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副業は確定申告しないと会社にバレる? ポイントは「住民税」にあり【税理士監修】

副業が会社にバレる
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人手不足から国を挙げて副業を奨励するようになった昨今。しかし、まだ副業を禁止している企業は多く、副業が会社にバレたくない人もいるでしょう。

では、副業バレを防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか? 結論を述べると、確定申告を正しく行うことで副業バレのリスクを抑えられます。

この記事では、副業(事業所得・雑所得)が会社にバレないようにする確定申告の方法について解説していきます。

監修:前川 秀和(まえかわ ひでかず)
監修:前川 秀和(まえかわ ひでかず)

前川秀和税理士事務所代表。お金の苦手が変わる、難しいことも分かりやすく伝える税理士。オンラインに強く、全国からの相談に対応。フリーランスや独立を目指す方へのオンラインコンサルティングに力を入れている。個人ブログ:https://www.hmj-blog.com/

副業が会社にバレる3つのケース

まず、前提として「なぜ副業は会社にバレるのか」を整理します。

ケース1. 住民税の額で会社にバレる

副業は住民税によってバレる可能性があります。

住民税とは、住んでいる地域の行政サービスを維持するために、分担して支払う税金のこと。住民税の金額は、前年度の1月〜12月までの所得によって決まります。

そんな住民税によって副業がバレる理由は、前年度の所得に副業分が加算されてしまうから。たとえば、会社からの給与所得が300万円、副業での所得が100万円だとしましょう。通常なら300万円に住民税がかかるのに対し、副業をしていると100万円を加算した400万円分に住民税がかかってしまいます。ここで金額に差が出てしまい、会社にバレる可能性があるのです。

また、本業の給料から住民税は天引きされるため、会社には市区町村から住民税決定通知書が送付されます。それにより、住民税の金額は、本業の会社が知るところとなります。会社の経理がこの通知書をみて「この人、去年の給料の割に住民税の額が多いな。もしかして副業をしているのでは?」と気付いてしまうのです。

ケース2. 他人を通じてバレる

副業禁止の会社で働いていても、ついつい副業をしていることを誰かに話してしまいがち。しかし、こうして誰かに話したことが社内中に伝わってしまい、副業がバレることもあります。「信頼できる人だからいいかな」と思ってコッソリ話したことが、翌日には社内中に知れわたっている、なんてこともあり得るのです。

副業禁止の会社では、社内の人に事情を話すのはやめておきましょう。

ケース3. 業務中にバレる

副業をはじめると、本業の最中にもつい気になってしまいますよね。とくに、デスクワークをしている人は、インターネットにさえつながっていれば副業ができる環境です。

しかし、いつどこで誰が見ているかわかりません。「ちょっとくらいならいいか……」と社用PCで副業でもしようものなら、検索履歴を消したとしても、企業のネットワーク履歴に情報が残るケースがほとんど。業務中に副業をしているとバレてしまうのです。

確定申告をすると副業バレのリスクを抑えられる

上記のような副業バレを防ぐためには、まず確定申告をする必要があります。ここでは、副業をしている人の確定申告についてくわしく解説します。

確定申告が必要なワケは「副業分の住民税の支払い方法を選べる」から

確定申告とは、1年間の所得と所得にかかる税金を算出し、国に納める税金額を報告する仕組みです。会社員の場合は、1年間の所得を「年末調整」という形で会社がおこなっています。そのため、会社員は確定申告をする機会が少ないと思います。

しかし、副業でバレないためには確定申告が必須です(バレる・バレないにかかわらず、一定の場合には確定申告をする必要があります)。なぜなら、副業で稼いだ分の所得を確定申告で報告しておくことで、住民税の支払い方法を、本業部分と副業部分に分けることができるからです。

確定申告では、申告する際に住民税の支払い方法を選択できます。支払い方法は、特別徴収と普通徴収の2つがあり、特別徴収の場合は本業の方の給与から天引きされてしまうのです。一方、普通徴収の場合は納付用紙が自宅に届き、自分で住民税を支払うことができます。

つまり、副業の所得分を普通徴収で申請することにより、副業分の住民税だけを別に納められるのです。会社に副業がバレたくない人は、絶対に住民税を普通徴収で申告するようにしてくださいね。

具体的な申告方法を知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。

慣れてきたら青色申告がおすすめ

確定申告に慣れてきた人には、事前申請をすることで最大65万円の税金控除が受けられる青色申告という申告方法がおすすめです。

確定申告には「白色申告」と「青色申告」があります。なにも事前申請をしていない場合は自動的に白色申告になり、特別な控除を受けられません。一方、青色申告は、事前に開業届と青色申告承認申請書を税務署に提出することで、大きな控除を受けられます。

青色申告の控除を受けるためには、

  • 複式簿記とよばれる複雑な方法での帳簿記入
  • 貸借対照表
  • 損益計算書

などが必要ですが、最近はクラウド会計ソフトの普及により、比較的カンタンに青色申告ができるようになりました。

副業で継続的に収益を得られるようになった場合は、事業として認められる可能性が高くなるため、ぜひ青色申告を利用してみましょう。

副業バレを防ぐためにできる2つのこと

確定申告をすれば副業バレのリスクは減りますが、確実にバレないとは言い切れません。そこで、少しでも会社にバレる可能性を下げるための方法をご紹介します。

できること1. 絶対に副業の話をしない

どんなに信頼できる人だったとしても、副業について話さないことを徹底しましょう。社内の同僚であればなおさらです。

同じ会社にいながら副業で収益を得ている話を聞くと、嫉妬心から、あるいは出世レースの妨害をねらった「密告」のリスクがあります。よけいなリスクを増やさないためにも、他言は絶対NGです。

できること2. 税務課に事前相談する

じつは、普通徴収を希望して申請を出したとしても、ヒューマンエラーによって特別徴収になってしまう場合があります。人の手が介入する以上、こうした人的ミスは防げません。

この対策は、住んでいる地域の市役所にある税務課に事前相談をすることです。事前に相談すると相手が自分のことを認識してくれるため、書類のチェックも念入りにおこなってくれる傾向にあります。

筆者も実際に試してみましたが、事前に相談していたおかげで「住民税がしっかり普通徴収になっているか確認しますね!」とていねいに対応してもらえました。

相談は無料なので、どうしても心配な方は相談してみることをおすすめします。

まとめ

副業は、確定申告を正しくおこなえばバレるリスクを最小限に抑えられます。

副業として安定した収益が得られるようになったら、青色申告でお得に確定申告していきましょう。

(執筆:Yukki 編集:齊藤颯人 監修:前川秀和税理士事務所

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