エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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書籍がそれぞれ国際標準図書番号「International Standard Book Number(ISBN)」で識別されるように、Amazonは独自の商品識別番号として「Amazon Standard Identification Number(ASIN)」を作成しています。
このASINは「商品詳細ページ」として、商品ごとにそれぞれ個別のものが割り振られています。
Amazonは2018年11月のアップデートで、このASINをターゲティングした「Amazon商品ターゲティング広告(スポンサープロダクト広告)」をリリースしました。
今回は、Amaozon商品ターゲティング広告について解説します。
目次
これまでもAmazonの商品詳細ページに広告を表示することは可能でした。しかしこれは「キーワードターゲティング広告」であり、ユーザーの検索行動に基づいて表示されます。
たとえばユーザーが、Amazonでバスケットボールシューズを検索し、あるシューズをクリックしたとします。その人は「Amazonのアルゴリズムによって選ばれた」シューズやメンズのスポーツアパレルに関する広告を見ることになります。
一方の「商品ターゲティング広告」では、広告主は特定のバスケットボールシューズのASIN(商品詳細ページ)をターゲットとして設定できるのです。
商品詳細ページは、広告主にとって不動産のようなものです。競合他社の商品ページに直接広告を表示させれば、そこからマーケットシェアを奪い、自社の売上につなげられます。
この広告プラットフォームがどう機能するか確認するため、実際に利用してみました。
まず競合製品リストを参照しながら、広告を設置したいASINを設定します。まったく同じカテゴリーだけでなく、関連する商品のASINもリストアップしました。
今回はスーパーマンのフィギュアのASINをターゲティングし、商品ページに5種類のスーパーマンTシャツの広告を表示させてみました。「フィギュアが欲しいスーパーマンファンであれば、スーパーマンのTシャツも欲しいのではないか」と推測したのです。
商品ターゲティング広告もキーワードターゲティングと同様、継続的に表示するにはCPC(クリック単価)を十分に上げる必要があります。
検証の結果、商品ターゲティング広告を確実に表示するためのCPCは、Amazon内でのキーワードターゲティング広告のCPCとほぼ等しいことが分かりました。たとえばペット用品で検証した際、商品ターゲティング広告では平均63円のCPCがかかりますが、キーワードターゲティングの場合でも平均61円のCPCであり、ほぼ同額でした。
しかし面白いことに、商品ターゲティング広告のCVR(コンバージョン率)はキーワードターゲティング広告よりも高くなりました。キーワードターゲティング広告のCVR6%に対し、商品ターゲティング広告はCVR15%と高い効果を出しています。
これらの知見から私は、スーパーマンフィギュアの販売者が売っている全商品に対して、商品ターゲティング広告のキャンペーンを作りました。結果、商品ターゲティング広告はこれまでより安い広告費で、広告収入全体の40%を占める売上をあげました。
一連のテストの中で、我々は特に商品ターゲティング広告の効果が高い商品の特徴を3つ発見しました。
CPCの高い、競合の多い市場では、新しく商品ターゲティング広告を始めたとしても目覚ましい効果が得られるとは限りません。
CPCの低い市場であれば、キーワードターゲティングよりも簡単に、かつ効率的に消費者にリーチできるでしょう。
価格的競争力がある商品は、商品ターゲティング広告に向いています。ほかに似ている商品が出回っており、その商品よりも安く提供できるなら、ぜひ商品ターゲティング広告を利用しましょう。
たとえば有名ブランドの衣料用洗剤ページ上に、より安価な自社の衣料用洗剤の広告を出すことで、ユーザーの注目を惹きつけられます。
補完財(その商品と一緒に消費される商品)にターゲティングをすることも、商品ターゲティング広告を効果的に利用する方法のひとつです。
たとえば自社商品がプロテインなら、シェイカーボトルやジム用品にターゲティングするとよいでしょう。あなたの商品に興味を持つ可能性のあるユーザーにリーチできます。
ここからは実際に、Amazon商品ターゲティング広告を始める方法を3つのステップでご紹介します。
キャンペーンを始める前に、市場の状況を理解するところから始めましょう。そのためにはまず、どのようなキーワードを表示させたいのかを明らかにする必要があります。いくつかのキーワードでAmazon内を検索し、あなたの商品を探してみましょう。
たとえば犬用おもちゃの広告を出したい場合は、「犬のおもちゃ」などの直接的なキーワードや、「ドッグフード」「ペットシーツ」などの関連ワードで検索しましょう。
『Arrows10』『セラースプライト』などのAmazon用キーワードリサーチツールを使うのもおすすめです。
ターゲットにすべきキーワードが見つかったら、当該キーワードにて表示されている商品のASINを洗い出しましょう。
『Jungle Scout』『WebScraper』『ZonASINHunter』などのツールを使用し、Amazon検索結果画面からASINを抽出してCSVファイルにエクスポートするのもおすすめです。
トップ商品をエクスポートしたら、関連性の低い商品が取り除かれるようにフィルタリングをします。たとえば「犬 おもちゃ」の検索結果には、もしかすると猫用おもちゃも含まれているかもしれません。こういったターゲティングしたくない商品を全て取り除き、ターゲティングすべき商品のASINだけを集めたリストを作りましょう。
完成したASINリストを使って、新しい広告キャンペーンを作ります。設定の手順は以下のとおりです。
手順1. Amazon セラーセントラル → スポンサープロダクト広告を選択する
手順2. マニュアルターゲティングに設定する
手順3. 広告を出したい自分の商品を選ぶ
手順4. 「商品ターゲティング」に設定する
手順5. 「個々の商品」→「リストを入力」で、リストアップしたASINを入力する
ターゲティングしたい商品が設定できたら、「キャンペーンを作成」で広告運用を始めましょう!
最後に、Amazonのアルゴリズムを考慮して、最高の結果を得るためのヒントをご紹介します
Amazonの物流拠点に自社商品を置けるFBA(フルフィルメント by Amazon)の許可に繋がる可能性もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
Amazon商品ターゲティング広告は、まだ歴史の浅い広告プラットフォームです。しかし、近いうちにEC広告戦略として当たり前になるでしょう。
あなたがマーケターならば、時代を先取りしなくてはいけません。ぜひいち早く始めてみてください!
(執筆:Trevor George 翻訳:Akiko Ogita、Nakaijma Asuka 編集:Workship MAGAZINE編集部)
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