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次世代EC「ライブコマース」とは?おすすめアプリ&サービス8選

ライブコマース
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時代と共に変化してきたECは、コロナ禍によりとくに大きな変動を見せています。

そんな中で注目を集めているのが、リアルタイムで配信をしながら商品を売る「ライブコマース」。先行している中国では、すでに大きな売り上げを出している市場です。

この記事ではライブコマースの特徴を踏まえて、売り上げを伸ばすポイントや、おすすめのアプリ&サービス8選をご紹介します。

新たな宣伝チャンネルに興味を持っている方は、ぜひ参考にしてみてください!

ライブコマースとは?

ライブコマースとは、リアルタイムで配信をしながら商品を売るショッピング形態です。ネットショップやネット通販などを総称したECと、ライブ配信技術が合わさることで誕生しました。ライブコマースには下記のような2種類があります。

  • インフルエンサーを利用したもの
  • 社員がライブ配信をするもの

配信する人物が違うと、人件費などのコストや売り上げが大きく変動する可能性があるため慎重な人選が必要です。

ライブコマースの市場規模

発祥地である中国における市場規模

まず、ライブコマースの発祥地である中国での市場規模について解説していきます。

中国におけるライブコマースのユーザー数は、2016年時点で3億5000万人以上、市場規模は約50億ドル(日本円で約5500億円)にまで達しています。

中国のなかでも代表的なライブコマースの例が「淘宝(タオバオ)ライブ」です。2018年のタオバオライブによる販売額は1000億元(1.5兆円)を超えており、前年度の2017年に比べて400%も増加しています。

また、中国で行われた2020年第1半期におけるライブコマースの配信は400万回を超えています。100以上にのぼる県長・市長が地元特産品を支援したり、オフライン事業者が新たな市場を開拓する手段として活用されています。そのほか下記のような、さまざまなジャンルの物品販売があります。

  • 飲食
  • 美容
  • 農業
  • フィットネス
  • 自動車

中国商務部は、電子商取引事業者に対しライブコマースを含めたさまざまな媒体を通じて流通支援を図り、販売が困難な販売者に対するトレーニングを行うなどの動きがあることから、これからも市場の拡大が見込めるでしょう。

日本における市場規模

ライブコマースの利用経験(ライブコマースの説明を読んでから回答)ライブコマース 事例 アプリ サービス

▲出典:HONOTE

ライブコマースの利用意向やイメージに関する調査では、15〜49歳のうちライブコマースを視聴したことがある人は19.1%、その内購入したことがある人は3.3%という結果がでています。

ライブコマースの利用意向 ライブコマース 事例 アプリ サービス

▲出典:HONOTE

また、ライブコマースを「使いたい」人は24%、「使いたくない」人は39%で残りのおよそ37%は「どちらともいえない」という結果がでました。

MUFGの実施したライブコマース調査結果によると、ライブコマースの良いと思う点として下記があげられています。

  • 画像やテキストではわかりにくい商品の様子を動画で確認できる
  • 不明点や疑問点を質問できる
  • 価格や商品の評価をその場で確認できる
  • 通販番組として面白い
  • 場所や時間を選ばない
  • 好きな有名人や配信者が商品を紹介してくれる

一方で、使いたくない理由としては以下のようなものが挙げられています。

  • 信用できない
  • イメージができず利用方法が難しそう
  • サービスの仕組みが理解できない
  • 無駄遣いしそう

ライブコマースが浸透しきっていないことから生じる、サービスへの理解のなさが大きな要因のようです。現段階における日本でのライブコマース市場は、なかなか伸び悩みそうな印象です。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、店舗スタッフによるライブ配信を利用して売り上げを伸ばした企業の存在や、配信企業と配送会社のタッグによる生産者や事業者の支援企画も実施されたことなどから、ライブコマースは再注目されています。

また、消費者がインターネット上の情報を見た上で商品やサービスを購入する「オムニチャネルコマース」の市場規模は年々増加しており、2018年度には56兆円を突破しました。

消費者がライブコマースに関心を持っていること、またインターネットを通しての消費が拡大していることから、日本でのライブコマースの市場規模は拡大していくと予想されます。

ライブコマースの特徴

特徴1. リアルタイムで視聴者とコミュニケーションがとれる

ライブコマースは、多くの情報をリアルタイムに視聴者とコミュニケーションがとれます。商品について消費者に注目してほしいポイントを説明したり、実際に商品を使っている様子を配信することで、消費者に利用シーンをより明確にイメージさせられます。

また、視聴者もコメント欄を利用して商品に対して疑問に思ったことやリアルなフィードバックを、その場で配信者に伝えられます。コンタクトフォームで送るよりも簡単でハードルが低いため、より多くのデータ収集ができ、商品の改善や企画に活かせる可能性があります。

特徴2. 動画視聴から購入までが簡単

テレビ通販の場合、視聴者の購買行動には「電話」が必要であり、やや手間がかかっていました。結果、「動画を視聴した後に電話するのがめんどくさい」といった理由から購買を取りこぼすケースも。

一方のライブコマースでは、動画上からボタンひとつで購入画面にいけるものが多く、欲しいと思ったものをすぐに購入できます。たとえば『CHECK』では、配信動画の右下のバックボタンを押し、欲しい商品をカートに入れると、購入続きに進めます。

ライブコマース 事例 アプリ サービス

特徴3. 社員にファンがつくと新しい戦力になる

ライブコマースは、ECサイトなどよりも視聴者に対して社員の人柄が伝わりやすく、社員そのものにファンがつく可能性があります。ファンがつくと、

  • この人が紹介しているから買いたい
  • この人の言うことは信頼できる

といった、インフルエンサーのような影響力が生じて企業にとって大きな戦力となるでしょう。

特徴4. コストがかかる

ライブコマースを新しく導入すると、費用や時間などのコストがかかります。生配信を可能にするシステムの整備や、その場で購買してもらうための施策考案など、新たな労力が発生してしまうのです。

また、ライブコマースはライブに起用する人物によって売上が大きく左右されます。インフルエンサーを雇った方が効果的ではありますが、その分費用はかさんでしまいます。

日本で使えるライブコマースおすすめアプリ&サービス8選

1. SHOPROOM

ライブコマース 事例 アプリ サービス SHOPROOM

▲出典:SHOPROOM

SHOWROOM株式会社がライブ配信アプリ『SHOWROOM』内で提供している機能で、SHOPROOMに対応しているルームにはカートが出現します。その場で購入できるほか、コメントや課金アイテムで配信者とコミュニケーションを取れたり、配信者にその商品をプレゼントできたりします。

インフルエンサーやタレント、モデル、生産者などの幅広い人々が配信しています。芸能人が自らのグッズを紹介する配信も多いです。

2. Live Shop!

ライブコマース 事例 アプリ サービス Live Shop!

▲出典:Live Shop!

株式会社Cadeeが配信しているライブコマースです。日本でいち早くライブコマースを始めたサービスとして知られます。

自社にスタジオを持っている分、ライブ動画のクオリティが高いと評判です。法人向けのアカウントでは、自社サイトにも動画を埋め込めます。

使用料は商品が売れた時のみ、売り上げの15%がかかりますが、初期費用と月額料金に関しては無料となっています。

3. YouTube

ライブコマース 事例 アプリ サービス Youtube

▲出典:YouTube

世界最大級の動画配信プラットフォームであるYouTubeも2019年から動画の下部に表示できる広告フォーマット機能を提供しています。2021年からライブ配信機能を利用するには、チャンネル登録者数が1000人以上である必要があるため、新しく参入するには登録者数を増やす工夫が必要です。

4. Facebook Shops

ライブコマース 事例 アプリ サービス Facebook

▲出典:Facebook Shops

2020年5月からFacebookが提供するサービスです。Facebook上にオンラインショップが開設でき、その中の機能の一部としてライブコマースにも対応しています。

5. Instagramライブショッピング機能

ライブコマース 事例 アプリ サービス Instagram

▲出典: Social Media Lab

老若男女の幅広い層からメインSNSとして利用されるInstagramで提供されているライブ配信サービス内の機能です。企業やインフルエンサーが、Instagramライブ配信映像の下部に購入ボタンを表示できます。

6. LIVEBUY

ライブコマース 事例 アプリ サービス LIVEBUY LINE LIVE

▲出典: LINE Engineering

LINEの提供するライブ配信サービスLINE LIVE内のコマース機能です。LINEに登録していればその情報を共有できるため、購入者視点でも利用開始のハードルが低いというメリットがあります。

国内ではトップクラスに利用者数の多いSNSなので、大規模のプラットフォームを活用できるのも魅力です。

7. HansUP(ハンズアップ)

ライブコマース 事例 アプリ サービス Hands up

▲出典:Hands UP

配信サービスを運営する17LIVEが提供しているライブコマース支援ツールです。大手アパレルブランドでも導入実績があり、InstagramやLINE、Twitter、Facebookなど、複数のSNSで同時配信が可能なのでさまざまな層にアプローチができます。

他社のライブ配信機能を利用する場合は、ライブ配信と自分が利用するECサイトとの連携が必要です。利用方法には下記の4種類があります。

  • 物販のみ:販売手数料が売上の10%
  • 有料配信のみ:販売手数料が売上の20%
  • 物販+有料配信:販売手数料が売上の15%
  • EC連携:要問合せ

8. au Wowma! ライブTV

ライブコマース 事例 アプリ サービス au wowma ライブTV

▲出典:au

KDDI系列のECモール、au Wowma!の提供するau公式の総合ショッピングサイト内で利用できるライブ配信機能です。視聴には「au PAYマーケット」アプリのダウンロードが必要で、au以外のキャリアを利用する人も購入可能です。

(※サービス終了)BASEライブ

ライブコマース 事例 アプリ サービス BASE LIVE

▲出典:BASE LIVE

ショッピングアプリ『BASE』のBASE株式会社が配信しているライブコマースです。

BASEライブは、BASEにショップを持ってる人なら誰でも配信できます。自身の商品の制作秘話など、ライブによって商品の魅力を多面的にを視聴者に届けられる可能性を秘めています。

(2020年3月31日にサービスは終了しています)

(※サービス終了)Yahoo!ショッピングLIVE

Yahoo!が配信しているライブコマースです。Yahoo!ショッピング出店店舗が、ライブ配信を行えます。テレビショッピングをインターネットで見ている印象です。番組配信は予約制で、毎日12時~23時30分まで最大30分の枠で配信可能です。

(2021年6月22日にサービスは終了しています)

(※サービス終了)CHECK

ライブコマース 事例 アプリ サービス

▲出典:CHECK

株式会社エブリーがKDDI株式会社と共同で運営するライブコマースです。

今後は、大型ショッピングモールWowma!とも連携し、サービスを拡大していく計画があるようです。

タレントやインフルエンサーのみ配信しており、一般ユーザーからの配信は行えません。

(2020年3月31日にサービスは終了しています)

ライブコマースの成功事例

事例1. 株式会社ベイクルーズ

2020年5月22日に、運営するファッション通販サイトで、ライブコマース「LIVE SYLING」を開始しました。店舗スタッフが出演し、商品紹介と共にリアルタイムで質問にも回答するスタイルでの実施です。

店舗スタッフはInstagramなどのSNSで人気を得ているインフルエンサーも多く、配信中も店舗にいるように活発なコミュニケーションをとっています。また、InstagramにおけるプレゼントキャンペーンなどSNSとの相乗効果を狙った企画も特徴的です。

紹介された商品はページ内でそのまま購入できます。

事例2. ヤマト運輸×SHOWROOM

▲出典:SHOWROOM

ヤマト運輸とSHOWROOM株式会社が共同で行った事業です。ヤマト運輸の持つ全国の生産者や事業者のつながりと、 SHOWROOMの安定したライブ配信プラットフォームを活かし、ライブコマースを利用した販売支援の取り組みを実施しました。

「コマースライバールーム」としてインフルエンサーに紹介してもらう配信もあれば、「生産者ルーム」として生産者自らが商品紹介をしている配信もあります。

購入者から見ても紹介する商品のジャンルを曜日ごとに分けてあるため、購入したいものがいつ紹介されるのかひとめで分かるようになっています。

ライブコマースで売上を伸ばす3つのポイント

ポイント1. 視聴者だけが得られる特別感

自分のチャンネルを視聴してもらうためには、他のチャンネルとの差別化をはかる必要があります。

たとえば視聴者限定の特典をつけることで、チャンネルを選んでもらえる可能性が上がるでしょう。特典は物質的なものだけに限らず、視聴者のリクエストに応えたり、商品に関する裏話などを話すことも含まれます。

自分のチャンネルならではの特典を考えてみましょう。

上の画像は『Live Shop!』のアプリ内のライブ配信限定で商品の割引を行なっている例です。他にもライブ配信限定で先行販売などをするなど、視聴者に特別感を与える工夫が施されています。

ポイント2. 視聴者との相互コミュニケーション

ライブコマースにおいて、視聴者の意見はとても貴重な情報です。視聴者のコメントをしっかり聞き、要望に応えていくことで満足度を上げられます。

例えば、質問などに答えて満足度を上げるのもいいですし、視聴者のコメントを読み上げてあげるのでもいいです。コメントにリアクションをしてあげることが大切になってきます。

逆に、配信者側から視聴者へ何らかのリクエストをしたり、アンケートを実施したりするのも効果的です。

ポイント3. ライブ配信特有の盛り上げ

何人かが買うことで、それに釣られて購入者が増えるという現象はよくあることです。「残り○個だから、早い者勝ちですよ!」などと盛り上げることで、視聴者に買おうかなと思わせることができます。

またLive Shop!は「逆オークション」という機能を導入してます。逆オークションでは、最初の設定金額が決まっており、時間が経つほど安くなります。最初に応札した希望者が購入可能になるのです。早いもの勝ちの原理により、視聴者の決断を後押しできます。

日本におけるライブコマースの課題

ライブコマースでは、うまく販売できる配信者と、なかなか売れない配信者が二極化してしまっている問題があります。

たくさんのファンを持つインフルエンサーを起用しても、必ずしも商品を買ってくれるとは限りません。ライブコマースはあくまで商品販売を目的としています。番組として面白いというのは大切ですが、そこからどう販売へ繋げるかは配信者の実力次第です。

日本にうまく定着させるために、売れる配信者の発掘と育成が課題になっています。

まとめ

ライブ配信が身近に感じられるようになり、ライブコマースの認知率も上がってきました。まだ日本での普及には時間がかかりそうですが、次世代ECとして期待できそうです。

商品の新たな宣伝チャネルとして、検討してみてはいかがでしょうか。

(執筆:Mizuno Kosuke 編集:Workship MAGAZINE編集部)

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