワハラがひどく雇われ人はコリゴリ(専業フリーランス / 5年以上10年未満 / クリエイティブ系)

※本調査について外部でご紹介いただく際は、「フリーランス・業務委託経験者を対象としたトランジション採用に関する調査(Workship / GIG)」を明記のうえ、必ず以下ページへのリンクをご掲載ください
https://goworkship.com/magazine/transition-research-freelance/

(執筆:yuko kiuchi 編集:takaaki yasui)

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