【社労士解説】ジョブ型雇用時代におけるフリーランスの生存戦略とは?
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「”人を巻き込むのが上手ですよね”って言われると、不思議な感じがします。僕は、一人ひとりとのコミュニケーションを泥臭く積み重ねてるだけなんですよね」
おしゃれなオフィスの一角にて、笑顔でそう教えてくれた株式会社cotree COOのひらやまさん。noteでは繊細な筆致で読む人の心を掴み、Twitterではいいねしてくれた人のnote読みます企画、ひらやまラジオ企画などを次々と立て、周りの人を巻き込んでいます。
Twitterやnoteを活用したひらやまさんの”巻き込み力”の源泉には、いったい何があるのでしょうか。その背景にあるのは、一人ひとりと向き合う泥臭さと、「とりあえず一緒にやってみよう」精神でした。
オンラインカウンセリング事業を手掛ける株式会社cotreeのCOO。Twitterフォロワー6000人超え/noteフォロワー5000人超え。noteでの数々の企画、そしてTwitterでの「ひらやまラジオ」などで垣間見える”巻き込み力”が光る。Twitter:@yhkzk note:@kaz_hirayama
フリーライター/株式会社GIG社会人インターン。ひらやまさんのツイートに日々癒やされている。Twitter:@yuu_uu_
目次
北村:ひらやまさんのTwitterアカウントは、2018年6月からスタートしていますね。Twitterを始めたきっかけは何だったんですか?
ひらやま:最初のきっかけは、cotreeのユーザー会でしたね。そこでユーザーさんからcotreeを使ってみての感想などを聞いていたのですが、「SNSでもcotreeの情報を知りたい」とお声をいただいて。それで、放置していた公式Twitterアカウント運用を再開したのとあわせて、自分個人のアカウントも作りました。
北村:cotreeは、最近話題のオンラインカウンセリングサービスですよね。 私も使ったことあります! このサービスからひらやまさんを知ったり、反対にひらやまさんからcotreeのサービスを知ったり……この、認知の導線設計がとても上手いなと思うのですが、これはずばり戦略ですか?
ひらやま:いやあ、なんなんでしょうね?(笑)
良くも悪くも、cotreeって少人数のベンチャーなんですよ。「その会社に誰がいるか」がすごく大事で、その人がいるからこそできることも多いんです。たとえば僕はマーケティングが得意なのですが、それもあって公式Twitter運用を含めたマーケ周りのことがちゃんとできているのかなと。少ないメンバーの、できることの重なり合いの結果、良い波を生んでくれているんだと思います。
ひらやま:定期的にTwitterでやってる「ひらやまラジオ」もそうですが、cotree関係なく、僕が個人で始めてる場合も多いんですよ。
北村:え! あれって、cotreeは関係なかったんですね!?
7/19 #ひらやまラジオ https://t.co/c8QnlfV2Im
— ひらやま | cotree (@yhkzk) July 19, 2020
ひらやま:面白そうだからって理由で試しに始めてみたら、わりと続いてきたので……「じゃあcotreeの社員紹介もTwitterラジオでやってみる?」ってノリでやってました。cotreeは後からついてきたものですね。
思い返してみれば、noteも同じパターンなんです。僕は2019年2月に個人でnoteを始めたんですが、なんか……ひとりで書くのは寂しいなって思って。「みんなで一緒に書こうよ!」って誘ったら、同年4月にcotreeのnoteが始まりました。事業戦略とはまったく関係ないところからスタートしてます。
北村:みんな、ついてきてくれるものなんですか?
ひらやま:そうですね、それは……うーん……ノウハウみたいなものは、あるかもしれないです。前職でWebの制作ディレクターをやっていたのですが、たくさんの人たちと関わるなかで「この人はこう言ったらやる気を出してくれるかな」とか、一人ひとりと向き合いながら丁寧にコミュニケーションを取ることを心がけていました。
ひらやま:カレンダーを共有しておくだけで大丈夫って人もいれば、こちらから「大丈夫?」って聞いたほうが上手く進む人もいる。それぞれの人にあわせてコミュニケーションを分けているような気はします。だいぶ泥臭いことをしてるんですよね。人を巻き込むのが上手いと言われる理由は、おそらくそこにあるんじゃないかな。
僕自身は、一人ひとりとのコミュニケーションをコツコツと積み重ねているだけ。その積み上げ方が複利に効いてくると、良い波が生まれるんだろうなと。
北村:積み重ねが複利に効いてくるとは……?
ひらやま:たとえば半年前に誘った人が、半年間それを続けてくれたとしますよね。それを1ヶ月に5人やったら、半年で30人になる。30人という数字だけ見ると「すごく巻き込んでるな」と思うけど、やってることは月に5人誘ってるだけ。その積み重ねなんじゃないかな。
北村:ひらやまさんのTwitterアカウントでは、しっかりしたツイートから「美味しいカフェラテを飲みたい」などの緩いツイートまで、アカウントを分けずにつぶやいてますよね。これも意図的なものですか?
おいしいカフェラテが飲みたい(起床)
— ひらやま | cotree (@yhkzk) July 6, 2020
ひらやま:僕にとって、「カフェラテ飲みたい」みたいなツイートは、一種の魔除けなんです。
北村:ま、魔除け!?
ひらやま:たとえばビジネス系のアカウントで、フォローされたと思ったらすぐにフォローが外されてしまう現象があるじゃないですか。「ビール飲んだ」とか「カフェラテ飲みたい」とか緩いツイートを軽くしておくと、そういったビジネス系フォロワーが外れていくんですよね。「あ、この人は違うな」って思われて。
北村:なるほど。日常ツイートはある意味、ひらやまさんの属性に合わない人をよけるためのフィルターなんですね。
ひらやま:そういった基本スタンスを、こちら側から積極的に開示していくのは大事だと思ってます。
北村:そういう緩いツイートだけをする専用のアカウントを作ろうと思ったことはないんですか? いわゆる「日常アカ」「裏アカ」みたいな。
ひらやま:ないですね! 全部、この個人アカウントでつぶやいてます。
ひらやま:あえて一つのアカウントで、緩いツイートもしっかりめのツイートもする。僕としては「一人ひとりと長期的な関係性を作っていくため」にやっていることで、すべて一貫してます。
僕自身あまり好戦的ではないので、同じく好戦的じゃない人たちが集まってきてくれる。その結果、緩く平和な空間ができあがってるんじゃないかと思います。そのほうが無理なく関係性を築いていけるんですよね。
北村:「いいねされたらnote読みます企画」や「お手紙note企画」など、Twitterやnoteを絡めた企画をたくさんされていますよね。こういう企画はどんなときに思いつくんですか?
いいねしてくれた人のnoteを読んで、すきなnoteを言います。#今年も残りわずかなのでいいねしてくれた人に一言
— ひらやま | cotree (@yhkzk) December 30, 2019
ひらやま:どういうときかあ、どういうときに思いつくんだろうな……。
答えになってるか分からないですけど、僕にとって「最初の10回は企画中」なんですよね。始めたからといって、完成しているわけではなくて。とりあえずスタートするだけさせて、結果的に続いてるから企画っぽく見えてるだけなんじゃないかなって思います。もちろん、途中でやめてしまったものも山ほどありますよ。
北村:ひらやまさん個人で完結するものは少なく、人を巻き込む企画が多いですよね。
ひらやま:僕、プライベートがめちゃくちゃ緩いんですよ。ランニングとか早起きとか、一人で続けられなくて……。
ひらやま:それでも、誰かと一緒だったら自然と続けられる。Twitterラジオもそうです。僕ひとりでは始められなかったし、続けられなかった。一緒に面白がってくれる人がいるから楽しく続けられているわけで。そう考えると、「誰かと一緒に始める、そして続ける」っていうのが共通してますね。
北村:ぜひとも、その着想の原点を知りたいです……!
ひらやま:そうですよね、うーん、なんだろう……。
しいて言うなら、人とお喋りしているなかで思いつくことが多いかもしれません。相手がこの先やってみたいことについて聞いてると、「じゃあそれまず、Twitterやnoteでこういう風にしてみない?」って思いついたりする。そこから広がることが多い気がしますね。
北村:ひらやまさんみたいにTwitterで発信してみようって方も多いと思うのですが、なかなか一歩を踏み出せない方にアドバイスするとしたら、ひらやまさんだったらどのように声をかけますか?
ひらやま:「何をしたいか」と「何者になりたいか」、まずこの2つを聞きますね。何のためにTwitterで発信をするのか、果たしたい目的によってやり方も変わってきますから。
たとえば「フォロワーを増やして有名人になりたい!」が目的だとしたら、積極的に大きいマーケットを取りに行ったほうがいいと思います。
ただ「フォロワーを増やしたい!」って人の話を聞いてると、「本当にそれが目的で合ってるの?」って確認したくなっちゃうんですけどね。大事なのはその人しか持ってないストーリーのほう。その人が行動する必然性だったり、背景だったり、その先にあるやりたいことだったり……そういったストーリーが見えてこないと、そもそもフォローしたいと思わないじゃないですか。
だから、フォロワーを増やしたいにしても、「増やした先でどんなことをしたいのか?」をはっきりさせることが、一番大切なんじゃないかな。
ひらやま:あとは「読んでほしい人を決める」のも鉄則だと思います。自分のTwitterを見てほしい人を考えて、その人に何を伝えていくかを決める。これはTwitterに限らず、コンテンツ作りのスタートとして大事なことです。
そして、読んでほしい人たちのあいだで自分のコンテンツを広めてもらうための戦略を考える。イヤらしくならないように気をつけなきゃですけど(笑)。
ちなみにマーケティング的な観点で言うと、不安を煽るような言い方をすれば伸びるコンテンツは作れるかもしれないです。でも「それってやってて楽しいんだっけ?」って思っちゃうんですよ。「どうしてあの企画をしたんですか?」って聞かれたときに、「こういう風に不安を煽ってね……」って説明は、僕なら絶対にしたくないから。何事も、自分が胸を張れるような理由でやりたいんですよね。
<記事のまとめ>
- 「巻き込み力」の秘訣は、一人ひとりとの丁寧なコミュニケーションを取ること
- 長期的な関係性を築くために、基本スタンスを明確にする
- 思いついたらとりあえずやってみる。気付いたらそれが企画になっている
(執筆:北村有 編集&撮影:じきるう)
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