エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
- ITエンジニア
- 副業
フリーランスにとって、特定クライアントからの「継続案件」は大切な命綱です。
単発案件ばかりだとどうしても収入が安定せず、生活に支障が出てしまう可能性があります。
今回は、案件継続が得意なフリーランスである黒田さんにお話を伺いました。
「目の前の仕事で成果を出す」「クライアントの100点と自分の100点を合わせる」「仕事の基本を守る」など、クライアントと良好な関係を築くためのノウハウを教えてもらいました。
新卒でフリーランスになり、1年で月収144万円を突破。現在は自分からあまり営業せずに、クライアントからの案件発注を中心に仕事を取っている。フリーランス独立以来、2年半ずっと継続発注をもらっているクライアントもおり、案件の安定的な継続を得意とする。
目次
黒田さんは現在どんな仕事をしていますか?
いまはメディア運営がメインですね。2つの外部メディアの運営を担当しながら、たまにサイト制作や記事作成などを行っています。
仕事はどのように取っていますか?
ほぼクライアントからの直接発注です。自分から営業することは、そこまでありません。
すごい! クライアントから次々発注がくるなんて夢のようですね!
ありがとうございます(笑)。
いまは継続の案件が大半で、もっとも長いクライアントは約2年半の継続発注をいただいてます。私が新卒フリーランスとして独立したときからのお付き合いなので、かなりお世話になってます。
過去にはオウンドメディア系の仕事を10ヶ月、Webサイトのカスタマイズや情報更新を約6ヶ月、継続発注していただきました。
黒田さんは継続の案件が多いようですがが、継続案件が多くなれば、どんなメリットはありますか?
「自由に使える時間が増える」というメリットがあります。継続の案件が増えると、自分から新規営業する必要がなくなるからです。
営業は、受注すれば売上が発生しますが、営業している時間はお金が発生しません。なので新規のクライアントにかける営業の時間は、できる限り削りたいと思っています。
フリーランスは自分が価値を創出したり、お金を生み出すことにより多くの時間を使うべきだと考えてます。
黒田さんはどのように案件を継続していますか?
継続のパターンは主に2つですね。
1つめは、1回担当したクライアントから、同じ仕事を追加で発注してもらうパターンです。
以前メディア運営を担当した際には、私の仕事ぶりを見たクライアントから「別のメディア運営もお願いしたい」と追加で発注していただきました。
2つめは、1回担当したクライアントから、別の種類の仕事発注があるパターンですね。
私は過去にWebサイトのリサーチ業務を受注したのですが、リサーチの内容を見て「ぜひ記事を書いて欲しい」と追加で執筆業務の発注をいただきました。
案件を継続するために意識していることはありますか?
目の前の案件でしっかり成果を出すことです。
1つの案件を終えたときに、その仕事内容が良ければ、クライアントが「このクオリティなら追加で仕事を依頼したい」と思ってくれる可能性が高いですよね。
いい仕事をすれば、成果物が勝手に営業してくれます。
とても基本的なことですが、忘れてないけないポイントですね。
そうですね。案件を継続するために特別なことはやってなくて、仕事の基本をいかに抑えていくかが大切だと思っています。
クライアントに「成果物のクオリティが高い」「社会人としてマナーを守れている」と思ってもらうことが重要ですよ。
他に案件継続で意識していることはありますか?
常にクライアント目線に立つことを意識しています。
おすすめなのは、1回でいいので発注側に回ってみることです。もし自分がクライアントだったら、納期を守らない人や指示を守れない人に、仕事を依頼したくないですよね? なるべく仕事に問題がなくスムーズで、クオリティの高い人に依頼したいと思うはずです。
このようにクライアントの目線に立つことで、「どんな人にお仕事を頼みたいか」が分かると思います。
黒田さんが普段使っている案件継続テクニックはありますか?
クライアントの100点と、自分の100点をすり合わせるために、細かくヒアリングをすることです。
たとえばクライアントが「カレーを作ってほしい」と言っているのに、自分が勘違いしてハッシュドビーフを納品したら、それは間違った仕事ですよね。
仕事では思っている以上に、発注者と受注者のあいだで意図がズレていることがよくあります。自分の認識がクライアントとズレていないか、できるだけ丁寧に仕事のすり合わせを行いましょう。
私も仕事を発注することがありますが、思っているのと全然違うものが納品された経験があります……。
あと細かなヒアリングをすると、クライアントの目的が明確になるというメリットもありますね。
最初のヒアリングを丁寧に行うと「クライアントがなにをしたいのか?」「そのためにはなにが必要か?」といった事項が分かるんです。
じつは案件の目的をしっかり把握できてないクライアントもいるので、発注している仕事が目的達成に効果的じゃないケースもあるんですよ。そのような場合は、自分から逆提案をして、仕事の内容を変えていくのもいいでしょう。
黒田さんはヒアリングの中で、仕事内容を変えるように提案したことはありますか?
ありますよ!
メディアの記事作成の仕事をいただいたときです。最初はクライアントが出した記事案に沿って、自分が記事を書くという内容でした。
しかしヒアリングをとおして、クライアントが出した記事案とメディアの目的が離れていることに気づいたんです。そこで自分から記事案を考えてクライアントに提案してみました。
結果的に自分の記事案が採用されたので、最初に細かくヒアリングして良かったと思っています。
他に案件継続のテクニックはありますか?
クライアントにとって「自分がいなくなったら困る」ような仕組みを作るといいですね。
私が以前ライターをしていたメディアでは「記事の更新頻度を増やしたいけど、ライター不足でできない……」という状況が生まれていました。
そこで自分の知り合いのライターさんに声をかけて、自分が編集者として「ライターチーム」を作った経験があります。ライター業務だけでなく、メディアの仕組みづくりにも貢献できたので良かったです。
他のライターさんをまとめて呼ぶことで、クライアントがライターさんを確保する手間も省けますね。
そうですね。
他にも管理シートを作って、更新記事やライターさんの詳細がすぐに分かるようにしたり、チャットツールを導入してライターさんとのやりとりを簡略化したりしました。
そうして「クライアントさんの手間を省くこと」を徹底的に考えることで、「黒田がいないとメディア運営が回らない」状況を作りました。
ここまでくれば、メディアの運営がストップしない限り、継続で編集の依頼を受けられます。
またちょっとしたテクニックなんですが、BtoBのビジネスをしている企業を狙う方法もあります。
というのも、BtoBの企業は市場規模が大きく、予算も潤沢にある場合が多いからです。たとえばECに限ると、BtoB市場が343兆円、BtoC市場は17兆円と、市場規模およそ20倍の差があります。
動くお金はどうしてもBtoCよりBtoBのほうが大きいので、予算に余裕があるBtoB企業を狙うのは、案件を継続するために重要なテクニックです。
仕事が単発で終わって困っている人に、なにかアドバイスはありますか?
仕事が単発で終わる場合は「仕事の基本が守れているのか?」をセルフチェックしましょう。
一番気をつけるべきなのは、本当に基本的なことですが「納期が守れているか」です。
あとライターなら「誤字脱字といったケアレスミスがないか」「クライアントの指示を守れているのか」なども確認しておきましょう。
黒田さんが仕事の基本を守るために、何かやっていることはありますか?
私はクライアントの指示や、注意されたことをリストにしてまとめています。納品前にそのリストを見て、自分の納品物にミスがないか最終チェックをしていますね。
私も仕事を依頼することがありますが、「この人には仕事を依頼したくない」と思うのは、同じミスを繰り返す人です。
クライアントに「この人は注意しても意味ない」と思われたら案件を継続してもらえないので、フィードバックを受けたらメモをして、自分でチェックできるようにしておきましょう。
理由が分からないまま案件が終了してしまう人も多いかもしれません。その人たちに向けたアドバイスはありますか?
クライアントに、案件終了の理由を聞いてみるといいかもしれません。
「今後の仕事のために、自分のよくなかったポイントを教えてください」と聞いてみてはどうでしょうか。指摘されたことを直していけば、次の仕事では継続してもらえる可能性がでてきますからね。
あと、夜はしっかり寝ましょう(笑)。納期ギリギリに焦って、徹夜で納品するのが癖になっている人は要注意ですよ。
たとえば自分がメディア運営しているクライアントだとして、納期当日の早朝に納品された記事の内容に期待できますか? いい仕事をするために、いい睡眠は欠かせません。
■黒田剛司
執筆:小太り
編集:Kimura Yumi
アイキャッチ:奥貫あずさ