フリーランスが読むべきはじめての確定申告ガイド【FP監修】

税金のことに詳しくなくても、いたるところで耳にする「確定申告」という言葉。「なんのことかは全く知らない……」「とりあえず税金計算に必要なことは分かる」など、制度の理解度もさまざまです。

実際、確定申告は非常に複雑な制度として知られていますが、フリーランスとして働くうえでは避けて通れない制度でもあります。なぜなら、確定申告ができないと正しく納税できず、気づかないうちに脱税してしまうリスクがあるからです。

そこで、今回はフリーランス初心者を対象に、はじめての確定申告で意識すべきポイントをまとめてみました。

監修:齊藤颯人
監修:齊藤颯人

FP事務所『トージンFP事務所』代表、ファイナンシャル・プランナー。Workship MAGAZINEのマネー担当として、フリーランスや副業にまつわる記事の執筆・監修を行う。自身も現役フリーランスで、当事者ならではの情報発信に強み。

フリーランスの確定申告とは?


フリーランスとして独立すると、避けて通れないのが確定申告です。「難しそう」「めんどくさそう」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、仕組みさえ理解してしまえば決して怖いものではありません。

まずは確定申告の基本と、知っておくべき用語の整理から始めていきましょう。

確定申告で1年間の所得と税額を申告する

確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得(儲け)を計算し、納めるべき所得税の金額を国に申告・納付する手続きのことです。

通常、翌年の2月16日から3月15日までの間に管轄の税務署へ申告書を提出します。1年間で自分がどれくらい働き、いくら稼ぎ、いくら経費を使ったのかを正しく集計して清算する1年の総決算と考えると分かりやすいでしょう。

フリーランスと会社員の確定申告の違い

「会社員時代は確定申告なんてしたことがなかった」という方も多いはずです。フリーランスと会社員では、税金の納め方に大きな違いがあります。

会社員の場合:
会社が毎月の給与から税金を概算で引き落とし(源泉徴収)、年末調整によって1年間の税額を代わりに計算・清算してくれます。そのため、原則として個人で確定申告をする必要はありません。
フリーランスの場合:
自分の収入や経費を管理してくれる会社はありません。そのため、自分自身で売上や経費を計算し、税金を申告・納付する必要があります。

自由な働き方が手に入る一方で、税金の管理もすべて自分でおこなう責任が発生するのがフリーランスの特徴です。

収入・所得・課税所得の違い

確定申告を進めるうえで、もっとも混乱しやすいのがお金の種類です。とくに「収入」「所得」「課税所得」の3つは明確に区別しておきましょう。

収入(売上):
クライアントから支払われた報酬の総額です。手元に入ってきた金額そのものを指します。
所得(儲け):
「収入」から、仕事のためにかかった「必要経費」を差し引いた金額です。
公式: 所得 = 収入 - 必要経費
課税所得(税金がかかる対象):
「所得」から、税負担を軽減するための各種「控除(基礎控除や社会保険料控除など)」を差し引いた金額です。この金額に税率をかけて最終的な税額が決まります。
公式: 課税所得 = 所得 - 税金上の控除

税金は収入全体にかかるのではなく、経費や控除を引いた課税所得に対してかかります。

だからこそ、正しく経費や控除を計上することが節税において非常に重要になります。

フリーランスの収入は事業所得と雑所得のどちらになる?

フリーランスが確定申告をする際、自分の収入をどの所得区分で申告するかを決める必要があります。Webライターやデザイナー、エンジニアなどの個人事業主の場合、多くは「事業所得」か「雑所得」のどちらかに該当します。

事業所得:
独立した事業として継続的・計画的に収入を得ている場合の所得です。青色申告を選択できるため、最大65万円の特別控除を受けられたり、赤字を3年間繰り越せたりと、税制上の大きなメリット(節税効果)があります。
雑所得:
副業レベルの収入や、一時的・単発で得た収入などの所得です。事業所得のような節税メリット(青色申告特別控除など)は利用できません。

本業としてフリーランス活動をしており、継続的な収入や帳簿の記帳を行っている場合は、基本的に「事業所得」として申告します。「副業から始めたばかりで規模がまだ小さい」という場合は雑所得になることもあります。

フリーランスは確定申告がいくらから必要?


「自分は確定申告をする必要があるのだろうか?」と悩む方も多いはずです。

結論から言うと、確定申告が必要になる基準は専業(本業)か副業か、そして1年間の所得がいくらかによって異なります。具体的な数値とともにラインを確認していきましょう。

本業フリーランス・個人事業主の場合

本業としてフリーランス活動をしている場合、年間所得が基礎控除額を超えると所得税が発生するため、原則として確定申告が必要になります。

基礎控除額は合計所得金額に応じて変動しますが、合計所得金額が1,320万円以下の場合は最大95万円(※令和7年分/2025年分以降の改正税制基準)が適用されます。

白色申告の場合:
年間所得が95万円を超えると確定申告が必要になります。
青色申告の場合(最大65万円控除を受ける場合):
基礎控除(最大95万円)に青色申告特別控除(最大65万円)が加わるため、年間所得が最大160万円までであれば課税所得がゼロになり、所得税の納付義務(確定申告義務)は生じません。

まずは年間所得95万円(青色申告なら条件次第で最大160万円)が、本業フリーランスにおける申告のひとつのボーダーラインになると覚えておきましょう。

会社員が副業でフリーランス収入を得ている場合

会社から給料を得つつ、副業でフリーランスとして収入を得ている場合は、いわゆる20万円ルールが適用されます。

  • 副業所得が年間20万円超: 確定申告が必要
  • 副業所得が年間20万円以下: 所得税の確定申告は不要

本業の会社で年末調整を受けている場合、副業での年間所得(売上から経費を引いた金額)が20万円以下であれば所得税の確定申告をする必要はありません。

注意点として、20万円ルールはあくまで所得税に限った話です。所得が20万円以下で所得税の確定申告が不要であっても、お住まいの自治体への住民税の申告は別途必要になりますのでご注意ください。

確定申告が必要かどうかは収入ではなく所得で判断する

初心者がもっとも勘違いしやすいのが、収入(売上)と所得(儲け)の混同です。確定申告の要否を判断する基準は、売上の総額ではなく、経費を差し引いた後の所得です。

  • 収入(売上): クライアントから振り込まれた金額の総額
  • 所得(儲け): 収入 - 必要経費

たとえば、年間で100万円の副業収入があったとします。

一見20万円を超えているから申告が必要と思えますが、取材費・パソコン購入費・通信費などの必要経費に85万円かかっていた場合の計算式は以下になります。

100万円(収入) - 85万円(経費) = 15万円(所得)

この場合の所得は15万円となり、20万円以下に収まるため、所得税の確定申告は不要ということになります。

所得が少なくても確定申告したほうがよいケース

「基準以下の所得だから確定申告しなくてもいいや」と放置してしまうと、損をしてしまうケースがあります。

以下の条件に当てはまる場合は、申告義務がなくても確定申告(還付申告など)をおこなうメリットが大きいです。

  • 報酬からすでに「源泉徴収」されている場合(税金の還付)
  • 原稿料やデザイン料など、報酬からあらかじめ所得税(約10.21%)が差し引かれて入金されている場合、確定申告をすることで納め過ぎた税金が「還付金」として手元に戻ってくる可能性が高いです。

  • 事業で「赤字(損失)」が出た場合
  • 青色申告を行っている場合、その年に出た赤字を翌年以降の最長3年間にわたって繰り越すことができます(繰越控除)。翌年以降に利益が出た際の税負担を大幅に軽くできます。

  • 所得証明書や非課税証明書が必要な場合
  • 住宅ローンの審査、賃貸契約、各種手当の申請、保育園の入園手続きなどで「所得を証明する書類」の提出を求められることがあります。確定申告をしていないと公的な所得証明書が発行されないため注意が必要です。

  • 住民税の手続きを一度で終わらせたい場合
  • 所得税の確定申告を提出すると、そのデータが自動的に市区町村へ連携されます。別途役所へ行って住民税の申告をする手間が省けるため、最初から確定申告をまとめて済ませてしまうのがスムーズです。

フリーランスが確定申告をするメリット


「確定申告は義務だから仕方なくやるもの」とネガティブに捉えられがちですが、実はフリーランスにとって手元に残るお金を増やし、社会的信用を得るための大きなチャンスでもあります。

ここでは、確定申告をおこなうことで得られる4つの主なメリットを解説します。

源泉徴収された所得税が戻る可能性がある

ライター、デザイナー、イラストレーター、各種コンサルタントなどの職種では、クライアントから報酬が支払われる際に、あらかじめ所得税(10.21%など)が差し引かれている(源泉徴収されている)ケースが多くあります。

確定申告をおこなうと、1年間の正確な所得金額と納めるべき本来の税額が再計算されます。その結果、源泉徴収で前払いしていた税金が、本来払うべき税金より多かった場合、差額が還付金として指定口座に振り込まれます。

義務のない所得規模であっても、源泉徴収されている場合は確定申告(還付申告)を行わないと納め過ぎた税金を取り戻すことができず、純粋に損をしてしまうことになります。

経費や所得控除を反映して税負担を抑えられる

確定申告は、自分が事業のために使った必要経費や、個人の事情に応じた所得控除を正しく申告する場です。これらを漏れなく計上することで、課税対象となる金額(課税所得)を小さくし、納める税金(所得税や住民税)を大幅に抑えることができます。

必要経費の計上:
仕事で使用したパソコン・通信費・交通費・カフェ代などのほか、自宅を事務所として使っている場合は家賃や光熱費の一部を家事按分して経費にできます。
所得控除の適用:
誰でも受けられる基礎控除をはじめ、国民健康保険料や国民年金保険料を引ける「社会保険料控除」、生命保険料控除、医療費控除、ふるさと納税による「寄附金控除」などを反映できます。

売上(収入)からこれらの経費と控除を引くことで、節税効果を最大限に高めることが可能です。

所得や収入を公的に証明できる

会社員には源泉徴収票がありますが、フリーランスには収入や所得を客観的に証明する書類が通常ありません。

確定申告をおこない、税務署の受領印(またはe-Taxの受信通知)がついた確定申告書の控えが、フリーランスにとって最も強力な収入証明・公的証明書となります。

収入証明が必要となる主な場面:

  • 賃貸物件の入居審査(部屋を借りるとき)
  • 住宅ローンや各種ローンの組入れ・審査
  • クレジットカードの発行審査
  • 保育園の入園申請や各種手当・補助金の申請

確定申告を怠ると「所得なし(未申告)」とみなされ、生活上のあらゆる契約や申請で支障をきたすリスクがあります。しっかり申告しておくことが、フリーランスとしての社会的信用に直結します。

青色申告の特典を受けられる

確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類がありますが、事前届出を出して青色申告を選択することで、非常に手厚い税制上の優遇措置(特典)を受けることができます。

主な青色申告の特典:

  • 青色申告特別控除(最大65万円):
  • 一定の要件(複式簿記での記帳やe-Taxによる電子申告など)を満たすと、実際の経費とは別に最高65万円を所得から差し引くことができます。

  • 赤字の3年間繰越(純損失の繰越控除):
  • 事業で赤字が出た場合、その損失を翌年以降最長3年間にわたって繰り越し、翌年以降の黒字(利益)と相殺して税金を減らせます。

  • 30万円未満の資産を一括経費化(少額減価償却資産の特例):
  • 通常は減価償却が必要な30万円未満のパソコンや機材などを、購入した年に全額まとめて経費として処理できます。

  • 家族への給与を経費にできる(青色事業専従者給与):
  • 事業を手伝う生計を一にする家族へ支払った給与を、適切な範囲内で全額必要経費に計上できます。

日々の記帳ハードルは上がりますが、会計ソフト等を導入すればスムーズに作成できます。

フリーランスとして本格的に事業を進めていくなら、青色申告のメリットを活用するのが絶対的におすすめです。

フリーランスの青色申告と白色申告の違い

確定申告には、白色申告と青色申告の2種類の申告方法があります。どちらを選ぶかによって、記帳の手間だけでなく、納める税金の額(節税効果)にも大きな差が生まれます。

それぞれの特徴と選び方、青色申告で最大控除を受けるための条件を整理しておきましょう。

青色申告と白色申告の違い・選び方

白色申告と青色申告の主な違いは、「事前申請の要否」「記帳方法の難易度」「税制上の特典(節税効果)」の3点です。

項目 白色申告 青色申告
事前申請 不要 必要(承認申請書を提出)
記帳方法 簡易簿記(お小遣い帳感覚) 複式簿記(または簡易簿記)
特別控除 なし 最大65万円(10万円・55万円・65万円)
赤字の繰越 原則不可 最長3年間繰越可能
家族への給与 一定額まで控除(事業専従者控除) 全額経費に算入可能

白色申告が向いているのは、副業えお始めたばかりで収入や経費が少ない人や、とにかく書類作成の手間を最小限に抑えたい人。そして青色申告が向いているのは、本業としてフリーランス活動をしており、継続的な収入がある人や、クラウド会計ソフト等を活用してしっかり節税したい人です。

現在は白色申告でも帳簿付けが義務化されているため、手間に対する節税メリットを考慮すると、本業で活動するフリーランスは最初から青色申告を選ぶのが断然お得です。

青色申告の申請方法と65万円控除を受ける条件

青色申告をおこなうためには、事前に税務署への届出が必要となります。

また最大の節税特典である65万円控除を受けるには、一定の要件を満たす必要があります。

1. 青色申告の申請方法(提出期限)

青色申告を開始したい場合は、管轄の税務署へ所得税の青色申告承認申請書を提出します。

開業時から青色申告にしたい場合:
開業日から2ヶ月以内に提出
白色申告から青色申告に切り替える場合:
適用したい年の3月15日までに提出

期限を過ぎてしまうとその年の申告は白色申告になってしまうため、早めの手続きが安心です。

2. 65万円の青色申告特別控除を受ける5つの条件

青色申告特別控除で満額の65万円の控除を受けるには、以下の条件をすべてクリアする必要があります。

  1. 事業所得または不動産所得(事業的規模)を生ずべき事業を営んでいること
  2. 取引を複式簿記(正規の帳簿原則)で記帳していること
  3. 記帳に基づいて作成した「貸借対照表」および「損益計算書」を確定申告書に添付すること
  4. 確定申告書を提出期限(原則3月15日)までに提出すること
  5. e-Taxによる電子申告を行う、または優良な電子帳簿保存を行っていること

上記1〜4の条件を満たすだけでは55万円控除にとどまります。追加でe-Taxを使ったWeb上での電子申告をおこなうことで、最大の65万円控除が適用されます。

現在はクラウド会計ソフトなどを利用することで、複式簿記の知識が少なくても、画面の案内に沿って65万円控除対応の電子申告までスムーズにおこなえます。

フリーランスの確定申告の必要書類


確定申告にあたっては、以下の書類などが必要です。

  • 確定申告書
  • マイナンバーカードなどの本人確認書類
  • 収入・支出・控除の証明書
  • 青色申告決算書(青色申告の場合)
  • 収支報告書(白色申告の場合)

それぞれ詳細を見ていきましょう。

1. 確定申告書

確定申告の基本となる、申告内容を記入する書類です。A様式とB様式がありますが、フリーランスはB様式を利用します(A様式はサラリーマンや公的年金受給者が使用するもの)。書類は国税庁のHPからダウンロード可能です。

確定申告書

▲出典:国税庁

ただし、クラウド会計ソフトや国税庁が提供する電子申請ソフトを使う場合、書類をダウンロードしなくてもフォームに従って数字や情報を入力すればOKです。

2. マイナンバーカードなどの本人確認書類

確定申告にあたっては本人確認書類の写しが必要ですが、フリーランスならマイナンバーカードを取得し、活用することをおすすめします。マイナンバーカードがあれば電子申告システムの「e-Tax」などを活用した電子申告が可能になり、簡単かつおトクな確定申告ができるからです。

e-Tax

▲出典:e-Tax公式サイト

3. 収入・支出・控除の証明書

収入・支出の証明書というと難しく聞こえるかもしれませんが、要はレシートや領収書、請求書のことです。これらは確定申告そのものというより、確定申告書に記載する数字を計算するために使うものです。意外かもしれませんが、いちいち税務署に提出する必要はありません。

一方、控除の証明書(例:生命保険料控除証明書など)は、確定申告書の記載に使うのはもちろん、確定申告の際に提出する必要もあります。おもな控除と証明書は以下の通りです。

控除の種類 必要な証明書
社会保険料控除 社会保険料控除証明書
医療費控除 医療費の明細書
生命保険料控除 生命保険控除証明書
地震保険料控除 地震保険料等の控除証明書
小規模企業共済等掛金控除 ・掛金額払込証明書
・小規模企業共済掛金払込証明書
住宅ローン控除 ・住宅借入金等特別控除額の計算明細書
・住民票の写し
・建物、土地の登記事項証明書
・建物、土地の不動産売買契約書(請負契約書)の写し
・金融機関の住宅ローンの残高証明書
(控除初年度)
年金控除2

▲生命保険料控除証明書の見本(出典:国税庁)

ただし、e-Taxを使って申告すれば、上記書類の添付を省略することが可能です。

このように提出が必須でない書類も多いですが、青色申告の場合は領収書などを最大7年間保存する必要があります。使わなくなったからといって、書類をすぐ捨てないようにしましょう。

4. 青色申告決算書(青色申告の場合)

青色申告決算書には一般用、農業所得用、不動産所得用、現金主義用の4種類あります。エンジニア、デザイナー、ライターなどの場合は一般用の青色申告決算書を使えばOKです。なお、こちらの書類もクラウド会計ソフトなどを使えば自動で出力してくれるものが大半です。

5. 収支内訳書(白色申告の場合)

収支内訳書も3種類ありますが、フリーランスの場合は一般用の収支内訳書を使えばOKです。この書類は全2ページと青色申告決算書よりもページ数は少なく、多少申告がラクになります。

フリーランスの確定申告のやり方・流れ


確定申告の流れは、申告書を作成するための数字計算にかかる時間が全体の9割以上。申告書の作成自体は1割以下の時間で済むことが大半です。

そこで、以下では申告書を作成する前の段階から、確定申告の流れを解説します。

ステップ1.売上や経費に関する資料を集める

まずは1年間(1月1日〜12月31日)の取引内容を証明するための資料を手元にすべて集めます。

集めるべき主な資料:

  • 売上関係: 請求書、納品書、支払調書、振込口座の通帳(またはWeb明細)
  • 経費関係: 領収書、レシート、クレジットカード利用明細、公共料金や家賃の領収書・口座振替明細
  • 控除関係: 国民健康保険料・国民年金の控除証明書、生命保険料控除証明書、医療費の領収書、ふるさと納税の受領証明書など

レシートや領収書がない支出(電車賃など)は、出金伝票や交通系ICカードの利用履歴などを手元に残しておきましょう。

ステップ2.1年間の取引を帳簿に記録する

集めた資料をもとに、日々の売上や経費を帳簿(会計ソフトなど)に入力・記録していきます。

白色申告:
単式簿記(家計簿・お小遣い帳のような形式)で収入と経費を記録
青色申告:
複式簿記(「勘定科目」を用いて取引の理由と結果を同時に記録)で記帳

会計ソフト(「freee」「マネーフォワード クラウド」「やよいの青色申告」など)を使用すれば、銀行口座やクレジットカードとの連携機能を使って入力作業を大幅に自動化・効率化できます。

ステップ3.経費・所得控除・源泉徴収額を整理する

年末(12月31日)が過ぎたら、1年間のデータを最終整理・集計します。

家事按分(かじあんぶん)の計算:
自宅兼事務所の家賃や電気代、通信費などのうち、「仕事で使った割合(事業使用比率)」だけを経費に計上する計算を行います。
所得控除の適用:
送られてきた控除証明書をもとに、社会保険料控除や基礎控除などを正確に算出して反映させます。
源泉徴収額の集計:
クライアントからあらかじめ差し引かれた税金(源泉徴収税額)の合計金額を集計します。

ステップ4.青色申告決算書または収支内訳書を作成する

集計した帳簿データをもとに、1年間の収支結果をまとめる決算書(収支内訳書)を作成します。

白色申告の場合:
収支内訳書を作成(売上・経費の内訳を記載)
青色申告の場合:
青色申告決算書を作成(損益計算書+貸借対照表を添付)

会計ソフトを使っていれば、日々の記帳データをもとに自動で集計・生成されるため、内容に誤りがないかを確認するだけで完了します。

ステップ5.確定申告書を作成する

収支の整理ができたら、最終的に提出する確定申告書を作成します。

確定申告書には、売上・所得のほか、適用する所得控除、すでに源泉徴収された税金などを記入します。ステップ4で作成した青色申告決算書や収支内訳書の数字を転記・反映させることで、最終的に納めるべき所得税額が確定します。

国税庁の確定申告書等作成コーナーや、各種会計ソフトのガイドに従って入力すれば、税額は自動で計算されるため間違いが防げます。

ステップ6.期限内に確定申告書を提出する

作成した書類(確定申告書+決算書/収支内訳書)を、申告期間内(原則 翌年2月16日〜3月15日)に管轄の税務署へ提出します。

主な提出方法:

  • e-Tax(電子申告):
  • PCやスマートフォンからオンラインで送信(※青色申告65万円控除を受ける場合はこれを選択)

  • 郵送:
  • 税務署へ郵送で送付(控えと返信用封筒を同封すれば収受印を押して返送してもらえます)

  • 窓口提出:
  • 管轄の税務署へ直接持参して提出

ステップ7.所得税を納付する・還付を受ける

確定申告書の提出が終わったら、計算された税金の清算を行います。

納付する場合(追加で税金を払う):
原則として3月15日までに所得税を納付します。
納付方法は「口座振替(振替納税)」「クレジットカード払い」「スマホアプリ決済」「コンビニ納付」「金融機関や税務署の窓口で納付」などから選べます。口座振替を利用すると、引き落とし日が4月中旬〜下旬頃になるため少し猶予が生まれます。

還付を受ける場合は、確定申告書に指定した自分名義の金融口座へ、申告から1〜2ヶ月程度(e-Taxの場合は約2〜3週間)で還付金が振り込まれます。

フリーランスの経費になるもの・ならないもの

確定申告で正しく節税をおこなうための要となるのが、経費の計上です。

「これは経費に入れていいのだろうか?」と判断に迷うことも多いでしょう。

経費の基本的な考え方と、業務とプライベートが重なる費用の処理方法について解説します。

フリーランスが経費にできる主な費用

フリーランスが経費にできるのは、原則として事業(仕事)で売上を得るために直接必要だった費用です。

事業に関係していることが説明できるものであれば、幅広く経費として認められます。

代表的な勘定科目と具体例は以下の通りです。

勘定科目 具体的な支出例
消耗品費 パソコン、スマホ、デスク、チェア、文房具、名刺作成費など
通信費 インターネット回線代、スマホの月額基本料金、切手・送料など
旅費交通費 打合せや取材のための電車賃、バス代、タクシー代、宿泊費など
接待交際費 クライアントや業務パートナーとの食事代、カフェ代、お中元・お歳暮など
会議費 打ち合わせ目的の喫茶店代、コワーキングスペースのドロップイン利用料など
外注工賃 イラスト制作やコーディング、記事執筆などを外部に依頼した際の費用
新聞図書費 業務に必要な専門書、雑誌、有料メルマガ、業務関連の電子書籍代など
研修費 スキルアップのためのセミナー参加費、スクール受講料、講座費用など
地代家賃 事務所やワークスペースのレンタル料、自宅の一部を事務所とする家賃

PCや撮影機材などの固定資産で、1点あたり10万円以上(青色申告の特例を使う場合は30万円以上)のものは、一括で経費にせず減価償却を行って数年に分けて経費化する場合があります。

プライベートな支出は経費にできない

仕事に関係のないプライベートな支出は、当然ながら一切経費にすることができません。万が一、税務調査が入った際に、事業との関連性を合理的に説明できないものは除外しておく必要があります。

【経費にできないものの代表例】

  • 私的な飲食代や旅行代: 家族や友人との食事代、事業に関係のないプライベートな旅行費用
  • 日常の衣類・美容代: 私服、スーツ、美容院代(※モデルやタレントなど、演者としての露出が仕事である場合を除く)
  • 自分の生活費や医療費: 自分自身の毎月の生活費や病院の診察代、薬代(※医療費は「医療費控除」として所得控除の対象になります)
  • 税金・各種罰金: 所得税や住民税、交通違反の反則金など
  • 業務に関わらない資格取得費: 現在の事業と全く関係のない個人的な趣味の講座代

事業の売上につながる支出かどうかを基準として判断するのがポイントです。

家賃・通信費・電気代などは家事按分する

自宅をオフィスとして仕事をしているフリーランスの場合、家賃や電気代、インターネット代などは「生活費」と「事業費」が混ざった状態になります。

このような費用は、仕事で使っている割合を合理的に算出し、その分だけを経費に計上します。この作業を「家事按分(かじあんぶん)」と呼びます。

【家事按分の基本的な計算ルール】

  • 地代家賃:
  • 床面積の割合で計算するのが一般的です。

    例: 家賃10万円(全床面積50㎡)で、仕事専用スペースとして10㎡の部屋を使っている場合
    10㎡ ÷ 50㎡ = 20% (事業割合)
    経費にできる金額: 10万円 × 20% = 2万円 / 月

  • 通信費・プロバイダ代:
  • 「利用時間」や「日数」の割合で計算します。

    例: 月額6,000円のインターネット代で、週5日・1日8時間ほど仕事で使用している場合(およそ全体の30〜50%程度)
    経費にできる金額: 6,000円 × 50% = 3,000円 / 月

  • 電気代:
  • 「コンセントの数」や「使用時間」の割合で算出します。(※ガス代や水道代は、飲食店などを除き原則として仕事で大量に使用しないため、経費化は難しいケースが多いです)

家事按分でもっとも重要なのは、なぜその割合にしたのかを第三者(税務署)に説明できる根拠を用意しておくことです。「なんとなく半分経費」とするのではなく、面積や使用時間などの計算根拠をメモとして手元に残しておくと安心です。

フリーランスが確定申告をしない・期限に遅れるとどうなる?

確定申告の期限(原則 毎年3月15日)を守らなかったり、申告そのものを放置してしまったりすると、本来納めるべき税金に加えてペナルティが発生したり、税制上の優遇措置を失ったりする大きなリスクがあります。

期限に遅れた場合に生じる4つの主なペナルティや不利益について確認しておきましょう。

無申告加算税が課される可能性がある

期限までに申告を行わなかった場合、本来納めるべき税額にプラスして、無申告加算税というペナルティの税金が課されます。

税務署からの指摘を受けてから申告した場合の税率は以下の通りです。

  • 納付税額のうち50万円までの部分:15%
  • 納付税額のうち50万円を超える部分:20%

【具体例】本来の納税額が100万円の場合
50万円までの部分(50万円 × 15%)= 7万5,000円
50万円を超える部分(50万円 × 20%)= 10万円
合計:17万5,000円 の加算税が上乗せされます。

軽減措置や不適用の条件

ただし、税務署からの指摘を受ける前(税務調査が入る前)に自主的に期限後申告を行った場合は、加算税率が一律5%に軽減されます。

さらに、以下の3つの要件をすべて満たす場合、無申告加算税はかかりません。

  • 期限後申告が、申告期限(3月15日)から1ヶ月以内に自主的に行われていること
  • 期限後申告で納付すべき税額の全額を、納付期限(申告書を提出した日)までに納付していること
  • 申告日の前日から過去5年間の間に、無申告加算税や重加算税を課されたことがなく、期限内申告の意思があったと認められる不適用措置を受けていないこと

また、災害や感染症などのやむを得ない事情で遅れてしまった場合は、申請することで申告期限の延長が認められるケースもあります。期限に遅れてしまったと気づいた時点で、できるだけ早く誠実に対応することが被害を最小限に抑えるポイントです。

延滞税が発生する可能性がある

税金の納付期限(原則 3月15日)までに納付が完了しなかった場合、無申告加算税とは別に、延滞税という利息に相当する税金が発生します。

加算される期間:
納付期限の翌日から、実際に全額納付した日までの日数に応じて計算
税率:
納期限の翌日から2ヶ月を経過する日までは低めの割合、2ヶ月を過ぎると高い割合(年10%〜14%前後の高い水準)に跳ね上がります。

遅れれば遅れるほど日割りでペナルティ額が膨らんでいくため、確定申告書を提出したら速やかに納税まで済ませることが重要です。

青色申告特別控除が減る可能性がある

青色申告で最大の節税メリットである、65万円(または55万円)の特別控除を受けるための絶対条件として、確定申告書を期限内(3月15日まで)に提出することがあります。

もし申告期限を1日でも過ぎてしまうと、65万円(55万円)控除を受ける権利を失い、控除額が最大10万円まで減額されてしまいます。控除額が減るとその分だけ課税所得が増えるため、納める税金が高くなってしまいます。

青色申告の承認が取り消される可能性がある

期限後申告を繰り返していると、税務署から青色申告の承認そのものを取り消されてしまう恐れがあります。

具体的には、2期連続で期限後申告を行ってしまうと、青色申告の承認が取り消しになります。

承認を取り消されると、65万円控除や赤字の繰越といった青色申告の特典が一切使えなくなり、過去に遡って修正申告を求められる事態にもなりかねません。

青色申告は大きな節税効果が得られる反面、期日やルールの遵守に厳格です。「どうしても締め切りや期限を守るのが苦手…」という自覚がある方は、手続きが比較的シンプルな白色申告での運用を検討するのもひとつの選択肢です。

フリーランスの確定申告をラクに済ませる方法

「確定申告は面倒で時間がかかる…」と苦手意識を持っているフリーランスの方は少なくありません。しかし、ツールや仕組みを上手に活用すれば、作業時間や手間を大幅に削減することができます。

確定申告を少しでもラクに、そして正確に済ませるための6つのコツを解説します。

クラウド会計ソフトを利用する

確定申告の作業効率を劇的に上げるもっとも効果的な方法が、クラウド会計ソフトの導入です。フリーランスが確定申告をするなら、クラウド会計ソフトを使わない手はないと言っても過言ではありません。

現在、個人の確定申告向けクラウド会計ソフトは『freee』『マネーフォワード クラウド』『弥生』の3社が市場の90%以上のシェアを占めています。知識が少ない方でも、質問に答える形式やシンプルな画面案内に沿って進めるだけで、複雑な複式簿記の帳簿や確定申告書を作成できます。

手書きやエクセルでの管理に比べてミスが激減し、青色申告の最大65万円控除に必要な書類も自動生成されるため、導入する価値は十分にあります。


事業用の銀行口座やクレジットカードを分ける

プライベートと仕事のお金が混ざっていると、毎回の取引ごとに仕事用とプライベート用と仕分ける膨大な手間がかかります。

これを防ぐために、プライベート用とは別に事業専用の銀行口座と事業専用のクレジットカードを作成・用意しておきましょう。

仕事に関わる入出金を専用口座・カードに一本化するだけで、生活費などの不要なデータを判別するストレスがなくなり、記帳作業が格段にスムーズになります。

銀行口座やクレジットカードを会計ソフトと連携する

事業用の口座やカードを用意したら、それをクラウド会計ソフトと連携させましょう。

連携を設定しておけば、日付・金額・取引先などの明細データが会計ソフトへ自動で取り込まれます。あとは画面上で勘定科目を確認して登録するだけで記帳が完了するため、手入力による転記ミスや入力漏れをゼロに近づけることができます。

確定申告書等作成コーナーとe-Taxを利用する

書類作成から提出までのプロセスをラクにするには、国税庁のWebサイトにある確定申告書等作成コーナーと、e-Tax(電子申告)の組み合わせが最適です。

自動計算でミス防止:
画面の案内に沿って数字を入力するだけで、税額や控除額が自動計算されます。
自宅から即座に提出:
マイナンバーカードとスマートフォン(またはICカードリーダー)があれば、税務署へ足を運んだり郵送したりすることなく、自宅からオンラインで提出が完了します。
還付が早い:
書面提出よりも処理がスムーズなため、税金の還付を受ける場合の入金スピードが早くなります(約2〜3週間)。

マイナポータル連携で控除情報を取得する

確定申告書を作成する際、マイナポータル連携を活用するとさらに手間を省くことができます。

マイナポータルとe-Taxを連携させることで、医療費・ふるさと納税(寄附金控除)・生命保険料控除・地震保険料控除などのデータを一括で取得し、申告書へ自動反映させることが可能です。

準備の流れと注意点

連携を利用するためには、以下のステップで事前設定を行います。

ステップ 内容
1. 利用者登録 マイナポータルアプリをインストールし、マイナンバーカードを読み取ってログインします。
2. 証明書の選択 「確定申告の事前準備」ページで、医療費やふるさと納税など取得したい証明書等を選択します。
3. サービス連携 e-Taxやねんきんネット、民間送達サービスとマイナポータルを紐付けます。
4. 企業との連携 保険会社や民間送達サービス等と、証明書を発行する企業との連携設定を行います。
5. e-Taxの設定 e-Taxのマイページで、給与所得の源泉徴収票情報などの取得希望を登録します。

マイナポータル連携には、マイナンバーカード・カード読み取り対応スマホ・事前設定したパスワード(数字4桁および英数字6〜16桁)が必要です。また、民間企業や公的機関との連携設定やデータ取得には数日かかる場合があるため、申告期限ギリギリではなく余裕を持って事前準備を進めておきましょう。

難しい場合は税理士に相談する

「どうしても数字の計算が苦手」「本業が忙しくて確定申告に時間を割けない」「適切な節税アドバイスを受けたい」という場合は、税理士へ外注・相談するのがもっとも確実な方法です。

税務のプロに依頼することで、書類作成や申請のミスがなくなるだけでなく、自分では気づけなかった適切な節税対策の提案や、経営上のアドバイスを受けられるメリットもあります。

費用の目安:
本業フリーランスの場合、確定申告の代行費用は最安値でも年間10万円〜が相場となります。
依頼するタイミング:
駆け出しの時期や収入が少ないうちは費用負担が大きいため、まずはクラウド会計ソフトを使って自分でチャレンジし、事業が軌道に乗ってお金と時間に余裕が出てきた段階で税理士への外注を検討するのがおすすめです。

フリーランスの確定申告に関するよくある質問

確定申告を進める中で、多くのフリーランスが直面する疑問や不安について、分かりやすく回答します。

開業届を出していなくても確定申告できる?

問題なく確定申告できます。

税務署に個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)を提出していない状態であっても、一定以上の所得がある場合は法令上、確定申告をおこなう義務があります。税務署は開業届の提出有無にかかわらず、実際の所得に対して課税をおこなうためです。

ただし、開業届を出していない場合は自動的に白色申告での申告となります。最大65万円の控除や赤字の繰越といった青色申告のメリットを受けるためには、事前に開業届および青色申告承認申請書を税務署へ提出しておく必要があります。

赤字になった年も確定申告したほうがいい?

白色申告でもメリットはありますが、とくに青色申告をしている場合は必ず申告すべきです。

赤字(収入よりも経費が上回った状態)の場合、所得税は0円になるため、納税の観点だけで言えば確定申告の義務はありません。しかし、申告をすることで以下のような大きなメリットが得られます。

純損失の繰越控除(青色申告):
赤字の金額を翌年以降最大3年間繰り越すことができます。翌年黒字になった際、前年の赤字分を差し引いて節税することが可能です。
源泉徴収税の還付:
クライアントからあらかじめ引かれていた源泉徴収税がある場合、確定申告をすることで全額が戻ってきます(還付金)。
所得証明の確保:
申告をしないと「所得ゼロ」ではなく「未申告」扱いになり、住民税の非課税証明書や融資・賃貸契約に必要な所得証明書が発行できなくなります。

副業所得が20万円以下なら何もしなくてもいい?

所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は別途必要です。

会社員などの給与所得者が副業で得た所得(収入から経費を引いた利益)が年間20万円以下の場合、国のルールとして所得税の確定申告は免除されます。

ただし、地方税(住民税)には「20万円以下は免除」という特例が存在しません。そのため所得税の確定申告をしない場合は、お住まいの市区町村役場へ行き住民税の申告を個別で行う必要があります。

医療費控除や住宅ローン控除などで本業の所得税確定申告をする場合は、副業の所得が20万円以下であっても併せて申告する必要があります。

支払調書が届かなくても確定申告できる?

支払調書がなくても確定申告は可能です。

支払調書は、クライアント(発注者)が、誰にいくら支払ったかを税務署へ報告するための書類であり、フリーランス側への発行・送付は法令で義務付けられているわけではありません。

確定申告は、自社が発行した請求書や銀行口座への振込明細などをもとに、売上や源泉徴収額を集計して作成します。支払調書の到着を待つ必要はなく、手元の取引記録をベースにして申告書を作成・提出して問題ありません。

領収書をなくした費用は経費にできない?

領収書がなくても、支払いの客観的な事実が証明できれば経費にできます。

領収書やレシートを紛失してしまっても、以下のような代替書類があれば証拠として認められます。

  • クレジットカードの利用明細・Web明細
  • 銀行口座の振込明細・通帳の記録
  • 購入完了メールやオンラインショップの購入履歴画面
  • 出金伝票(割り勘の食事代や慶弔費、交通費など領収書が出ない場合)

日付・支払先・金額・購入内容(事業上の理由)がわかるメモや記録を補足として残しておくことで、経費として適切に計上できます。

確定申告後に間違いに気づいた場合はどうする?

気づいたタイミング(申告期限の前か後か)と、税額が増えるか減るかによって手続きが異なります。

申告期限内(3月15日まで)に気づいた場合:
改めて正しく作成した申告書を再提出するだけで上書き(訂正申告)されます。
申告期限後に気づき、納める税金が少なすぎた(追加で払う)場合:
修正申告を行います。税務署から指摘を受ける前に自主的に申告すればペナルティを最小限に抑えられます。
申告期限後に気づき、納める税金が多すぎた(納め過ぎを取り戻す)場合:
更正の請求を行うことで、納め過ぎた税金の還付を受けることができます(申告期限から5年以内)。

インボイス登録をしていると消費税の申告も必要?

必要です。所得税の確定申告とは別に、消費税の確定申告をする義務が生じます。

インボイス制度の適格請求書発行事業者として登録をした場合、売上規模にかかわらず全員が課税事業者となります。そのため、毎年3月15日までに提出する所得税の確定申告に加えて、毎年3月31日までに消費税の確定申告・納付を完了させる必要があります。

所得税とは別に申告書を作成し、預かった消費税から支払った消費税を差し引いて納付額を計算する作業が発生するため、会計ソフトの消費税設定などを事前に確認しておきましょう。

まとめ

確定申告はフリーランスとして働く以上、避けては通れない道です。

慣れないうちは大変かもしれませんが、一度流れや計算方法を理解してしまえばさほど苦にならないで行えるようになります。

自分がしっかり必要な分だけ税金を納めているのか確認し、必要以上に払っているお金を取り戻す機会として確定申告を前向きにとらえてもらえれば幸いです。

(執筆:小野祐紀 編集:Workship MAGAZINE編集部 監修:トージンFP事務所)

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