2025年の流行色/トレンドカラーは“ホライゾングリーン”と“モカムース”。豊かさと希望を感じさせる色
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2025年の流行色/トレンドカラーとして選ばれたのは、次の2つ。
こちらの記事では、2025年の流行色/トレンドカラーとして、上記の2色が選ばれた理由をご紹介します。
2025年の2色のトレンドカラー、ぜひ新商品やサービスの開発にお役立てください!
毎年の流行色は、主に以下2つの組織によって決められ、発表されています。
- JAFCA
- PANTONE
それぞれの組織について、くわしく見ていきましょう。
カラートレンドの研究や発信、色に携わるコンサルティングなど「色」にまつわる事業をおこなっている協会が「JAFCA(一般社団法人 日本流行色協会)」です。1953年の創立以来、ビジョンとして「色で新しい価値を創造する(COLOR Makes Value)」を掲げ、産業界の「色」をリードしてきました。
アパレルやインテリア業界、化粧品メーカーや各種プロダクトなど、さまざまな分野から集められた会員で構成されているJAFCA。業界の壁を越えた多視点から「色」の魅力を再構築し、広く伝える活動を推進しています。
翌年の流行色だけでなく、レディスウェアやメンズウェアの「カラートレンド」も発信し、季節ごとにトレンドカラーも発表。JAFCAが実施するマーケット調査とインターカラー(国際流行色委員会)の情報をもとにカラーを選出しているため、信頼性が高いのもポイントです。
JAFCAが毎年12月に発表している「翌年を象徴する色(来年の色)」は、PANTONEが発表しているトレンドカラーと合わせて、さまざまな業界の製品作りで参考にされています。JAFCAは「流行色というだけでなく、その年や時代のムードを表したテーマカラーである」としており、時代を象徴する色選びにこだわりを持っているようです。
そんなJAFCAが2025年の流行力として発表したのが、地球が有する広大な自然を表したような「ホライゾングリーン(Horizon Green)」です。
「PANTONE」とは、Pantone社が考案・公開している世界的な色見本帳です。Pantoneの色見本帳は、製品やサービスの色を決定するヒントとして、あらゆる業界で使われています。アパレルだけではなく、美容、インテリア、工業デザインなど、その範囲は広大です。
また素材ごとにも色見本帳を提供しています。ペーパーやコットン、ナイロンなど、素材に応じても色の質感が異なるためです。Pantoneの色に対する真摯な姿勢を感じます。
毎年12月には「パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー」として、翌年に流行するであろうトレンドカラーを発表することでも知られています。2025年の「パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたのが、豊かな深みを感じさせる「モカ・ムース(Mocha Mousse)」です。
Pantone内には、企業に対しブランディングや製品・サービスカラーについてアドバイスするコンサルティングサービス「Pantone Color Institute」も。デザインにおける色の力、心理学までも活用したプログラムで、世界中のブランドと提携しています。
JAFCAが2025年の色に選出したのは「ホライゾングリーン(Horizon Green)」。「視野が広がるホライゾングリーン」と銘打たれた、モデレート・ブルーイッシュ・グリーンとも呼ばれる緑は、広大な地球の自然を一部だけ掬い取ったような、豊かさを含む色合いです。
PANTONEの発表したモカムース(Mocha Mousse)と同様、あたたかみのあるアースカラー。JAFCAの流行色は、単にその年に流行る色という意味合いを超え、時代や人々の心を象徴する色とされています。全国で度重なる自然災害、それに伴う環境問題への危機意識の表れが、ホライゾングリーンに見出されているのかもしれません。
ホライゾングリーンのカラーコードは以下のとおりです。
カラーコード:#007a88
RGB:0,122,136
CMYK:100,20,40,20
HSV:186,100,53
ホライゾングリーンの選定理由として、JAFCA公式サイトでは「青みに、混沌とした時代を冷静に読むまなざしや、その先にある希望のイメージを重ね、青みを帯びたグリーンを2025年の色―メッセージカラーとして選定しました」と記されています。
ホライゾングリーンから想起される地球や水平線といったモチーフは、生まれた国や人種、性別や立場は違っても、不要な線引きなく手を取り合って生きていきたい、人類の根源的な欲求を示しているようにも思えます。
そのほか公式サイトでは、ホライゾングリーンを表現するキーワードとして、以下のような言葉が挙げられていました。
- 水平線
- 地球
- 地平線
- 自然
- 森林浴
- 空気
- ラグーン
- 環境
- 平和
- 静けさ
- 冷静に考える
- 確かな希望
- シーズンレス
- 二面性
- 開けた視野
- 確信
JAFCA公式サイトでは、ホライゾングリーンと組み合わせて使うと効果的なアソートカラーを、二系統に分けて紹介しています。
ブリーズグリーンやミントグリーンなど、同じグリーン系の色味でまとめることで、洗練された爽やかな印象に。また、あえて色相を転換させることでフレッシュな印象を与えるフリスクピンクやポーレンイエローなど、遊び心を感じさせる魅力的な提案がされています。
PANTONEが2025年の流行色(カラー・オブ・ザ・イヤー2025)として選んだのは「モカムース(Mocha Mousse)」。崇高な品を漂わせるしっとりとしたブラウン。大胆な主張も秘めながら、謙虚な姿勢も忘れない落ち着きを感じさせます。
モカムースのカラーコードは以下のとおりです。
カラーコード:#A47864
RGB:164,120,100
CMYK:0,27,39,36
HSV:19,39,64
PANTONE公式ホームページでは、モカムースを以下のように表現しています。
- 控えめなエレガンスと感覚的な豊かさを備えた色
- 規模はささやかでも、一日中贅沢な気分を広げる瞬間を生み出す力を与えてくれる
PANTONEが選出した「モカムース」について、PANTONEのエグセグティブ・ディレクターであるリートリス・アイスマンは「洗練されていながらも気取らない謙虚さと、クラシックなブラウンの高級感を融合した色」と評しています。
どんなシーンにも馴染みやすいモカムースは、置物や家具、ラグなどのインテリアとして取り入れるのはもちろん、ファッションの分野でも扱いやすい色です。
もっとも手軽なのはネイルで、すでにモカムースはネイルトレンドとして注目されています。2024年に流行したエスプレッソカラー(濃淡のある深い茶)と比べて、少しまろやかな色合いが好まれる年となるでしょう。
昨年のトレンドカラーには、次の2色が選出されていました。
- ハロー!ブルー(Hello!Blue)
- ピーチファズ(PEACH FUZZ)
ハロー!ブルー(Hello!Blue)の選定理由について、JAFCAは「時代の混沌や世の中の不平不満を浄化し、未来を明るく照らし前向きにしてくれる色。すっきりとした空気を運んできてくれるような、クリーンでさわやかなブルーを2024年の色―メッセージカラーとして選びました」とコメント。
同じくピーチファズ(PEACH FUZZ)を選定したPANTONEは「思いやりと慈しみを育む色合い”で心からのやさしさを相手に伝えてくれるカラーです。 ピーチファズは帰属意識にも結びつくためチームにふさわしい一着となるはずです」とコメントしています。
2024年のトレンドカラーとして選ばれた2色と比べると、2025年はポップな明るさからワントーン落ち着いた色合いに転換しているのがわかります。
トレンドカラーは単なる流行りにとどまらず、世相まで表現していると考えると、このコントラストの違いはそのまま2024年から2025年の時勢を映し取っていると考えられるでしょう。
今回は、2025年の流行色/トレンドカラーとして、以下の2つをご紹介しました。
新たな製品やサービスを開始するとき、ぜひ2025年のトレンドカラーを取り入れてみてください。
(執筆:北村有 編集:じきるう)
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