エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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プロジェクトの炎上は、それに関わる誰にとっても望まない出来事です。しかしどんなに努力してマネジメントしたとしても、時にそれは避けられないものとして発生してしまいます。
いったいプロジェクトの炎上は、なぜ発生してしまうのでしょうか。またいざ発生してしまったときに、どのように対処したら良いのでしょうか。
実は、火事で炎が燃え広がったときの鎮火方法と、プロジェクトの鎮火方法は似ているところがあります。あわてて水をかけると、かえって燃え広がってしまうものです。
今回は、プロジェクトが炎上したときに、どのように対処すれば良いか解説いたします。
プロジェクト工学提唱者。株式会社ゴトーラボ Founder/CEO。「チームに覇気がなく一体感がない」 「議論が空中戦になりがち」 「無駄な会議で時間を浪費しがち」 そんな組織の炎上体質を改善するための、プロジェクト工学ワークショップを提供しています。
日経クロステックが2018年に行なった調査では、情報システムプロジェクトの47.2%が失敗に終わっていると報告されました。一昔前には「プロジェクトの成功確率は30%」といわれていましたので、その時よりかは改善しています。
しかしそれでも、発注したものが2分の1の確率で、納期が遅延したり、コストが余計にかかったり、品質が満足いかなかったりしてしまうというのは、恐ろしい話です。たとえばマイホームを建てようとしてそんなことがあったら、大変な問題ですよね。
ITプロジェクトが炎上してしまう要因には、大きく3つあります。先ほどマイホームのたとえ話を出しましたが、ITプロジェクトはまさしく建築の世界と比較すると分かりやすいでしょう。
そもそも「プロジェクトが炎上している」とはどういう状況でしょうか?
本稿では、以下の3条件をすべて満たした状態を「炎上」と定義したいと思います。
ものづくりにおいて、「作ってみたら思ってたのと違った」というのは日常茶飯事です。大切なのは発生したギャップに対して、常に関係者が状況を理解し、あるべき道を探し、合意し直すことです。
しかしどうしても、その「合意のし直し」が難しいときがあります。それは複合的な要因によります。たとえば受託者側にミスがあったが、それは依頼者側が無茶な要望を出しすぎたせいだった……というふうに、どちらにも非があるときに「じゃあどうするか」というラインの引き直しが難しいのです。
プロジェクトが炎上したとき、「どちらが悪いかをハッキリさせて、その責任を取らせればよい」と思うかもしれません。しかしそれは絶対にしてはいけない方法です。
火事で炎が燃え上がっているときにいきなり水をかけたら、鎮火するどころか火種が拡散し、さらに炎上してしまう……ということがありますが、プロジェクトの炎上もこれに似ています。
火事の鎮火でもっとも確実なのは「酸素の供給を断つ」ことです。火は燃えれば燃えるほど、空気の対流を生み、どんどん次の材料を自分で呼び込んでしまいます。「水をかけて温度を下げる」という方法につい目がいきがちですが、酸素という根本原因に目を向けることが必要です。
では、プロジェクト炎上の根本原因とは何でしょうか。それは「認識」「作業」「意思伝達」のどこかに必ずそれは潜んでいます。
なにか仕事があったときに、それを順調に終わらせたいのは依頼者も受託者も同じです。うまくいかない原因は悪意のもとにあるのではなく、工程上の不具合にあります。
どの過程で不具合が発生しているのかを突き止め、それを改善することが鎮火につながるもっとも確実な方法です。
ひとたびプロジェクトが炎上してしまったら、それを鎮火するのは容易ではありません。プロジェクト炎上は事前に防ぐことが大切です。
では、プロジェクト炎上の予防はどのようにしたら良いのでしょか。
鎮火方法でも解説しましたが、「認識」「作業」「意思伝達」を正確にしておくことが予防においても最適解です。
身体の健康も、発病してから治療するのと、普段から予防しておくのとでは、かかるコストが全然違います。(発病して初めて健康の大切さに気付く、とも言いますが……)
特効薬やエナジードリンクのような、「これを使ったら即元気!」というソリューションはありません。普段からのコンディション維持をし、プロジェクト炎上に備えるのが基本になります。
ここまで「病気の予防とプロジェクト炎上の予防は似ている」とお話しました。しかし時に、どんなに気を付けていても、避けられない外部要因でプロジェクトが炎上してしまうこともあります。できればトラブルなく仕事をしたいものですが、なかなかそうもいきません。
そこで、ひとつの発想の転換をご提案したいと思います。それは「炎上という出来事を前向きにとらえる」ということです。
もちろん、いわゆるブラックな職場の理不尽な炎上は健康を害するものであり、正当化されてはいけません。そうではなく、この仕事を自分の成長機会にしたいと素直に思えるような現場だった場合は、きっとそこから得られるものは大きいでしょう。炎上それ自体を悪いものだと決めつけて忌避するのではなく、「いかにそこから意味を見出すか」という視点があれば、また違った世界が見えてきます。
本稿では「プロジェクトの炎上はなぜ起こるか」「プロジェクトの炎上とはどんな現象なのか」「プロジェクトの炎上が起きたらどうやって鎮火するか」「プロジェクトの炎上を予防するためにはどうしたら良いか」を解説させていただきました。
そしてプロジェクトの炎上をいかに受け止めるかで、あなたのキャリア感はまた違ったものが見えてくるでしょう。ぜひ、ご参考にしていただければと思います。
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