エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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会社で働いてからフリーランスになり、ひとりで仕事をすることへの不安を抱える方が多いようです。
もちろん取引先とはつながっているものの、業務を進行するのは自分のみ。「この仕事は自分に合っているのか」「他の人はどうしているんだろう」という不安や疑問が芽生えるのは自然なことです。
私は会社員として約6年間働いたあと、フリーランスになって3年間ひとりで働き、法人成りした現在は少人数のチームで仕事をしています。振り返れば、フリーランスだった頃は強い孤独を感じていました。フリーランスになってからSNSのアカウントをつくったのも、同じような孤独を抱える誰かとつながりたかったからです。
しかし、フリーランス同士でただつながっても、孤独が解消されるとは限りません。場合によっては、より多くの不安が生じることもあります。今回はそういった経験を踏まえ、フリーランスの孤独の解消方法や人脈のつくり方について、何がよりよい形なのか考えていきます。
広告系の企画制作会社、教育事業会社での企画職を経て、2017年ライターとして独立。ビジネス領域のインタビュー記事執筆を中心に実績を重ね、2020年株式会社宿木屋を設立。チームで言葉を軸にした企業の発信支援を行う傍ら、個人名義でのコラム執筆や創作活動もしている。(X:@yuki_yadorigi)
目次
会社で働いていると社内に仲間がいますし、取引先やパートナー企業を通じて人間関係が自然と広がるものです。これがフリーランスになると、取引先の担当者と1対1の関係になることが多く、人間関係の輪はグッと狭くなります。
しかも、やりとりの内容は成果物に関わる業務連絡がほとんど。自分から意識して誰かと関わらないかぎり、孤独を感じることが多くなります。
SNSを見ていると、「〇〇(職種)とつながりたい」というハッシュタグをよく見かけます。同業のフリーランス同士でつながり、仕事に関わる投稿を互いに励まし合う文化があるようです。
こういった交流が多いのも、孤独を感じるフリーランスが多いことの表れのように感じます。でもそれで、孤独感はほんとうに解消されるのでしょうか?
まず、どうして誰かとつながりたいと感じるのか、あらためて考えてみましょう。というのも、ただつながっている“だけ”では、孤独や不安を感じ続けてしまうこともあるからです。誰かとつながりたい理由を言語化してみると、一例としてこんな理由が考えられます。
- 仕事の“あるある話”に共感してほしい
- 自分が頑張っていることを誰かに認めてほしい
- 価格の相場観や仕事のトレンドなどの情報交換がしたい
- 同業者の人脈を通じて新しい仕事を開拓したい
- 自分の人材価値やスキルについて客観的に評価してほしい
1と2はSNSでつながっているだけでも解消できそうですが、3以降になってくると、互いの仕事について詳しく打ち明けられる信頼関係や、相手の経験値やスキルを推し量るためのコミュニケーションが必要になってきます。これはなかなか表面的なつながりだけでは叶いません。
そうすると、より深い関係性を築ける場所が必要になります。巷にはフリーランス向けの交流会を開催する企業や、フリーランス自身が立ち上げたオンラインサロンも多くあります。SNSを運用していても孤独が解消しきれなかった場合、これらの場に参加しようと考える方は、意外と多いのかもしれません。
もちろん、既存のコミュニティを活用することは間違いではありません。一方、「その場にいれば誰かと必ず信頼関係を築ける」とは限りません。孤独を解消できる相手を見つけられるかどうかは、どこに所属していようと自分次第です。それに、誰かが運営するコミュニティは有料であることが多いですから、満足感を得られないまま参加し続けることは、できれば避けたいですよね。
ではまず、自分がなぜ誰かとつながりたいのか考えて、「つながる」の先を目指すことから始めてみませんか?
孤独や不安が押し寄せると、誰かとつながることをつい優先してしまいがちですが、そこに何を求めるのかを考えることのほうが、孤独を解消するためには大切なことだと私は思います。
では、どうしたら「つながる」の先、つまりフリーランス同士で深い人間関係を築くことができるのでしょうか。私はこれまでの経験上、フリーランス同士の関係性で重要なのは「量より質」だと思っています。
まず、自分とおなじ業種・働き方であるという共通点だけでなく、仕事の仕方や考え方が尊敬できる人、あるいは興味を持てる人を見極めましょう。関係性を深めたい人を探そうと思ってポートフォリオやSNSの投稿をチェックしてみると、見える景色が変わります。
また、互いに「気が合う」「仕事の話をしたらwin-winな関係を築けそう」と思えることが重要なので、「相手から自分がどう思われるか」という視点も持ちましょう。相性は互いに判断しあうものなので、一方的な熱意だけでは関係が成立しません。
さて、関係性を深めたい人を見つけたら、突然仕事の話をするのではなく、雑談なども交えつつ距離を縮めていきましょう。はじめから仕事を依頼したいのであれば話は別ですが、フリーランス同士、あるいは同業者同士でつながりたいのであれば、仕事を抜きにして気が合うかどうかも大切です。SNSのリプライを通じた交流は、このプロセスに適した手段ですね。
ある程度接点を増やすことができたら、お話しできる場にその人を誘ってみましょう。居住地が近いのであればオフラインでも構いませんが、初回はオンラインのほうがお互い気軽かもしれません。いずれにせよ「つながる」の先にいくためには、対話する機会をつくる必要があります。
私の場合は「この人こそ」と思える人を見つけたら、「忙しくないときに、オンラインでお話してみたいです!」と自分からお誘いするようにしています。相手が断りづらくならないように、なるべく気軽に。こうしたお誘いを通じて、仕事について熱く語り合える人と出会えることが幾度もありました。
逆に私のことを誘ってくださる方がいた場合、必ず一度はお話するようにしています。すべての関係性が続くわけではありませんが、孤独になりやすいフリーランス同士だからこそ、自分に対して興味をもってくださった方をできるかぎり大切にしようと心がけているんです。
こうした人間関係の築き方を重視するようになったのは、それこそ本音で話せる同業者の皆さまからフリーランス同士のつながりで失敗した話を聞いたし、私自身も失敗したからです。
たとえば、ある方はSNSを通じてフリーランスの仲間をつくろうと、積極的にSNSを運用していたそうです。優秀なフリーランスであることを強調するナレッジを投稿したことで、有益な情報を求める多くのフォロワーを獲得することに成功しました。
しかし、そのフォロワーの多くは「教えてください」というスタンスの人ばかり。結局、対等に相談できる人は見つからず、自分自身の孤独は解消できなかったと振り返っていました。
また、別の方の経験談も印象に残っています。その方は同業者が集まるオンラインサロンに参加し、そこで気が合う仲間を見つけました。サロンメンバーであることをプロフィールに掲げ、メンバー同士のコミュニケーションに注力し、そのサロンを経由する仕事に集中した結果、いつのまにか自分が獲得してきた仕事は激減してしまったのだそう。
しかも、サロンを経由した仕事は「メンバー同士だから」「挑戦の機会だから」という理由で、ほかより安い仕事ばかり。仕事の幅を広げるために思いきって有料サロンに参加したのに、売上は落ちてしまったとのことでした。
そして、これは特定の経験談ではないのですが、「成功している同業者の姿をSNSやメディアで見かけると、自信を喪失してしまう」という話をよく聞きます。その気持ちは痛いほど理解できますが、「そもそもどうしてその人を見ているんだっけ?」と振り返ってみると、すこし考え方を変えられるかもしれません。
もしも誰かの業績を見るならば、自分とその人を比べるよりも、自分がその人と関わりをもちたいかどうかにフォーカスしたほうが、ストレスなく情報を受け止められるはずです。そんなふうに周囲を見るのが難しいというときは、つながりを求めて情報を追うのを、しばらく意図的にやめてみるのもいいかもしれません。
私自身の失敗談もひとつ紹介すると、趣味の話をきっかけに仲を深めたフリーランスの方が、「仕事を増やしたい」と相談してきたことがあります。私も「話しやすい相手だから」と安易に仕事を依頼したところ、成果物の品質が期待値と合わず、その方との人間関係自体が悪くなってしまいました。
フリーランス同士の人間関係は、仕事と切り離せない部分があります。ただ「つながりたい」で生まれた関係を仕事に持ち込むと、かえってうまくいかないこともあります。逆に、仕事が欲しいからとつながっても、思うように仕事がもらえないこともあることでしょう。
だからこそ、フリーランス同士が仲を深めるときは「友だち」と「仕事仲間」の境界線を適切に引くことが大切なのだと学びました。大切な人間関係を壊してしまった反省があるからこそ、なぜフリーランス同士でつながりたいのか、じっくり考えるようになったのです。
単純に心地いい関係性と、フリーランス同士としても有益な関係性を両立させるのは、そう簡単ではありません。フリーランスが抱える孤独を解消するためには、その難しさを受け止めつつ、win-winな関係を築ける誰かをあきらめずに探していく必要があると思います。
SNSでつながりを増やす、あるいはオンラインサロンに参加するのも、間違いではありません。もしかしたら、あなたの孤独はそれで解消できるかもしれません。でも、もしもそれで不安が拭いきれなかったり、自分が求めるものがそこにないのであれば、どんな人がそばにいれば自分が働きやすいのか、あるいはどうすれば自分が安心できるか、じっくり考えてみましょう。
(執筆:宿木雪樹 編集:少年B)
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