エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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こんにちは、企業の発信支援が生業のライター・宿木雪樹(やどりぎゆき)です。法人成りしてからの年月も含めるとフリーランス5年生ですが、振り返れば私はほとんど営業をしたことがありません。
フリーランスは自分で仕事を獲得する必要がある働き方ですが、じつは「知人からの紹介」による案件獲得が意外と多いことをご存知ですか? 私の場合も、紹介案件がここまでのキャリアを支えてきてくれました。営業に時間を割かず、好条件かつ得意分野の案件が増える好循環に恵まれています。
とはいえ、周りを見ているとなかなか仕事を紹介されないと悩む方も多いようです。そんな方に、本記事では私が実践してきた「知人からの紹介」を得るためのノウハウと、なぜフリーランスにとって紹介案件が重要かをお伝えします。
広告系の企画制作会社、教育事業会社での企画職を経て、2017年ライターとして独立。ビジネス領域のインタビュー記事執筆を中心に実績を重ね、2020年株式会社宿木屋を設立。チームで言葉を軸にした企業の発信支援を行う傍ら、個人名義でのコラム執筆や創作活動もしている。(X:@yuki_yadorigi)
目次
ノウハウをお伝えする前に、まずはフリーランスがどのように仕事を獲得しているのかおさらいしましょう。案件獲得のスタンダードな手段として「営業」を思い浮かべる方も多いと思いますが、フリーランスの場合、実態は少し異なるようです。
フリーランス白書2022の調査によると、調査対象であったフリーランスのうち65.9%が「人脈(知人からの紹介を含む)」によって仕事を獲得したと答えています。一方「自分自身の広告宣伝活動」による獲得は26.2%と少数にとどまっており、フリーランスの案件獲得のスタンダードは営業ではなく人脈と捉えることができそうです。
では、なぜフリーランスの場合、案件獲得の大半を知人からの紹介による仕事が占めるのでしょうか。
忘れがちなことですが、営業そのものに利益は発生しません。企業のように営業部門と制作部門が分かれていないフリーランスの場合、営業によって制作のリソースを割かれることが、長期的に見れば大きなロスにつながります。
もちろん、挑戦やキャリアアップのための営業であれば、将来的にはプラスかもしれません。しかし「仕事がないから営業しなきゃ」という考えばかりだと、営業要らずの同業者よりも業務に充てる時間が取れず、実績も伸びないため良い仕事が得られない悪循環にはまってしまいます。
フリーランスにとって営業はできるだけ少なく、むしろ一切せずに仕事が勝手に入ってくるのが理想です。そう考えると、知人からの紹介はまさに救いの手といえるでしょう。
フリーランスにとって意外な痛手になるのが「失注」です。交渉を重ねても条件が合わなかったり、実際に取引してみて継続が難しかったりということが重なると、時間のロスだけでなく、精神的な疲弊も大きくなります。
ここに「知人」が介在することで、失注問題のほとんどは解決されます。取引先からないがしろにされることはまずありませんし、そもそも紹介がある時点で友好な関係を築けている取引先であることがほとんどです。
もしも友人から「おすすめのレストランを紹介して」と言われたら、「ジャンルは? 価格帯は?」といった疑問が湧きませんか? また自分の大好きなレストランを紹介する相手は、同様に大好きな友人ではないでしょうか。
仕事の場合も同じで、紹介される時点で信頼できる相手同士がマッチングするし、条件もある程度はフィルタリングされているのです。そのため、知人からの紹介は失注ロスの削減につながります。
先ほどの「失注が少ない」という理由はフリーランスの視点で書きましたが、これについては頼む企業側も同じリスクを抱えています。
企業側の気持ちを代弁すると、知らないフリーランスなんて正直、まったく信頼できません。たとえ実績があろうと、SNSで発言力があろうと、実際に仕事をして「大丈夫」である確証は持てないものです。
そこに自分が信頼する何者かから「あの人なら大丈夫」と太鼓判を押されたならば、それほど安心できる情報はありません。フリーランスにとっては、口コミこそ最大の武器です。ポートフォリオの充実ももちろん重要ですが、ひとつの実績からいかに口コミを広げられたかのほうを私は重視しています。
フリーランスにとっていかに「知人からの紹介」が大事か熱く語りましたが、そうはいっても紹介が来なければどうにもなりませんよね。
知人から仕事を紹介されない人に私がまず確認したいのは、本質とずれたところに問題意識を持っていませんか、ということです。
「私は人付き合いが苦手だから」という理由で、人脈による案件獲得をあきらめている人をよく見かけます。
が、それは大きな間違いです。案件を紹介してくれる「知人」とは、「友達」ではありません。ドライな言い方をすると、仲良くなくても仕事は紹介されます。
私の場合、友達と呼べる友達は指折り数える程度で、雑談したり遊んだりするのがもともと苦手です。いわゆる交流会などのイベントも、ここ数年は参加していません。それでも相変わらず紹介が絶えませんし、だからといって貧しい生活をしているわけでもありません。フリーランスになってから、自分が稼いだお金で家も車もSwitchもヨギボーも買いました。
先ほど仲良くなくても紹介は来ると書きましたが、ここをもう少し細かに見ていきましょう。そもそも、紹介はどこから舞い込むのでしょうか。
まず、似たような仕事をしている同業者にはあまり期待しないこと。友好関係を深めるのは楽しいですが、仕事を求めて頼る相手ではありません。たとえ案件があったとしても、リソース不足によるヘルプ目的で、条件があまりよくないです。
紹介の一番の有力筋は、いま取引のあるクライアントです。いい成果物を提供すれば、クライアントがその評価を周囲にも広げてくれます。
同様に、異業種で働くフリーランスからの紹介も多いです。たとえば、Webデザイナーが受注した案件のテキスト部分をお願いしたい、といった形でチームのように働くことがよくあります。
最後に、上位レイヤーの仕事に足がけする同業者を見極めましょう。ライターの場合を挙げれば、純粋にライティングのみ受注するタイプと、その上流のメディア戦略の構築や編集といった業務に携わるタイプがいます。後者は自身の仕事から染み出した案件を紹介してくれる可能性が高いです。
ここからは、知人の紹介で案件を得るコツをお伝えします。先ほど挙げた「知人」のタイプによって攻略方法が変わるので、それぞれチェックしていきましょう。
対クライアントで必要なのは、とにもかくにも満足度を高めることです。商品を提供するのはプロとして当たり前ですから、その先にある顧客満足を意識しましょう。
この満足の指標は、相手によってさまざまです。素早い対応、正確さ、提案力など、相手が求めるステータスに合わせて自分をチューニングするのがおすすめ。ただし、誰でも苦手なことはあるので、苦手なことを求められる案件ならば、いさぎよく他の同業者に仕事を譲る覚悟も持ちましょう。
クライアントから仕事を紹介してもらえたということは、つまり同業者の中でナンバーワンだと思っていただけたということです。「クライアントにとっての価値」を追求し、自分の中で適切な目標を設定して取り組めば、わらしべ長者のように紹介が連なっていきます。
私の場合は、スタートアップ企業を中心とした採用コンテンツで上記を意識し、採用担当者同士の口コミで案件が増えていきました。
対フリーランスの場合は、Win-Winな関係になれることが重要です。自分が何をしているフリーランスなのか、そして相手が何をしているフリーランスなのかを、お互いカジュアルに共有しておくことを心がけましょう。
このプロセスに関しては、多少の雑談力が必要かもしれません。ポイントは、相手の仕事を深く理解し、柔軟に対応できる準備をしておくことです。仕事内容の前提に理解があるというだけで、コミュニケーションコストが減りますし、信頼を得られます。
「何かあったらよろしくね」が異業種のフリーランス仲間との合言葉です。私の場合、「書くことでモヤモヤしたらいつでも声をかけて」とさまざまな業種のフリーランスの方に伝えています。
対同業者の場合は、とにかくプラスアルファの価値を提供しましょう。上位レイヤーの仕事を持っているタイプの同業者は、だいたい調整業務やトラブル対応などで大忙しです。受け身で仕事を待つのではなく、少し突っ込んでサポートすると重宝されます。
私がまだ編集未経験だったころ、ライターと編集者を兼任している方とご一緒する機会があり、ほぼ二人三脚で働かせていただいたことがあります。当時の私はライターでしたが、とにかく私にできることはやろうと、企画書作成や調整業務などを率先して手伝っていました。いまでもその方から編集案件を紹介していただきますし、あのとき学ばせていただいたことに感謝しています。
知人からの紹介を増やしていくためには、逆に注意してほしいこともあります。相手の立場を考えればおのずとわかることばかりなのですが、ついやってしまいがちなことをピックアップします。
余力があると「お仕事ください!」と言いたくなりますが、そこはグッと堪えましょう。SNSで投稿するならまだしも、特定の担当者にそれを送るとなると、相手も対応に手間がかかり、繁忙期なら迷惑になることすらあります。
紹介が来ないということは、相手の仕事量や受け持っている仕事の相性、スキル面などを考慮した結果、現在あなたにお願いできる仕事はないということです。
相手にも仕事仲間を選ぶ権利があるので、紹介をせがむのはやめておいたほうが無難です。
たくさん知人がいれば紹介が来るかといえば、そういうわけではありません。
100人に名を知られるより、1人にとってナンバーワンになることのほうが大切です。いま携わっている案件、いまやりとりしている人に尽くすことを心がけましょう。
フィーリングがあう仕事仲間には、少なからず出会います。そういう人との取引はスムーズですし、紹介がつながる可能性が多いにあります。
だからこそ、最低限の礼儀をわきまえ、相手に不快にさせないための配慮を怠らないことが大切です。
うまくいく相手を雑に扱ってしまう人は、たいてい仕事の紹介が来ません。あなたはそんなつもりがなくても、雑に扱われたほうはそれなりに嫌な思いをしているからです。
ここまでは知人からの紹介によって仕事を獲得する方法について書いてきましたが、それ以外にも仕事を獲得する方法はあります。ここに書いたようなノウハウに苦手意識がある人は、各種サービスを活用してみると良いでしょう。
仕事と働き手をマッチングさせるプラットフォームは、ニーズにあわせて応募することができるため、自分ひとりで営業するよりも効率的に、自分に合った仕事を獲得することができます。
フリーランス・副業のマッチングに特化した『Workship』は、週1〜OK、土日OK、公開案件の半数以上がリモートOKなど、働き方にあわせた柔軟なお仕事が多数掲載されています。
トラブル相談窓口や会員制優待サービスの無料付帯など、安心して働ける仕組みがあるのも特徴。時給1,500円〜10,000円の高単価な案件のみ掲載しているため、手厚いサポートを受けながら、良質な案件を受けたい方におすすめです。
フリーランス向け仕事マッチングサイト13選【専門メディアが厳選】
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エージェントが案件獲得をサポートするサービスを活用すれば、案件探しの手間を省くことができ、かつ適した仕事を見つけ出すことができます。
近年はリモートワークに特化したエージェントサービス『Remogu』など、柔軟な働き方に応じた案件紹介を強みとするプラットフォームも増えてきています。
フリーランスエージェントおすすめ10選|専門メディアが比較・解説
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『Lancers』や『クラウドワークス』など大手プラットフォームであれば、ステップアップにつながる案件も一部あります。
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一つひとつの案件に対して真摯に取り組み、クライアントのニーズを満たすことを追求していれば、いずれ紹介される機会も増えていきます。良い仕事に恵まれれば単価や作業時間などの安定性も高まるので、よりスキルの高いフリーランスを目指すこともできるでしょう。
今回書いた知人からの紹介を増やすコツを参考にしつつ、ご自身に合った案件獲得のスタイルを探してみてください。
(執筆:宿木雪樹 編集:少年B)
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