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「謎解きイベントじゃなくてもよかった」謎解き社長に教えてもらった、その仕事をやる理由

謎解きイベントじゃなくてもよかった

「フリーランスは専門性が必要な時代」と言われることが多くなりました。でも、専門性とは、いったい何なのでしょうか。わたしはライターをしていますが、グルメに旅行におもしろ記事まで、書けそうなものは何でも手当たり次第に書いています。自分の専門性って何だろう……そんな悩みを持つフリーランスも少なくないはず。

そんなとき、ふと気付いたのです。「ニッチだけどオンリーワンなお仕事をしている人の生き方に、専門性を身につけるヒントがあるのでは?」と。

今回はさまざまな謎解きイベントを企画・制作する『株式会社ハレガケ』の社長、黒田洋介さんにうかがった「そもそも専門性は本当に必要なのか?」という話をお届けします。

黒田洋介(くろだ ようすけ)
黒田洋介(くろだ ようすけ)

1986年生まれ。2013年に『株式会社ハレガケ』を創業。「We are Hero Makers」をミッションに掲げ、謎解きイベントを通じて参加者、キャスト、企画者みんなが自分を活かして活躍をする場作りを行っている。

聞き手:少年B
聞き手:少年B

1985年生まれ。フリーライター。謎解きイベントはここ数年とても気になっているが、知らない人ばかりの中に飛び込むことがこわくて、なかなか最初の一歩を踏み出せずにいる。

「謎解き」がやりたいわけではなかった

黒田さん

少年B:
さっそくですが、黒田さんの会社「ハレガケ」は謎解きイベントを企画制作する会社ですよね。具体的にどのような事業を行っているのでしょうか。

黒田:
主に「商業施設のプロモーションや地域振興のための謎解きイベント制作・提供」「社員の懇親を深める謎解きイベントのプロデュース」「toC向けの謎解きイベント」の3つです。会社にはアルバイトを含めて現在17人のメンバーがいます。

少年B:
黒田さんは、なぜ謎解きイベントのお仕事を始めたんですか?

黒田:
最初から「謎解きイベントをやろう」と思っていたわけではないんです。2013年ごろ、会社員のかたわらさまざまなイベントを作っていまして。最初は「そのうちのひとつ」という感じでした。試しに作ってみたら意外と評判がよかったのが謎解きに関わる始まりでした。

過去に行われたイベントの例

少年B:
謎解きイベントありきではなかったんですね!

黒田:
まずはなんとなく「やってみようかな?」くらいな感じでした。自分の特性として、器用貧乏なところがあって。「一流にはなれないけど、二流には早く到達できる」って部分があるので、色々なことに手を出していたんです。そうして色々と試していく中で、謎解きイベントのニーズを感じたんですよね。

少年B:
お若いうちから自分の特性を理解していたんですね……! 初めてイベントを企画したのはいつごろですか?

黒田:
大学生のころ、就職活動支援サークルでイベントを開催したのが初めてですね。コミュニティをつくる、人間関係をつくるのが自分にとって大事だなと、当時は思っていました。

黒田さん

黒田:
大学を卒業してからは、「コーチングを使って生徒の可能性を引き出す」というコンセプトの塾に出会い、そういう関わりも素敵だなと塾という業界を選び新卒で入りました。塾なら起業しやすそうだなというのもあったので。ただ、1年勤めてみた結果、「僕あんまし子ども好きじゃないな」って……。

少年B:
気付いてしまったんですね。

黒田:
それで、個人で「楽しく学べるイベント」みたいなものを始めたんですが、学びも楽しさも中途半端な感じになってしまって。そこで楽しさに振ろうと思って、いろんなイベントを企画していました。

少年B:
それは副業としてですか?

黒田:
半分趣味、半分副業みたいな感じですね。イベントだけでは食べていけないので、会社員をやりながら土日とか、平日の夜にいろいろイベントを企画していました。

黒田さん

少年B:
いまでこそ大人気の謎解きですが、最初のころはどのようにマネタイズや集客をしていたのでしょうか。

黒田:
ひたすら自主イベントを開催して、参加費をいただいてギリギリ……って感じでした。SNSやイベントサイトで告知をして。共同創業者もイベンターだったので、そのイベントに参加したお客さんが来てくれたりとか。

少年B:
なるほど……。

黒田:
初期のころはまだ会社員もやっていたので、イベントでそこまで稼げなくても暮らしていけたんです。そして実績が積み重なっていく中で、ホームページを開設して「企業向け謎解きイベント」ってメニューを知った企業さんが声をかけて下さったりして、徐々にお仕事依頼が来るようになった感じですね。

少年B:
黒田さんの手掛ける謎解きイベント制作のお仕事では、どのようなものが多いですか?

黒田:
いまは企業さん相手が多いですね。商業施設や地域活性化イベントなど、たとえば高島屋さんの施設内を巡ってもらう謎解きですとか。

『幸せのバラを集めて』パンフレット

▲日本橋高島屋とコラボしたリアル謎解きゲーム『幸せのバラを集めて』パンフレット

「謎」は締切に追われて作る

パンフレット中身

少年B:
謎解きイベントには当然「謎」が欠かせないと思いますが、さまざまな謎のアイデアはどこから生まれるんですか?

黒田:
いろんな謎解きをインプットすることで生まれてくるって感じですかね。デザインもそうなんですが、「どういう見せかたをするのか」がすごい大事だったりするので。視点の組み合わせで考えていくことが多いです。

少年B:
黒田さんは昔から物事を考えるのが好きな子どもだったんですか? たとえばなぞなぞが得意だったり。

少年B

黒田:
よく聞かれるんですが、昔から謎をつくってた、とかじゃないんですよ。言葉遊びはわりかし好きな方でしたけど……。

少年B:
じゃあ、どうやって謎を作るんですか?

黒田:
社内にもいろんなタイプの人がいるんですが、僕の場合は「締め切りがあるから」ですね。締切が謎を作るタイプと言うか。逆にいうと締切がないと作れません(笑)

少年B:
締切に追われてなんですね!(笑) なんだか親近感が湧きました。

作るのは謎じゃなくて「自分がいる理由」

少年B:
そもそもですが、謎解きイベント会社・ハレガケの起業はどのような経緯だったんですか?

黒田:
のちの共同創業者になるイベンターの方に「無人島でバーベキューをやるから、何かイベント企画作ってよ」と言われて。それが割とうまくいって、そこからじゃあ一緒にやろうか、って話になりました。いまウチでは『NAZO×NAZO劇団』ってブランドで、キャストと絡みながら謎を解くイベントをやってるんですけど、その原型を作ったり。

少年B:
運命の出会い的な……。

黒田:
どうですかね……。でも価値観は近かったです。彼はシェアハウス経営が本業で、イベントも「第二の家族を作る」ということを大切にしていて。僕は「自分を100%発揮できる、人の活きる場を作る」ことに重きを置いていたので。

黒田さん

黒田:
人が思いっきりはしゃいだり、自分の力で難しいものに立ち向かっていく体験ってすごくいいなと思っていて。そういう場を作りたいんです。それにその体験って、その人がそこにいないと成り立たないですよね。

少年B:
……といいますと?

黒田:
たとえば演劇や映画であれば、そこに「自分がいる理由」ってありませんよね。見ている人がいなくても劇は進むので究極的にはいなくても成り立つかな、と。もちろんそれが悪いわけではないですが。

少年B:
「自分」はあくまで観客ですもんね。

黒田:
でも、謎解きはそこに「自分」がいないと始まらないんですよ。キャストもいるけど、謎を解いて、物語を進めるのはあくまでも参加者本人なんです。

リアル謎解きゲーム

黒田:
「謎解き」自体は手段で、そうやってイベントという仮初の場ではあるけども「人が輝ける場を作ること」が目的なんです。「謎解きが好きか?」と聞かれたら、好きでも嫌いでもないんです。でも謎解きへの愛がないわけでもなくて、謎解き以上に、僕のやりたいことを実現できる手段ってないのかな、と思っています。

いまは社員も増えたので、僕の仕事は謎作りよりも組織作りがメインになっているんですが、その場所がイベント会場から社内に変わっただけで、やりたいこと自体は変わってないですね。メンバーそれぞれが考えて、成長して、自分らしく生きていける環境を作っていきたいという。

謎制作者の募集では「謎を作ったことない人」ほぼ不採用

黒田さん

少年B:
現在黒田さんは会社として謎解きをプロデュースしていますが、「どういう人を採用したい」みたいなのはありますか?

黒田:
たとえば謎制作者の新卒応募だと、「謎を作ったことないけど作りたいです!」みたいな人はほぼ落としてますね。謎作りに設備やお金はいらないので、まずは自分で作ってみたらいいんじゃないかなって思います。

自分から動ける人じゃないと、会社に入っても結局謎は作れないと考えてるんです。いや、うちのノウハウが足りないだけかもですが、謎って「教えてもらって作れるもの」ではないので。

少年B:
会社として、「謎解きはこうやって作ろう!」みたいなのってないんですね。

黒田:
残念ながら、ないんですよね。その謎がいいかわるいかを判断するところはあるんですけど。

少年B:
えっ、それは気になります。言える範囲でぜひ教えてください!

黒田さん

黒田:
「謎の難易度が適切か」「ユーザビリティに優れてるか」「ただの作業になってないか」といったところですね。テストプレイを何度かするので、そこで実際の反応を見ながら選んでいきます。やっぱり想像よりも簡単だとか、難しいとかはあるので。

少年B:
謎解きイベントのクリア率ってどれくらいなんですか?

黒田:
スタイルにもよるのですが、2~3割ぐらいが多いですね。クリアしたときの喜びは大きくなきゃいけないので、クリアしない場合が当たり前として、がんばれば解ける、みたいな感じで作っています。お客さんの層によって、たとえば謎解きファンみたいなお客さんが多くいらっしゃるとクリア率は高くなりますけどね。

専門性は本当に必要なのか?

少年B:
今回は専門性にまつわる取材なのですが、黒田さんご自身は謎解きイベントというニッチな分野を特別やりたいわけではなく、あくまで手段の一つとして考えているように見受けられました。

そんな黒田さんが、「自分だけのスキル」を見つけたい人に一言かけるとしたらどう言いますか。

黒田:
何が自分にとって大事なのかってのをまず知らないといけないかな、と。僕は謎作りじゃなくて、場作りがしたいわけですし。

たとえばデザイナーの方であれば、「デザインをする行為が楽しい」とか、「美しいものを作ることが楽しい」とか、「評判実績を作っていくってことが楽しいのか」みたいに、おなじ仕事をしていても、みんないろんな目的があると思ってて。

「何かを実現するために」やるのか、「誰かのために」やるのか、それとも「手段が重要」なのか。誰かのためにやる人は、わりとやることの中身は選ばなくて人からの感謝などが大事なんじゃないかなって感じます。

少年B:
なるほど。

黒田さん

黒田:
専門性が差別化できるほどなくても人間関係から仕事を取ってくる人っていますよね。それはそれでいいと思ってて。人との関係性を構築していくことが楽しいのかもしれないですし。

業界の中で唯一無二の存在になりたいのならそのレベルの専門性も必要だと思うんですけど、仕事をとるってことに関していうとそうじゃない方法がいくらでもあります。そう考えたら、「そもそも、差別化できるほどの専門性って必須ではないんじゃないか?」って思うんですよ。

少年B:
専門性は必要不可欠なものではないと。

黒田:
仕事の発注側からしたら、成果物を安定したクオリティで納品できることが一番大事なわけですが、そこに高い専門性が必要じゃないケースもありますよね。高い専門性はあくまで、他の人たちとの差別化なわけで。専門性をつけることは手段のひとつなので、目的によって手段は変わってくるんじゃないかなぁと。

少年B:
なるほど! 「なぜ専門性が欲しいのか」が大切なんですね。

黒田:
もちろん、専門的な能力を欲しがっている企業も多いので、専門性で勝負したい人はしっかりわかりやすく「ここにいるよ!」って声を出すのも大切です。ほんとに小さいことですけど、そういうところからやっていけばいいんじゃないかな、と個人的には思います。

黒田さん

【記事のまとめ】

  • 「手段」と「目的」、自分にとってどちらが大切なのかを知ろう
  • 専門性とは目的ではなく、あくまで手段のひとつである
  • 目的が大事なら「ニーズのある」手段を選ぼう
  • 自分の大切なものによっては、専門性は必ずしも必要ではない

(執筆:少年B 編集:北村有 撮影:じきるう)

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