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2年間続いてきたTwitterマーケティング連載も、今回で最終回を迎えます。
「Twitterマーケティング」をテーマに、Twitter運用方法やアカウント活用術、企画力の大切さやTwitterに対する考え方などを聞いてきた本連載。記念すべき最終回は、2019年に女子大生モノマネ動画が大バズりし、フォロワー10万人に達したくつざわさんにお話を伺います。
人生を大きく揺さぶったTwitterに対して、くつざわさんは何を思うのでしょうか。第一声に「モノマネ動画を投稿していた過去は消したいです」と言われ、あたふたしてしまいました。
モノマネ動画がバズり、3日間でフォロワー5万人増。2021年現在フォロワー10万人超えを記録。過去には「令和初のバズ女子大生」と呼ばれていたことも。動画撮影や文章執筆などに携わる。現在はSNSブランディングや観光コンサル業など幅広いジャンルで活動中。Twitter:@kutsuzawa_desu
フリーライター/株式会社GIG社会人インターン。くつざわさんの生き方に憧れとりあえずTwitterを頑張ってみるも、迷走を止められない。Twitter:@yuu_uu_
北村:
くつざわさんといえば、約2年前に大バズりした女子大生モノマネ動画が記憶に残っている方も多いと思います。3日間でフォロワー5万人増というのは、経験したことのない光景だったんじゃないかと思うのですが、改めて、当時のことをどう捉えてますか?
くつざわさん(以下、くつざわ):
正直に言ってしまうと、全部なかったことにしたいと思ってます。消したい過去です。
くつざわ:
もちろん、モノマネ動画がバズったおかげで良いこともたくさんありました。それでも、悪いことがたくさんあったのも本当なんですよね。「あの頃の私はなかったことにしたい」ってのが本音です。現に自分のTwitterアカウントからも、過去に投稿したモノマネ動画はすべて削除してます。
北村:
確かに、過去の動画はもう残ってないですね。私からしたら、もったいないことのように思えるのですが、その心は……?
くつざわ:
いま私がいる地点に到達するために、何がなんでも「モノマネ動画によるバズ」が必要だったとは思わないんですよ。
当時の私は未熟で、手札が少なかった。それに具体的な夢や目標もなければ、美学も哲学も方向性も、何もなかった。「とりあえずやってみるか!」って気持ちで、少ない手札から「モノマネ動画」というカードを切っただけなんですよね。
いま過去に投稿したモノマネ動画をもう一度撮るかと言われたら、絶対にしません。
ただ、あのモノマネ動画によるバズがあったおかげで、良いこともたくさんあったのは事実です。いまの自分にできることとできないことの区別がつくようになったし、自分なりの美学や哲学が出来上がったし、進むべき方向がわかったし、素敵な大人にたくさん出会えたし。ただ、やっぱり本音を聞かれたら「なかったことにしたい」と答えます(笑)。
北村:
くつざわさんが思う、バズったことによるデメリットを聞いてみたいです。
くつざわ:
「モノマネをしていたくつざわ」っていうレッテルが消えないことですね。
北村:
いまになっても、それは感じますか?
くつざわ:
すごく感じます。いくら私の記憶から消そうが、ネット上からデータを消そうが、モノマネ動画を投稿していた過去は消えないのかな、と。私が何か新しいことを始めようとしても「ああ、あの一発屋ね」って捉え方は、ずっと消えないのかなって思いますね。実際にそう言われたこともありますし。
たとえば私がぐるっと方向転換して「起業しました!上場を目指します!」って言ったとするじゃないですか。あ、あくまで仮の話ですよ。起業に限らず今後何かやりたいことを宣言しても、「モノマネ動画でバズった人が何かやってるのね」っていう見方は消えないと思うんです。それが悔しいんですよね……。出だしを間違えた感は否めないです。
本当は「もうあの頃の私じゃない!」って声を大にして言いたい。価値観なんて、数年あればガラッと変わりますから。でも過去にやってたことは変えられないし、周りがそう思うのも当たり前のことです。いまはそんな状況さえも受け止めて、なんとかやっていくしかないなって思ってます。
北村:
くつざわさんは最近、Twitterをあまり動かしていないように思います。現在は、どういったスタンスでTwitterと向き合ってますか?
くつざわ:
Twitterを使って何かをしたいという気持ちは、正直少なくなってきてます。今の私にとっては、あくまでTwitterは「なりたい自分になるためにブーストをかけるツール」ですね。
これまでは、何かやりたいことができたり、なりたい自分が見つかったりしたときに「Twitterを使ってどれだけ目標到達までの近道ができるか?」を考えてました。
そうしたら、あるとき混乱しちゃったんですよね。「別にTwitterを使って近道しようと思うほど、自分に実力ないじゃん!」って気づいちゃって。
くつざわ:
「じゃあTwitter関係なくイチから頑張ろう!」って思ったんです。Twitterとは関係のないところで、ちゃんと自分の力を養う。そのうえで、さらにTwitterを掛け合わせたら大きいことができるんじゃないか。そう思って、いまはTwitterアカウントを温存するつもりで、たまにツイートをして反応を見て……って状態を維持してます。
私、自分のことをインフルエンサーと呼んだことはないんですけど、確かにフォロワーが多いとメリットは多いんですよ。いろいろな方からお仕事もいただけますし。
それでも、フォロワー数=個人の実力ではないと思ってます。いまの私には10万人のフォロワーがいるアカウントは使いこなせないし、使いこなすだけの土台もない。じゃあ、ちゃんと自分の力をつけてからTwitterを使おうって気持ちが、いまは強いんですよね。
北村:
ご自身のことをインフルエンサーだと思ったことはないんですね。ただ、場によっては、インフルエンサーとしての振る舞いを求められることもあるかと思います。そういった要望や活動に関して、どう考えられていますか?
くつざわ:
たとえばイベントなどに登壇するときは、肩書きが「インフルエンサー」だと分かりやすいので、致し方なくそう呼ばれることはあります。ただ私は、私のことをインフルエンサーだとは思わないですし、自称したこともありません。
昨今SNSが台頭したことにより、インフルエンサーの存在そのものが消費対象として見られることは否めないですよね。私は消費されたくないんです。だからPR案件などをはじめ、インフルエンサーとして見られる活動はほとんど止めてます。
そもそもインフルエンサーの定義って曖昧じゃないですか? フォロワーが多いから、影響力が強いから……何をもってしてインフルエンサーと呼ぶのかが曖昧。人によって枠組みが違いすぎると思うんですよね。影響力が強い・弱い、フォロワー数が多い・少ないっていう基準で見ちゃうと、インフルエンサーの定義はどんどん曖昧になってく。
くつざわ:
確かに私にはフォロワーが10万人いますけど、10万人全員が私の言葉に耳を傾けてるわけじゃないですから。フォロワー数だけで判断する影響力って、薄っぺらいですよね。
たとえばフォロワーのAさんとBさんで「インフルエンサーとはこう在るべき」って考え方が違ったら、どちらかの理想像にうまくハマれなかったときに、その乖離の分だけ嫌悪が生じますよね。「この人はこういう感じなんだ……」ってマイナスの感情が生まれちゃうと思うんです。
私自身は「インフルエンサーとはこういうもの」って定義を持たないけど、周りからはインフルエンサーとして求められる理想像がある。それに合わせてインフルエンサーらしい行動をとらないといけないんだとしたら、それが私には難しくて……。だから、インフルエンサーという立ち位置を取りたくないんです。
「インフルエンサーとはこうあるべきもの!」といった立ち位置からは離れたところで、ただの「くつざわ」っていう人間が何かしてるって状態を保ちたいと思ってます。
北村:
今後はTwitterをどんな風に活用したいと思ってますか?
くつざわ:
私、Twitterを辞めるためにTwitterをやってるんです。
くつざわ:
昔の私って、たぶん海賊王を目指してたんですよ。「富!名声!力!全部欲しい!」みたいな。でも、ある程度有名になってみても、私自身は満足してないことに気づいちゃって。多分、欲しかったのはいわゆる富や名声とか、そんな大それたものじゃなかったんですよね。
ここ一年くらいは「自分にとっての豊かさや、自分を満足させられるものってなんだろう?」って考えてます。その結果、私にとっての幸せは「情緒」だって気づきました。
北村:
情緒、ですか?
くつざわ:
最近ひまわりを育ててるんですよ。ひまわりって、一日で芽が1cmくらい伸びるんですね。それがめっちゃ幸せで。朝起きて「そろそろクーラーつけなきゃ暑いな〜」って気温の中で、カーテンばさっ→窓ガラガラ→初夏の風ふわっ→「あ、ひまわり伸びてる!」って気づく。そういうのが、一番幸せだってわかったんです。
情緒って言葉を辞書で調べてみると「事に触れて呼び起こされるさまざまな感情や味わい・雰囲気」のことを指してるみたいです。そういったものに触れてわき起こる感性を枯らさないための時間が、私にとっての豊かさなんです。
北村:
理想的な生活ですね……!
くつざわ:
これからは「私はこういうことで日々の豊かさを感じてます」ってことをTwitterで発信していきたいと思ってます。
別にわざわざ田舎に行かなくっても、自宅でひまわりを育ててれば豊かさを感じられるのかもしれないって気づいてほしい。みんなが子どもの頃は素直に持っていたはずの情緒に、気づいてほしい。大人になって削られてしまったかもしれない感情を、身の回りから感じてほしい。
私が本当の意味でワクワクして、心から豊かさを感じて満たされてるときって、身の周りにTwitterはないんですよね。ネットのなかを探さなくったって、私を幸せにしてくれるものはすでに持ってるから「もうSNS要らない!」って思ってます。だから、いまもってる10万人のアカウントは30歳までに辞めるのが目標です。
北村:
どうしてもSNSをやっていると、「フォロワー増やしたい!」「いいねが欲しい!」という欲が生まれがちだと思います。でも、そういった視点から離れて「自分にとっての豊かさ」を見つめてみるのが大事なんですね。
くつざわ:
フォロワーが多い人がなぜ羨ましがられるかって、やっぱりそこにメリットが見えるからだと思うんです。私は実体験をもとに、良いことも悪いことも発信していければいいなと思ってます。
フォロワーが爆増した経験があるから言えることかもしれないですけど、いま私フォロワーが数百人になったとしても、絶対幸せなんですよね。
それは多分、私にとっての幸せは「五感で情緒を享受すること」だって気づけたから。いくらエモいフィルターをかけたって、スマホの画面を一枚挟むだけで情緒は簡単に薄れちゃうってことに気づけたのは、私にとってすごく良いことでした。自分なりに試行錯誤して、遠回りして、見知らぬ誰とも比較せず、みんなそれぞれが自分にとっての幸せに気づけたら日本幸せじゃね!?って私の中のギャルが言ってます。
(執筆:北村有 編集:泉 写真:じきるう)
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