「文章力」って一体何なの? 明確な評価基準で戦うために

「文章力がある」ってなんなの?少年B

みなさまこんにちは。フリーライターの少年Bです。

突然ですが、フリーランスのみなさんは「自分の実力」に自信がありますか?

わたしはフリーライターですが、じつは自分の「文章力」というものに、そんなに自信がありません。そう書くと「そんなんでお前、よくフリーライターやってるな?」と言われちゃいそうですよね。

もちろん、最低限ライターの仕事ができる程度の文章力はあると思います。でも、わたしよりも文章の上手い人は山ほどいるのです。誰かの心に響く名文が自分に書けるなんて思えません。

でも、ライターにいちばん必要な「文章力」に自信がなくても、ありがたいことに定期的に書くお仕事をいただけています。それはどうしてでしょうか。

「仕事の範囲」をすこーしだけ広げてやれば、自分の得意な分野って意外と近くにあるんですよね。

今回の記事では、そんなフリーランスの「本業の “まわり” の部分」について書かせていただこうかなと思います。よろしくお願いします。

少年B
少年B

たのしいことからふざけたことまで書くゆるゆるフリーライター。文章を書くのが得意ですが、食べることと寝ることはもっと得意です。(twitter:@raira21

「文章力がある」って一体何なの?

そもそも、「文章力がある」ってどういうことなんでしょう。ユニークな比喩がぽんぽん出てくるのがいいのか、自分の感情を込めてエモーショナルな文体で迫るのが美しいのか。

もし「売れている文章=文章力がある」というのなら、村上春樹さんっぽく記事を書けば文章力があるってことなの?という話になりませんか。でもそれ、たぶんやったところでパロディにしかなりませんよね。

おもしろい文章が好きなひともいれば、おなじ文章を読んで「なんだこれは!ふざけてやがる!」って怒るひともいます。

「詩的で美しい」は場合によっては「回りくどくてわかりづらい」になるかもしれません。読む人によって、評価基準はぜんぜん違うんですよね。

そう考えてみると「文章力の正解」なんて、ないんじゃないかなぁと思えてきます。

どんなに売れてる作家さんの本のレビューにだって、「わかりづらい」「おもしろくない」って口コミが少しはあるじゃないですか。万人に好かれるものなんて、そうそうないと思います。

他人の評価に挑むのは無謀?

わたしはライターなので文章力を例に出しましたが、こういう「ふわっとした基準でなんとなく評価される実力」って、意外と世のなかにたくさんありませんか。

「センスがいい」とか「デザインがいい」とか。料理の「おいしい」なんかもそうですよね。その良し悪しの基準ってどこにあるんでしょうか。

ざんねんながら人生はゲームじゃないので「何をどうしたら文章力やセンスが上がるのか」もいまいちわかりません。パラメータの数値も見えませんしね。

「センスが良くなった実感」ってあるもんなんでしょうか。文章力の正解、目指すのがむずかしすぎませんか?

結局のところ、文章力の評価基準って「編集者の趣味」じゃないかなと思います。

「読者の趣味じゃないの?」って思われるかもしれませんが、そもそも編集者さんから仕事をもらわなかったら読者には届かないわけで、そうなるとやっぱり「編集者の趣味」じゃないでしょうか。

これはライターに限らず、フリーランス全般に言えることですよね。フリーランスの評価基準はすべて「クライアントの好みに合うかどうか」じゃありませんか。

でもフリーランスって、だいたいいろんな会社さんからお仕事をいただくわけで、そうすると結局いろんな人の好みに合わせなきゃいけなくなります。じゃあ、「文章力」なり「デザイン力」なりを突き詰めるって、無謀じゃないですか?

大多数のクライアントの好みに合うものを作れるぞ!おれに任せておけ!なんてことを言えるだけの実力を持っているフリーランス、世のなかに何人いるんでしょう。

「基準のある勝負」をするために

なので、わたしは答えが明確な「基準のある」場所で勝負をしたいと思いました。

文章力やデザイン力、センスなどの「技術の正解」はなくても、「提案の正解」ならあるんじゃないかなと思ったのです。

たとえばホームページのデザインにしても、ガッツリ系のラーメン屋なのか、おしゃれなコスメの会社なのか。それによって求められるものってぜんぜん違うと思うんですよね。

ライターであれば、媒体の目的はなんなのか? どういった層に届けたいのか? どういったライターを求めているのか? それを考えてみれば、おのずと答えが見えてくるような気がします。

自分の持ってるさまざまなスキルの中から、相手が求めるものをパッケージにして提案してみたらどうでしょうか。それが「相手が自分に求めるもの」であれば、間違いなくそれは正解なわけですよね。

正解の見えないまま「ひたすら技術を極めて高みを目指す」よりも、よっぽど分かりやすくて仕事につながるような気がします。

まとめ

フリーライターの仕事を「ただ書くだけ」だと思っていたら、きっとわたしはもう通用せずに辞めていたと思います。「ライターとして最低限の実力」はあっても、圧倒的な筆力は持ち合わせていないからです。

それよりも、わたしはあれこれ考えたり、想像するのが好きな人間でした。企画の提案やプレゼンみたいなものには自信があったんですね。

仕事の範囲を広くして「書く」の外に目を向けてみたら、そこに得意な分野がころがっていたわけです。

フリーランスに必要な能力って、専門技能はもちろんですが、それ以外にもいろいろあると思うのです。専門技能が飛びぬけて優れていなくても、ほかでなにかしらの魅力があったならトータルでなんとかなるんじゃないかな?と思います。

この連載では、フリーランスの「本業の ”まわり” の部分」について書いていきますので、よかったらみなさまぜひお付き合いください。

(執筆:少年B 編集&イラスト:北村有、じきるう)

【連載】「仕事の範囲」を広げてみたら

本業の “まわり” の部分

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