フリーランスエンジニアのよくある末路【エンジニアが解説】

「フリーランスエンジニアはやめとけ」

インターネットやエンジニアの現場などでよく聞くセリフですが、こう言われるには理由があります。今回の記事では、現役エンジニアがフリーランスエンジニアのよくある「末路」や、独立失敗を防ぐための対策などを解説します。

フリーランスエンジニアのメリットだけを見るのではなく、デメリットも把握したうえで、フリーランスエンジニアとしての成功を目指しましょう。

フリーランスエンジニアのよくある末路

フリーランスエンジニアとして成功し、バリバリ働いている方がいる一方で、夢破れ会社員エンジニアに戻られている方もたくさんいます。

ここでは、フリーランスエンジニアがたどるよくある「悲惨な末路」や「失敗」のパターンを10個ほどピックアップして解説を進めます。

末路1. 収入が少ない/不安定すぎて生活できなくなる

フリーランスエンジニアは基本的には案件ごとに収入を得るため、収入は仕事量に左右されやすいです。

案件がなければ収入はゼロになるため、貯金がなければ生活費を切り詰めることになり、安定した生活を送ることが難しくなります。

また収入がなければ仕事を選ぶ余裕もなくなり、単価や条件の悪い案件を引き受けがちになります。

いったん負のスパイラルに陥ると、なかなか抜け出せなくなりがち。どれだけ長時間働いても思うように稼げないということから、やむを得ずフリーランスをやめてしまう方も多いです。

末路2. 長期案件の終了で生活が不安定になる

企業のシステム保守・運用案件であれば、数年にわたる長期契約に就くことも少なくありません。ですが、それでも案件が突然終了となるリスクは常に想定しておく必要があります。

長期案件が突然終了となることで、次の案件が見つかるまでの間、収入が途絶えることに。生活が一変し、精神的に追い詰められることもあります。

新規案件の獲得に向けた営業活動を行いながら、短期のアルバイトで生計を立てる方もいるほどです。

末路3. スキルが停滞し、案件が取れなくなる

昨今のIT業界の変化のスピードは著しく、常に最新のスキルと知識が求められる状況でもあります。フリーランスエンジニアは企業に所属していないため、社内教育などでのスキルアップ支援が受けにくいのが実情です。

そのため、自発的に最新技術を学ばなければ、自らのスキルは停滞するといえるでしょう。

IT業界では、スキルの停滞は収入減に直結すると言っても過言ではありません。結果、新しい案件への応募時にスキル面で他者に劣り、応募しても他のエンジニアに競り負ける可能性が高くなります。

末路4. 仕事ぶりが悪く、信頼を失う

フリーランスエンジニアには上司がいません。そのため、自分で適切に業務マネジメントを行わなければ、仕事のクオリティが徐々に低下していくことが考えられます。

作業ミスや納期遅延が頻繁に発生するようであれば、クライアントからの信頼を失うでしょう。ビジネスにおいて、一度失った信頼を取り戻すことは難しいです。

また横のつながりから業界での評判を落としてしまい、新規案件の獲得そのものが困難となることも考えられるでしょう。

末路5. 働き過ぎて体を壊す

フリーランスエンジニアにとって、仕事が殺到するのは本来嬉しいこと。ですが、結果として休みを取らずに働き詰めになってしまい、睡眠不足になったり、長時間のデスクワークで身体にダメージが出たりしてしまう方も。

また昨今では、在宅ワークという環境も手伝い、過度の長時間労働につながりやすくなってきています。睡眠不足や偏った食生活から体調を崩し、最悪の場合は入院を余儀なくされることも考えられるでしょう。

仕事を長期間休むと厳しい状況に追い込まれやすいので、無理せず適切に休みをとることが不可欠だといえます。

末路6. プレッシャー/孤独で精神を病む

会社員であれば、困ったことがあっても上司や同僚に助けを求めることができます。またアドバイスを貰うことで、効率的に仕事をすることもできるでしょう。

しかし、フリーランスエンジニアは案件の獲得から日々の業務などを、基本的には自分ひとりで行います。自力では解決できないような問題が発生しても上司のような人はいないため、後で大きなトラブルに発展することも少なくありません。

そういった孤独感やストレスが蓄積することで、強迫観念や深刻なうつ状態に陥る方もいます。とくに躁うつ病などの既往歴がある方は要注意です。精神を病んでしまい仕事ができなくなると、治療に専念せざるを得なくなるでしょう。

末路7. 確定申告などの事務がこなせず、苦しくなる

会社員時代にはあった源泉徴収がないので、フリーランスは確定申告を行う必要があります。経験のある方はご存じの通り、申告作業はかなり面倒です。

プログラミング能力に長けていても、事務管理能力はさっぱりだというエンジニアはたくさんいます。税理士に依頼するにも、それが大きなコスト負担となることは間違いないでしょう。

また申告漏れが発覚すれば、場合によっては重加算税率が適用されることもあるので、予期せぬ支出につながることも考えられます。日々の取引記録は定期的に帳簿付けするクセは付け、事務作業を後回しにすることは避けましょう。

末路8. 税金や社会保険料が払えなくなる

フリーランスは基本的には国民健康保険に加入する必要があり、転向後は今まで会社が払ってくれていた分の保険料まで支払うことになるので、支払う保険料は二倍になります。

また住民税は、前年度の所得をベースに決まるため、会社員時代の給料が高い方は、フリーランス1年目の収入が低かろうが、高額の住民税の支払いを余儀なくされます。

そのため、フリーランス転向後に支払う社会保険料や住民税の額をきちんと把握したうえで貯金額を用意しないと、資金繰りが逼迫し支払いが滞ってしまいます。

末路9. 40代以降に体力・気力が持たなくなる

自由な働き方ができるフリーランスエンジニアではありますが、年齢を重ねるにつれて体力的に厳しくなるのは事実です。

とくに40代以降は、IT技術の目まぐるしい変化に対応するのが困難となり、睡眠時間を削って学習に取り組むことも辛く感じられるでしょう。

またクライアントからの突然の要望変更などに対応する気力の維持も難しさを増します。体力的なおとろえ・精神的な疲労などが重なると、仕事のパフォーマンスの低下に拍車がかかることもあります。

末路10. お金に困って借金を繰り返し、最後は破産する

フリーランスは収入が安定しないのが難点のため、十分な蓄えがないと、どうしても単価の悪い案件や悪条件の仕事を引き受けがちになります。その結果、なかなか安定した生活を手にできないという状況に陥ります。

収入の不安定さから借金を重ね、最後には自己破産にまで追い込まれてしまうフリーランスエンジニアもなかには存在します。そのため、金銭面での自立も強く求められます。

フリーランスエンジニアに向いている人の特徴

フリーランスエンジニアとして「悲惨な末路」をたどらないためにも、あらかじめ自分がフリーランスに向いているのかどうかは把握しておく必要があるでしょう。

ここでは、フリーランスエンジニアに向いている人の特徴を解説します。

特徴1. スキルが十分にある

まず大前提として、自分のスキルが十分なレベルにあるかが大切となります。なぜなら、フリーランスエンジニアは基本的には即戦力としての活躍を期待されているからです。

また単に業務を遂行する力だけでなく、新しい技術を自主的に学び、スキルアップを続けられる力も不可欠でしょう。

たとえばWeb系のエンジニアであれば、今流行りの言語やフレームワークを使えるだけでなく、新しいスキルの動向などにも興味を持ち、敏感にならなければなりません。

こうした学習意欲や成長力が高ければ、クライアントからの要望変更にも素早く対応でき、かつ業界全体の流れの変化にも柔軟に適応できるでしょう。

特徴2. 自己管理能力がある

フリーランスエンジニアには上司がいないので、自分自身で日々のタスクをマネジメントし、業務を確実に遂行できる自己管理能力が求められます。

また高いパフォーマンスを維持するためには、「睡眠時間を十分に確保する」「運動を欠かさない」「ストレスはため込まない」など、生活習慣の管理までできる必要があります。

長期間フリーランスエンジニアとして働き続けるためには、健康面のセルフケアができるかどうかは重要な要素となります。

特徴3. 明確なビジョンを持っている

「3年後にはこの分野の専門家として認知される」「5年後には起業する」など、具体的な将来のビジョンを持っているフリーランスエンジニアは、モチベーションを維持して突き進めるので、高いパフォーマンスを発揮できます。

ときには大変なこともあるかもしれませんが、その先に自分が目指す姿があれば乗り越えられるのではないでしょうか。

フリーランスエンジニアとして生き残るためには、明確なビジョンを持つことができるかどうかが非常に重要な要素となるはずです。

フリーランスエンジニアが悲惨な末路をたどらないための対策

フリーランスエンジニアの誰もが悲惨な末路をたどっているわけではありません。フリーランスエンジニアに転向して収入アップを勝ち取り続けている方もたくさんいます。

そのようなフリーランスエンジニアになるためには、やはり事前にしっかりとした対策を取っておくことが不可欠でしょう。

対策1. 常に向上心を持ち、新たな知識を習得し続ける

昨今のIT業界の進化は目まぐるしいものがあり、常に新しいスキルやテクノロジーが登場している印象です。このような環境下で、フリーランスエンジニアとして活躍し続けるためには、新たな知識やスキルを学び続ける習慣づくりが大切となります。

ひいては、40代以降に受注できる案件の幅もぐっと広がるはずです。

フリーランスエンジニアは、経験のある分野の案件しか受注できないという懸念があるかもしれません。しかし学習意欲があり、かつマルチなスキルを持ち合わせている方なら、経験の浅い分野でも案件を受注できる確率は高くなります。

フリーランスエンジニアの「仕事内容を自分で選べる」というメリットを活かし、興味のある新たなスキルを扱える案件を見つけて、仕事を通して最新のスキルを学んでいくのも選択肢のひとつといえるでしょう。

対策2. リスクの分散はしておく

フリーランスエンジニアになるデメリットとして、「長期案件が終了すると、仕事がなくなる可能性がある」ということが挙げられます。

会社員のケースでは、長期プロジェクトが終了しても、息つく暇もなく次のプロジェクトにアサインされますが、フリーランスは自分で営業を行わない限り、次の案件に自動でアサインされることはありません。

長期的な開発案件に取り組んでいる場合でも、その案件が終わる前に必ず次の案件を探して営業をはじめるようにしましょう。

ひとつの企業や案件だけに頼るのではなく、別の企業の案件でもすぐに請けられる体制づくりをしておくことで、リスク対策になるはずです。

対策3. 独立前に経験は積んでおく

フリーランスとして独立する前に、「副業」としてエンジニアリングに取り組めば、経験を積むことができます。

会社員をしながら副業を行っておけば、退職してから案件を探す必要もなく、収入がゼロになる心配もありません。

仮に副業であれば、思ったように利益が出なくても、会社員という本業があるためとくにストレスを感じることもないでしょう。また案件の獲得が上手くできないケースでも、副業であればそこまで慌てず対策できるはずです。

対策4. 40代以降の仕事の取り方も計画しておく

フリーランスエンジニアには定年などの概念がとくにないので、働こうと思えばずっと働くことができます。ですが、経験上40代を過ぎると受けられる案件の数は減少していきます。

仮に十分なスキルを持ち合わせていたとしても、案件によっては若い世代に限定していることも多く、年齢を理由に足切りされてしまう可能性は否定できないでしょう。

体力や気力、最新スキルへの知識などを考慮して若い世代が優先されることはいたし方ないことですが、一方で新しい人材を育成するために、アドバイザーや講師になって知識やスキルを伝えていくという、若手にはできない活躍の仕方もあります。

また、若手が興味を持たないであろう古い技術、たとえば「COBOL」を使った案件などに取り組めば、保守・運用案件がほとんどなので、長期的な案件にもつながってくるといえます。

対策5. 再就職も視野に入れておく

フリーランスエンジニアとして活躍することに限界を感じたら、会社員に戻るという選択肢も視野に入れておきましょう。

仮に副業では上手くいっていたことでも、いざフリーランスとして独立してみると収入が大きく減ったり、案件が獲得できなかったりすることは十分に考えられます。

「会社員には絶対に戻らない!」と、自ら退路を断つのではなく、再就職も視野に入れて柔軟に取り組むことをおすすめします。

対策6. コネクションは積極的に作る

フリーランスエンジニアとして独立してからも案件を紹介してもらえるよう、コネクション作りは積極的に行っておきましょう。

会社員時代から人脈を広げておくことで、独立してからの案件獲得につながるだけでなく、フリーランス同士での情報交換にも役立つはずです。

仕事を通してできた人や企業とのつながりは大切にし、人脈を広げていくことで、いつか役に立つ時が来ます。そのためにも、まずは仕事において不義理は行わず、常に誠実に向き合うことが大切だといえるでしょう。

また昨今では、勉強会やセミナーなどに参加し、SNSで情報を発信する方法でコネクションを広げている方もなかにはいます。「connpass」や「DoorKeeper」といったイベント検索サービスなどを活用し、勉強会などにも積極的に参加してみましょう。

対策7. マッチング・エージェントサービスを活用する

フリーランスエンジニアにとってとくに負担となるのが、「営業活動」ではないでしょうか。そのため、営業活動による負担を軽減するために、マッチングサービスやエージェントなどを活用することも検討しましょう。

企業案件とフリーランスエンジニアとのマッチングを行うサービスを利用することで、営業活動におけるコストや時間を削減でき、その分他のことに労力を回すことができます。

フリーランスは案件が途絶えると収入も途絶えてしまうリスクがありますが、エージェントを活用することで、自分で案件探しをしなくても条件に合った案件を紹介してもらえます。

とくに「自分で営業活動するのが苦手だなぁ」と感じている方は、マッチング・エージェントサービスを積極的に活用してみると良いでしょう。

フリーランスエンジニアにおすすめのマッチング・エージェントサービス3選

最後にフリーランスエンジニアの方におすすめのマッチング・エージェントサービスをご紹介します。

1. Workship

Workship』は、「仕事を発注したい人」と「仕事を受注したい人」をマッチングさせるフリーランス・副業ワーカー向けマッチングサービスサービスです。

エンジニア向けの開発案件が充実していることはもちろんのこと、Webデザイナーや人事労務、営業といった幅広いジャンルの方も登録されており、「週1~OK」「在宅ワークOK」といった希望するスタイルに合わせて案件を選ぶことができます。

また、高単価な案件も多数揃えられており、時給1,500円~10,000円の案件も豊富です。手厚いサポートを受けつつ、高単価案件にチャレンジしたい方には、とくにおすすめのサービスとなります。

2. レバテックフリーランス

▲出典:レバテックフリーランス

レバテックフリーランス』は、ITエンジニアに特化したフリーランス向けエージェントサービスです。業界最大級の企業のため、登録者数や案件数も豊富です。

フリーランスの利用者における平均年収が約876万円となり、専属の担当者が契約更新手続きや営業活動をサポートしてくれます。

また税務サポートやヘルスケア、会員向け特典なども用意されており、大手ならではの充実した福利厚生はうれしい限りです。

3. ITプロパートナーズ

▲出典:ITプロパートナーズ

ITプロパートナーズでは、エンジニア・デザイナー・マーケター・プロデューサー向けの案件を多く取り扱われております。

直接クライアントと契約する「エンド直」形式が採用されているので、比較的高単価な案件が数多く揃えられております。また専属エージェントからも定期的にフォローやサポートを受けられるのも大きな特徴のひとつ。

スタートアップやベンチャー系の案件も多く揃えられており、新サービスの開発やトレンドの言語・ツールを活用した案件などにチャレンジしたい方にはとくにおすすめとなります。

おわりに

フリーランスエンジニアとして「悲惨な末路」をたどらないためには、やはり独立前からの事前準備が大切となります。

インターネットやSNS上では、フリーランスエンジニアになっても悲惨な末路しか待っていないといった声があるのは事実です。

ですが、しっかりと自己マネジメントを行い、仕事において不義理は行わずに、誠実に向き合う姿勢を忘れなければ、長期的な契約を企業と締結できる確率は高くなるのではないでしょうか。

本記事で解説してきた通り、悲惨な末路をたどらないためのポイントはしっかりと把握し、今一度意識するようにしてみましょう。

(執筆:kansaitarou 編集:齊藤颯人)

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