エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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フリーランスや個人事業主として、働きながら重たい負担を感じるのが「国民健康保険料の高額な支払い」ではないでしょうか。とくに売上が伸びてくると、負担の重さは増す一方です。しかし、ある選択をすると、この頭痛の種を大きく軽減することができます。
その答えは「法人化」です。法人化すると、健康保険料の計算基準や税制が変わり、国民健康保険に関する悩みを軽減することができます。私自身もこの「法人化」の選択を行い、変化を実感しています。この記事では、国民健康保険の基本情報のほか、法人化を検討するときのポイントについて詳しく解説します。
デジタルマーケティングプロデューサー/株式会社Rdesign factory代表取締役。企画×コンテンツ×マーケティングで価値の最大化を支援している。ひとり会社の経営は4期目に突入。(Twitter:@matty3com)
会社を辞めて個人事業主になったとき、とくに気になっていたのが、国民健康保険料でした。会社員の場合、健康保険料は給与から自動的に天引きされますし、保険料は会社が半分払ってくれます。ですが、個人事業主の場合は全額自己負担です。
くわえて、会社員の健康保険料は固定給の額に応じて決まりますが、個人事業主は前年度の所得に基づいて算出されるため、所得が増えると保険料も上がります。
会社員の場合、ご存じのとおり健康保険料の約半分を会社が払ってくれます。個人事業主の健康保険料は、前年の所得のほかに居住地によっても保険料率が変わります。健康保険は各市町村の自治体がおこなっており、計算方法や保険料率が異なるためです。
わかりやすく比較するため、会社員と個人事業主がどちらも年収400万円として考えた場合、健康保険料の支払いだけで両社が支払う金額は年間9~12万円の差があり、個人事業主は会社員に比べて年間6万〜27万円も手取りが少なくなります。
項目 | 会社員(年収400万円の場合) | 個人事業主(年収400万円の場合) |
健康保険料の基準 | 給与 | 前年の所得・居住地等 |
支払総額/月 | 1.5〜2万円 | 2.5〜3万円 |
支払総額/年 | 18〜24万円 | 30〜36万円 |
会社負担/月 | 7,500〜1万円 | なし |
会社負担/年 | 9〜12万円 | なし |
実質負担/月 | 7,500円〜1万円 | 2.5〜3万円 |
実質負担/年 | 9〜12万円 | 30〜36万円 |
手取り金額/年 | 376〜391万円 | 364〜370万円 |
※上記の計算はあくまで参考例です。わかりやすく比較するため、会社員は月収30万円、ボーナス40万円として計算しています
会社員と比べると、個人事業主が支払う健康保険料の負担ははっきり言ってとても重く感じます。背景には、具体的な理由があります。
- 所得による控除金額の違い
- 会社の保険料負担の有無
- 扶養制度の適用の違い
以上の制度を理解することで、どうやって負担を軽減できるかの方策を考えることもできます。
個人事業主は、所得税や住民税を計算するとき、いくつかの所得控除を利用できます。しかし、こうした控除の多くは所得税の計算に限って有効で、国民健康保険料の計算には影響しません。そのため国民健康保険料の算定基準になる所得は、所得税の算定基準になる課税所得より高くなる傾向があるためです。
しかし、会社員の場合は健康保険料は給与の一部として計算されるため、所得全体と比較して保険料のベースとなる所得が低くなる傾向があります。この控除金額の違いが、個人事業主の健康保険料の負担を感じる要因です。
健康保険料の負担は、会社員と個人事業主とでは大きく異なります。会社員の健康保険料は会社と従業員が半分ずつ負担し、給与から天引きされます。そのため、実際に従業員が支払うのは、保険料の50%だけです。
一方、個人事業主は全額自己負担です。会社員と同じ所得でも、個人事業主には保険料の半分を負担してくれる人はいませんので、会社員より高い健康保険料を支払うことになります。この差は所得が高いほど顕著で、がんばって仕事を増やしても、逆に経済的負担は増えてしまいます。この会社の負担の有無が、個人事業主と会社員の健康保険料の差なのです。
会社員の場合、扶養家族制度があり、一定の条件下で配偶者や子どもなどの家族を扶養家族として健康保険に加入させることができます。その場合、加入者の健康保険料に大きな変動は生じません。つまり、負担が増えません。
ですが、個人事業主の場合は扶養制度がなく、国民健康保険の加入者ごとに保険料が設定されます。そのため、家族それぞれが個別に保険料を支払わなければならないため、個人事業主の保険料負担が重くなるわけです。この扶養制度の有無が、個人事業主の国民健康保険料が高額になる一因となっています。
国民健康保険料は避けて通れない大きな出費の一つです。収入が増えると保険料も増えるため、個人事業主にとって頭痛の種でもあります。ですので、置かれた状況や条件とすり合わせ、適切な知識をもって計画を立てて保険料の負担を軽くする方法を選択するのも一案です。
国民健康保険組合は、特定の職種ごとに設立されたもので、個人事業主やフリーランスが加入できる健康保険の一つです。組合に加入すると保険料の計算基準が変わり、収入に関わらず保険料が一定になります。収入に関わらず保険料が一定なため、収入が高いほど割安になります。
通常の国民健康保険は通称「国保」、国民健康保険組合は「国保組合」と呼ばれています。
国保組合には以下のように、組合ごとに加入条件があります。
たとえば、デザイナーの場合は、「文芸美術国民健康保険組合」が該当します。
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会社員から個人事業主になる場合は、会社員時代に加入していた健康保険を任意継続することもできます。任意継続には条件があり、継続できる期間も決まっているため、期間内に次の保険の加入や、保険料の支払い方法を検討しておく必要があります。
また、任意継続の保険料は、前職の給与額に基づいて計算されます。独立後に収入が下がった場合、支払いができなくならないよう保険料用のお金を用立てておけると、なおよいです。
私はこの方式を取っていて、会社員時代に加入していた出版健保の任意継続期間が2年間でしたので、個人事業主でいる間はこちらを選択していました。
配偶者や親などの家族の扶養に入る方法もあります。家族が会社員なら、その家族の扶養家族として健康保険に加入し、国民健康保険から脱退して保険料の負担を軽くすることができます。
ただし、扶養に入るためには一定の条件が存在します。年収が一定額以下であることや、同居していることなどの条件をクリアする必要があります。健康保険の扶養条件に関しては、以下のような額に設定されるケースが一般的です。
経済的自立を自力でおこないたい場合は、この金額を超えないように働くのはあまり現実的ではないとも言えます。
扶養に入ることで得られるメリットと、一定の収入制限によるデメリットを天秤にかけ、個々のライフスタイルや目標に合った選択をしたいところです。
国民健康保険料の負担を軽くする手段の一つとして、法人化もあります。個人事業主の場合、健康保険料は前年度の所得に基づくため、事業利益が増えると保険料が上がります。
しかし、法人化すると事業利益が増えても利益は法人のものとなるため、個人の所得とは別扱いとなります。そのため、個人の保険料は売上に左右されず、一定額で収められるようになります。
私が個人事業主から法人成りしたメリットの一つは、ここにあると思っています。法人化すると社会保険に切り替わり、保険料の半分を会社から、半分は自分の給与から天引きされます。事業売上が上下しても私が支払う保険料は常に一定なので、がんばって事業利益を増やした結果保険料の上昇に冷や冷やするような事態が起こらないのは、精神衛生上とてもいいです。
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個人事業主にとって国民健康保険料の重圧に直面して初めて、この重さに驚きます。とくに事業利益が増えれば増えるほど、その負担が増えますので、がんばりを重ねた分、複雑な気持ちにさえなってしまいます。
ですが、この懸念は法人化によってある程度解決できます。法人として利益を計上し、個人の所得(給与)を抑えることで、結果として保険料を軽くすることができるのです。
繰り返しになりますが、法人化する一つのメリットとして、国民健康保険料の軽減があります。個人事業主の場合、国民健康保険料が所得に直結するため、年収が多いほど保険料も高額になります。
しかし、法人化すると、法人としての利益と個人の所得(給与)が分離されるため、個人の所得を抑える分、保険料も低減できます。もちろん、保険料の半分は会社が支払い、残り半分が自分の給与から天引きされることになります。1人会社の場合は運営するのはどちらも自分ですが、法人格と個人は別人格ですし、“お財布”も別。保険料が個人のお財布を直撃することは避けられるようになります。
税制上、法人と個人事業主には大きな違いがあります。とくにわかりやすいのが、課税所得の計算と税率です。
- 課税所得の計算
【法人】法人は事業で発生した収益から経費を差し引いた額が課税所得に。比較的広範囲で経費を計上でき、税負担を軽減することが可能
【個人事業主】個人事業主も経費を差し引いた額が課税所得となるが、法人ほど多くの項目を経費として計上しにくい- 税率
【法人】法人にかけられる税率は、変動幅が少ない。加えて一定の利益までは低い税率が適用されるため、1人法人など小規模運営の場合、有利に働くことが多い
【個人事業主】所得税率は所得の増減に応じて大きく変動するため、所得が上がると税率も大きく上がってしまう
費用面とは関係ありませんが、法人化して感じた大きな利点は、信用力の向上です。個人事業主の場合、取引先や金融機関に信頼を得られにくい点があります。クライアントが大企業の場合、個人事業主とは取引をしてもらえないこともありますし、細かい点だと事業用のクレジットカードを作りたくても作りにくい場合があります。
しかし、法人化すると銀行で法人口座を作ることはもちろん、事業用のクレジットカードも問題なく作れます。「個人事業主とは取引ができない」と言われたクライアントも、法人格になると1人会社でも取引できることもあります。
また、親や親戚にも個人事業主でいると「不安定な働き方をして!」と眉をひそめられますが、法人化すると「立派になって!(涙)」と褒められます。個人事業主も1人会社も私がやっていることは変わらないので、謎です。
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法人化には、国民健康保険料の軽減や税制上のメリット、信用力の向上といった利点がありますが、注意が必要なポイントもあります。個人事業主の場合は「だらしない」の一言で済んでも、法人の場合は責任や義務も生じるため、法的トラブルや税務調査を招く可能性が高まります。
これらの注意点を理解し、適切に対応することで、法人化のメリットが最大になります。その点を理解して、法人化を検討する際の参考にしていただけたらと思います。
法人化するときは、会社の登記費用や公証人役場での手続き費用などの初期コストが発生します。事務作業もあり、会社の基本事項の決定から始まり、会社用の印鑑購入、定款の作成(会社の組織や運営に関する基本的なルール)、資本金の準備、登記申請などをおこないます。
自分で調べて手続きをすることもできますが、法人設立を代行してくれるサービスもあります。私が設立した際は、煩雑な書類準備を自分でできる気がしませんでしたので、お世話になっていた税理士事務所に依頼しました。法人設立手続き費用の平均は株式会社の場合は20万円前後で、依頼から手続き完了までかかる期間は、1ヶ月ぐらいが目安です。
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法人化すると、法律と会計の知識が必須となります。個人事業主では簡略化されていた税務処理や契約関連の業務が、法人となると複雑になります。一部の例を挙げてみます。
- 税務処理
【法人】法人税・所得税・消費税など税種自体が増え、それぞれに対する計算や申告が必須
【個人事業主】所得税と消費税を中心にした税務処理で、比較的シンプル- 経理
【法人】標準的な簿記が必要。貸借対照表や損益計算書など、詳細な財務諸表の作成が必須
【個人事業主】簡単な帳簿でOK(白色申告の場合)
契約書の作成や税務申告、経理処理は専門知識が必要で、間違うと法的リスクや金銭的損失が発生することもあります。そのため、1人会社であっても専門家に業務を委託する必要が出てきます。国民健康保険料と外部の専門家に支払うコスト、どちらが大きいと考えるかは働き方と考え方次第です。
先でも述べた通り、個人事業主は所得税の申告が主でしたが、法人になると、法人税・所得税・消費税など、多くの税種に対して正確な申告をする必要があります。不正確な申告や計算ミスがあると、税務署の調査が入り、厳しい罰則を科される可能性もあるためです。
税務対応の負担を軽減するには、信頼できる税理士の協力を仰ぐことが欠かせません。国民健康保険の保険料を減らす話が、税理士を雇う話につながるのはやや滑稽かもしれません。ですが、税理士に顧問として入ってもらうことで、がんばって収入を増やした分、適切な知識で保険料や税金の突然の上昇にびっくり、かつ払えないような事態が起こらないよう、調整しているのです。
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独立後にしてよかったと感じている決断の一つが法人化です。個人事業主のままでもよかったのですが、国民健康保険料の高騰が怖かったですし、その負担は、仕事で努力を重ねるほど疑問を感じました。
法人化を検討するに至ったのは、経済的な負担の軽減だけでなく、税制上のメリットや、社会的な信頼度も魅力でした。もちろん、リスクやデメリットもありますが、それらは十分に対処できますし、個人的にはメリットのほうがはるかに多いと思っています。
もし国民健康保険料の負担やビジネスの拡大を考えているなら、法人化も一つの選択肢としてご検討いただく価値があることを、この記事を通じてお伝えできたらうれしいです。法人化のためにも、実績を増やしてがんばりたい方はWorkshipがおすすめです。週2日20万円以上のお仕事など、高単価案件が多数あります。
(執筆:まてぃ 編集:北村有)
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