フリーランス初心者が案件獲得できない理由。「未経験=クラウドソーシング」が必ずしも正解ではない

フリーランス初心者が案件を獲得できない理由

フリーランスになったものの、案件を受注できず悩む方は多いようです。コロナ禍では人脈を作る機会も減り、新規案件獲得の一歩が踏み出せない初心者の方は珍しくありません。

本記事では、経験の浅いフリーランス初心者が案件を獲得できない理由や、初心者でも好条件の案件を獲得するための方や、気をつけたいポイントなどを紹介します。

フリーランス初心者が案件を獲得できない理由

まずフリーランスとしての経験が浅い初心者が案件を獲得できないのは、そもそもなぜでしょうか? もちろん、「スキルや実績が足りないから」も理由の一つですが、必ずしもそれだけが原因ではありません

フリーランスとしては初心者でも、プロとしては十分なスキルを持つ方もいます。実績がない人が案件を獲得できないなら、現在活躍しているフリーランスはどうやって生き残れたのでしょうか。

初心者フリーランスが案件を獲得できない理由を、もう少しじっくり考えてみましょう。

理由1. 案件を紹介してくれる人脈がない

プロフィールやポートフォリオが整わなければ、あなたの強みや信頼度を証明してくれるものはほとんどありません。そんなとき知り合いから紹介してもらう案件は、とても価値のあるものです。見ず知らずの相手に営業するよりも、紹介案件はあなたのことを配慮した内容である場合が多く、案件のミスマッチも低くなります

初心者フリーランスは人材募集プラットフォームやクラウドソーシングサイトに目を向けがちですが、それよりもあなたを信頼してくれるコミュニティや友人に「フリーランスとして働き始めた」と伝えたほうが、良いスタートを切れるかもしれません。もしもそういったツテが見当たらないのであれば、今からでも人脈を作ろうと努力をすることをおすすめします。

理由2. 取引先のニーズを理解していない

たとえ企業や事業者とコンタクトが取れたとしても、相手が求めることを理解しなければ、満足いくサービスや商品を提供することはできません。受注が続かないことをスキル不足と捉える初心者の方は多いのですが、取引先のニーズを理解していないケースも見逃せません。

仕様書やマニュアルを精読することは当然として、相手が「何を課題と思っているのか」「なぜ自分に案件を依頼したのか」を考えましょう。根本的な課題を解決しようと心がければ、おのずと相手に喜んでもらえる成果を出すことができます。

理由3. 自分の市場価値を理解していない

自己分析や内省の時間は、フリーランスにとって重要な意味を持ちます。自分が提供できる価値や強みについて正確に把握することが、案件獲得につながるからです

たとえばライターであれば、どんな分野が得意か、あるいはどんな取引先の課題を解決したいのかによって、案件を探す領域が異なります。自分の強みを求める領域に営業をかければ、市場価値は高くなるものです

同業の人々の市場や強みを分析しつつ、自分自身にどんな価値があるのかを言語化し、案件探しや人脈づくりに役立てましょう。

フリーランス初心者が案件を獲得するための準備

次に、案件獲得に向けた準備について解説します。初心者が実績ゼロから案件を探すことを想定し、案件獲得までにしておきたい準備を5ステップに分けました。

ステップ1. 信頼構築を第一に周囲とコミュニケーションを取ろう

まずは前述した人脈を作る準備です。仕事の話を全面に出すのではなく、信頼関係を構築することを目標に、周囲の人とコミュニケーションを取ってみましょう。

対象はSNSで探したり、なんらかのコミュニティに入ったりすることでスムーズに見つかるはずです。また、前職からつながりのある人や、フリーランスの友人がいる場合は、積極的にコンタクトを取ってみてください。

フリーランスにおすすめのコミュニティについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。

ステップ2. 周囲の困りごとを解決しよう

次に、そのコンタクトを取った人たちの困りごとをヒアリングしてみましょう。この段階でも、自分の仕事につなげようという意識は強く持たないほうがいいです。あなたの専門分野とは異なる困りごとかもしれませんが、とにかく相手の困りごとを解決するために自分ができることは何か、考えてみましょう。

もしも自分に解決できないことならば、自分の知り合いで解決できる人がいないか探してみてください。その人を紹介すれば、自分の知り合いと困りごとをしていた人、双方にとって有意義な出会いをあなたが作れるかもしれません。

とにかく、誰かの困りごとを解決する一端を担うことを意識してみてください。その積み重ねによって、「この人に相談すれば大丈夫」という信頼を勝ち取ることができるでしょう。組織に所属しているとなかなか育ちづらい、当事者として課題解決に貢献する感覚も身についていきます。

以下記事では、フリーランスとして案件をとる(=稼ぐ)ために必要な、制作スキル“以外”の能力について触れています。稼げるフリーランスは「売上獲得能力」が高く、なかでも他者とのコミュニケーション力は基本スキルとして重視されています。合わせて参考にしていただければ幸いです。

ステップ3. 自分の市場価値を整理しよう

ステップ2を繰り返してみて、改めて自分の市場価値について分析してみましょう。自分のスキルがとくに求められる相談事は何かという観点から、客観的にプロフィールを整理してみてください。

ライターやプログラマー、デザイナーといった表面的な肩書だけでなく、どの分野に強いか、どんな相談事を解決するのが得意かを言語化できれば、その領域に対して営業をかける準備が整います。

自分の得意分野について言語化できたら、営業しやすいようにポートフォリオにまとめておくのも手です。ポートフォリオの作り方については、以下の記事をご参照ください。

ステップ4. 綿密にクライアントと打ち合わせをしよう

周囲とコミュニケーションをとり、築いた信頼関係のなかで仕事を受注できたら、しっかり打ち合わせをおこないましょう。友人、または友人からの紹介だとしても、打ち合わせをなあなあにしたまま仕事を進めるのはおすすめしません。

とくに報酬面や作業量については、最初にしっかりとお互いの認識をすり合わせておく必要があります。受注したはいいものの、単価や支払い時期が想定とかけ離れていたり、修正回数が多く時間が取られたり、といったトラブルに繋がりかねません。

フリーランスとして働くうえで起こり得るトラブルや、その対処法については、以下の記事で解説しています。

ステップ5. 継続案件のためにスキルを磨こう

フリーランスとして働き始めた当初は、単発の依頼ばかりで、なかなか受注が安定しないかもしれません。長期案件を継続して受けられるようになるためにも、日々学び、スキルを磨く姿勢を保つことが大切です。

単発案件だからといって、質の低い仕事をしたり、納期を破ったりしてしまうのはもってのほか。クライアント側も、初めてフリーランスに仕事を依頼するために不安がっているかもしれません。お互いの信頼関係を強化するためにも、受けた仕事には最後まで責任を持ちましょう。

もしかしたら、単発案件をきっかけに長期案件につながる可能性もあります。

デザイナーやプログラマーなど、職種によって多様な学習方法がありますので、以下記事を参考に探してみてください。


フリーランス初心者が“好条件”の案件を獲得するためのポイント

前章で解説した3ステップを意識すれば、あなたにも適切な案件が自然と舞い込んでくるはずです。ただし、その中でも好条件の案件を獲得するためには、自分に合った環境で仕事を探す工夫も必要です。そこで、新規案件を探す案件サイトについての注意点を解説します。

ポイント1. 「未経験=クラウドソーシング」が必ずしも正解ではない

フリーランスになりたての方が案件獲得の窓口としてまず思いつくのが、クラウドソーシングサイトです。クラウドソーシングサイトには日々多数の案件が更新されるので、案件獲得に悩む初心者は頼もしく感じることでしょう。しかし、クラウドソーシングサイトには案件を獲得しようとするユーザー、つまりライバルも多い側面があります。

働き手の割合が多く、匿名性が高いクラウドソーシングサイトでは、依頼する側が一方的に都合のいい条件(低単価、厳しい仕様、短納期など)を提示しやすくなります。すべてが厳しい条件の案件とは言いませんが、一人ひとりの働き手の価値が下がってしまう仕組みであることに変わりはありません。

くわえてクラウドソーシングサイトでの受注は、案件の上流工程が見えづらいデメリットがあります。相手の課題の根本に向き合う仕事が少ないため、続けていても好条件の案件に移行していける可能性は低いでしょう。

ポイント2. 自分の市場価値を高められる求人サイトを探そう

こうした理由から、たとえ初心者であっても、まずはフリーランス向けの求人サイトに登録してみることをおすすめします。募集総数が少ないように感じるかもしれませんが、長期的に安定した案件を獲得するためにはこちらのほうが効率的です。

求人サイトに登録するときは、なるべく自分のスキルや希望条件に合った案件に出会うため、複数のサイトに登録することをおすすめします。

フリーランスが登録するのに適した無料のプラットフォームについては、記事末で紹介しています。

ポイント3. 身の丈に合った案件に応募しよう

好条件の案件を狙いたいばかりに、自分にはないスキルを求められる高単価な案件にダメもとで応募するのはやめておきましょう。いざ受注して「できませんでした」では済みません。クライアントにも迷惑をかけることになるばかりか、今後、先方からの受注は見込めないことを考えると、リスクが高すぎます

自分のスキルに見合った案件だとしても、稼ぎたいばかりに、一気に複数の案件を受けてしまうのもおすすめできません。最初は焦ってしまうかもしれませんが、スケジュール管理をしっかりしつつ、徐々に自分に合った働き方を模索するのもフリーランスとして大切です。

フリーランスのタスク管理の方法やおすすめツールについて、以下の記事で解説しています。

ポイント4. 苦手意識がないならSNSを活用しよう

加えて、とくに苦手意識がないのであれば、FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSアカウントを作ってみましょう。仕事に関わる発信を続けなければと肩肘をはらず、あなたのキャラクターを自然に伝え、そこから生まれる対話を楽しむ感覚で運用すれば良いと思います。

SNSは仕事のスキルではなく、あなた自身を軸にした問い合わせ窓口として機能するものです。SNS運用にばかりリソースを割くのはおすすめしませんが、地道に長期間継続すれば、そこから生まれる人脈を仕事に活かしたり、直接仕事の依頼が来たりします。

フリーランス初心者におすすめのサービス4選

1. Workship

▲出典:Workship

デザイナー、エンジニア、マーケター、編集者など、「デジタル領域のプロフェッショナル」と「プロジェクト単位のお仕事」をマッチングするサービスです。フリーランスだけでなく、副業やパラレルワーカーなど柔軟な働き方を求める人に適したお仕事を検索できます。週1日〜稼働や土日稼働による、時給換算での業務委託案件が多く、中長期スパンで一社と向き合いスキルを培いたい人におすすめです。

2. Wantedly

▲出典:Wantedly

企業とビジネスパーソンを結ぶビジネスSNSです。企業は社員ストーリー等のコンテンツを掲載し、ビジネスパーソンは実績やプロフィールを掲出することができます。企業側からスカウトを受けて案件を受注する機能や、知り合いからの評価が表示される機能もあり、重ねてきた信頼を可視化して営業に役立てられるのが特徴です。

https://www.wantedly.com/

3. エンジニアスタイル

▲出典:エンジニアスタイル

ITフリーランス向けの案件紹介ポータルサイトです。300,000件を超える業界最大級の案件数を掲載しているのが特徴です。リモートワーク・週2〜稼働・土日稼働OK・未経験可など、条件を細かく分けて案件を探せます。そのため、自分にあった仕事を効率的に探したい方にぴったり。これから仕事を探していきたい駆け出しエンジニアに、特におすすめのサービスです。

https://engineer-style.jp/

4. Crowdtech

▲出典:Crowdtech

比較的案件の単価が高く、長期プロジェクトの人材募集が多い求人プラットフォームです。業界でスキルを育てた後に独立したエンジニアやデザイナー、ディレクターなどを対象とした案件が多いため、ある程度スキルに自信がある方におすすめします。また、キャリアサポーターが案件をマッチングしてくれるため、発注者とのトラブルや失注などのリスクが低い点も魅力的です。

https://crowdtech.jp/

フリーランス初心者でも好条件の案件は獲得できる!信頼と市場価値を忘れずに

初心者でも案件を獲得するためには、周囲の信頼を積み重ねることから始めましょう。収入のことを気にすると、つい仕事のことにばかりに目が向いてしまうものですが、どんな仕事もやりとりをするのは人同士です。お互いがどんな役割を担い、最終的に何を解決したいか理解することに注力してみてください。

やがて信頼できる取引先からの継続案件を増やして収入が安定すれば、新たなステップに挑戦する余力が生まれます。そのサイクルを繰り返しながら、実績を増やし、スキルを高めていきましょう。

(執筆:宿木雪樹 編集:少年B)

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