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フリーランスの名刺論 〜それ、覚えてもらえる名刺ですか?~

フリーランスの名刺論
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みなさまこんにちは。フリーライターの少年Bです。

ライターのくせに「文章力には自信がない」と公言しているわたしですが、ありがたいことに定期的に書くお仕事をいただけています。それはたぶん、「書く仕事」の外に得意な分野を見つけたから。

仕事の範囲を広げて、「本業」以外のところで自分の得意を見つける思考法について。今回は「名刺」について書いてみます。

少年B
少年B

たのしいことからふざけたことまで書くゆるゆるフリーライター。文章を書くのが得意ですが、食べることと寝ることはもっと得意です。(twitter:@raira21

名刺を整理して一言「この人、誰だっけ?」

20歳で社会に出てから、そこそこの年月が経ちました。前職は工務店の営業・施工管理・設計・社内SE・広報など……とにかく社員の少ない小さな会社で働いていたので、役職は「全部」でした。

「これを成し遂げた」と満足に言える仕事はまったくありませんが、お客さまから職人さん、メーカーの営業マン、ショールームのスタッフなど、とにかくいろんな人と名刺交換だけはたくさんやってきました。

で、たまーに名刺を整理してると毎回思うんですよ「この人、誰だっけ……?」って。

いや、だってさ、こちとら膨大な数の人と会って名刺交換をしているわけで、よほどでなければ印象って残らないじゃないですか。名刺に写真がついてればまだしも、文字だけだと人の顔だって覚えてられない。いや、たとえ顔が分かったって、どんな話をした人かなんて、いちいち覚えてないですよね? 相手が有名人だったり、よっぽど印象的だったりしたならともかく。

で、そんなによく覚えてない人に、いきなり仕事を発注しようと思うか?って話になるわけです。そりゃあ、「この仕事はこの人しかできない!」って特殊な業種であれば話は別ですよ。でも、これを読んでる多くの人は、たぶんそんなめずらしい仕事はしてないと思います。

逆に言えば、編集者さんなら「フリーライター」の名刺は腐るほど持ってるはず。わたしみたいな無名のライターが普通にあいさつしても、たぶんほとんど覚えてもらえないでしょう。整理の時に捨てられるか、二度と開かない名刺ファイルに入れられて終わりじゃないでしょうか。

思わずツッコみたくなる名刺はどうですか?

わたしの名刺は、ライターとしてはちょっと……いや、かなり派手です。

少年B名刺

一見、デザイナーとか、イラストレーターの人っぽいですよね。たぶん、ライターでここまで派手な名刺を使っている人、そうそういないんじゃないでしょうか。ちなみにこの名刺は、友達のイラストレーター・加藤旅人さんに「とにかくインパクトのある名刺を作ってくれ!」とお願いして作っていただきました。

フリーランスであれば、会社は関係ありません。自分ひとりの力で仕事を取らなければいけない。そのためには、徹底して「目立つ」ことも大切です。

「名刺を派手にするのは、ちょっと恥ずかしい……」その気持ちもわかります。でも、これだけ派手な名刺を渡されたら、思わずツッコみたくなりませんか? 「えええ、なんですかこれ!?」「自分で描いたんですか?」なんて、一言聞きたくなりますよね?

ツッコまれたら、こっちのもの。そこから会話の糸口がつかめるじゃありませんか。話が盛り上がれば、あとで見返したときにも覚えててもらえるかもしれません。

ウラ面はまじめに

あまりインパクトを出しすぎても、「コイツ正気か???」「ちゃんとした人なの???」と心配されてしまってはまずいですよね。迫力のあるオモテ面に比べ、ウラ面はまともです。

少年B名刺 裏面

ウラ面は自己紹介と連絡手段、おもな執筆媒体を書いています。「あ、一応ちゃんとしたところで書いてるんだ」と安心してもらうためです。

QRコードは、わたしのTwitterアカウントのもの。個人サイトのプロフィールって、たぶん最初の1回しか見ないですよね。それならば、ずっとつながっていられるTwitterのほうがいいんじゃないかなと思いました。

Twitterは個人的にもっとも使っているSNSなので、もしフォローしてもらえばタイムラインに何度も出ることになるし、認知されやすいはずです。気になったらTwitterのプロフィールから、実績やポートフォリオに飛んでもらえることもあるでしょう。

少年B Twitter

▲Twitterのプロフィール欄には執筆媒体のほか、人物詳細やnoteへのリンクが貼ってある

また、わたしのような取材記事や体当たり系記事がメインのライターは、記事の拡散までが仕事のうち。その「仕事っぷり」が見えやすいSNSを見てもらうのが、いちばん手っ取り早いんじゃない?と考えているのです。

「やらかし」を認めることで会話が弾んだ

わたしは元々オタクカルチャーが背景にある人間なので、フリーランスと聞くと漫画家さんやイラストレーターさんのように「鮮やかな名刺」が当たり前だと思い込んでいました。それもあって、今回のような派手な名刺を作ったんですが……。

「この名刺でちゃんと目立つかな……みんなどんな派手な名刺を作ってるんだろう……?」そうドキドキしながらライターさんや編集さんと名刺交換をすると、みんなけっこうオーソドックスでおとなしい名刺なんですよね。

やっちまいました。Webライター界隈ってそういう文化じゃないんだ! うわぁ、空気を読めないことをしてしまった……!! せっかく目立つために作ったのに、いざ自分だけがめちゃめちゃ目立つ状態になると、これがものすごく恥ずかしかったのです。不思議なもんですね。

「いや、フリーランスだからみんなさぞかし目立つ名刺を作ってるんだろうと思ったんですが、ライターさんって意外と普通の名刺なんですね……!どうしよう、この名刺あと600枚あるのに……」

正直に弁解したところ、意外にもこれが大ウケ。人の自慢話はつまらないですが、失敗談だとおもしろく聞けますよね。よくもわるくも、名刺交換後の話題に困ることはなくなりました。

まとめ

はたして、これを狙いどおりと胸を張っていいのか分かりませんが、わたしは名刺を「コミュニケーションツール」として使っています。

「スマート」でも「カッコよく」もありませんが、「相手の記憶に残ること」を求めるなら、これは最強の名刺じゃないかな、と思っています。ただ、これを取材先に持って行くのはちょっと違うような気もしているので、今後はオーソドックスな名刺も作って、場面によって使い分けようと考えています。

さて、みなさんは自分の名刺にどんなことを求めていますか?

【今回のTips!】

  • 名刺交換だけでは覚えてもらえない
  • 少年Bの名刺は「会話のきっかけ」
  • インパクトとまじめさの両立を
  • イラストと失敗談で覚えてもらう
  • 役割によって名刺を使い分けるのも手

(執筆:少年B 編集/イラスト:じきるう)

【連載】「仕事の範囲」を広げてみたら

本業の “まわり” の部分

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