PHPでできることとは?Webアプリケーションを作るならコレ!

PHPでできることとは

動的なWebページを作ることが得意なプログラミング言語『PHP』。動的なWebページとは、ユーザの入力内容やそのほか外部要因によって変化する流動的なWebページを指します。

PHPは企業のWebサイトから個人ブログまで、さまざまなWebページの制作で使われている汎用性の高い言語です。そのため国内のPHP人口も多く、学習サイトも充実しています。

今回はPHPでできること、習得に向いている人、初心者におすすめの学習方法をご紹介していきます。

PHPとは

PHPは、Webブラウザ上で操作する「Webアプリケーション」の制作に特化しています。たとえばGmailやYouTubeも、Webアプリケーションの一種です。

PHPがもっとも得意なのは、ユーザの入力内容やデータベースに格納されている情報をもとにした、Webシステムの制作。PHPを使えば、ブラウザに表示するコンテンツをプログラム側で動的に組み立てられるのです。たとえば、ブログやECサイトなどにPHPが使われています。

また、HTMLを書きながら要所にプログラムを組み込めるPHPは、条件に合わせてページ内容の書き換えができるのも特徴です。そのため、PHPはあらゆるWebサイトで重宝されています。

PHPでできること

PHPは、動的なWebアプリケーションを作成するのに適したプログラミング言語です。そして、PHPの特性を活かしてできることは多岐にわたります。

この項目では、PHPでできることを6つご紹介していきます。

  • 会社のWebサイトを作れる
  • オンラインショップ機能を実装したWebサイトを作れる
  • コンテンツ管理システムを開発できる
  • WordPressのテーマやプラグインを自作できる
  • 広告配信システムを開発できる
  • SNSを開発できる

扱うプログラミング言語によって、できることは異なってきます。

PHPを学習する前に「自身がやりたいこと」と「PHPでできること」が一致しているかを、あらかじめ確認しておきましょう。

1. 会社のWebサイトを作れる

GIG

▲ 出典:株式会社GIG

PHPでできることのうち、もっとも代表的なのがWebサイトの制作。

多くのサーバーで動作環境が整っているPHPは、会社や個人のWebサイトを作るのにぴったりなプログラミング言語です。

なかには動作させるまでに一苦労するプログラミング言語もありますが、PHPを使えばすぐにWebサイトを立ち上げられます。

またPHPは、Webページの文書そのものであるHTMLのなかにプログラムを挟み込めるため、表示されるWebページとプログラムの関係が一目で分かるのも特徴です。

そのためプログラミング経験が浅くても、「Webページのどこに、どのような処理が実装されているのか」「どこをアレンジすれば目的のページの挙動を変えられるのか」を簡単に理解できます。

2. オンラインショップ機能を実装したWebサイトが作れる

PHPを使えば、Webサイトに「商品カート」や「決済機能」を持たせたオンラインショップを構築できます。

Amazonや楽天のような巨大オンラインショップのみならず、個人のWebサイトやブログに商品販売の機能をつけることも可能です。

また単なる商品の販売機能だけではなく、以下の機能も付与できます。

  • ユーザの購入操作に応じて、出品中の商品の在庫数を変える
  • 商品を購入したユーザに対して、他のおすすめ商品を提示する

3. コンテンツ管理システムを開発できる

wordpress

▲ 出典:WordPress

「Wordpress」や「はてなブログ」など多くのブログサービスには、HTMLやプログラムを編集せずとも、ユーザが簡単に記事投稿や外観設定を行える「管理ページ」があります。

PHPを使えば、こういった「管理ページから簡単にコンテンツを追加・編集できるシステム(CMS:コンテンツ管理システム)」作ることも可能です。

実際に、世の中のブログサービスやCMSの多くはPHPで制作されています。その代表例として、WordPressが挙げられます。WordPressは世界中のWebサイトで利用されており、その数はなんと、「インターネット上に存在するWebサイトのおよそ3分の1を占める」と言われています。

4. WordPressのテーマやプラグインを自作できる

SANGO

▲ 出典:SANGO

PHP製のCMSであるWordpressには、Webサイトの外観を設定する「テーマ」や。Webサイトに機能を追加する「プラグイン」などの仕組みがあります。

この「テーマ」や「プラグイン」もまたPHPで作られています。そのためPHPを扱えれば、既存のテーマやプラグインを個人のWebサイト用にアレンジしたり、自作して全世界に公開したりすることも可能です。

なかには自作テーマやプラグインを有料販売している人もいます。

シンプルで優しいデザインが特徴の有料テーマ『SANGO』や、WebサイトのFirewallが設定できるプラグイン『Sucuri Security(有料版)』などが代表的です。

5. 広告配信システムを開発できる

Revive Adserver

▲ 出典:Revive Adserver

PHPを使えば、Web広告を配信するシステムも開発できます。

Web広告は、決まった内容の広告をただWebページ上に貼り付けているものだけではありません。ユーザの検索履歴をもとに、どの広告ならユーザーが興味を持ちそうかをプログラムで判断し、ブラウザ上に表示している広告もあります。

またユーザーがリンクをクリックしてからブラウザに表示されるまでのわずかな間に、「誰がこのページに広告を出すか」を決める広告配信主向けのオークションも存在します。これはオークションで競り勝った広告主のWeb広告が、ブラウザ上に表示されるシステムです。

世界的に利用されているPHP製の広告配信システムとしては『Revive Adserver』が挙げられます。Revive Adserverは無償のソースコードとして公開されており、サーバーに配置すれば自分用の広告管理/配信システムを簡単に構築できるシステムです。

6. SNSを開発できる

Facebook

▲ 出典:Facebook

PHPを使えば、FacebookやTwitterのようなSNSを制作し、世界中に公開することもできます。

SNSの機能として求められるのは、主に以下の4点です。

  • ログイン機能
  • コンテンツを投稿する機能
  • 他のユーザをフォローし、その投稿を自分のタイムラインに表示させる機能
  • ユーザ同士が個人的にメッセージの送受信を行う機能

PHPは、HTML(Webページの外観))とPHPの内部処理を組み合わせやすい性質を持っています。そのため、SNSに必要な機能を実装するのにぴったりのプログラミング言語なのです。

PHPはどんな人に向いている?

PHPは、Webアプリケーションの開発に特化したプログラミング言語です。その性質上、PHPは以下のような人に向いています。

  • 凝ったWebサイトを作りたい人
  • ブラウザ上で動作する便利なアプリケーションを作りたい人
  • WordPressのテーマやプラグインを作りたい人

PHPを使いこなせれば、簡単なWebアプリケーションから、企業で使用される多機能なWebアプリケーションまで制作できます。

自分の手でいろいろなサービスを作りたい人におすすめのプログラミング言語です。

PHPを学習する方法

ここまではPHPでできることや、PHPの習得に向いている人の特徴をご紹介してきました。それらを踏まえたうえで、ここからは効率的に学習するための方法を解説していきます。

ポイントは以下の4点です。

  • HTML+CSSで簡単なWebページを作る
  • 基本的な構文を覚える
  • 簡単なWebアプリケーションを作る
  • プログラミングスクールを利用する

HTML+CSSで簡単なWebページを作る

Webの基礎的な要素と強く結びついているPHPを使いこなすには、まずHTMLとCSSの基礎理解が欠かせません。

HTMLとCSSの概要について、以下にまとめました。

  • HTML:
    マークアップ言語と呼ばれる言語。人が読むための文書とは違い、マークアップ言語で記された文書は機械やアプリケーションが読み取るためのもの。
  • CSS:
    スタイルシート。HTMLを始めとするマークアップ言語の見た目を定義する文書。CSSを使いこなせば、Webページを美しいデザインにしたり、ブラウザ上で動くアニメーションを作ったりできる。

Webページを動的に出力するPHPは、これらHTMLとCSSの基礎理解が必須です。そのためPHPの学習を始める前に、まずHTMLファイルひとつで表示できる簡単なWebページを制作してみましょう。

HTMLやCSSの入門記事やチュートリアルは豊富にあるので、Webページを制作するときはそれらを参考にすると良いでしょう。HTMLとCSSのみでWebページを作る方法を覚えれば、PHPの習得に役立ちます。

また、Google Chromeなどのブラウザに標準搭載されている開発者ツール(検証モード)を使えば、既存のWebページのHTMLやCSSを見ることも可能です。企業のWebサイトがどんなHTMLとCSSでつくられているのかを見れば、さらに効率よく学習を進められるでしょう。

Chrome検証モード

▲Chromeの検証モード。これをポチポチいじっているだけでも楽しい

PHPの基本的な構文を覚える

HTMLとCSSの基本を学んだら、次はPHPの基本的な構文を覚えましょう。

単純な四則演算や、条件に応じて処理を変更させる条件分岐、繰り返しの処理を行うfor文やwhile文、さらに文字列を出力するechoなど、これらの基礎的な構文を学習してから、実際にプログラムを書いてみましょう。

基本的な構文を理解したら、あらかじめ学習しておいたHTMLとCSSの知識をPHPと結び付けてみます。文字列を出力するechoを利用して、HTMLを出力するのです。

やり方はいたって簡単。PHPを動作させるサーバーを起動して、そのなかにHTMLを出力する自作PHPファイルを配置しましょう。プログラムが正しくHTMLを出力できていたら成功です。

慣れてきたら、次第にHTMLとPHPを複雑化させていきましょう。CSSの知識も組み合わせれば、さまざまなデザイン構成のHTMLを生成できるようになります。

簡単なWebアプリケーションを作る

PHPの基本を押さえたら、次は簡単なWebアプリケーションを作ってみましょう。

Webアプリケーションを作るにあたって、Webにまつわるさまざまな知識を身に付ける必要があります。「HTTPメソッド」「リクエスト」「レスポンス」「パラメータ」などといったものです。

URLに応じて異なるWebページに移動させたり、URLに付与されたパラメータに応じて出力する画面の内容を変更させたりするには、Webの知識とPHPの知識を組み合わせる必要があります。

また情報を保存・管理できる「データベース」の知識も身につけておきましょう。HTMLやCSSなどのフロント、PHPが担うサーバー、さらに情報の管理を行うデータベース。この3つの分野は、Web上で動作するシステム全般を抑えるために必ず必要な知識です。

自作のWebアプリケーション開発を通して、「PHP」と「PHPを利用したWebの知識」の双方を身に付けましょう。

プログラミングスクールの利用

PHPの学習を進めるうちに、調べても理解できない事象に出会うことがあると思います。

そんなときに役立つのがプログラミングスクールです。分からないことがあれば講師に質問しながら学習できます。

またプログラミングスクールのほか、Web上で利用できるプログラミング学習サービスもおすすめです。自分のペースに合わせて学習できます。

必要に応じてスクールやサービスを利用し、自分に合った学習方法でPHPのスキルを身に付けましょう。

まとめ

PHPは世界中で使用されているプログラミング言語です。個人ブログや企業のWebサイト、さらにはオンラインショップやSNS、広告配信システムなど幅広い活躍を見せています。

Webの世界は今後ますます需要が伸びていきます。Webアプリケーション開発を得意とするPHPを習得しておけば、自作アプリを公開したり、Wordpressのテーマをアレンジしてブログを自由にデザインしたりと、汎用性の高いプログラマーとして重宝されるかもしれません。

PHPでできることと適切な学習方法を知ったうえで、効率的に習得してみてください。

(執筆:sig_Left 編集:Kitamura Yu)

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