エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
- ITエンジニア
- 副業
年末に近づくと、ほとんどの企業で年末調整がおこなわれます。年末調整といえば会社員に必要なイメージですが、果たしてフリーランスにも必要なのでしょうか?
結論からいうと、基本的にはフリーランスに年末調整は不要です。
しかし、フリーランスでも年末調整が必要になるケースはあり、年末調整について知っておいて損はありません。
そこで今回は、フリーランスにとっての年末調整について解説します。
FP事務所『トージンFP事務所』代表、ファイナンシャル・プランナー(AFP)。Workship MAGAZINEのマネー担当として、フリーランスや副業にまつわる記事の執筆・監修を行う。自身もフリーランス経験豊富で、当事者ならではの情報発信に強み。
年末調整とは、1年間支払い続けた所得税の過不足を調整するために実施される手続きです。
そもそも所得税とは、収入に対してかかる税金を指します。会社員の方であれば、毎月給料明細をもらっていると思いますが、お給料からは所得税が差し引かれています。このように所得税を差し引き、会社が代わりに納税することを「源泉徴収」といいます。名前を聞いたことのある方も多いでしょう。
しかし、毎月引かれている所得税は、「だいたい年末にこれくらいの所得税になるだろう」と予想された金額から算出されたものになっています。なぜなら、今年の収入が分かるのは12月の給料日を迎えた段階になるため、本来はそのときまで自身の所得が確定しないからです。
当然、さまざまな事情で見込まれていた所得税額が上下するケースは珍しくありません。そこで、年末に年末調整を行って、所得税の帳尻を合わせる必要があるのです。つまり、年末調整には源泉徴収をフォローする役割があります。
ゼロからわかるフリーランスの“源泉徴収”。必要な計算/還付金/納付方法などを解説【税理士監修】
Workship MAGAZINE
年末調整は、会社員であれば全員が実施する制度だと思われている方も多いでしょう。しかし、必ずしも全ての会社員が対象になるわけではありません。
国税庁では、年末調整のおもな対象者を以下のように定めています。
- 1年間会社に勤務している人
- 1年の途中で就職(転職)し、年末まで勤務している人
つまり、基本は「年末の時点でその会社にいる社員」が年末調整の対象になるということです。
ただし、次のいずれかに当てはまる人は除外されます。
- 1年間に支払うべきことが確定した給与の総額が2,000万円を超える人
- 災害減免法の規定により、その年の給与に対する所得税及び復興特別所得税の源泉徴収について徴収猶予や還付を受けた人
1にあてはまる人は年末調整ではなく確定申告が必要になるためで、2にあてはまる人は徴収されている所得税がないためです。
年末調整は、以下のケースでも必要になることがあります。
1つ目は、年の途中でフリーランスだった人が会社員になったケースです。
たとえば、1~3月はフリーランス、4~12月は会社員として働くと、1~3月に稼いだ収入は基本的に「フリーランスとしての収入(事業所得)」となり、4~12月に稼いだ収入は基本的に「会社員としての収入(給与所得)」となります。
このうち、4~12月の収入は年末調整の対象になります。そのため、4~12月分の収入は年末調整し、1~3月分の収入は自分で確定申告して税金を確定させます。
年末調整は1年間の給与所得に対して行われるため、会社員になった後の収入が対象となります。年末調整を実施するのは所属している会社で、年末調整後には「源泉徴収票」と呼ばれる用紙が発行されるのです。
源泉徴収票とは、年末調整の結果が記載されている用紙で、給与所得の金額や社会保険料などが書かれています。確定申告時には、この源泉徴収票を使って会社員としての収入などを申告したうえで、事業所得分の確定申告が必要となります。なぜなら、源泉徴収票とフリーランスで稼いだ金額が1年間を通じて得た所得になるからです。
したがって、年の途中にフリーランスから会社員になった場合には、年末調整と確定申告の両方が必要になります。
2つ目は、フリーランスとして働きながらアルバイトもしているケースです。
アルバイトでは、企業に雇用される形で給与所得を得ることになるため、アルバイト先の年末調整の対象となります。フリーランスのなかには、在宅で仕事をしながらアルバイトもこなす方がいるかもしれません。その場合には、アルバイト先の企業で年末調整を実施し、フリーランスで稼いだ所得は別に確定申告する必要があります。
なお、上記と同じ理由で、「フリーランス×会社員」の複業を実施している場合も、雇用元での年末調整が必要です。
複業のメリット&デメリットとは?パラレルワーク実践者が複業のコツも解説!
Workship MAGAZINE
3つ目は、フリーランスの立場で社員を雇っているケースです。
青色申告をしているフリーランスの場合、生計をともにする配偶者やその他の親族を「青色事業専従者」という形で雇用し、給与を支払うことで大きな節税効果が期待できます。そのため、家族を従業員として雇うフリーランスもいるはずです。
もちろん、家族以外の従業員を雇っても構いません。しかし、どんな人を雇用した場合も、自身が会社員として雇われる場合と同じく、従業員への給与支払いや源泉徴収をしなければなりません。
そして、年末の時期になれば、従業員の給与に対して年末調整を実施する必要があります。人を雇うと適用される法律や事務処理が激増しますので、見えないコスト増に注意が必要です。
個人事業主/フリーランスが人を雇う場合、何に気をつければいい?【弁護士直伝!】
Workship MAGAZINE
確定申告とは、1年間で得た所得を申告することで、支払うべき所得税を確定させる手続きのことです。年末調整と確定申告は、どちらも所得税を確定させることを目的にした手続きのため、ゴールは同じです。
しかし、働き手(フリーランス・会社員)の立場になってみると、その意味はまるで違います。年末調整は「会社が納めるべき税金を確かめてくれる」手続きで、確定申告は「自分で納めるべき税金を計算/申告/納税する」手続きといえるので、働き手にかかる手間がまるで違います。
そのため、「フリーランスになって見かけの収入は増えたけど、確定申告の手間を考えたら実質的な時給が下がっちゃった……」なんてケースも考えられるほど。フリーランスになってみると、会社が年末調整をやってくれたことのありがたみがよ~くわかるのではないでしょうか。
フリーランスが読むべきはじめての確定申告ガイド【FP監修】
Workship MAGAZINE
フリーランスは、基本的に年末調整が不要です。しかし、以下のケースでは年末調整が必要になります。
フリーランスをやっていると、年末調整のありがたさに気づくことになります。会社員の方は、年末調整をやってくれている経理担当者への感謝を忘れないようにしましょう。
(執筆:Yukki 編集:mozuku 監修:トージンFP事務所)
フリーランスと会社員の違いを徹底比較!メリット&デメリット、独立前にやるべきことを解説
Workship MAGAZINE
確定申告は怖くない!副業会社員が「雑所得」を申告する方法 4ステップ
Workship MAGAZINE