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2009年にGoogleが開発したプログラミング言語『Go(通称:Go言語、golang)』。シンプルな文法なので誰が書いても読みやすく、かつ高性能なGo言語は多くのエンジニアが注目しています。
また2018年度プログラミング言語年収ランキングで1位を獲得していることから、企業からの需要も高いプログラミング言語であると推測されます。
しかし、Go言語とはどんな特徴を持つ言語なのか、Go言語でどんなサービスが開発できるのか、よく知らない方も多いでしょう。
この記事では、以下の3点について解説します。
- Go言語の特徴/できること
- Go言語はどんな方に向いているか
- Go言語のおすすめ学習方法とは
Go言語とは、シンプルな文法と高いパフォーマンス、環境を選ばず使える汎用性が特徴のプログラミング言語です。あえて凝ったコードを書けないよう設計されたシンプルな文法によって、誰が読んでも分かりやすいプログラムを実現しました。
またパフォーマンスはJavaやC++並みの高さです。そのためGo言語はネットショッピングの決済処理といった、
で活躍します。
さらにGoroutineと呼ばれる手続き処理により、実装に手間がかかりがちな並行処理を簡単に実装できることも、多くのエンジニアの支持を集めている理由です。
Go言語は、Javaのようにさまざまなものを作れる汎用的なプログラミング言語です。
パフォーマンス性が高く、さまざまなOS向けのバイナリファイルへと変換できるGo言語の特性を生かせば、多岐にわたるアプリやサービスが作れます。
この項目では、Go言語でできることを5つ紹介します。
- 実用的なプログラミング言語を作る
- 開発者向けの高度なソフト/ツールを開発する
- ドローンやロボットなど高度なIoTを作る
- 長期間運用するWebサービスをチーム開発する
- 決済など重要な処理を正確にこなすマイクロサービスを開発する
扱うプログラミング言語によって、できることや得意なことは異なります。
Go言語を学習する前に「自身がやりたいこと」と「Go言語でできること」が一致しているかを、あらかじめ確認しておきましょう。
Go言語はプログラミング言語そのものを作れます。実行速度が早く、さまざまなOS用にコンパイルできるGo言語は、プログラミング言語を実装するための十分な機能とスペックを備えているのです。
実際にGo言語で作られたプログラミング言語の代表例は、なんとGo言語自身。
開発当初はC言語によって実装されていたGo言語ですが、2015年のバージョン1.5へのアップデートにより、Go言語はGo言語自身によって実装されるようになりました。
Go言語を使えば、開発者向けの高度なソフト/ツールを開発できます。Go言語は、実装したプログラムをさまざまなOS向けの実行ファイルへ変換できるため、ソフトやツールとして簡単に配布できるのです。
Go言語で開発された開発者向けソフト/ツールの代表例には『Docker』があります。Dockerは、環境の違いを気にせず開発や運用ができる「コンテナ」と呼ばれる概念を実現しました。これまで多くのプロジェクトの悩みであった「開発環境では動いていたのに商用環境では動かなかい……」といったバグを、根本から解決してくれたのです。
Docker以外にも、さまざまなOS間で容量を気にせずファイル共有できるツール『Syncthing』や、静的サイトジェネレータ『HUGO』など、多くのツール/ソフトがGo言語で作られています。
Go言語を使えば、ドローンやロボットなどの高度なIoT機器を作れます。高いパフォーマンスと汎用性をほこるGo言語は、IoTのような組み込みシステムの開発にも向いてるのです。
Go言語のフレームワーク『Gobot』を使えば、『Raspberry Pi』『Intel Edison』などの小型コンピュータや、各社のドローンやロボット、キーボードやモーションコントローラなど、さまざまなデバイスを高度に制御するプログラムをより簡単に実装できます。
またGobotには、ネットワーク上のデバイスや複数のデバイス間で相互に通信できる機能があります。これらを利用すれば外出先からデバイスを遠隔操作したり、センサーが反応したときに他のデバイスと機能を連動させたりできるのです。
Go言語を使えば、長期間運用するWebサービスをチームで開発できます。
長期運用が前提のWebサービスをチームで開発するときには、誰が読んでも分かりやすいプログラムや新規機能を簡単に追加できる、無駄のないロジックが必要です。
なぜなら、特定の人物にしか分からない「影響範囲の読めないロジック」で構成されたプログラムでは、以下の3つの問題を引き起こす可能性があるからです。
これら3点の問題に対して強みを発揮できるのがGo言語です。Go言語には以下ふたつの特徴があります。
これらの特徴を生かせば、チーム開発で円滑に新しい機能をリリースできる、長期運用向けのWebサービスを開発できます。
もちろん、新規機能だけでなく既存の機能を改善したり、要らない機能を削除したりすることも、Go言語は得意です。
実際に、料理レシピ投稿/検索サービス『クックパッド』にもGo言語は採用されています。
Go言語を使えば、大量のアクセスをさばきながら決済などの重要な処理を正確にこなすマイクロサービスを開発できます。
マイクロサービスとは、「業務単位など、細かい粒度で独立しているサービス」または「細かなサービスを組み合わせて、システムを構築していくソフトウェアの開発技法」です。
マイクロサービスのうち、決済や認証などの重要な処理には多数のアクセスが殺到します。
多数のアクセスを素早く正確にこなせるよう実装するには、パフォーマンスが高く、かつ開発におけるバグの発生も抑えやすいGo言語が向いているのです。
実際に、マッチングアプリの『Pairs』などさまざまなサービスでGo言語によるマイクロサービスが実装されています。
文法がシンプルで基礎をしっかりと押さえることができるGo言語は、次のような方におすすめです。
Go言語は、PythonやRubyなどの「動かすのが手軽な言語」と比べると、習得して自在に動かせるようになるには、必要な学習量が多いです。
しかしその分、どのプログラミング言語にも共通する基礎力を身につけられます。
また、Go言語は自作したプログラムをさまざまなOSで実行可能なファイルに変換できます。そのためPC上で動作する自作ツールを配布したい方にもおすすめの言語です。
Go言語を習得するのにおすすめの学習ステップを4つご紹介します。
- Go言語公式チュートリアル『A Tour of Go』をやる
- コマンドラインで動くアプリを作る
- 簡単なWeb-APIを作る
- プログラミングスクールを利用する
Go言語には、初心者がスムーズにGo言語の基礎を習得できる公式チュートリアル『A Tour of Go』が用意されています。
Go言語を覚えてみたいという方は、まず入門書や公式ドキュメントなどの解説を読みながらこの公式チュートリアルを1ページずつ進めていきましょう。
A Tour of GoではWebブラウザ上からGo言語のコードを実行し、その結果を確認しながらGo言語の文法を学べます。A Tour of Go内の説明はすべて日本語で書かれているため、英語が苦手な方でも学びやすいです。
A Tour of Goで学習を進めるときのポイントは、チュートリアルのプログラムが一行ごとになにを意味しているのかを、どこかにメモしながら少しずつ解き明かしていくことです。
とくに、はじめてプログラミング言語を触るのがGo言語の場合は、より入念に一行ごとの意味合いを理解するよう心がけましょう。
チュートリアル内には、プログラミング言語全体に共通する一般的な事柄は説明されていないことが多いため、分からないプログラムや単語は、入門書や解説記事を調べながら進めていくのがおすすめです。
一行ごとにしっかりと意味合いを押さえながら学習するのは、時間がかかるでしょう。しかし時間をかけた分だけ、Go言語を含むプログラミング言語全般の基礎力や応用力が身につきます。
Go言語の公式チュートリアルA Tour of Goを一通り学習したら、次はコマンドラインで動くアプリを自作しましょう。
基本的には、「自分が作っていてもっともモチベーションの上がるもの」を作るのが良いのですが、どうしても思いつかない方は以下のようなコマンドラインアプリを作ってみてください。
作りたいものを完成させるためにプログラムを実装していくのは、入門書やチュートリアルのプログラムをなぞるのとは違う難しさがあります。
とくに慣れないうちは、実現したい処理に対してどうすれば実装できるかが分からないことも多いでしょう。
そんなときは調べれば必ず分かるはずだと考え、公式ドキュメントや技術書を漁りながら分からないことをひとつずつ潰していくのがおすすめです。そうすれば着実にGo言語のスキルを身に着けられます。
コマンドライン上で動作するアプリ制作を通してスキルを高めたら、次は簡単なWeb-APIを作りましょう。
【Web-API(Application Programming Interface)とは】
HTTPプロトコルを用いてネットワーク越しに呼び出すアプリケーション間、システム間のインターフェースのこと。(略)上記図の右側の「呼ばれる側のシステム」そのものをWeb APIと呼ぶこともある。
引用:「Web APIとは何なのか」
Go言語が多く活躍するマイクロサービスの分野では、Web-APIは必ず登場する概念です。さまざまなWeb-APIの組み合わせでひとつの巨大なシステムを構築できます。
Go言語でWeb-APIをつくるには、Go言語のスキルだけではなく、Web全般の知識も必要です。簡単なWeb-API制作を通して、これまで学習してきたGo言語のスキルをWebの世界へと広げていきましょう。
またWebに関する知識は、Go言語のみならず他のプログラミング言語を扱うときにも必要です。そのためGo言語のみならず他のプログラミング言語スキルを高めたい方にとっても、Web-API制作はおすすめの勉強方法と言えます。
Go言語の学習を進めるにあたり、いまいち理解できない事柄に直面することもあるでしょう。
そんなときに役立つのがプログラミングスクールです。分からないことがあれば、講師に質問しながら学習を進められます。
プログラミングスクールを検討するときは、都内のおすすめプログラミングスクールをまとめた以下の記事を参考にしてみてください。
2024年 東京都内の優良プログラミングスクール20選
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プログラミングスクールの他、Web上で利用できるプログラミング学習サービスもあります。
Webで利用できる学習サービスは、自分のペースに合わせて学習できるのでおすすめです。Web学習サービスについては以下の記事を合わせてご覧ください。
オンラインのプログラミング学習サービス27選
Workship MAGAZINE
Go言語はシンプルな文法と汎用性、パフォーマンスの高さで近年多くのエンジニアから注目を集めているプログラミング言語です。
とくに、小規模なサービスを連携させて巨大なシステムを開発するマイクロサービスの開発や、エンジニア向けの開発支援ツールの開発で活躍をみせています。
長期にわたって運用しているサービスのなかには、既存サービスのGo言語化を進めているプロジェクトも多くあります。今後さらに需要が伸びていくことが予測されるGo言語のスキルを高めておけば、多くのプロジェクトで活躍できるかもしれません。
Go言語でできることとおすすめの学習方法を知ったうえで、効率的に習得してみてください。
<本記事のまとめ>
- Go言語は汎用性/パフォーマンス性ともに高いシンプルな言語
- プログラミングの基礎力を高めたい方におすすめ
- Go言語公式チュートリアル『A Tour of Go』が便利
(執筆:sig_Left 編集:Kitamura Yuu)
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