エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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「フリーランスが経費にできるものは何?」
「経費にできるものとできないものの違いは?」
「フリーランスが経費を計上するときに、気をつけるべきポイントを知りたい!」
フリーランスは個人事業主に該当するため、業務に必要なものやサービスを購入したときの費用は経費として計上できます。また経費を計上するすると納税負担が減少するため、経費に関する知識はフリーランスには必須と言えるでしょう。
そこで本記事では、以下3点のポイントに沿いながら、フリーランスにとっての経費について解説します。
税理士。都内会計事務所勤務を経て、2017年に公認会計士山内真理事務所に入所。会計税務の側面からアート・カルチャー・クリエイティブ領域の支援に従事。
会社が経理を担当してくれる会社員と違い、個人事業主は自分で経費を管理しなければいけません。では、どのように経費を計上すればいいのでしょうか。まずは、フリーランスにとっての経費の考え方について見ていきましょう。
経費とは「業務のために使う費用」のことです。わかりやすいところだと、エンジニアが業務用のPCを買った際の「購入費」のようなものです。ここでいう「業務のために使う」とは、社会通念(かんたんに言えば常識)や業務との関連性などから総合的に判断されます。
経費には一定のルールがあり、それを破るとペナルティが科せられてしまう場合もあります。経費になるもの、ならないものをしっかり把握しておくことが大切です。
経費になる基準は「事業に関係している支出か」「その支出が売上に貢献しているか」の2点です。
万が一、確定申告の内容が適切かを調べる「税務調査」の対象となったとしても、領収書をもとに「なぜこの経費が事業に必要だったか」を根拠を踏まえてきちんと説明できることが大切です。とくに、接待交際費などは誰とどのような話をしたのかをメモに残しておくといいでしょう。
一言でまとめると、人に説明できない経費は計上するべきではありません。
経費に上限はありません。事業に関わる支出であれば、いくらでも経費として計上できます。
ただし、いくら「事業に必要だった」と主張したところで、「接待交際費が多すぎる」「事業関連性が説明できない経費が計上されている」など、客観的に見て妥当性がないと判断されると、税務署から指摘を受けてしまう可能性があります。「上限がないから何でも経費にしてもいい」というわけではなく、あくまでも事業に関わる支出や売上に貢献している支出であることが前提となります。
では、経費を計上する効果を見ていきましょう。経費を計上すると「所得が減る」効果があります
日本の税制度では「収入 − 経費」によって算出される「所得」に一定の税率をかけて税金額を算出します。そして日本は累進課税制度を採用しているため、所得が高ければその分所得税も高く課せられます。そして所得が低いと所得税は低くなる仕組みです。
所得を下げる方法には、大きく分けて「収入を下げる」または「経費をもれなく計上する」という2つの方法があります。しかし、収入を下げてしまうと実質的な手取り額も減ってしまうので、計上するべき経費をもれなく計上することで、節税を試みるのが一般的です。
まとめると、経費をもれなく計上すると所得を下げられるため、納めるべき税金額も下げられるのです。
経費を帳簿に記載するときは、「勘定科目」ごとに分けて記帳します。適切な納税を行うためにも、経費に関する勘定科目は把握しておく必要があります。
一般的な経費の勘定科目は以下のとおりです。
勘定科目 | 内容 |
---|---|
租税公課 | 個人事業税、固定資産税、自動車税、印紙税など |
地代家賃 | 事業所や店舗などの家賃 |
水道光熱費 | 水道料、電気代、ガス代など |
修繕費 | 固定資産(例:パソコン)などの修理費用 |
通信費 | 電話代やインターネット代など |
接待交際費 | 接待などを目的とした食事や贈答品など |
新聞図書費 | 新聞や書籍購入代など |
荷造運賃 | 荷物の運送費、梱包費など |
旅費交通費 | 電車やタクシーなどの交通費と宿泊代 |
消耗品費 | 10万円未満のパソコンや文房具などの事務用品代 |
減価償却費 | 固定資産を耐用年数に基づき複数年で費用化する金額 |
外注工賃 | デザインやイラストなどの外注費用 |
支払手数料 | 販売手数料、振込手数料、仲介手数料など |
保険料 | 損害保険料、自動車保険料など |
給料賃金 | 従業員の給与、賃金、賞与など |
福利厚生費 | 従業員のための菓子代など |
勘定科目の判断は難しく感じられますが、おおむね上記にあげたもので対応できると思います。判断が難しいものは、毎年確定申告の時期に税務署に設置される「確定申告相談会」で相談をしてみるのもおすすめです。
フリーランスが経費にできる支出には様々なものがありますが、いくつか例を挙げてみましょう。
これらの経費項目には細かな条件が要求されるケースもあるため、ひとつずつ詳しく解説します。
フリーランスデザイナーやフリーランスエンジニアなど、主にクリエイティブ職のフリーランスは、PCを用いて仕事をする場合がほとんどでしょう。業務をするうえで欠かせないPCは、経費として計上できます。
PCなどの器具備品は、値段によって経費項目が異なります。計上する前に確認しておきましょう。
- 10万円未満の器具備品:「消耗品費」として一括で費用計上
- 10万円以上の器具備品:「減価償却費」として、耐用年数に応じて費用計上
10万円以上のPCは固定資産となるため、耐用年数に応じて減価償却費として計上しなければなりません。
PCの場合、減価償却により4年間に渡って費用計上していくのが一般的です。
なお青色申告をしていれば、「少額減価償却資産の特例制度」が適用できます。これは購入した金額が30万円未満であれば、その年に一括で費用計上できる制度です。
PC周辺機器などの器具備品や消耗品も、業務で使用する場合は「消耗品費」として計上できます。
PC周辺機器の例は以下のとおりです。
- マウス
- 外部モニター
- 充電器
- 外付けハードディスク
- プリンタのインク
- ソフトウェア(会計ソフト、業務で使うソフト等)
なお、10万円以上のものは、先ほどご説明した通り「減価償却費」として耐用年数に応じて費用を計上していくことなりますので、ご注意ください。
フリーランスであれば、自宅やコワーキングスペースを仕事場にしている方もいるでしょう。コワーキングスペースやシェアオフィスなどを利用している場合は、利用料金をそのまま経費として計上できます。「地代家賃」という勘定科目で計上できます。
しかし自宅を仕事場所としている場合は、家賃の全額をそのまま経費として計上できるわけではありません。自宅の家賃を経費として計上するには、仕事で使用している部屋の占有面積などから、費用を割り出す必要があります。
たとえば100㎡の内30㎡(30%)を仕事場所として利用していたとしましょう。家賃が20万円だった場合、その30%の6万円を経費として計上できることになります。
なお、電気代(勘定科目は「水道光熱費」)や引っ越し費用(勘定科目は「荷造運賃」)も同様の考えに基づき経費化することも可能でしょう。
フリーランスは、本や教材から情報をインプットして仕事に活かす人が多いでしょう。業務に繋がる書籍や教材費も、経費として計上できます。
業務に関わる書籍や教材費は、「新聞図書費」として計上できます。
クライアントとのミーティングや、コワーキングスペースに移動するときに発生する交通費は、経費として計上できます。「旅費交通費」として計上します。
『モバイルSuica』などを利用すると、インターネットで明細を確認できるので便利です。
PCを用いて仕事をしているフリーランスであれば、インターネットやWi-Fiなどの通信費を経費として計上できます。
ただし私的に使用しているスマートフォンなどの通信費は経費として計上できないので、注意しましょう。
フリーランスでも会食やゴルフなどの接待をする場合があるでしょう。顧客との接待で発生した支出は「接待交際費」として計上できます。
「仕事に関連する接待」などであればそれに係る支出は接待交際費に計上可能です。
接待交際費に計上した内容に私的なものが含まれていないか、税務調査で確認される可能性が高いです。念のため領収書やレシートとともに、接待の日時/人数/簡単な内容なども記録に残しておきましょう。
じつは一部の税金も「租税公課」として経費に計上できます。
ただし、消費税は税込経理方式の場合のみ経費計上が可能です。税抜経理方式の場合には、経費としては認められないので、注意が必要です。
また、事務所として使用している自己所有の物件にかかる固定資産税や、事業用自動車の自動車税・自動車重量税・自動車取得税も経費計上が可能です。自宅兼事務所の場合や、自動車を家事用・事業用として兼用している場合は、家事按分が必要となります。
私的に使用するために購入した商品やサービスは経費として計上できません。たとえば、以下のようなものは経費になりません。
私生活に使う日用品、趣味の出費、友達との飲み会に使った費用などなど……。事業に関係のない費用は当然経費になりません。プライベートでの出費であり、仕事に繋がらないからです。
フリーランスには所得税や住民税などを支払う義務がありますが、これらも経費として計上することはできません。
所得税や住民税以外にも、相続税、贈与税、各種罰金・延滞税などは経費に入れることはできません。
同じ理由で、健康保険料や年金などの社会保険料も経費にすることはできません。
写真撮影用の衣装など、「その服を着なければならない合理的な理由」があれば別ですが、デジタルフリーランスが仕事の際に服を指定されるケースはほぼないでしょう。
仕事相手の冠婚葬祭のために買った礼服やスーツなどは経費にしたくなりますが、「個人としても使用するもの」とみなされ、経費になりません。
「資格取得にかかった費用」も経費とはみなされません。資格は個人に属するものなので、その仕事を辞めても活用できるからです。
しかし、業務を行うために直接必要な研修などを受けるための費用は経費となる場合があります。
次に、経費を計上する際の注意点を見ていきましょう。
収入や経費は決算書や収支内訳書(以下、「決算書」とする。)に記載をします。これらの書類は、確定申告書と共に税務署に申告しなければなりません。
確定申告とは、1年間の収入と費用を集計して所得を算出し、自分が納めるべき所得税額を確定申告書に記載し、税務署に提出する手続きのことです。
確定申告の基本的な流れは以下のとおり。
<確定申告の流れ>
- 1年間の収入と経費を「決算書」に記入し所得金額を計算する
- 納めるべき所得税額を計算し「確定申告書」に記入
- 税務署へ「決算書」「確定申告書」を提出する
- 2/16~3/15までに金融機関などで納税
1年間の経費を一気に整理してまとめるのは非常に時間がかかるので、定期的に帳簿をつけておきましょう。
フリーランスの帳簿のつけ方や会計ソフトの使い方について、以下の記事で解説しているので是非ご覧ください。
フリーランス・副業者必読! 帳簿のつけ方入門ガイド【税理士監修】
Workship MAGAZINE
フリーランスとして活動していると、ついあれもこれも経費にしたくなります。とくにフリーライターやデザイナーの場合、プライベートと仕事の線引きがあいまいなケースも多く、計上に迷ってしまうかもしれません。
しかし、だからといって何でも経費にすることはおすすめできません。たしかに最初は税金が安くなるかもしれませんが、税金のプロである税務署の職員が見れば、怪しい帳簿はすぐにバレてしまうからです。
場合によっては、税務調査の際に経費計上のミスを指摘され、最初に払うはずだった税金より多くの割増税金を支払わなければならないリスクもあります。
先ほども説明した「家賃」のように、プライベートと事業の両方に関係のある支出もあるでしょう。その場合、プライベートと事業で活用した割合を算出し、割合に応じて経費に計上していく「家事按分」という手法を活用することがおすすめです。
プライベートと事業の線引きがあいまいになりがちなフリーランスには非常に有効なので、「プライベートでも使うから経費計上は怖い……」と諦めずに家事按分していきましょう。
経費を計上する場合は、商品やサービスを購入した証拠として領収書やレシート(以下、「領収書」)を保管しておかなければいけません。
確定申告をするときに領収書を税務署に提出する必要はありませんが、税務調査が入った場合には、税務職員から領収書やレシートの提示を求められることがあります。
青色申告の場合、経費として計上した商品の領収書は7年間保存する義務があるため、きちんと保管するようにしておきましょう。
なお白色申告の場合は5年間ですが、収入金額や必要経費を記載した帳簿は7年間保存しておかなければならないため、領収書やレシートもあわせて保存しておくのが無難です。
青色申告/白色申告について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
フリーランスが読むべきはじめての確定申告ガイド【FP監修】
Workship MAGAZINE
ここまで、フリーランスの経費計上について整理してきました。改めてポイントを整理すると、以下の点を意識することが重要です。
経費は税金負担を減らす効果がありますが、扱いには気を付ける必要があります。判断に迷った際は、税理士などのプロに意見を聞いてみるのも有効です。
*
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(執筆:HikoPro 編集:Workship MAGAZINE編集部 監修:公認会計士山内真理事務所 税理士 伊沢成貴)
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