四象限マトリクスで「自分が求められていること」を分析してみよう

みなさまこんにちは。フリーライターの少年Bです。

ライターのくせに「文章力には自信がない」と公言しているわたしですが、ありがたいことに定期的に書くお仕事をいただけています。それはたぶん、「書く仕事」の外に得意な分野を見つけたから。

仕事の範囲を広げて、本業の ”まわり” の部分で自分の得意を見つける思考法について。今回は受けたお仕事で求められる立ち位置について書かせていただきたいと思います。よかったらぜひお付き合いくださいね。

少年B
少年B

たのしいことからふざけたことまで書くゆるゆるフリーライター。文章を書くのが得意ですが、食べることと寝ることはもっと得意です。(twitter:@raira21

クライアントから求められているものはなに?

仕事をいただける。フリーランスとして、めちゃめちゃうれしいことですよね。でも、その意味とはいったいなんでしょうか。

これは「お金を払うので、どうぞあなたの好きなようにやってください」という意味ではありません。実力や知名度を兼ね備えたスーパーフリーランスにはそういう仕事も舞い込むかもしれませんが、だいたいの場合は「あなたのスキルを使って、わたしたちの望むものを作ってください」ということじゃないかなと思います。

クライアント目線で考えると、「わたしたちの目標に到達するにあたって、スキル・コスト・コミュニケーションその他諸々の条件を考えた結果、あなたにこの仕事を頼みたい」という話になります。

頼まれる仕事は目的じゃなくて、あくまで手段のひとつです。「お店のレジに立つ」がわたしたちに与えられた仕事であれば、クライアントの目的は「その時間で商品を売る」ことです。

ケーキ屋さんの店番なのに、ラーメン屋さんの格好をして立っていても、たぶんひとつも売れませんよね。

これは第1回でも書いたことなんですが、「自分の能力を見てくれ!」ではなく「そういったお望みであれば、こういうものができますよ」といった提案をすることが大切です。

クライアントの目的はなんなのか、自分に求められてることはなんなのか。そこを考えてみれば、きっと「バランスのとれた提案」ができるはずなんですよね。

四象限マトリクスでニーズを分析してみよう

ライターの話でたとえると、よく挙げられる問題に「ライターに主観は必要か」という話があります。

これ、ほんとうにメディアによるんですよね。「その人が体験したこと」を重視するメディアもあれば、「情報の精度を大事にしたいから、よけいなノイズはいらない」ってメディアまで。その差はいろいろです。

わたしの場合は「軽くふざけていて、主観の入った文章」が得意です。しかし、メディアの特性によっては必ずしもその文体がマッチするかは分かりません。

そこで、「まじめ↔おふざけ」「主観あり↔主観なし」の四象限マトリクスを使って、メディアカラーをおおざっぱに判別するようにしています。過去の記事をいくつか読んでメディアカラーを把握しておけば、そういうミスマッチは減らせますよね。

少年B図解1

たとえば、このコラム連載は「少年Bの考えかた」がメインテーマなので主観100%で書いていますが、観光協会のホームページに「わたし」の話を書いてしまったら「こいつ誰やねん! うっざ!!!」ってなるわけですね。

こうして書くと冗談のようですが、それに近い状態になってしまっている残念な文章、意外と目にします。「だいたいこのへんにボールを投げておけばいいのかな」とざっくり理解ができれば、企画や提案の擦り合わせが楽になります。

何度かお仕事をしていれば、「今度はボール2個ぶん内側に投げてみるか」なんて、自分の投げたいコースにちょっと寄せた提案もできるようになります。「いや、それは攻めすぎです」って怒られることも多々あるんですけどね。

”置きにいかない” 提案のために

もちろん、「あなた」に求められているニーズはひとつだけではありません。「あなたの持ち味を活かしてほしい」というパターンもありますよね。

以前、わたしもはじめてのメディアで記事を納品したあとに「少年Bさんにしては、ちょっとおとなしかったですね」って言われてしまったことがあります。

その原因はメディアに対して「比較的まじめな媒体」だと判断してしまったことによります。ニーズを読み違えた結果、担当者さんには「せっかく少年Bに頼んだのに、無難な記事になってしまった」という感想を抱かせてしまいました。

結果、ボールを置きにいくようなかたちになってしまったわけです。これでは失敗と言われてしまっても、しかたないですよね。

あらためてメディアの記事を読み直してみると「だいたいこのへん」というカラーはありつつも、そこから離れた記事もいくつかありました。それを「このあたりまでは許容される範囲なのだな」と理解しておけば、「クライアントのニーズに合うゾーン」がふわっと分かるわけです。

それからはすこしゾーンを広めに取って、その範囲内で、自分の得意なコースに沿って提案をするようにしています。

少年B図解2

まとめ

「正解の提案」をするために、どうやって考えたらいいのかな? という流れをまとめてみました。

フリーランスのすべての職種に当てはまることではないかもしれませんが、相手のニーズと自分の強みを理解して、バランスのいい提案ができればいいですよね。

場合によっては、複数パターンの提案を持って行くこともあります。自分の個性を活かした、「おもしろいけどちょっと突飛かな?」というパターン1と、現実的なパターン2。その間のパターン3も用意し、パターン3を本命にする感じですよね。

なお、自分でも想定していなかったパターン1が採用されて、マジで大慌てをしたこともあるんですが、それはまたべつの機会にお話しできればと思います。

(執筆:少年B 編集&イラスト:Kitamura Yu、Uchida Kazuyoshi)

【連載】「仕事の範囲」を広げてみたら

本業の “まわり” の部分

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