ビジネスマッチングアプリ、営業多すぎ問題

ビジネスマッチングアプリ営業多すぎ問題

アイコンのURLを設定してください孤独です!! 何がって、毎日が。

私はフリーランスから法人化して一人社長をしているのですが、毎日がとにかく孤独です。法人化すると事業の質も変わるので、どうにもこうにも人と分かち合えない悩みが増えてしまいます。

そうなると、俄然期待が高まるのが「ビジネスマッチングアプリ」。経営者をはじめ、決裁権を持つ参加者同士で交流し、悩みを打ち明けあったり、一緒にビジネスをしたり、コンサルしてもらったり、といったサービスです。

「いうて、夫ともマッチングアプリで出会ったわけやし、きっとここでも心躍る出会いがあるんやろなあ」と思っておりました。実態を知るまでは。

夏野かおる
夏野かおる

フリーランスの編集者・ライター。コンテンツマーケティングやディレクション、マネジメントに仕事の幅を広げ、2021年7月に1人会社を設立。高等学校教諭一種免許状(国語)保有。京都大学大学院博士課程指導認定退学(博士論文準備中)。趣味はゲーム。(Twitter:@Natsuno_Kaoru

襲いくる「保険」「投資用不動産」「MLM」の営業

ところで、私は眉毛が太い人が好きです。「急に何の話?」ですが、まあ聞いてください。

そんな私が婚活をしていたとして、ある日、「眉毛の太い人同士で語り合いましょう!『WE LOVE 太眉』」みたいなイベントの存在を聞きつけたら、どうするでしょうか。

たぶん参加しますよね。私自身は眉毛が太くないにもかかわらず、です。

勘の鋭い方ならここらへんでピンときたかもしれません。そうなんです。どうやら、これと同じことがビジネスマッチングの場でも起きているようなのです。

つまり、本来であれば経営者同士で交流する場であるはずが、「経営者が集まっている! ビジネスチャンス!」と捉えた営業目的の人がたくさんいる、というわけです。うーん、悩ましい話ですね。

私が使ったアプリに関して言えば、営業自体は禁止行為ではありませんでした。たとえばですが、動画やLPのクリエイターがクライアントを探したり、コンサルタントが知見を提供したりするのは、比較的本来の目的に近いでしょう。こういった方はプロフィールにも「営業したい」と明記していることが多いため、こちら側で判断できるフェアさがあります。

一方で、困っている人が多そうなのが「保険」「投資用不動産」「MLM(マルチレベルマーケティング、通称マルチ)」の営業。とくにMLMに関しては、いかにも経営者同士でマッチしたように見せかけ、そこそこ仲良くなった段階で突然勧誘された……という事例がかなりあるようです。これはちょっと、フェアじゃありませんよね。

※勘違いされがちですが、MLM自体は違法ではなく、特定商取引法に則った方法で販売している限りは問題ありません。ただ、経営者同士で仲良くなったように見せかけて勧誘する……という手法は、けっこうグレーなんじゃないかなあ、と思います。(専門家ではありませんので、断言はできませんが……)

マルチ商法の勧誘

▲「20代男女で楽しく集まろう!」「ビジネスを通して圧倒的成長!」みたいな、あからさまなプロフィールも多かったです

100人以上から「いいね」が来ても……

と、ここまでは「ルール違反かどうか」の話。ここからは、いちユーザーとしての気持ちの話ですが……。

いくら「ルール違反ではない」とはいえ、正直なところ、あまりにも営業が多いとウンザリしてくるのが本音です。

たとえるなら、婚活パーティーに行ったつもりが、「婚活するならこれが要りますよね!」と化粧品やら服やらを売りつけられた気持ち。いや、確かに必要なんですけど、いまはパートナー探しに来てるんで!という。あと、そもそも要りません!のパターンもあります。

私の場合、登録から1ヶ月で100人ほどからアプローチをいただいたのですが、90人以上が何らかの営業と見受けられるユーザーでした。上で挙げた保険や不動産もそうですし、動画、LP、営業代行、コンサル、パーソナルトレーニング、パーソナルドクター、などなど。

「いつか必要になるかもしれないけど、いまじゃないなあ」という売り込みが毎日やってくるので、次第にアプリ自体を開かなくなってしまいました。なんだか悲しいすれ違いです。

押し売りをされているイラスト

▲アナログだろうがデジタルだろうが、押し売りはウンザリするものです

量をとるか、質をとるか。安全地帯はまず存在しない

私は決して、「某ビジネスマッチングアプリの運営はなっとらん!」と批判したいわけではありません。むしろ、このアプリの治安はかなり良いほうです。マジでヤバいアプリは、この比ではありません。

たとえば、とある “地元でつながるアプリ” は売買春の温床となり、サービス終了に追い込まれました。また、とある “お友達づくりアプリ” では、パパ活の元締めが爆誕し、「渋谷、外資系4名。割り切って参加できる子。顔・全身写真送ってください」みたいな書き込みが溢れかえっています。ネットを介して人を集めるサービスは、えてして、設計意図とは違った使い方をされがちなのです。

じゃあ、安全にマッチングできる場所はどこなのか? 残念なことに、私にも答えは分かりません。

行政や商工会議所主催のイベントなら比較的安全かな?と感じますが、民間主導でないイベントは広報が弱いため、そもそもの参加者が少ない可能性もあります。少なくとも、私の経験上はそうでした。「出会いの量」に重きを置くと治安が悪化し、「出会いの質」にこだわると参加者が減ってしまう。単純でいて、根深い課題と言えます。

だからでしょうか、最近では、「つながり」「信用」を可視化するサービスがアツい!みたいな話をちらほら聞きます。

有名どころでは『Wantedly(ウォンテッドリー)』や『LinkedIn(リンクトイン)』、比較的最近のものならばキャリアSNSの『YOUTRUST(ユートラスト)』あたりでしょうか。確かに、顔の見える人同士でのつながりをベースとしたサービスなら、完全にオープンなサービスよりも荒れにくいだろうと考えられます。『Clubhouse』が招待制で、「この人が紹介しました」を明記しているのもこのあたりの理由でしょう。

ただ、これらのサービスが完全に信用できるかというと、あくまでも無法地帯になりづらいだけであって、ハックしようと思えばできちゃうんですよね。一時期、SNSのフォロワー売ります。日本人限定オプションOK100人~1万人まで」みたいな業者が問題になったように、何らかのサービスが生まれ、それなりの影響力を持つようになると、ハックしようとする輩は必ず出てきます。そう考えると、どんなサービスでも気を抜かず、知識をつけて自衛するほかないのかもしれません。

良質な出会いを逃さないために

今回は「意図せぬ営業で時間を奪われる」という話をしました。しかし最後に、ひるがえって、自分はどうなの?という話もしておきたいと思います。

上述のとおり、マッチングサービスはミスマッチが起きやすい環境です。だからこそ、ビジネスパートナーを探している人は、みな同じように警戒心を高めていると考えられます。そんな中で良い人とめぐり会うには、おそらくですが、「積極的な自己開示」「メリットの提示」が必要になるのではないでしょうか。

考えてみれば、婚活だってそうですよね。ぼんやりと「いい人を探しています」と書くよりも、「マンションは断然、光回線派です。高速インターネットを愛する者同士で結婚したいです」「風呂掃除には自信があります」などと書いてある方が、気の合う人と出会える確率が上がるはずです。

また私自身、「会ってみたいな」と感じた人は、とにかくプロフィールが具体的でした。これまでの経歴、得意分野、所持スキル、ビジネス構想、求める人材像などが簡潔に、かつ網羅的に書かれていると、「私に会おうとする理由」が明確に分かるので、会ってみようかなと思いやすいです。逆にここが明確でないと、せっかくのアプローチも「勧誘か?」と警戒してしまいます。

中二病のイラスト

▲よっぽどのネームバリューがない限り、スカして短文のプロフィール文にしてもメリットはありません

どんな場所でも、自己紹介(プロフィール)って、つい謙遜しがちです。とくにビジネスでは、世の中にすごい人がいることを知っているあまりに、自分なんかが「〇〇の領域に知見があります」なんて書いていいのか?と迷ったり。でも、そこを乗り越えて自己開示しないと、 “9割の営業” のすきまに埋もれた素敵な出会いを取りこぼすかもしれません。

必要以上に謙遜せず、提供できる価値を詳しく書く。それこそが、ビジネスマッチングアプリで成果を得るためのコツなのかなあと考える今日このごろです。

(執筆:夏野かおる 編集:少年B イラスト:あずさ)

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