エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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こんにちは、ライターの宿木です。
「フリーランスとして働きたいけれど、生活ができないかもしれない」と不安でなかなか一歩を踏み出せない人も多いと聞きます。お金で苦労したリアルな話は、みんなあまり話したがらないものです。でも、フリーランスになるかどうか悩んでいる方なら、このお金の不安は解消したいですよね。
本記事では、フリーランスが経済的な理由で生活できない状態に焦点をあて、どうしたらフリーランスとして働きながら生活を維持できるのかを解説します。本当に生活できなくなってしまったフリーランスのリアルな体験談も書きました。お金の不安が拭えない方は、フリーランスになる前にぜひチェックしてみてください。
広告系の企画制作会社、教育事業会社での企画職を経て、2017年ライターとして独立。ビジネス領域のインタビュー記事執筆を中心に実績を重ね、2020年株式会社宿木屋を設立。チームで言葉を軸にした企業の発信支援を行う傍ら、個人名義でのコラム執筆や創作活動もしている。(X:@yuki_yadorigi)
目次
まず、一般的に「フリーランスだと生活できない」と言われる理由から考えてみましょう。フリーランスとは、特定の会社や団体に属さず、仕事に応じて柔軟な契約をしながら働く人を指します。それが生活の困窮に直結してしまうのは、なぜでしょうか。
フリーランスの最大の欠点は、収入が安定しないことです。会社員だと毎月定められた給与が支払われることが当たり前すぎて意識しないかもしれませんが、毎月の給与は生活基盤そのものとも言えます。フリーランスは保証された収入がないので、極論を言えば来月から収入0円、つまり無職状態になることもありえます。
一方で、生きている以上、毎月の支出を0円にすることはできません。これについては実家暮らしの方だとピンと来ないかもしれませんが、家賃、光熱費、食費といった最低限の生活費は、どう節約しても0円になることはありませんし、意外と大きな金額が毎月財布から出ていきます。
今回テーマにしている「生活できない」状態とは、収支のマイナス状態が続き、最低限の生活費を支払う貯蓄すら尽きてしまうことを指します。
「フリーランスだから生活できない」とは言い切れないにしろ、正社員と違って収入が安定しないため、生活できない状態に陥るリスクが高い働き方とは言えるでしょう。
とくにフリーランスになりたての時期は、収入が安定しません。不安定な収入をなんとかするために、低い単価の案件でも受注せざるを得ない時期が続きます。数多く請け負ってなんとか売上を確保しようとしますが、そんな状態は長くは続かないでしょう。
低単価の案件を請け続けなければならない状態から、いかに早く抜け出すか。それが、駆け出しフリーランスの最初の関門になります。
「いつでもどこでも仕事ができる自由さ」に憧れ、フリーランスという働き方を選ぶ場合も多いはず。ですが、よく言われるように、自由には責任がついてまわるもの。成果物の質を保ちつつ、それを上げ続けるスキルがなければ、せっかくフリーランスになっても生活が成り立たなくなります。
不安定な収入を安定させるためには、低単価状態から抜け出し、一つひとつの案件の単価を上げる必要があります。そのためには、成果物の質を上げることが必要不可欠。それは、スキルアップのための自己投資なしでは実現できません。
- 勉強のための書籍を買う
- スクールに通って学ぶ
- 資格をとる
- 交流会で人脈を広げる
駆け出しの頃は、そこまで売上が立っていない状態から、スキルアップのための費用を捻出しなければいけません。思うように案件が取れず、売上が少ないなかで勉強のための時間や費用もかかる……。思った以上に茨の道であることが、「フリーランスは生活できない」といわれる所以なのかもしれません。
では、フリーランスで生活できなくなってしまうケースとしては、具体的にどんな事態が想定されるのでしょうか。私が実際に知人のフリーランスからヒアリングした、生活できなくなった要因を紹介します。
Aさんはフリーランスのライターとして月20万程度の売上を維持していました。内訳としては、取引先3件から各5~10万円程度の継続案件を受注していた状態です。取引先との関係は良好で、いずれも持続性の高い案件だったそうです。
Aさんは休みの多い生活を好むタイプで、お金のかかる趣味も少なかったことから、これ以上仕事を増やすのは避けていました。月々かかる生活費は、家賃などの固定費7万円と、食費や交際費などの流動費が平均10万円程度。アプリでおよその家計簿もつけており、「月3万くらい貯金してればOK」と安心していたそうです。
しかし、住んでいるアパートの契約更新月の引き落としがかかったことで銀行の残高が0円に。契約更新についてはすっかり忘れていたそうですが、それでも貯金が0円になるとは想像していなかったそうです。
そこで普段見ない残高記録を確認したところ、年に数回分納する納税や、年に一度自動で引き落とされるサービス課金などが、じわじわと貯蓄を減らしていたことに気付きました。また、どんぶり勘定で収支を計算していたものの、収入が20万に満たない月もあれば、交際費がかさんで支出が20万を超えている月もあったと後から気づいたと言います。実際は「月3万円の貯金」などできていなかったのです。
たくさん休めるからフリーランスになったと振り返るAさんですが、この貯金残高割れの経験がきっかけで考え方を改め、派遣の仕事を掛け持ちするようになったと教えてくれました。
一方、フリーランスのWebエンジニアとして働いていたBさんは、月50~70万円程度の売上を出していました。月20万円の業務委託案件2件から固定収入を得て、そこに単発案件をプラスする形で10~30万円稼いでいたそうです。
Bさんは突発的に旅行に行ったり、逆に数週間引きこもったりと流動的な生活を送っていました。気分によって変化する支出を想定して仕事を入れ、「毎月1円でもプラスにする」というシンプルなルールのみ守っていたと言います。家計簿は面倒でつけていなかったそうですが、収支がマイナスになると生活できないという前提から考えれば、このルールさえ守れば一見大丈夫そうに見えますね。
しかし、業務委託2件の案件が立て続けに切られたことで、Bさんの状況は一転します。急いで読み返した契約書には突然契約を切ることを違約とする文言はなく、それぞれの案件が同じタイミングで切られたのは完全なる偶然だったそうです。Bさんが生活できなくなることは取引先の責任ではありませんから、いくらそれを訴えたところで意味がありません。
なんとか生活を維持するため、Bさんは生活費の支払いを集約していたクレジットカードのリボ払いを利用しました。なんとか窮地はしのいだものの、流動的な案件からしか収入を得られない状態で、完済の見通しはまったく立たなくなってしまったそうです。
一時は同条件の業務委託案件を探していたものの、見つけるのに時間がかかると判断し、Bさんは再就職を選びました。急いで決めた転職先の満足度はそこまで高くないものの、生活ができない状態に比べればよっぽどいいと振り返ります。とりあえずリボ払いの完済が当面の目標ではあるものの、フリーランスに戻ることは今のところ考えていないと教えてくれました。
こうした「生活できないフリーランス」のリアルと、フリーランスとして5年生存してきた私の経験も踏まえ、フリーランスとしての生存率を高める資金繰りのポイントを解説します。
まず、貯蓄の重要度が高いことを理解しましょう。会社員の方にとっては「老後のために」くらいの優先度かもしれませんが、フリーランスにとっての貯蓄は「明日の命そのもの」と言っても過言ではありません。
収支計画を立てる上で、家賃や光熱費と同レベルの重要度で貯蓄枠を確保しておきましょう。
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たとえどんなに売れっ子になっても、フリーランスである以上将来の収入の保証はありません。ですから、日々の生活にかかる固定費は下げれば下げるほど生活できないリスクを軽減できます。
一方で、節約にこだわりすぎると生活の幸福度が下がる危険性もあります。自分が幸せに暮らすために何が必要かよく考えて、最低限の条件を満たした住まいや生活を計画しましょう。
また、月額課金のサービスや保険は月々の支出を増やす要因です。「絶対に外せないものだけ残す」という意識で、定期的に見直す習慣をつけましょう。
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どんなにリスクヘッジをしても、予想外の事態は避けられません。生活できない状態に陥ってしまったとき、誰に頼れるのか事前に考えておきましょう。家族との関係が良好であれば実家は頼れる存在ですし、家族が頼れない場合は、何があっても受け止めてくれる友人との関係を大切にすると良いでしょう。
くわえて、国の支援制度についてもある程度は学んでおくことをおすすめします。Webサイトでチェックするだけでなく、お住まいの自治体で相談窓口の担当者と面識を作っておくと、いざという時に相談しやすいです。
ただし金銭に関わるほとんどの支援制度は、書類が多く利用者にとってわかりにくかったり、入金まで時間がかかったりと、想像するほど親切ではありません。生活できない状態に陥ってからそれらを見ると心が折れるので、余力のあるうちに確認し、相談できる相手を確保しておきましょう。
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なおフリーランス・副業向けマッチングサービス『Workship』では、報酬の前払いサービスや、取引先とのトラブルの相談窓口などがあります。生活できない状態にならないよう自身がリスクヘッジすることを前提に、今回紹介したような「いざという時」の選択肢を広げるという意味で、Workshipを通じた求人・案件探しをしてみるのもひとつの手段かもしれません。
フリーランスとして長く仕事をするために、付き合うクライアントを選びましょう。受注者側が発注者側を選ぶ、と書くと尊大なように思えてしまいますが、お互いに気持ちよく仕事をするためにも「信頼できるクライアントか?」は大事な指標です。
たとえば、仕事の依頼をもらって契約の話を進めるとき、こちらから聞かない限り報酬の話を出さないクライアントには不安を覚えてしまいます。そもそも、発注書や契約書のやりとりがない場合も。
新しいクライアントとやりとりを始めるときは、仕事を開始する前に何度か打ち合わせの機会を設け、信頼できるクライアントかどうか判断することをおすすめします。
前項目でお伝えしたように、信頼できるクライアントと仕事を進めていれば、単価交渉もしやすくなります。ライターであれば納品する記事、カメラマンであれば写真など、成果物の質を上げることを意識していれば、より交渉しやすくなるでしょう。
フリーランスになりたての頃は、売上欲しさに稼働時間を増やし、いわゆる「一人ブラック企業」状態になりやすいもの。そこから一歩抜きん出るためには、同じ案件数もしくは少ない案件数でも売上額を保てるようにしなければいけません。鍵となるのが、単価交渉です。
日々クライアントと信頼関係を築き、こちらから単価交渉しやすい(もしくはクライアント側から提案してもらえるような)土壌をつくっておきましょう。
フリーランスになると、仕事先を探したり、営業をしたりといったこともすべて一人でやらなければならないイメージがありますよね。そういった営業が苦手な場合は、フリーランス用のエージェントや案件マッチングサービスを活用しましょう。
前述した「信頼できるクライアント」を探すのも、専門家のアドバイスが聞ければ効率よく進められます。また、エージェントが間に入ってくれれば、代わりに単価交渉を相談できるケースも。
具体的にはフリーランス・副業ワーカー向けの案件マッチングサービス「Workship」のようなサービスの利用が選択肢になります。
最後に、フリーランスとして働いて5年め(※2年前に法人成り済)の私が、経済的に窮地に陥った頃の話をします。
私が「生活できないかも」と危ぶんだのはこれまでに2回あります。1回めは精神的障害で動けなくなったとき、2回めはコロナ禍のあおりで仕事の大半が飛んだときです。いずれも本当に不安でしたし、私の場合は正社員に戻る選択が難しい理由があったので、本当に選択肢がないぞ……と頭を抱えていました。
それでも現職を続けられたのには、いくつかの要因があります。ひとつは、いずれのときも貯蓄があったことです。切り詰めて生活すれば、3ヶ月程度は無職でも問題ない金額が手元にあったので、冷静に対処を考えられました。
加えて、取引先の方々がとても大切にしてくださったことが挙げられます。精神障害について伝え、働けないことをお詫びした際は、締切を融通してくださったり、一時お休みを挟んで再びご依頼いただいたりしました。また、コロナ禍で致し方なく休止した案件も、情勢が安定して以降またご依頼をいただいており、今でも関係性が続いています。
コロナ禍のときに関しては、もともと固定費がかからない生活を選択していたことにも救われました。当時住んでいた住まいは家賃がかからなかったし、家庭菜園もしていたので、「この家で庭の野菜を食べていれば生きられる」という安心感がありました。また、給付金制度や減税制度などについて速やかに調べ、面倒な書類も即座に対応し、条件の合う制度には全力で頼ったことも良かったと思います。
こうした時期を乗り越え、以降の私が生活維持のために心がけているのは、以下の3点です。
- 取引先との関係性や、自分を大切にしてくれる人との関係性を大切にする
- どんなに大きな出費があっても貯蓄100万円は残す
- 国の支援制度は大まかでいいから頭に入れておく
当時を振り返って一番思うのは、「自分ひとりでは乗り越えられなかっただろうな」ということです。家賃のかからない家はもともと家族から譲ってもらったものだったし、取引先の方々も普段の仕事を評価してこうした対応をしてくださったのだろうと思います。いずれにも感謝すると共に、これからも自分がしっかり返せるものを返すよう心がけていきたいです。
一方で、そういった周囲の優しさに頼りきるのではなく、自分の力で生活を護るために、貯蓄や支援制度への理解は必要だと思います。多かれ少なかれ自分都合でフリーランスがいいという本音があるとしても、そのフリーランスとして責任をもって働き続ける意志は建前として大切です。
生活を維持するための努力は、自由と引き換えに生じるひとつの義務とも言えるかもしれません。
「生活できない」とは、つまり選択肢が何一つ残らない、生きていけない状態ということです。それが本当に厳しいことなのだと理解するには、まず収入が安定しない働き方を選ぶという覚悟を持ちましょう。そのうえで、自分ができる限りのリスクヘッジをして、どんなに苦しくとも生活は続けられる状態をキープできるよう計画を立てていくことが大切です。
今回のリアルな体験談やポイントを読んで、ご自身にフリーランスという働き方が向いているかどうか、検討してみてください。
(執筆:宿木雪樹 編集:少年B)
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