エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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こんにちは。フリーライターの夏野かおるです。個人事業主として3年間活動し、今年の7月にいわゆる法人を設立。いわゆる「フリーランスからの法人成り」を経験した新米経営者です。
ビジネスマッチングサービスなどを利用していると、投資先を探している方が意外と多いことに気付きます。VC(ベンチャーキャピタル)の担当者やエンジェル投資家をはじめ、場所や設備を貸し出すよとか、サービスを安価に提供するよとか、起業相談に乗るよ、などなど……。何らかの形で「力になりますよ」と表明している方が多いのです。
これだけ聞くと、「いやあ、世の中捨てたもんじゃないね。人情人情!」って思いがちですが、そんなうまい話であるはずもなく。何らかのメリットがあるから、力を貸してくれるわけです。もう一度言います。何らかのメリットがあるから、あなたにアプローチしてくるのです。
フリーランスの編集者・ライター。コンテンツマーケティングやディレクション、マネジメントに仕事の幅を広げ、2021年7月に1人会社を設立。高等学校教諭一種免許状(国語)保有。京都大学大学院博士課程指導認定退学(博士論文準備中)。趣味はゲーム。(Twitter:@Natsuno_Kaoru)
「いや、いきなり何やねん」と思われたかもしれません。でも、強調したのには理由があります。それは、「世の中 無防備な人が意外と多いぞ」という実感があるためです。
ひとつ例を挙げましょう。転職エージェントは、転職希望者と企業をマッチングさせることで成功報酬を得ています。そしてこの成功報酬は、「転職先の年収の○割」のような枠組みで決められているそうです(もちろん事業者によってさまざまですが、たとえ話ということで大目に見てください)。これを踏まえると、エージェントは、転職志望者を年収の高い会社に送れば送るほど儲かることになります。
もしも転職志望者が優秀な人材であれば、ごく妥当な結果として、高い年収を提示する企業に転職できるでしょう。企業はいい人材を獲得でき、エージェントさんも高い成功報酬が得られて、3者ともハッピーです。
しかし、もし悪質なエージェントが、志望者を実力に見合っていない会社に斡旋したらどうなるでしょうか。エージェントさんのふところ“だけ”が潤い、志望者本人と企業はアンハッピーです。
この視点を持っておけば、転職の際にエージェントが「あなたの実力なら 年収5000兆円のスゴイ・ヤバイ・カンパニーでもやって行けますよ!!」とゴリ押ししてきても、「あっ 成功報酬をゲットしようとしているな」とピンときます。そうすれば、冷静に「いいえ 私には難しいです」と断れるでしょう。
ここで知識がないと、「なんて素晴らしいエージェントさんなんだろう! こんなにも自分に期待してくれるなんて、もしかしたら、スゴイ・ヤバイ・カンパニーで大活躍できるかもしれない!」とぬか喜びし、入社後、つらい思いをするかも知れません。
これは極端な例ですが、「どういう仕組みで 誰が儲けているんだろう?」は、ハッピーになるために常に気にしておきたいポイントなのです。
ここで本題に戻ります。
ビジネス交流会などに参加してみると、「人の好意を無防備に受け取る人が多いな」と感じます。言い換えると、「親切な誰かからお金を借りて会社をやりたい!」と考える人が、想像以上に多いのです。
でも、人や会社が「お金を貸したい」のって、なぜだと思いますか? 将来的にリターンがあるからですよね。
またもや例を出してみます。株式会社を設立する場合の話です。
勘違いされがちですが、株式会社の場合、会社は社長のものではありません。株主のものです。たとえ「代表取締役」の肩書きがあったとしても、株主は適切なステップを踏めば、社長を追い出すことができます。
※あくまで理論上の話です。実際はあまりにも強引だとアレなので(この事件とかね)、事業方針への口出し → もっと口出し → 代表解任、とかのステップを経ると思いますが、首根っこを押さえられていることは意識すべきです。
これを知らないとどうなるか。以下のようになります。レペゼン地球さんのファンにとっては、記憶に新しいのではないでしょうか。
いまあなたが、イケてるビジネスを思いついたけれども、実現するにはまとまったお金が必要だとしましょう。銀行は貸してくれないし、自分の貯金ではまかなえない。どうしようかなあと思っていたら、親切そうな個人投資家が「600万円出してあげるよ。でもさすがに大金だから、全株式の60%はもらうね」と声をかけてくれた。ラッキー! 株とかよく分かんないけど、もらえるもんはもらっちゃえ。
ダメです。いつかとんでもないことになります。
だから、「一見 優しそうな人」は疑ってほしいのです。ピュアに心優しい人なんて、ビジネスの世界にいるはずがない。何らかのメリットがあるから、あなたに親切にしてくれるのです。
さすがに言い切り過ぎでしょうか。でも、用心するに越したことはないはずです。
「支援を受ける」は、言い換えると「手綱を握られる」ということです。
もちろん、なかには幸せな手綱の握られ方もあるでしょう。サラブレッドに名ジョッキーがいて、はじめて最高の走りができるのと同じように。経営に詳しい人がサポートしてくれるからこそ、うまいバランスでビジネスを進められる方もおられるとは思います。
でも、「自分がどこに向かわされているか」は認識しておきたいものです。気分よくハイスピードで走っていたら、いつのまにか食肉加工場の前にいた、なんてことになったら、目も当てられません。
そのためには、他力本願な発想を捨て、「もっと小さく 手持ちの資金でやれないか?」などと考えてみるのも大事です。1000万円規模のビジネスは無理そうだから、とりあえずニッチな領域で、100万円の元手でやってみるとか。いきなり物件を借りるのは難しいから、週に1回のレンタル店舗から始めてみるとか。
ありがたいことに、最近はシェアリングエコノミーも活発です。固定概念を捨てて探してみれば、借金前提ではない、身の丈に合った仕組みが見つかるかもしれません。そこで一定の結果が出せれば、もっと良質な投資家に出会うことにもつながるでしょう。
これも体感ですが、本当に力を貸してくれるタイプの人は、「やりたいこと」より「やったこと」を重視する傾向があります。「1億あればBIGになれます!」みたいな話より、「たった10万円だけれど黒字でした」のほうが、良いチャンスを引き寄せてくれるのではないでしょうか。
なんだか悲しい話ばかりしてしまったので、最後に、ポジティブな話もしようと思います。
上述の通り、ビジネスは基本的に生き馬の目を抜く世界ではありますが、「そうはいっても 若いもんは応援してやろう」みたいな雰囲気があるのも事実です。実際に私も、「まあ 失敗してもいいからやってみな」とチャンスをいただけたことが多々あり、その結果、フリーランスからの法人成りを達成できました。
この雰囲気は法人化後、さらに強まった印象があり、「会社まで作ったなら本気でやるんだね。応援するから困ったら相談して」のように声をかけていただける機会が増えました。チキンハートゆえ、「いつかはGAFA超えてやりますよガハハ」なんて言えないのが私のしょうもないところなんですが、そういったお声がけをいただけるのはありがたく、「やれるところまでやったるでー」と日々、前向きに頑張っております。
人を信用しすぎるのはよくない。でも、真面目にコツコツ結果を残せば、見ていてくれる人はいる。
結局のところ、「マジでやるか」「マジメにやるか」が結果を左右するのかもなあ、と感じる今日この頃です。
(執筆:夏野かおる 編集:少年B イラスト:あずさ)
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