【人事117人調査】2026年10月施行「求職者へのセクハラ防止義務化」対応実態調査|法改正に伴う企業の対応状況と、採用現場に生じた変化
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株式会社GIG(所在地:東京都中央区、代表取締役:岩上貴洋)は、2026年10月の法改正(求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止措置義務化)に伴う企業の対応実態や現場運用の課題を明らかにするため、法改正対応に携わる人事担当者117名を対象に「『求職者等へのセクハラ防止義務化』に伴う現場運用の実態調査」を実施しました。
調査では、68.4%の企業がすでに法改正への実務対応を進めており、就業規則の改定(58.0%)や社内周知(58.9%)など形式的な制度整備が先行している実態が明らかになりました。
その一方で、対応を進める上での課題として「何をどこまでやれば義務を満たすのか判断が難しい(58.8%)」や「役員・面接官への周知徹底が難しい(43.9%)」が上位を占め、法的基準の解釈や現場への浸透に苦慮する声が多く挙がっています。
本レポートでは、法改正に伴う企業の対応状況や採用現場で生じたリアルな変化、そして今後の実務運用におけるポイントを紐解きます。
調査名:2026年10月実施「求職者等へのセクハラ防止義務化」の実態調査(GIG)
調査期間:2026年10月14日〜21日実施
調査対象:「求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策」の法改正対応に携わっている人事担当者117名(※スクリーニング7000名より本調査を実施)
調査方法:インターネットオンライン調査
有効回答数:117名(※設問によって変動あり)
※本調査を引用される際は、「2026年10月実施「求職者等へのセクハラ防止義務化」の実態調査(GIG)」と明記のうえ、以下ページへのリンクをご掲載ください
https://goworkship.com/magazine/2026-recruiting-harassment-survey
調査結果についての詳細は、下記の「PDFデータをダウンロード」からご覧ください。





2026年10月1日施行の法改正により、企業は雇用関係にある従業員だけでなく、「求職者」や「インターンシップ生等」に対するセクシュアルハラスメント防止措置を講じることが義務付けられました。
厚生労働省の指針に基づき、企業には主に以下の4つの対応が求められます。
出典:厚生労働省「求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策」リーフレットより

2026年10月1日施行の「求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策」に対し、「内容や具体的義務まで詳しく把握し、対応も完了している」企業が41.9%、「対応の完了は部分的である」が26.5%となり、合わせて68.4%の企業が法改正への実務対応を進めていることが分かりました。
一方で、「実務面ではまだ対応できていない(23.1%)」とする回答も2割を超えており、義務化の施行後においても企業規模やリソースに応じた対応スピードの二極化がうかがえます。

就業規則やハラスメント防止規程における「求職者等に対するハラスメントの禁止」の明記状況を尋ねたところ、「明記している」企業が58.0%に達しました。
「明記に向けて整備中(30.8%)」と合わせると約9割(88.8%)の企業が規則化を推し進めています。

求職者等へのハラスメント禁止方針を社員へ周知しているかという問いに対し、「周知している」は58.9%、「周知に向けて準備中」は34.6%となりました。

社員への方針周知方法(予定含む)としては、「説明会・研修(対面・オンライン)」が70.0%で最多となりました。次いで「社内メールやイントラネット掲示(60.0%)」「eラーニング(54.0%)」が続いており、単なる一方的なテキスト配信に依存せず、集合研修やデジタル学習を組み合わせた多角的な方法で周知されています。

現場の面接官やリクルーターへの具体的対策では、家族構成や思想信条などを尋ねない「NG質問のリスト化・ガイドライン化(68.2%)」が最も多い結果となりました。
次いで「対面面接のガラス張り化・複数人対応・録音などの密室化防止策(52.3%)」「個人連絡先の交換禁止(41.1%)」が挙がり、質問内容の標準化と選考空間の透明性確保が現場対策の軸となっています。

求職者等からの相談窓口(既存窓口の適用拡大を含む)を設けている企業は48.6%と約半数に達し、「設置に向けて整備中(29.0%)」を加えると77.6%が体制構築を進めています。

相談窓口の周知先(予定含む)として最も多かったのは「自社サイト(採用サイト・コーポレートサイト等)」で73.5%でした。
次いで「求人票・募集要項(50.6%)」「選考案内メールや応募者管理システム連絡(41.0%)」が続き、応募前後の多様な接点で窓口情報をオープンにし、求職者が心理的にアクセスしやすい導線設計を意識する企業が多いことが分かります。

事実確認や被害者配慮、行為者への措置、再発防止といった「事後対応フロー」を整備している企業は52.3%、「整備に向けて準備中」は34.6%でした。
「予定はない(1.9%)」はごくわずかであり、万が一のハラスメント発生時にも迅速・客観的に対処できるよう、ガバナンスと手順の標準化が進められています。

相談者のプライバシー保護および「相談を理由とする選考上の不利益取扱い禁止」について、採用関係者に「周知している」企業は59.9%、「周知に向けて準備中」は28.0%となりました。「予定はない(0.9%)」は1%未満にとどまり、求職者が不利益を恐れずに声を上げられる環境の整備が進められています。

対応を進める上での課題としては、「何をどこまでやれば義務を満たすのか判断が難しい」が58.8%で最も多い結果となりました。
また「役員・経営層や現場面接官への周知徹底(43.9%)」や「OB・OG訪問など人事が把握できない接触の管理(36.8%)」も上位に並び、法的ガイドラインの解釈難度に加え、人件・工数の管理が及ばない現場接点へのガバナンス浸透に各社が苦慮している実態が浮き彫りになりました。

法改正への対応により生じた変化では、「オンライン面接・面談を増やした(42.5%)」が最多となり、「録音・録画の開始(35.0%)」「OB・OG訪問の受け入れ制限(35.0%)」「懇親会・会食の廃止/縮小(33.8%)」が続きました。
リスク回避のため、密室化防止や外部接触の制限が進む一方で、「面接官確保や日程調整の負担増(25.0%)」「選考期間の長期化(20.0%)」といった採用業務の負荷増加に加え、「面接での雑談減少(27.5%)」など候補者との心理的距離を縮めにくくなるといった課題も生じています。
「密室化の防止(52.3%)」や「1対1飲食の禁止(35.5%)」、「面接の録画・オンライン化(35.5%)」により、選考空間の透明性は向上しました。
しかしその反面、「面接での雑談・アイスブレイクの減少(27.5%)」や「ルール厳格化による惹きつけの難しさ(28.9%)」が浮き彫りになっています。
リスクヘッジを重視するあまり面接の対話が形式化し、候補者の本音を引き出したり自社の魅力を伝えたりする「アトラクトの機会」が狭まっている実態がうかがえます。
今後の採用プロセスにおいて、安全性を担保しながらいかに候補者と心理的な信頼関係を築けるかが重要となるでしょう。
今回の調査を通じて、法改正を機に約7割(68.4%)の企業が対策に着手し、就業規則の改定や窓口設置など「制度の土台づくり」が進む実態が明らかになりました。
一方で、約6割が「義務内容の判断基準の曖昧さ(58.8%)」に悩み、現場面接官への周知徹底(43.9%)や見えない接触の管理(36.8%)に苦慮しています。さらに、オンライン化や接触制限が進んだことで「面接での雑談減少(27.5%)」や「惹きつけ・選考スピードの低下(28.9%)」といった新たな課題も顕在化しています。
今後は単にルールを整えてリスクを制限・排除するだけでなく、「選考プロセスの透明性を担保した情報発信」、「現場が萎縮しないための共通基準の浸透」、そして「安全性を担保したうえで、志望度を高めてもらうためのアプローチ」を進めることが、コンプライアンス遵守と採用競争力を両立させる鍵となります。


(執筆:yuko kiuchi 編集:takaaki yasui)
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