エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
- ITエンジニア
- 副業
皆さんは「SEO」と聞いたときに、どのようなイメージをお持ちですか?
「つまらない」
「量産」
「長い割に中身がない」
という、ネガティブな偏見まみれの方も多いと思います。
筆者もそのひとりでしたが、ある日こんなツイートを発見しました。
(……きこえますか…きこえますか…取材系Webライターの皆さん…今…あなたの…心に…直接…呼びかけています……取材案件が…飛びまくってる…今こそ…SEOライティングを…学ぶのです……SEO記事は…比較的…お仕事があります……今のうちに…新しいスキルを…身に付けるのです……)
— じきるう 編集者 (@zikilluu) April 21, 2020
これまで、SEOを「スキル」と捉えたことがなかった僕からすると、この内容は目から鱗。
確かに取材案件が減っているいま、これを機にしっかりとSEOについて学べば今後に活かせるかも? と思い、じきるうさんに「SEOについて学ばせてほしい」とDMを送付。
すると、「ミエルカの月岡さんと一緒にオンラインセミナーを開催するので、そこにモデレーターとして参加してくれませんか?」とのご提案をいただいたので、取材ライター代表として、SEOに関するあれやこれやを聞いてきました。
(本記事ではオンラインイベント『取材のお仕事減ってるし、この機会にSEO学んでみない? #取材ライターのSEO』のレポートをお届けします)
早稲田大学および同大学院でメディア表象文化に関する研究に携わった後、2018年に株式会社GIG入社。編集者兼マーケターとしてクライアントのコンテンツ支援や採用支援を行うほか、オウンドメディア『Workship MAGAZINE』の編集長を務める。業務外でも趣味でWebメディア『クレイジースタディ』を主宰するなど、根っからのWebメディア好き。趣味はダンス、作曲、イラスト制作など。
SFA導入コンサルタント、CRMツールベンダーセールスを経て、2014年にFaber Company参画。SEOやコンテンツマーケティングのセールス・コンサルティングに従事した後に、自社マーケティング領域を担うIMC部門を新設。自社プロダクトSEOプラットフォーム『MIERUCA』を中心とした、見込み顧客管理、ブログ執筆、セミナー登壇など自社マーケティング活動及び広報PRを担当。趣味はスノーボード、モトクロスバイク、茶道(表千家)。
『LIVER MAGAZINE』編集長。カメラマンや、出版社勤務を経てWebメディア業界に転身。ファッション、グルメ、スポーツ、ライブ配信など、ジャンル問わず様々なメディアでの編集・執筆経験を持つ。未経験から独学でスキルを磨いてきたため、SEOに疎い。。
岡田:今日はよろしくお願いします。まず、オフライン取材が難しくなっている現状についてお話したいのですが、取材案件の数は減っていますか?
じきるう:全体の案件数で言うと、取材は半分以下になっています。オンライン取材も、写真が必要になってくるものは難しいと感じているのが実情です。一方で「いまのうちにSEOを仕込んでおきたい」という要望は多いですね。
岡田:僕もオンライン取材以外のものは全て延期ですし、新規の案件も入ってきづらくなっていますね。オンライン取材は、これまで以上に取材前の事前情報が肝になりますし、入念に準備する必要性を改めて感じています。
月岡:BtoBビジネスにおいても、展示会やセミナーなどのイベントはほとんどオンライン開催に移行していたり、商談期間も中〜長期化していたりします。広告費なども見直されていますよね。ただ、このタイミングで需要回復期に向けて自社サイトのコンテンツ拡充、さらにSEOもチャネルとして強化したいというお問い合わせはむしろ増えています。
岡田:SEOを強化したいと考えているのは、どういった業界が多いのでしょうか?
月岡:ソフトウェアやSaaS系ベンダーなどオフライン施策が中心だったBtoB企業が、とくに多いイメージです。SEOはすぐに効果が出るものではなく、蓄積していくことで成果が出るものですので、「この機会にやっておこう」という企業は多い気がします。
月岡:ここからは「取材ライターさんに意識してほしいSEO」について、お話させていただければと。
SEOはこの数十分で理解できるものではないですが、SEOへの誤解を取り払ってもらえたり、自分でもSEOを意識した記事が書けそうだな、と感じてもらえたら幸いです。
まずSEOに対する誤解として、下記が一般的なイメージかと思いますが、岡田さんはどう思われますか?
岡田:SEO記事と聞くと、なんとなくフォーマットが決まっていて、内容も似たり寄ったり……狙いたいキーワードを不必要に詰め込んで、長文にするのが正解みたいなイメージはあります。
月岡:なるほど。でも、それは全然違うんです!
月岡:SEOの歴史はいろいろあって、昔はたくさんのサイトから参照される(リンクしてもらう)ことが大きな意味をもっていました。そこから検索エンジンも進化し、コンテンツの重要性が増してコンテンツマーケが流行り出したんですね。その2013〜4年くらいから徐々に「インテント(検索意図)」が大事だと言われ始め、最近だと「ユーザーの検索行動」までも評価しているのではないかと考えています。
ちなみに、SEOの正式名称は「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」ですが、最近のSEOについて「Search Experience Optimization(検索体験最適化)」の方がしっくりくるのでは?と考えています。
岡田:なるほど、検索体験最適化。では、ユーザーの検索体験はどのようにしたら向上させられるのですか?
月岡:その鍵は「どれくらいコンテンツの質を高められるか」だと考えています。しかし、そもそも「質の高いコンテンツ」とは何でしょうか?
あくまでβ版ですが、私はコンテンツの質には「わかりやすい」「読みやすい」「著者の想いがある」の3つの要素があると考えています。
月岡:まず、Web上のコンテンツは「結論ファースト」であることが大事。冒頭を読んで、ユーザーが解決したい内容が書かれているかを把握できないとダメです。最後まで読んで、知りたかった情報が得られなかったとなると、ユーザーの体験としていいものとは言えませんよね。
ユーザーの検索意図を分析する際の手がかりとして、サジェストキーワード(検索窓にキーワードを入れたときに出てくる候補キーワード)を見てみるのもよいでしょう。実際に検索されいる可能性の高いキーワードなので、そのキーワードからユーザーの知りたいことや悩み、興味関心など想像を膨らまして考えることができます。
月岡:また、検索ユーザーは悩んで検索してるので、そのジャンルに詳しくないことも多いです。よって専門用語を多用しすぎると理解してもらえないこともあるんじゃないですかね。さらに、読みにくい文章は途中で離脱してしまいます。読みやすさを考慮して、文末表現も短絡的にならないように工夫したいところです。
もっとユーザーのことを考えるのであれば、内容は同じでも、テキストではなくイラストや図表を用いたほうが伝わりやすいこともありますよね。そこまでユーザーのことを考えて、読みやすさを意識することが大事になってきていると思います。
じきるう:内容の質だけでなく「読みやすさ」という点は大切ですよね。
月岡:そうですね。さらに最近は「誰がいうか」も大事と言われていますが、検索においてもそれは同じで、著者情報は重要な要素のひとつです。その分野における専門家が書いている、監修している記事なら内容に信頼性があります。ライターさんであれば、専門誌などで連載してるとか、大手メディアで書いているとかも大事だと思います。ライターさんのSNSアカウントなんかも影響してくる可能性もありますよね。
ライターさんは、専門領域に関連したSNS運用を意識しておくとよいかもしれません。その分野における専門家として、認識されやすくなる可能性も高くなりますから。
岡田:SNSでの発信も、SEOに影響してくるんですね……!
月岡:その可能性は高いです。よい評判がSNSで生まれれば、Webで指名検索されることも増えますからね。
以上を踏まえ、明日からでも意識できるコツをまとめてみました。
月岡:まずは、検索上位にきている既存の記事を分析してみたり、図表などを用いて適切な分量なのかを見極めたりしてみてください。タイトルの工夫なども、メディアの担当者さんと相談しながら最適解を見つけていくといいと思います。
岡田:ここまで質についてお話いただきましたが、素朴な疑問として「量」は逆にどれくらい重要ですか?
月岡:毎月200本〜300本とか、とにかく数を作ればいいという考え方は、ハッキリ申し上げてムダです。
ただ、そのテーマやカテゴリにおいて詳しい存在であることを表現するために、ある一定のボリュームと網羅性は必要です。経験上ですが、特定テーマで20本〜30本くらいの記事数を確保できると、少しずつ反応が得られるかなという感触はありますね。
じきるう:ウェブメディアは、長期的な目標を持ってやり切れるかどうかですよね。検索エンジンのアップデートの度に、ヤキモキするのでは非常につらいですし。ユーザーの検索意図は、クエリにもよりますが、徐々に変わっていくものです。
継続的に、ユーザーの役に立つコンテンツを出し続ける。その結果として、SEOも評価されたらいいな、とボクは考えています。
じきるう:ここからはWorkship MAGAZINEの事例をもとに、取材ライターさんがなぜSEOを学ぶといいことがあるのかという観点でお話できれば思います。
まず、こちらの記事をご覧ください。
じきるう:この記事は「andwork渋谷」で検索すると、2020年5月現在、公式サイト2つに次ぐ3位を獲得しています。
この記事を出す以前に検索上位にあったのは、andwork渋谷の営業時間や住所情報など「無機質なデータ」ばかりでした。訪れた人の「口コミ」がほとんどなかったのです。
そこで、実際に訪れた人の「生の声」を紹介できれば差別化できると予想し、施設の現地取材をさせてもらい記事化しました。結果的にその見立てが功を奏して、検索エンジンにも評価されたのです。
岡田:取材記事も、SEOで評価されるんですね……!
じきるう:むしろ、SEOにこそ「取材しないと書けない情報」が重要です。
2017年にGoogleは公式ブログに「オリジナルで有用なコンテンツを持つ高品質なサイトを、より上位に表示する」と発表しており、取材から得たオリジナルな情報は評価対象になると推測できます。
つまり取材ライターこそ、SEOの分野でコンテンツの価値を高められるのです!
じきるう:このセミナーは『取材のお仕事減ってるし、この機会にSEO学んでみない? #取材ライターのSEO』というタイトルではありますが、仕事がないから仕方なくSEOを学ぶのではなく、今後も使えるスキルとしてぜひ身につけてほしいと思っています。
「SEOだと自分らしさを出すのが難しい……」という声もときどき聞きますが、検索上に同じようなコンテンツばかりが増えても意味がありません。ユーザーにとって役立つコンテンツには、ある程度の個性や独自の切り口は必要じゃないでしょうか。
月岡:結論が変な方向に行っていなければ、自分らしさは価値になりますよね。
ぜひ、今日の話を聞いて「参考になった!」で終わらせずに、実際に取り組む際に活かしていただきたいです。Web記事は何度でも直せるのがいいところですし、成功するまでチャレンジし続ければ、それは失敗にならないはずなので。
岡田:今日のお話を聞いて、自分がこれまで感じていたSEOのイメージや、フワッとしていた輪郭の解像度がかなり上がりました。取材記事を書くときに、これからはSEOも意識してみようと思います。
参加者は70名を越え、Twitterのタイムラインも大いに盛り上がった本セミナー。
まだここは、SEOの入り口に過ぎないかもしれませんが、これからも学び続けて取材に活かしたいです!
(執筆:岡田隆太郎 編集:Kitamura Yuu)
本質的なSEO対策方法、珠玉の13ポイント。Googleが求めるのは「より良いユーザー体験」
Workship MAGAZINE
一緒に仕事したいライターの特徴をノオト社3名に尋ねたら、グサグサ刺さる本音が聞けた
Workship MAGAZINE
有名メディアの編集長が求める人材は「文章が上手い人じゃない」- ウェブメディア編集者座談会
Workship MAGAZINE