エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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マイケル・ポーターが提唱した「ファイブフォース分析」。マーケターや経営者が、その市場でグローバルに存在するさまざまな組織との間のパワーバランスを読み解く、競争戦略フレームワークです。
あなたのビジネスが参加している市場では、どこにどのような力が働いているかご存知ですか? ファイブフォース分析で市場での求心力や収益の可能性を検討し、マーケティングに生かしてみましょう。
ファイブフォース分析における「5つの力(=ファイブフォース)」とは、次の5つの要因です。
最初に分析すべきなのは、あなたのビジネスが直面する競合の数です。マクロ・ミクロ両方の視点で、業界内で直接競合になる企業の数や、自社に匹敵する製品・サービスの数を考えてみましょう。
競合の少ないマーケットは魅力的ですが、長続きしないかもしれません。一方で、多くの企業が同じような製品・サービスで競っているような競争の激しい市場では、値下げや新商品開発の必要に迫られます。
【分析ポイント】
- あなたの業界では、どのくらい競争が激しいですか?
- 主に直接の競合となる企業はどこですか? その企業が自社に勝っている点はなんでしょうか?
- 小さな、独立した競合はありますか? 彼らはどのように市場における地位を保っていますか?
代替品の脅威とは、消費者があなたの製品やサービスと異なる方法を見つける可能性のことです。
あなたの会社は、消費者のニーズに応えるためにオリジナルの製品やサービスを開発・提供しているかもしれませんが、テクノロジーの変化と共に消費者の欲求や課題も変わってきています。
どのように消費者の生活が変わってきているか、常に考えましょう。ユーザー行動の変化に合わせて、自社製品をアップデートする機会や、新しいサービスを開発する機会を見つけられるのです。
【分析ポイント】
- あなたの製品やサービスの代替手段は簡単に見つかりますか?
- あなたの製品やサービスのうち、消費者が自分の手で実行できる要素はどれくらいありますか?
- より安価な代替手段は、自社に対して、どのようにROIを測定しているのでしょうか?
買い手(顧客)があなたの会社にどれくらいの影響力があるかを考えてみましょう。注文量やカスタマイゼーション、販売価格など、顧客が交渉してくる可能性があるポイントはたくさんあります。その顧客は、あなたの競合と取引をした経験もあるかもしれません。
買い手の交渉力との付き合い方とは、自社サービスが市場における権威的なポジションを維持しながら、どれくらい買い手に対して柔軟に対応できるかに尽きるでしょう。
【分析ポイント】
- 買い手に対して、企業はどれくらい影響力がありますか?
- どのような種類の買い手が、それぞれどれくらい存在しますか?
- 買い手は、コストダウンを交渉できますか?
- 買い手は条件提示をするような力を持っていますか?
厳しく規制されている、または大きな資本投資が必要なビジネスにすでに従事している企業は、市場に確固たる基盤があるといえます。一方で、最小限の経済的リスクで短期間のうちに立ち上げられるような市場であれば、より早く顧客を開拓できますが、似たようなサービスを展開する企業が出てくる可能性も高いです。
新規参入の脅威は、あなたの会社が競合他社に取り囲まれる状況からいかに離れているか、ということに基づいています。自社の利益を低下させる可能性のあるライバル企業から、自分の会社を守る方法を見つけなければならないのです。
【分析ポイント】
- 自社の新しいビジネスの脅威は何でしょうか?
- このビジネスを始めるのは簡単ですか?
- その市場にはどのようなルールや規制がありますか?
- その市場のスタートアップに必要な財政基盤とはどのような規模でしょうか?
- 自社がより力を保てるような、参入にあたる障壁はあるのでしょうか?
収入と同じくらい、コストに着目する必要があります。取引している売り手(サプライヤー)を精査し、彼らがあなたの製品やサービスに与えている影響について考えましょう。
取引できる売り手の数が多いければ多いほど、よりコスト効率のよい売り手に変更することは簡単です。少数の売り手しか利用することができない場合、彼らが価格を上げれば、あなたの純利益は直接的な影響を受けます。
【分析ポイント】
- 市場には、いくつの売り手が存在していますか?
- 多くの選択肢がありますか(仕入値が下げられる可能性がありますか)? それとも、ごく少数の選択肢かない状況でしょうか(仕入値が上がる可能性がありますか)?
- 売り手の変更はどれくらい簡単でしょうか? 売り手を変更した際、どのようなコストがかかりますか?
- 売り手を変えることは、自社の製品やサービスにどのように影響するでしょうか?
自社が新しい市場に進出することを検討していたり、あなたのビジネスがコモディティ化した状態で低迷していたりしませんか? そんなとき、ファイブフォース分析がマーケティング上の問題をクリアにする手助けをしてくれるでしょう。
業界によって、どの要因に強く影響を受けるかは異なります。以下、ファイブフォース分析の各要因ごとに、どんな業界がどんな力と闘っているのかを挙げてみましょう。
業界内の競争が激しい分野として挙げられるのは、不動産代理店、Webデザイン、オフィス備品などです。よく似た製品を売る企業が多数存在しており、価格競争が激しくなっています。
製品の差別化を行い、差異を強調するようなマーケティング戦略が必要でしょう。
全てのサービスにとって、「DIY」が代替品として脅威の存在となります。例えば、髪をカットしたり、自分の意志で何かを書いたりすることは、誰でも手を動かせばできることです。
しかし多くの人は、これらにお金を払い、自分がするよりも高いレベルのサービスを求めます。専門性とカスタマーサービス、そして付加価値の創出に焦点を当てたマーケティングによって、自社サービスを際立たせられるでしょう。
食料・日用雑貨のセクターでは、値段や発注量の契約を理由に、買い手であるスーパーマーケットが売り手に対して大きな力を持っていることが多いです。
大抵の場合、スーパーが条件を決定し、値段を設定し、契約を終えることがほとんどです。
Webデザイン業が例として挙げます。Webデザインは、あらゆる場所に独立した企業が存在しています。
Webデザイン業は、ハードウェアとソフトウェア、スキル、その他わずかな条件さえ揃えば始められ、簡単に入り込めるマーケットです。そのため、この業界には常に沢山の新規参入者がいます。
公共事業のように、独占・寡占状態になっている分野も存在します。また宝飾品業界においては、ダイヤモンドの売り手が大きな力を持っており、価格設定・供給量の調整・販売の限定といった施策が取られています。
この分析モデルは、サプライヤーから競合他社、そして消費者にいたるまで、生産の流れにおける、自社とその他の影響力ある存在の間にある主導権のレベルを評価できます。
それぞれのセクションごとに精査したあとは、あなたのビジネスのパワーバランスを調整していく作業が必要です。
ファイブフォース分析のために必要な情報は、簡単に手に入らないときもあるでしょう。想定に基づいて考えなくてはならない場面もあるかもしれませんが、可能性のあるリサーチ手段はすべて試してみましょう。
市場分析をして競争戦略を練る際には、産業白書の活用や、お客さんに簡単なアンケートを行うことで、あなたの知らないインサイトを探ってみてもよいでしょう。
ファイブフォース分析から得られた競争戦略が、あなたのマーケティングに役立つことを祈っています。
(原文:James Story 翻訳:Ogita Akiko)
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